月別アーカイブ: 2025年5月

おとぎ話はなぜ残酷でハッピーエンドなのか🧙‍♀️

 

岩波ジュニア新書

著者のウェルズ恵子さんは、英米文学・比較文化が専門の研究者です。
立命館大学の研究者学術情報データベースには、著者のメッセージが以下のように載せられています。

「声で広まる歌やお話は人間を苦しみから救う力があるから、それを文学研究として立証したいと考えています。また、そうした文学の地域性や文化的特色も考察したいと思います。 人間はいつでも、音楽と物語とともに生きている。その事実について探求し、人の幸福との関連から考察していきます。」

いいですねえ。ドキッとしますね。
そうだよ、だから、わたしたち、がんばって語りを広げようって思ってるんですよね。
もうちょっと若かったら、にせ学生で講義を受けたいヾ(≧▽≦*)o

それはさておき、『おとぎ話はなぜ残酷でハッピーエンドなのか』ですが、だれもが疑問に思うことをばっちり書名にしてありますね。
そして、ちゃんと自分で答えが導けるように書かれています。
ぜひ読んでほしいです。
ジュニア新書なので、わかりやすいです。

ちなみに、第1章《話してはならない呪い》では「ざくろ姫」や「くるみ割りのケイト」など、第2章《異世界から来た恋人》では「太陽の東、月の西」など、第3層《暴力と奇跡》では「腕のない娘」など、第4章《開けてはいけない部屋》では、「ミスター・フォックス」などが、とりあげられています。
ね、読みたくなるでしょ。

もっと読みたくならせてあげようか?
コラムがおもしろいのよ。
「なぜ主人公はいつも美しいのか」
「主人公と悪役以外はどんな人なのかもわからないのはなぜ?」
「つじつまが合わなかったり、とちゅうで話がずれるのはなぜ?」
「おとぎ話の語り手にとって『幸せ』とは?」
思わず笑ってしまわない~?
あるあるあるってo(*^@^*)o

今日は本の紹介でした~

5月の語りクラス

新緑の美しい頃、そろそろ気温が夏日を超える?という日
5月の語りクラスが行われました。

手遊び
「たけのこ めだした」

語り
1. 「マカトのたから貝」/『子どもに語るアジアの昔話2』/こぐま社
2. 「百鳥衣(バイニャオイー)」/『世界の女の子の昔話』/偕成社
3. 「馬の首」/『おはなしのろうそく29』/東京子ども図書館
4. 「とびじいさん」/北欧の民話より再話/岩崎美術社
5. 「かえる女房」/語りの森HP こちら➡

ヤンさんの語り
「ルンペンシュティルツヘェン」/『語るためのグリム3』/小峰書店

語るためのテキストをどこから、そしてどんなお話を選ぶのか。
その目的は色々あります。
すぐにでも覚えて語りたい場合、『語りの森昔話集』『語りの森HP』から選ぶのが間違いないと私は確信しています。その他からのテキストの場合、気になるところが出て来て、多少なりとも手を入れる必要がある場合があります。再話や日常語にする、学びのために選ぶテキストもあります。

いつも思う事は、お話は本当に世界中にたくさん、たくさんある!
この中から、自分のレパートリーになっていくお話はほんの一握り。
お話探しの旅はまだまだ始まったばかりで、右往左往。
その楽しい事、でも果てしない事。
だから、お仲間の皆さんが様々な理由で選ばれたお話を聞かせてもらい、そのお話について語り合える場は興味深く、ありがたいです♪
また、がんばってお話を探します~(#^^#)

次回は6月10日(火)です

 

