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語りの森を作った魔女

6月のおはなし会🐌

6月23日(月)

こども園 4歳さん 1クラスずつ2回

ろうそくぱっ
おはなし「三匹のくま」『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』
ろうそくぱっ

てっぱんの三匹のくま。
長さを感じずに楽しんでくれました。
今年の4歳さんは、よく聞ける学年やなあと思います。
おばあさんが、くまの家に侵入すると、「どろぼうやん」「悪(わっる)~」
「ぶつぶつもんくをいいました」の繰り返しにお腹をかかえて笑いながら、「さて、くまたちは、もうおかゆが冷めたころだと思って」というと、シンとします。
どろぼうのおばあさんがどうなるか、恐くなるようです。
めっちゃ集中してたひとりの男の子が、そうっと何気なく部屋から出て行きました。「え?」って思いながら見てたら、廊下から聞いてるのですよ。

 

6月25日(水)

こども園 5歳さん 1クラスずつ2回

ろうそくぱっ
おはなし「アナンシと五」『子どもに聞かせる世界の民話』矢崎源九郎編/実業之日本社
おはなし「くらいくらい」『語りの森昔話集』
ろうそくぱっ

ハトの奥さんの「それから・・・」の間(ま)で、「五!!!」って叫んでしまう子が、何人もいます。
どう語ったらええのか、勉強さしてもらってます。
ただ、アナンシが「五!」といったとたん、「あ!」って気づいてくれるから、まあいいか(笑)
ラストはアナンシが死んじゃって、みんな満足。うれしそうでした。
「もっかい!」のリクエストにお応えして、「くらいくらい」をやりました。
「前もしたやん」っていったんだけど、それでも聞きたいようです。
「ぎゃあ~~~~」といって終わりました。

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いま読んでる本に、ストーリーテリングと読み聞かせや読書との違いについて書いてあってね、ストーリーテリングは、聞き手と語り手とがギブアンドテイクで作って行くものってあったんです。
だから、本で読んだり、朗読で聞いたりするのとは根本的に違うのね。
「ぎゃあ~~~~」で終われるのが、ストーリーテリングなんですよ。

 

生きぬいて、モリー💃

今日は沖縄慰霊の日です。
毎年体験談に接しては、恐怖と悲しみと憤りに胸がいっぱいになります。

今年は、敗戦80年ということで、東京や大阪や日本国じゅうでの空襲や、さまざまな戦争体験がニュースや新聞に、写真とともに載っています。
がりがりにやせて真っ黒な顔の子どもたちの表情。

ひるがえって、現在進行で行われている戦争。
やはり、がりがりにやせて真っ黒な顔の子どもたちの表情。

この責任は、わたしにもある、と自分に言い聞かせても、それなら何ができるのかと、絶望的になります。

今月の語りクラスで話題に出たんだけど、「かしこいモリー」の王さまが「盗む」という言葉を使うのはよくないから、「とる」にしたらいいのではないかという考えについて。わたしの考えを聞いてくださいね。

「大男の刀(財布・指輪)を盗んで来たら」を「大男の刀(財布・指輪)をとってきたら」にする人がるけれど、どうなんだろうっていう意見です。
でもね、たとえ言葉を「とる」に変えても、盗んでくることに違いはありませんよね。
言葉の表面だけ言い換えても実質は変わらない。それって、ごまかしなんじゃないかなと思うんです。それか、わたしは盗まないという自己満足。

モリーは、親に捨てられた子どもです。親は、食べさせることができないから、どうしようもなくて捨てちゃった。捨てたくなかったでしょうね。
捨てられたから、モリーは、ふたりの姉さんといっしょに、まっくらの森の中をひたすら歩いた。
生きるために。
がりがりにやせて、真っ黒な顔をして。

そんな弱い存在が生き抜くためには、どうすればよかったんでしょう。
知恵を使って、大男の娘たちの金の鎖と自分たちのわらなわを取りかえたところで、モリーに何の罪があるでしょう。
そして、絶大な富と力を持つ王さまが、盗んでおいでといったとき、「やってみます」以外の答えはなかったと思います。
自分が幸せになるために。

そして、わたしは、モリーに幸せになってほしいです。

わたしは、モリーに何もしてやれない。
けれども、もし不幸にも、目の前の子どもたちががりがりにやせて真っ黒な顔になったとき、モリーを思い出してくれたらと思います。

目の前にいる子どもだけでなく、その先を生きる子どもたちみんなに、モリーのように生きてほしいと思います。
だから、わたしはモリーを語ります。

豆の木に登っていったジャックも同じです。
人食いの巨人、しかも宝物をいっぱい持っている巨人から、盗んでくることを悪ということはできません。
それでもなんでも生き抜いてほしいと、わたしは思います。

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今日の更新は《日本の昔話》「海行こう、川行こう」です。
悲しいテーマのお話ですが、カラっと語れば心に響きます。
語ってくださいね~

 

 

