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語りの森を作った魔女

「ろばの子」の語法 感想2🖨️

ご報告が遅れてごめんなさい!
つづきで~す(*^▽^*)

Dさん
今回のろばの子のおはなしの中にも語法が沢山、入っていました。
聞き手がイメージしやすく、聴きやすく、そして語りやすくするために使われていることを教わりました。
このおはなしはろばの子が生まれたときの両親の言葉の極端な違いをいいながら、投げ出さないで大切に育てようと言っているのだと思いました。そして父親の言葉どおりな結末に、いいえ、それ以上な幸せを手に入れたろばの子に満足出来るんだと思います。
周りの人たちは、なみのろばの子として扱おうとしましたが、ろばの子は自尊心を持っていました。
そして王さまは外見だけで判断しないで本人のいうことを聞ける人物だったので良かったと思いました。
ろばの皮を焼くことは若者がこれから前へ進めるように過去のしがらみみたいなものから断ち切れるようにと、自分が全部責任を持って引き受けたという気持ちで盛大に燃やしたのではないかと思いました。
こんな大人がたくさん、いてくれたらいいなぁと思います。

Eさん
お話のみごとさに驚きました!(語法って凄い!)今回もまた心揺さぶられました!思いだすたびに心があたたかくなります!子供達は主人公になってお話の世界を旅する、いろんなことを思いながら、感じながら、幸せにむかって一直線に進んでいく!子供達にとって王様の存在は幸せなことでしょう!そして今回新たに王女様の存在の大切さを教えていただきました!(感動!)この2人の存在がどれほど子供達にとって幸せなことかと思うと嬉しくてなりません!そしてろばの子を語れる私達もこのうえない幸せだと感じました!

Fさん
ろばの子、色んな解釈が広がっていくおはなしでした。語法の勉強会は久しぶりの参加でしたが、おはなし会の体験を思い起こして、語法が自分に浸透するような時間になりました。だいぶ時間がたってから感想を書いていますが、他のテキストや本を読んで比較したことで、後からじわじわと気が付いたことです。昔ばなしには、語法による隠された仕掛けがあって、聞き手がクリアなイメージを持って聞いていく事ができることを再認識しました(すぐ忘れるので)。目で見て読む文章は、抽象表現から具体表現へ、言い換え表現、時間を戻しての回想、他にも色々な技法で表現されて、作者の仕掛けによって読み手の感情の動きがあり、目の情報で自分のイメージを助けながら楽しんでいく読み物です。昔話で心情描写がほとんどない事においては、感情を引き起こすのは聞き手自身になる、受け身のままではいられないところに、愛ある育みがあると思うと感無量です。…キーボードを打つ手を止めて、遠い昔の人々、民族たち、地球の歴史に思いをはせてしまいました。昔ばなしの語法が、世界中の昔話に共通してみられるなんて本当にすごいことですね。人間の普遍性に感動します。自分の型を作っていく、人格形成の部分、そのことに昔話は深く関わるのだと思いました。「ろばの子」の本質については、判断せずにそのまま受けとめるだけにとどまり、今後関連付けてひらめきがやってくることを待ちたいと思います。一つ考えていることは、『昔話は外見ですべてを語る』と言われたことです。今後「ろばの子」を語る時がやってきたら、子どもたちにも教えてもらうことになれば嬉しいです。ヤンさんの体験やご自身の言葉によって、昔話の力を解明していく楽しさを与えていただき感謝です。ありがとうございました。また、自分の気持ちや考えを感想でアウトプットさせてもらって学びの整理ができ、思いがけずすっきりしました。今後も語法の勉強会を楽しみにしております。

いかがでしたか?
感想をお寄せくださった方々、ありがとうございました。
ブログを読んでくださる方たちと共有できていたら嬉しいです。
感想をまとめるのは、めんどうですが、まとめることで、ふり返ることができますね。
ふり返ると、忘れていることや、また、あらたな発見があります。

来年度は語法勉強会の回数が減ります。
どうぞ、積極的にご参加くださいね。

今回の「ろばの子」の勉強会は、録画を見ることができますよ。
おんでまんどくらぶ(⇒こちら)で、ぜひ見てくださいね~

 

 

拾う神あり

それはきのうのことです。

図書館のおはなし会に向かっていました。
JRの駅について、ICOCAをペタっとして、まだ電車が来ないのでベンチに座って待っていました。

目の前に指名手配のポスターが張ってあって、よく見た顔の人が先日実名を明かして亡くなったってニュースで言ってたよなあ、って思いながら、ぼ~っとしてた。

あ、来た!

ひと駅乗って、改札を出ようとしたら、ない!
ICOCAがない!
切符のいつもの定位置左のポケットに入ってない!

改札は無人で、しゃあないからインターホンしたら、忘れ物係の電話番号を教えてくれて、出札券をペッて出してくれた。便利やなあ。

なんて、感心している場合じゃない!
ICOCAがない!
4000円ほど入ってたんやで(;´д`)ゞ

パニクりながらのおはなし会。
頭の中は、ICOCA、ICOCA、ICOCA、・・・
しかも今日は1,2歳の幼児ばっかり。なんでやねん!

