月別アーカイブ: 2025年5月

5月の再話クラス

道を歩いていると、きれいなバラをよく見かけます。
バラのあるおうち、あこがれますね。
自分では全く手が出ないし、チャレンジする気力もありませんので、よけいによそのおうちのバラがまぶしく美しいです。
再話クラスの報告をします(^^♪

再検討「笛吹峠」『鈴木サツ全昔話集』鈴木サツ/語り 小澤俊夫・他/編者 鈴木サツ全昔話集刊行会
これは継子話です。
そしてとても悲しい内容です。

継子話を語ろうとするなら、語られた時代とその背景、それが今と違っているかどうかなどを特に注意しないといけないでしょう。
ですがそれも、誰に語るのかを明確にすることでクリアできる場合もあります。
❝この話をだれに語るか❞を先にはっきりと決めておけば、あるていど再話の形が決められますし、実際語れることになる可能性もあります。
継子話に限らず、どの話の再話でも誰に語るのかを決めるのは大事ですが、グリム童話も版のちがいで実母が継母に変わったように、時代が許容する範囲というのがまずあります。
それとあわせて、話のテーマが継子以外にあるのかどうか、どのくらいの年齢の子どもに語るのか、あるいは大人に語るのかなどを考えることは、継子話では特に重要だということになりました。

改めてそういう視点でこの原話を見てみて、考えようということになりました。
いやあ、有意義な内容であったと思います。

新作「星占いのお百姓」(原題:星占いの農夫)『カルヴィーノ イタリア民話集上』河島英昭/編訳 岩波書店
なんと、新作ですが今回だけで完成しました!
快挙!!
主語の統一の話題が出ました。
基本的には主語は変えませんが、姫が結婚して妃になるような場合は混乱が生じるわけではないしむしろ変わるほうが自然です。
場面によって変えた場合でも、同一人物であると分かるのならばオッケイです。
この再話の場合の主語の変化は、同一人物だと分かるし、補う言葉も入って配慮されているのでこれでいいということでした。
話を生かすために主語を変えるのも一つの工夫のうちなのだとお勉強できました(*^_^*)

新作「熊のフアニート」『エスピノーサ スペイン民話集』三原幸久/編訳 岩波書店
今回の勉強会で、担当の人も、その場のみんなも、今までになく「う~~ん」と身をよじってどうしたらいいかと考えた話ではないでしょうか(笑)
この話は、巻末の〝民話の比較のための注〟によると〝世界中での分布は現在類話数二千話を超え、「シンデレラ」に次ぐ広い分布をもつ昔話〟だそうです。
AT301「奪われた三人の王女」の類話の中の、異常誕生型で、地下に下りていって王女を助けます。
ですが、構造上に欠陥があり、矛盾の生じる箇所もあるので、この二点を考えると再話はしづらいという結果になってしまいます。
でも、話としては面白いので、身をよじって「う~~ん」と悩むわけです。
原話選びについての学びになったということで終わるというのもありですが、一味違うのがヤンさんの勉強会というか、あっさり終わってしまわないで他の道を見つけるのがヤンさん流というか。
再話の勉強のためにあえてこの二点を乗り越えるような大修繕をし、欠けているところは作ってこようということになりました。
これは喜んでいいと同時に苦しみの始まりでは?!
たくさんある類話を参考にして、次回までに各自が筋の通る、矛盾のないストーリーを作ってくることになりました。
ないものを入れる箇所についてはまさに作るですね。
ふつうは原話を大事にして、必要最小限でしか作るということはしないのですが、この話を練習台にしてあえて作ることにチャレンジしてそれを勉強にしようという、最後にふさわしい課題と言えましょう。
ああ、出来るかな~~(ちょっと遠い目…)
でもね、ここまで長いこと語法や再話を勉強してきました。
みんな、いっしょだからやってこられたと思うんです。
だから、応用編みたいな感じで、みんなで難しい課題に向き合う気持ちで頑張ろうと思います(^O^)/

