1月のプライベートレッスン

少し暖かくなって過ごしやすかったのに、今週はまた寒さが戻ってきました。
それで、地元は雪は降ってませんが、冬山のイラストを選びました。
寒さで心は冬山の気持ちです。

今月のプライベートレッスンは「ホレばあさん」の語りでした。
出典は、『語るためのグリム童話2』小峰書店です。
2年生に語る予定だそうです。
語り手さんは初心者ではありませんので、自分でテキストの手直しをしてこられて、その内容の検討もされました。
その一環として、「ホレばあさん」の初版と今回のテキストを比較してみました。
そうしたら、違う点がありました。
今回のテキストでは継母ですが、初版は実の母親でした。
「白雪姫」と同じように、実の母親が子どもをかわいがらないことに批判があったためだと思われます。
もうひとつは、主人公が井戸に落とすのは、糸巻ではなくて桶でした。
井戸では桶で水をくむのだから何の不思議もなくむしろそのほうが自然でしょうが、グリム兄弟が童話集を出版した目的はドイツ民族の独立や意識向上であったことから、よりドイツらしい糸紡ぎに関するアイテムに再話したのであろうと、グリム兄弟の再話のうまさをヤンさんが教えてくれました。
昔のドイツの生活で、女性と糸を紡ぐことは切っても切れないことであり、糸巻を落とすことでより普遍的になっているということを聞いて、長く語り継がれている理由の一つを見た気がしました。

ホレばあさんの布団をはたくと、地上に雪が降るというのが魔法みたいで好きですが、さいごになまけものの娘がコールタールまみれになって、しかも一生取れないというのが恐ろしいです。
でも、昔話では、よい行いをした人は幸せになり、悪いことをした人には報いがあるといういたって公平な結末を迎えます。
潔く、きっぱりと善と悪を分けます。
いい行いをすれば幸せになれるということに、救いがあると感じられるのが「ホレばあさん」だと思いました。
他にもたくさんの昔話が親切やまじめさを肯定してくれています。
昔話のなかのたくさんの救いを、求めている人たちに届ける活動をしているのかと、その末端に自分はいるのかと思うと、なんか怖くなってきたというか、ちゃんとしないといけないと思った次第です。
いや、いままでが不真面目だったという意味ではありませんが…。

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