月別アーカイブ: 2024年4月

朗読と音楽と語り

今日の新聞に、詩人の谷川俊太郎さんの言葉が載ってたんだけどね。

詩の朗読は音楽の演奏と同じで、場の雰囲気とかが自然に読み方を決めていくって。
ハチャメチャでもいいって感じで読んだほうが、言葉が生き生きするんだって。

それで思い出すのは、ずいぶん前に谷川さんと元永定正さんの講演会があってね。
講演会といっても壇上で難しく話すスタイルではなくて、お二人を囲んで座談会風の講演だったの。
そこで、お二人がコラボされた絵本を何冊か、谷川さんが読まれたのですが、リズムありメロディーありで、とっても楽しかった。
私も子どもたちに読んだことのある本だったし、ほかの人が読んでいるのを聞いたこともあったんだけど、そのどれとも違う。
それで、ちょっと衝撃だった。あ、こんなふうに読むんだって。私、間違ってたかなって。
そしたら、そのとき、谷川さんが、みなさん、好きなように読んでくださいっておっしゃった。
何の決まりもないし、どんなふうに読んでほしいとも思っていないって。

それがまた衝撃だった(笑)

でも、それ以来、詩の絵本とか、ナンセンス絵本とか、今まで苦手だったジャンルの本を子どもたちと楽しんで読めるようになったのよ。

絵本の言葉を読み手の感性でうけとめたらいいんやね。
それを子どもたちに「どう?」ってさしだして、子どもたちが「こう」「そう」って答えてくれるから、じゃあ、「こう」って、読んでいったらいい。って感じ。

それは、物語絵本にも通用すると思う。

そして、それは、ストーリーテリング、語りそのものでもないかな。
作者のさしだす言葉の力を信じて、自分の読みこむ力をつけていきたいなと思った雨の朝でした
(❁´◡`❁)

 

時間の贈り物🎁 またはメモ2

ゴールデンウィークの中休み(って言うか?)
ちょっと雨が降って、落ち着きます。
といっても、毎日がゴールデンウィークのヤンには、あんまり生活に影響ないんですが。
それでも暇なので、ちょっと真面目に考えたこと、書きますね。

おはなしを語ることは、時間を贈ることだと、以前にここで書いたの、覚えてますか?
忘れた人はこちら⇒時間の贈り物

さてさて。
ヤンはおはなし会のとき(=講師じゃないとき)はメモを取りません。
家に帰ってから、日記に、思い出しながらプログラムを書きます。
でね、ときどき、思い出せない話があるの。

これかなりシビアな話題なんだけど・・・書いていいかな???

たしか、もう1話あったんだけどなあ。
わたし居眠ってたんかなあ。

一生けんめい、参加者の顔を思い浮かべます。
そこでやっと、あ、〇〇さんが語ってはった!って思いだす。

何の話を語らはったかなあ。
やはり思い出せない。
その人が語ってる姿ははっきり覚えてるんだけど、話を思い出せない。

なぜか?

〇〇さんが語っているとき、わたしにその世界が見えてなかったからに違いない。
知っている話だと(この歳になるともうたいていの話は知っています)、あ、あれね、と思って聞きはじめはするんだけど、その世界にいざなってもらえない。語り手がテキストをなぞっているだけなので、語り手の心とわたしの心が共振しないのです。
これって、語りとは言えないです。
おぼえたテキストを右から左へと口に出してるだけだから、世界が見えない。
これで子どもに「聞け!」といっても聞けるはずがない。苦行です(笑)
子どもはえらい迷惑や。いやいや、おはなし嫌いになったら罪悪や。

きついこと言ってごめん。
でも、これ、ほんとのことで、自戒を込めて言ってるのです。

でね、たとえ仲間うちのおはなし会でも、たとえ勉強会でも、目の前に仲間=聞き手がいる限りは、語るということは贈るということです。
じゅうぶんに時間をかけてつくりあげたおはなしを、贈りあいたいんです。
それでこそ、語る意義がある。
語るということは相手がいるということです。
その相手に失礼にならないように、また、自分が恥ずかしくないように、ちゃんと時間をかけたものを手渡したいです。
上手じゃなくても、とちゅうで間違えても、それが贈り物かどうかは、聞く人が聞けばわかります。特に子どもは敏感ですよ。

え?
ヤンが思い出せないのは、歳のせいやって?
そうかもね~
というか、わたしの集中力の問題かも。

おまけ。
ヤンはいつのころからか、講演を聞いているときでも、よほどのとき(引用の書籍名とか)でなければ、メモを取らないでじっと講師の眼を見ています。
よいものを吸収するためにめっちゃ集中しています。
後ほど思い返して思い出せないようなことは、(今の)自分に必要ないことやからです。
この方法は、小澤俊夫先生から学びました。

 

4月のプライベートレッスン

明日からゴールデンウイークですね。
京都府南部の今日は曇り、外出の予定がある人は、明日からの天気が気になるところですね。
4月のプライベートレッスンは合計3話でした。
残念ながらわたしは1話しか同席できず、ほかの2話はタイトルと出典だけのご報告です<m(__)m>

