『魔女とふたりのケイト』🧙‍♀️

魔女って見たことあります?
妖精ってどんな顔しててどんな声で話します?
悪魔ってどんなやつ?

知らんでしょ?
『魔女とふたりのケイト』を読んでごらん。
めっちゃリアルに見えてくるからφ(゜▽゜*)♪

わたしたち、魔女や小人や妖精の出てくる話を語るでしょ?
たいてい昔話だから、描写がない。
だから自分なりに想像して語ってるよね。
けど、この本読んだらどんなんか分かる。

キャサリン・メアリ・ブルッグズ作/石井美樹訳/岩波書店 1987年

イギリスの昔話「くるみ割りのケイト」を下敷きにした長編ファンタジーです。
「くるみ割りのケイト」は『子どもに語るイギリスの昔話』に入っているから、語る人も多いと思います。もとはジェイコブズの再話ね。

これ、読み比べると、昔話と小説の違いがめっちゃよくわかる。

『魔女とふたりのケイト』には、本物の魔女と妖精が出てくるの。
キャサリンは領主の娘で、ケイトは領主の後妻の娘。ふたりは深い友情で結ばれている。
その後妻が、魔女なのよ。
で、継子いじめをねちねちとやるの。その心の中もリアルに描かれる。いじめられるキャサリンがどんどん自信を無くして母親に取り込まれていく過程も描かれている。ケイトの焦りと、母親とキャサリンのあいだに立って苦しむ姿も。
羊の頭がキャサリンにかぶさるところなんか、どきどきする。

作者のブリッグズ(1898-1980)は、妖精神話学の研究者でもあります。だから、魔女や妖精については専門家です。リアルなはずです。
『妖精事典』も出しているくらい。冨山房に邦訳がある。おもしろいよ。

そして、この物語の舞台は、スコットランドとイングランドで、実際にモデルになっている土地がある。だから風景描写も詳しくて素敵なのです。
地図もついてるから、主人公たちがどこをどう歩いたのかまでわかる。
行ってみたいなあ~

さらに、時代背景もはっきりしていて、歴史的には17世紀のピューリタン革命のころ。キャサリンの父親も戦いに巻き込まれます。
クロムウェルとか実在の人物が出てきます。

ヤンは、抽象的な昔話も好きだけど、こういうリアルな創作も大好きです。
とくに、自分が見たことのない世界を描いていると、あこがれるんやなあ。

ブリッグズにはほかに、『妖精ディックのたたかい』などのファンタジー作品があります。

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スマホで語りの森を利用してくださっている方に、おわびがあります。

《外国の昔話》《日本の昔話》にアップしているテキストのPDFファイルが開かない場合があります。
とくにリニューアル以前の話に不具合があるのです。
パソコンで見てくださっている方は大丈夫です。
この10年ほどで、いっきにスマホが普及して、それに対応するように、7年前にリニューアルしたんだけどね、それ以前につくっていたPDFファイルがスマホ対応になっていなかったみたい。
本当に申し訳ありません。
いま、少しずつPDFファイルを作り直しています。
2月3月でぜんぶ更新できたらと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

 

 

3 thoughts on “『魔女とふたりのケイト』🧙‍♀️

  1. 本の紹介、いつもありがとうございます!
    「魔女とふたりのケイト」おもしろかったです(^^)「クルミわりのケイト」とも読み比べてみました。
    今、小人や妖精に興味があって、色々と調べてみたりお話を探したりしているので、研究者であるブリッグズの描く魔法使いや小人、妖精への人間の関わり方や共存の仕方はとても興味深かったです。
    「ハリーポッター」や「精霊の守り人」もまた違った視線で読み直したくなりました!

  2. フルーツさん、コメントありがとうございます(^o^)v
    『妖精ディックのたたかい』も家付き妖精のことがよくわかっておもしろかったです。
    あ、小人や妖精なら、トールキンの『指輪物語』もおすすめ。長いけど(*^^*)

  3. 『指輪物語』は図書館の予約ボックスに入れたままで、ずっとポチッとするタイミングを見計らっています 笑
    読み始めると止まらなくなりそうで〜

    『妖精辞典』もちょっと離れた図書館で閲覧してきました。おもしろかったです♪欲しくなっちゃいました!

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