5月のあったかペーチカ

ころころと変わりやすい天気ですが、風と日差しとで過ごしやすい日が続いていますね!嬉しい🤗 さてさて、ペーチカは10人の参加がありました。

「犬神山のおおかみ」 語りの森HP

「とら猫とおしょうさん」 『同名絵本』おざわとしお再話 くもん出版

「馬の首」『おはなしのろうそく29』東京子ども図書館

「きんそうこうのはじまり」(原題:金瘡膏のいわれ)『日本の民話9』ぎょうせい より再話

「悪魔と仕立て屋」 『世界の民話6イギリス』ぎょうせい より再話

「舌切りすずめ」『日本の昔話2』おざわとしお再話 福音館書店

「めしを食わないよめさん」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森

「マカトのたから貝」『子どもに語るアジアの昔話2』こぐま社

「貧乏人と金持ち」『語るためのグリム童話5』小峰書店

Mさん絵本紹介

「たれてる」鈴木のりたけ/作 ほるぷ出版

「バルバルさんとおさるさん」乾栄里子/文  西村敏雄/絵 福音館書店

「アザラシのアニュー」あずみ虫/作 童心社

「くらべるえほん  いきもの」ちかつたけお/作・絵 GAKKEN

「ひこうきがしゅっぱつします」岡田光司/写真  岡田康子/文 文研出版

「ばったのタンちゃんうまれたよ!」ねもとまゆみ/作    たけがみたえ/絵    須田研司/監修 童心社

「そらとなかよくなる 天気の写真えほん そらのいろ」荒木健太郎/文・写真・絵 金の星社

振り返ると、恩返しの話がいくつかありました。動物による恩返し、そして、親切に対する報いと不親切に対する報い。はては、それが神様によるもの。ヤンさんが「子どもと家庭のための奈良の民話」で再話された中には、弘法伝説がいくつかありますが、親切に対する報いの話とその逆の話が一つ一つの話となっています。この手の話は全国的にものすごくたくさんあるそうです。身近な動物や神様、弘法さんとの交流は、大きな自然から頂く大切な知恵や行いについてのおはなしですね。時代や場所を越えて、人間の普遍性の表れを改めて感じます。また、登場人物が変わると違う話になってくる、テーマが変わってくる、お国の文化や雰囲気をまとう、でも良く似ている部分もあるので、繋がりを感じてしまう。ますます、昔話の真相・深層を知りたくなる。そうやって語り手たちは、昔話のトリコになっていくのでしょう~。そして、絵本も読んでもらえてほっこり幸せ。アニューがかわいすぎます。くらべるえほんは、子ども達の反応を確かめたい一冊になりました。あぁ、気づけば時間は昼下がりです!おはなしの世界が広がる楽しい時間でした。お気軽にどなたでもご参加ください。

次回:6/1(日)10:00頃~

たぶんぼくがおとなになるまで👦

今日は、母の日なんですね。
お話会の内容とは関係ないのですが、猫ちゃんのイラストがかわいかったのでこれにしてみました。
先週はゴールデンウイークで、お話会は一回お休みでした。
二週間ぶりの昨日の図書館のお話会の参加者は、子ども14人、大人6人でした

手遊び ちいさなはたけ
おはなし 「きつねとがちょうたち」『語るためのグリム童話5』小澤俊夫/監訳 小峰書店
 〃   「あなのはなし」『おはなしのろうそく4』東京子ども図書館
絵本 『きみとぼく』谷口智則/著 文溪堂
 〃 『ゆびくん ファミリーえほん3』五味太郎/作・絵 岩崎書店
 〃 『ワスレッポおじさんのきままなさんぽ』石津ちひろ/文 藤枝リュウジ/絵 BL出版
 〃 『くらべるえほん たべもの』ちかつたけお/作・絵 学研プラス
手遊び さよならあんころもち

ひとつめのおはなし「きつねとがちょうたち」は、がちょうたちがきつねに食べられる状況になったとき、「その前に神さまにお祈りさせてくれ」といって、次々と「ガーガー」鳴いていき、それが終わらないという笑い話。
いろんな鳴き方を次々に出してくるヤンさんの「ガーガー」が面白くてみんな大喜びです!
終わった後、「いつまで鳴いてるんやろなあ~」という問いかけに、ひとりの男の子が立ちあがって、「たぶんぼくがおとなになるまで!」とこたえてくれたのがまた面白くて、ほんとにいい雰囲気になりました。
「あなのはなし」では、「え! あなだけ? あながあるく?!」みたいな反応を、子どもたちがヤンさんを見ながら顔に浮かべるので、ほほえましいというか、こちらまで心があったかくなる。
そして、自分はもう知っている話だけれど、初めて聞くときは確かにそうだよなと、忘れていた気持ちを思い出させてくれました。
おはなしを聞いたり、絵本を読んでもらったり、手遊びもあって、やっぱりお話会は楽しいですね~~(*^_^*)