府内の某町に講演にいって来ました。
町立図書館主催の読書推進事業のひとつです。
テーマは「想像力を育むおはなしの世界」
この地域は、絵本や紙芝居のサークルや読書ボランティアのかたが中心に活動されているそうです。
で、語り、おはなしはあまり聞いたことがないとのことでした。
子どもと本をつなぐものとしては、わたしの市では、もっぱらストーリーテリング(おはなし)が語られているので、近くの地域でもずいぶん違うなあと思いました。
わたしの個人的感覚では、おはなしは絵本の読み聞かせに比べて、かなりエネルギーがいると思います。だから、絵本で楽しく活動されている方にとっては、いまさらおはなしには触手が伸びないのではないか、とも思います。
ただ、わたしの個人的感覚では、絵本を読むよりおはなしのほうが断然おもしろいです。
そして、子どもの想像力を育むということでは、おはなしのほうが力を持っています。
さらに、あいだに本をはさまないから、子どもと語り手の距離がめっちゃ近いです。それは子どもにとっても語り手にとっても幸せの経験だと思います。
と、前置きはこのくらいにして・・・
18名のかたが受講されました。年配の方が多い感じでした。
とっても楽しそうに聞いてくださいましたよ。
講演会の内容(*^▽^*)
1,おはなし会
ストーリーテリング 「七羽のからす」『おはなしのろうそく10』東京子ども図書館
ストーリーテリング 「さるの海岸見物」『語りの森昔話集2』村上郁再話
てあそび 「ちいちゃんぱあちゃん」
絵本 『あかちゃんのゆりかご』レベッカ・ボンド/偕成社
絵本 『よあけ』ユリ・シュルヴィッツ/福音館書店
ブックトーク 『いのちのまつり―ヌチヌグスージー』草場一壽・平安座資尚/サンマーク出版
絵本 『いました』五味太郎/ブロンズ新社
てあそび 「さよならあんころもち」
2,おはなし会を組み立てる
A、おはなし会をふり返って、テーマを考える。
みなさん、すぐに、「命」「誕生」「愛」と答えてくださいました。子どもに語るときは、テーマに沿って組み立てるとすんなり入っていきやすいことをお話しました。
B、ジャンルの特質を知る。
ストーリーテリングは、耳からの言葉だけで想像できるものを選ぶ。
絵本は、言葉と、形と色の生命感にあふれる物を選ぶ。
ストーリーテリングは、絵が小さかったり全体が長かったりしたとき、自分で読んでみたいと思えるように、話す。
「七羽のからす」「さるの海岸見物」について、これまで子どもたちがどんな風な感想や反応をしてくれたかを、お話しました。
そして、チャンスがあれば、ぜひストーリーテリングに挑戦してほしいとも。
おはなしの講座は、近年、少なくなっているので、ちょっと残念です。
手間暇かけて子どもに手渡すことが、とっても大事なんだけどな。
広まってほしいと思います。
自分は、ストーリーテリングを始めた時からヤンさんが主催する会に参加していたから、当たり前に勉強を続けてこられて当たり前に各小学校や幼稚園がお話会を受け入れてくれている環境に居ましたが、決して当たり前ではないということを改めて感じました。
ヤンさんを通じてほかの地域のことがこんな折に分かると、自分はありがたい環境にいるんだと再認識しました。
そして、子どもたちのためにもっとおはなしの語り手が増えたらいいなと思います。
ヤンさんの布教活動(笑)は貴重ですよね。
布教活動・・・いつか伝説に・・・なんでやねん!笑
昔話が人から人へと伝わるように、語るという行為も、伝わっていくはずのものですよね。昔話がとぎれたらあかんのと同じで、わたしは、わたしの先生から教わったことを次に伝えなあかんと思ってます。