老いの坂を‍‍👵

ご近所の方と立ち話をしていてね。

わたし「この頃午後がね・・・」
Aさん「昼からは寝てばかりいるわ」
Bさん「昼からは体も動かへんし」
わたし「頭も働かへんし」

老いの坂を上ってるなあと思います。
いえ、下っているのではありません。
膝が悪いので、下り坂はつらい。上ってるんです。
上ってどこまで行くのかわかりませんが、行ける所まで行きます。

きのうはホームページの更新でした。
ところが、どないしてもHOMEの写真がアップできない。
htmlでやってると、ほんの1字違っただけで受け付けてくれないんですよ。
そして、「弥三郎ばあさん」の音声ファイルが行方不明。
しかたがないから今朝早くおきて録音しました。

こけつまろびつ、老いの坂を上っています。
再話したい話が、まだまだまだまだあるからです。

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きのうのHP更新は《日本の昔話》「弥三郎ばあさん」
怖い話を楽しんでね~

 

土と風と蚊と👩‍🌾

雨が降ると土が潤って、雑草がよく抜ける。
で、ここんとこ、ゆうがたになると畑に行く。

そろそろ、夏野菜ができ始めててね、収穫は楽しい~
きのうはトマトときゅうりを3個ずつ。三度豆がい~っぱい。
今日は、またまた三度豆。

食卓は三度豆攻撃。
三度豆のおしたし、三度豆のごまあえ、三度豆のバター炒め、三度豆と厚揚げの煮物。三度豆と豚肉の炒め物。
サラダにも、カレーにも、チャーハンにも三度豆。
お・い・し・い O(∩_∩)O
自分で育てた三度豆は、最高!

むしっ、むしっと雑草を引きぬいて行く。
汗とのたたかい。汗が目に入って、いたい~
午後5時半になると、蚊が攻撃を開始する。
ふい~ん、ふい~ん
血やったらあげるから、かゆくするのだけは許して~と、いくらお願いしてもきいてくれない。

暑い、暑い、かゆい、かゆいと悶えながら、見あげると青空。白い雲。
風の音と鳥の声。ホトトギスかな。
まわりには、命、命。

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今日のおはなしひろばは「長柄のひとばしら」
日本独特の古い教訓が語られています。
知っとくことは必要かとUPしました。
知らなければ批判もできないしね(*^▽^*)

 

 

グリム童話、いいんだけどなあ🤗

4年生以上に語る機会がめっきり減ったので、これまで語ってきたレパートリーのうち、とくに語りごたえのあったグリムの話をみなおしてみようと、この1月から月1、2話のペースでもどしています。

でもね、子どもたちに語っていたときは手応えがよくて私自身も学ぶことの多かったグリムなんですが、いま、口に上らせると、なんか違和感があるんです。
こんなじゃなかったんだけどなあって。
夢中になって語れないんですよ。

その原因を考えました。

まず。
おはなしを選ぶとき、この話で子どもに何を伝えようかと、一生懸命考えます。皆さんも同じですよね。
グリム童話はそれがわかりやすいのです。
そりゃそうですよね。
グリムさんは、近代ドイツを作り上げるために、倫理的、教育的に再話したという経緯があるんですから。
200年も前の再話なのに、現代の日本に住むわたしでも、けっこう共感できるんですよ。子どもに伝えたいことが見える。
200年前のドイツと現代の日本。その程度なら、人間ってあんまり変わらないのかな・・・

おっと、話がそれそうや。もどって。

わたしが語ったグリムの話は、どれも、子どもたちの反応がとてもよかったです。
(だから、わたしも好きになった)
そして、子どもって、とっても正義感が強くて、まっとうで、賢いなあって、思いました。
このわたしの子ども観は、(主に)グリムを語ることで得たと思います。

ところがいま、それらの話を戻しながら感じる心の動きは、み~んな、過去の記憶なんですよ。
新鮮味がなくて面白くない。
かつて子どもたちといっしょに発見した主人公の人生のコアな部分は、もうわたしにはじゅうぶんなんです。

わたし自身のために語るには、グリム童話は良い子ちゃん過ぎるっていう感じかな。

きのうの語りクラスで、「靴をはきつぶすお姫さまたち」を聞かせていただいたんだけど、今の私には、グリムの「踊って踊ってボロボロになったくつ」ではなくて「靴をはきつぶすお姫さまたち」⇒こちらの主人公のほうが、魅力的。

おじいさんに親切にしていいことがあるという人生より、自分の勘と力を信じて、やっちゃえ~~~っていう生き方のほうに、惹かれます。
あと少しグリムの思い出に浸ったら、こんどは、そんな話を覚えたいなあって思っています。

おっと、大丈夫です、再話するときには、いろんな価値観の話をまんべんなく選ぼうと考えています。
語りの森は、みなさんに、できるだけいろいろな話を提供したいってスタンスでやっています。いま、ご自分にぴったりの、好きな話を選んでくださいね。