1日目
テキストを日常語になおす
「じいにすいつこう」『子どもと家庭のための奈良の民話三』京阪奈情報教育出版
主人公のおじいさんの背中には金がくっついて、隣のおじいさんの背中には馬の糞がくっつくという笑い話です。
重箱の隅をつつくように、一つ一つの疑問を丁寧に解説していただきました。
何度も聞いている内容ですが今回も心に刺さったのが〝何でも知っている語り手になってはいけない〟!
この先どうなるのかわかっているからこそのテキストへの手の入れ方や語り方をしてはいけないということですね。
ついついやってしまう~~、ありがち~~と、心で叫んでましたワタシ(笑)
自分が知っているから初めてこの話を聞く聞き手のことを忘れちゃってるんですよ。
わたしにとっての落とし穴です。
そしてもうひとつが、語り方で〝言葉を飲みこむ〟
これは、〝言葉を立てる〟の反対です。
飲みこむように、小さく、さらっという。
決して強調してないよ、言ってるけども過度に注目しないでね、的な気持ちを込めて小さく語る感じでしょうか。
短い笑い話は間の取り方が難しいですが、それに加えてこの話は〝言葉を飲みこむ〟も入るんですよね。
でも、先に分かっていればあとは覚えて練習するのみ!
勉強会で聞かせていただくのを楽しみにしておりますね~(^O^)

2日目
テキストを日常語になおして語る
「きつねのお産」『子どもと家庭のための奈良の民話二』京阪奈情報教育出版
語り
「金のがちょう」『語るためのグリム童話4』小峰書店

「きつねのお産」と「金のがちょう」も聞きたかったな~
「金のがちょう」は、一度覚えたけれども今はもうすっかり忘れてしまったという残念なことになっていまして(笑)
好きな話なんで聞かせてもらいたかったです。
ああ、残念でした(´;ω;`)ウッ…
みなさま、よいゴールデンウイークをおすごしくださいね~~(^O^)/

4月のおはなし会🌸

4月22日(月)

こども園
4歳さん 1クラスずつ2回
手遊び ろうそくぱっ
おはなし「ひとり、ふたり、さんにんのこども」『おはなしのろうそく26』東京子ども図書館
てあそび ろうそくぱっ

5歳さん 1クラス
手遊び ろうそくぱっ
おはなし「ついでにペロリ」『おはなしのろうそく6』東京子ども図書館
絵本 『ぼんやりしてたら』五味太郎/ポプラ社
手遊び ろうそくぱっ

今年度最初のおはなし会。
ひとつ学年が大きくなって、きっとがんばってるんだろうな。

お話を聞くのも、4歳さんは、とってもがんばってる感じがしました。
でも、ちゃんと、次を言い当てながら聞いてましたよ。
でもつかれちゃって、いつもの「みじか~い」の声がちょっとちいさかった(笑)
それで、オマケのおはなしはしませんでしたよ。

5歳さんは、めっちゃうきうきしていました。
おはなしも笑ってましたが、絵本になると、「うそや!」「それはないわ!」って爆笑に次ぐ爆笑。
でもやっぱり疲れちゃって、いつもの「もっかい!」は出ませんでした(笑)

しばらくして慣れて力が抜けてきたころに、ゴールデンウィーク。
先生「また最初からです」
そうね、毎年のことですね(^///^)

 

 

小さな子にも分かるように🌷

桜は散りましたが、ハナミズキやツツジや藤など、次々にたくさんの種類の花が咲いていますね~
すっかり春になりました。
夏日の日もあるくらい暖かくなりましたね。
土曜日の図書館のお話会の報告です。

手遊び 祇園の夜桜
おはなし 「元気な仕立て屋」『イギリスとアイルランドの昔話』石井桃子/編 福音館書店
絵本 『いそげ!きゅうきゅうしゃ』竹下文子/作 鈴木まもる/絵 偕成社
絵本 『ぼくはふね』五味太郎/作・絵 福音館書店
絵本 『ふみきりかんかんかーん』視覚デザイン研究所/作 くにすえたくし/絵 視覚デザイン研究所
絵本 『おべんとうめしあがれ』視覚デザイン研究所/文 高原美和/絵 視覚デザイン研究所
手遊び さよならあんころもち

参加人数は、子ども12人、大人8人。
最近の天気のいい土曜日は図書館へ来る人自体が少ないようで、この日もそうでしたが、始まってみると常連さんが走ってきてくれたりしていつもどおりの人数になりました。
終ってからこの日のメンバー三人で、オープンスペースでお話会をすることとコロナ前のお話のお部屋ですることのちがいについて話しました。
オープンスペースになってからは、子どもたちの年齢層が低くなりましたので、当日小さい子にも聞ける話に変えることがあります。
でも、この日はそれをせず、ちょっと難しいかなと思う話ですが当初の予定通りの話をし、小さい子にも分かるような語り方をすることに神経を集中したそうです。
それを聞いて、なるほどなと思いました。
1~2才さんばかりではさすがにしないけれども、それより少し大きい子どもたちならばそれは可能とのこと。
いつも自分に厳しく、語りに妥協を許さないヤンさんの決心を聞いてさすがだと思いました。
「わたしの当番の時だけは、おはなしのお部屋にしてほしいなぁ」とは、言えませんでした(笑)
図書館としては、まだまだ換気の問題でおはなしのお部屋を使うことは考えていないということなので、わたしも修行の場として図書館のお話会に気合を入れて臨もうと改めて決心しました。