くわ~ん、くわ~~ん

もしかしてもう梅雨に入るのか?
と思うほど、最近どんよりしたお天気が続いていて、すっきりと晴れているという日がいつだったのか…
昨日も降ったりやんだりの日でしたが、子どもたちは元気に来てくれました。
参加人数は、子ども9人、大人が8人でした。

手遊び ちいさなはなけ
おはなし 「カメの笛」『ブラジルのむかしばなし』カメの笛の会/編 東京子ども図書館
おはなし 「あんころもちとあみださん」『子どもと家庭のための奈良の民話三』村上郁/再話 京阪奈情報教育出版
絵本 『かばくん』岸田衿子/作 中谷千代子/画 福音館書店
 〃 『かようびのよる』デヴィッド ウィーズナー/作・絵 徳間書店
 〃 『かさちゃんです。』とよたかずひこ/作・絵 童心社
 〃 『ぷ』たなかひかる/作・絵 金の星社
 〃 『だーれかだーれか』福知信夫/作 福音館書店
手遊び さよならあんころもち

2年生の男の子が来ていたんですが(たぶん図書館のお話会は、初めてかと思います)、二つ目のおはなしのときに大うけしてました。
この話は、一休さんの頓智話のひとつで、自分があんころ餅を食べたのに阿弥陀様のせいにするんです。
和尚さんが阿弥陀様をたたいたら「食わ~ん、食わ~ん」と音が鳴る。
でも、池に沈めると「食た、食た、食た~」と沈んでいくというダジャレなんです。
男の子は手をたたいて「おもしろすぎる」と喜んでくれてました。
こんなに受けると、語りがいがあるというものです。
その場にいる大人も子どもも、みんな楽しくなりました。
絵本のタイトルを見ていくと、3冊目までが全部❝か❞で始まっているので、❝か❞でそろえたのかなとテンションがあがりましたが、4冊目が『ぷ』だったので、違いました(笑)
たなかひかるの絵本は、いつも笑わせてくれますね。
その次の絵本『だーれかだーれか』とのギャップに驚き、そしてこの絵本のふんわり優しい雰囲気をおおいに楽しめました(*^_^*)

夢のお味のお団子

 土日は雨という予報でしたが、思いがけず雨も上がって、5月17日土曜日の図書館おはなし会は、こども10人、おとな6人、担当はおらふです。

手あそび ちいさなはたけ
おはなし 「鳥のみじさ」『日本の昔話3』おざわとしお/福音館書店
指人形  チッチとピッピ
絵本 『あってっこどうぶつずかんだれ』あべ弘士/KADOKAWA
絵本 『なにのこどもかな』やぶうちまさゆき/福音館書店
絵本 『こぶたたんぽぽぽけっととんぼ』馬場のぼる/こぐま社
絵本 『みかんおいしくなあれ』矢野アケミ/大日本図書
絵本 『おとうさん』そうまこうへい/フレーベル館
手あそび さよならあんころもち

 最近は登場回数がほとんどなくなってしまった「とりのみじさ」だったのですが、おはなしをはじめて間もない頃はちょこちょこやらせてもらっていて、当時ピカピカの一年生だった下の娘のお気に入りのおはなしでした。今でも「ふちゃふちゃふちゃと食ってしまいました」は大好きなフレーズで、くいしんぼの娘はきっととびきりおいしいお団子を想像していたんだろうなぁと、笑ってしまいます。
 常連さんもちらほらいてくれていたのですが、この日真ん中で聞いてくれていたのは、初めて来てくれた女の子。かわいいきらきらお目目に、こっちがとろけそうでした😊 そして「とりのみじさ」といえば、ばさの「金もうけしておいでよ」を「知恵をさずけました」と再話するおざわ先生に、いつもいつも、めっちゃ感動してしまうおらふなのでした!

