マックス・リュティ『昔話の解釈』を読む。
第5章 賢いグレーテル
グリム童話、読みましたか?または、おはなしひろばの「かしこいグレーテル」聞きましたか?
はい、では、このお話について、リュティさんの説を読みましょう。
「賢いグレーテル」の話は、頭の働きと飲み食いの喜びが見事に組み合わされています。
特に前半。グレーテルは、飲み食いの喜び(動物的欲望)のために、つぎからつぎへと頭をフル回転させます。
これを今食べなかったら罰が当たるって、いいなあ。
手羽をひとつ食べる時の言い訳、焦げてる。
ひとつ食べたら、もう一方の手羽。足りないことに気付くかもしれない。
一羽を食べたらもう一羽。対になってるから。
グレーテルは、安らかな気持ちでごちそうを平らげるために、精いっぱい頭を働かせているのです。
口が命令を下し、頭が命令を受けている。
ところが、後半になると、今度は罰を逃れることが、知的な楽しみとなります。
頭が素晴らしい働きを見せる。
活発な頭の働きを読んだり聞いたりする喜びは、笑い話が読み手や聞き手に与えるもう一つの満足よりはるかに重要である。
だから、この話は、活発な頭の働きを存分に楽しめるように語らないといけないのね。もちろん、飲み食いの喜びとセットだけどね。
これはもう、スピード感と間(ま)にかかっているといっても過言ではない。
ちんたらやっている場合やない(失礼!)
と、ここで、リュティさんは「もう一つの満足」といっていますね。
それは何でしょう。
下の者が上の者を負かしたり、弱いものが強いものに勝つのを眺める楽しみです。
社会的に低い女中が、身分の高い旦那やお客に勝つ。
これは、女の男に対する勝利です。
だいたい、人間は、自身が欠如体として世の中を生きていかねばならぬ存在であるから、弱いものが強いものに勝つのをながめることは、心からの満足を与えると、リュティさんは言います。
なるほど。
でも、それにもかかわらず、機敏な頭の働きに対する喜びのほうが、主になっていて、重要なのです。
はい、ここまで(●’◡’●)
次回は、グリム童話の幸せハンスについて。
読んでおいてくださいね~
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金曜日のおはなしひろばは、日本の昔話「きつねとたぬき」。
笑い話です。
『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』に載ってますよ~
なるほど!
弱いものが強いものに勝つ面白さよりも、活発な頭の働きを読んだり聞いたりする喜びのほうが、満足度は重要なんですね。
言われてみればそうかもしれません。
そしてこの話は飲み食いの喜びもセットになっている。
活発な頭の働きのためには、活発な飲み食いは欠かせませんよね(笑)
特に糖と油は重要です!
グレーテルは鶏を2羽も食べたから、頭もフル回転できたんでしょうかね!?
ふふふ。タンパク質と糖分が必要ね~
そうそう、弱いのもが強いものに勝つのもすっきりはするけど、やっぱり本質的なのは、活発な頭の働きですよね。頭が活発に働いたら、何でも来いやからね。頭が活発な笑い話を聞いたら、わたしの頭も活発になるかなあ。