5月のおはなし会🎏

5月19日(月)
こども園 4歳さん 1クラスずつ2回

ろうそくぱっ
おはなし「おいしいおかゆ」『おはなしのろうそく』東京子ども図書館
おはなし「長いはなし」
ろうそくぱっ

5月21日(水)
こども園 5歳さん 1クラスずつ2回

ろうそくぱっ
おはなし「ついでにぺろり」『おはなしのろうそく』
ろうそくぱっ

目を丸くしてじいっと見つめてくるクラスと、きゃあきゃあ笑ってひっくり返って聞くクラスと。
なにがちがうんだろうなって、思います。
たぶん、クラスの中の人間関係とか、先生の思いとかが影響するんじゃないかなと思うんですけど。ほんとのとこはわからない。
語り手としては、みんながリラックスして仲よく楽しんでくれたらと思うのですけどね。

少しずつ少しずつです。

「おいしいおかゆ」では、題名の後、おかゆについて、子どもたちとおしゃべりしました。
「ついでにぺろり」では、つむじまがりと、パラソルと、牧師さんと、きこりについてこんなふうに言葉を足しました。

つむじまがり:つむじって、ここんとこね。(頭のつむじのところを指さす)
子ども「まがってんの~笑?」
へそまがりもなんかめっちゃおかしかったようです。
パラソル:日傘のことね。
子ども「知ってるー」
牧師さん:アーメンってお祈りしてくれる人ね。
子ども「知ってるー」
きこり:森に行って木を切る人ね。
子ども「知ってるー」

わたしの説明もええ加減なもんですが、子どもの「知ってるー」もあてにならない(笑)
でも、それでわかった気になって、ちゃんとイメージして楽しむんですねヾ(≧▽≦*)o

 

5月の大人のためのお話会

最近、急に暑くなって、5月だというのに昨日はなんと気温30度に!Σ(・□・;)
朝から天気予報を見て驚いていましたが、やっぱり予報通り暑い日でした。
そんな中、大人のためのお話会に来てくださったのは8人。
この日のテーマは〝鳥〟でした。

絵本 『ことり』新宮晋/作 文化出版局
おはなし 「七羽のからす」『おはなしのろうそく10』東京子ども図書館
絵本 『ひとあしひとあし』レオ=レオニ/作 好学社
おはなし 「鳥のみじい」『日本の昔話3』おざわとしお/再話 福音館書店
絵本 『あきちゃった』アントワネット ポーティス/作 あすなろ書房
手遊び ころころたまご
絵本 『くちばしだーれ?』穂高順也/作 サトウマサノリ/絵 岩崎書店
おはなし 「舌切りすずめ」『日本の昔話2』おざわとしお/再話 福音館書店

担当は、前半がウーカーさん、後半はNさんでした。
「鳥のみじい」はウーカーさんが、ご出身の遠州弁で、「舌切りすずめ」はNさんが関西弁で、それぞれ日常語で語られました。
今回は、絵本とおはなしのサンドイッチに、ヒヨコがニワトリになる手遊びまで、いろいろな〝鳥〟をあつめたお話会になりました。
おはなしは、どれも何度も何度も聞いているよく知っている話ですが、おはなしは何度聞いてもいいものだと感じます。
飽きないんですね。
絵本の『あきちゃった』は、鳥が自分の鳴き声に飽きて思いもよらない鳴き方をするのが面白い、音を楽しむ絵本ですが、おはなしは何度同じものを聞いても飽きません。
「舌切りすずめ」は、それこそ子どものころから知っている話なのに、日常語の心地よいリズムもあり、楽しい世界に連れて行ってくれました。

常連になってくださっている方が、絵本を借りて帰られました。
気に入ってくださってうれしいです。
絵の美しい絵本、面白い絵本、もう一度じっくり見たくなる気持ち、よくわかります!

次回の大人のためのお話会は、6月17日、テーマは〝へび〟です。
いろいろなへびを集めて、みなさんのおいでをお待ちしております~~(^O^)/