ICOCAの頭で、「うめにうぐいすはあかんな」「がちょうはくちょうはあかんな」
「わあああ、なんやねん!なにしよ~」

年金生活で4000円は痛い⊙﹏⊙∥

わけわからんうちにおはなし会は終わり、お忘れ物係に電話して、泣き泣き帰りました。

そして今日!
隣のJR駅から電話がかかってきた!

お兄さん「M駅です。きのう登録されたお忘れ物のICOCAが届いています」
わたし「え”~~~~~」
お兄さん「M駅、分かりますか?取りに来られますか?」
わたし「分かります、分かります、分かります!行きます、行きます!行きます」と、三回の繰り返しの連打╰(*°▽°*)╯

届けてくださったかた、ありがとうございます。
神さまはいてはります。
ほんま、うれしい。

がらがらどんのみなさま、ご心配おかけしました。
ご親切ありがとうございました。

ICOCA 落とす私は 貧乏神
ひろったあなたは 福の神

 

初めてのストーリーテリング🔔

府内の某町に講演にいって来ました。
町立図書館主催の読書推進事業のひとつです。
テーマは「想像力を育むおはなしの世界」

この地域は、絵本や紙芝居のサークルや読書ボランティアのかたが中心に活動されているそうです。
で、語り、おはなしはあまり聞いたことがないとのことでした。
子どもと本をつなぐものとしては、わたしの市では、もっぱらストーリーテリング(おはなし)が語られているので、近くの地域でもずいぶん違うなあと思いました。

わたしの個人的感覚では、おはなしは絵本の読み聞かせに比べて、かなりエネルギーがいると思います。だから、絵本で楽しく活動されている方にとっては、いまさらおはなしには触手が伸びないのではないか、とも思います。
ただ、わたしの個人的感覚では、絵本を読むよりおはなしのほうが断然おもしろいです。
そして、子どもの想像力を育むということでは、おはなしのほうが力を持っています。
さらに、あいだに本をはさまないから、子どもと語り手の距離がめっちゃ近いです。それは子どもにとっても語り手にとっても幸せの経験だと思います。

と、前置きはこのくらいにして・・・

18名のかたが受講されました。年配の方が多い感じでした。
とっても楽しそうに聞いてくださいましたよ。

講演会の内容(*^▽^*)

1,おはなし会
ストーリーテリング 「七羽のからす」『おはなしのろうそく10』東京子ども図書館
ストーリーテリング 「さるの海岸見物」『語りの森昔話集2』村上郁再話
てあそび      「ちいちゃんぱあちゃん」
絵本        『あかちゃんのゆりかご』レベッカ・ボンド/偕成社
絵本        『よあけ』ユリ・シュルヴィッツ/福音館書店
ブックトーク    『いのちのまつり―ヌチヌグスージー』草場一壽・平安座資尚/サンマーク出版
絵本        『いました』五味太郎/ブロンズ新社
てあそび      「さよならあんころもち」

2,おはなし会を組み立てる
A、おはなし会をふり返って、テーマを考える。
みなさん、すぐに、「命」「誕生」「愛」と答えてくださいました。子どもに語るときは、テーマに沿って組み立てるとすんなり入っていきやすいことをお話しました。
B、ジャンルの特質を知る。
ストーリーテリングは、耳からの言葉だけで想像できるものを選ぶ。
絵本は、言葉と、形と色の生命感にあふれる物を選ぶ。
ストーリーテリングは、絵が小さかったり全体が長かったりしたとき、自分で読んでみたいと思えるように、話す。

「七羽のからす」「さるの海岸見物」について、これまで子どもたちがどんな風な感想や反応をしてくれたかを、お話しました。
そして、チャンスがあれば、ぜひストーリーテリングに挑戦してほしいとも。

おはなしの講座は、近年、少なくなっているので、ちょっと残念です。
手間暇かけて子どもに手渡すことが、とっても大事なんだけどな。
広まってほしいと思います。

 

 

2月のおはなし会 2

弥生3月ひなの月♬
でも今日は雨模様で冷たかったですね。

2月のおはなし会の報告です。

2月26日(月)
こども園 4歳さん

ろうそくぱっ
おはなし「さんびきのくま」『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』村上再話
絵本『すしん』たなかひかる/ポプラ社
ろうそくぱっ

こども園 5歳さん

ろうそくぱっ
おはなし「ジャックと豆の木」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』村上再話
絵本『すしん』たなかひかる/ポプラ社
ろうそくぱっ

やりましたよ、ジャック!
聞きましたよ、ジャック!
もともと幼稚園の最後のおはなしと思って再話したんですよ。
で、何年か語ってたんだけど、ちょっと集中が足りない時期があってね、やめてたの。
でも、なんとなく、この学年いけるぞって思って、園長先生にご相談したら、「どうぞどうぞ」ということだったので、思い切ってやってみた。
たのしかった!
ほっとした!
これで、心おきなく小学生になれるぞ(笑)
ただ、Aちゃんが欠席だったので、とっても残念だった。
Aちゃんは、はじめ、なかなかお話が聞けなかったんだけどね、少しずつ、少しずつ会話を重ねて、心を開いてくれてね。
わたしもAちゃんも、おはなし会を楽しみにしていたのです。
またどこかで会いたいな~

「ろばの子」の語法 感想1🖨️

ご報告がとってもおそくなりました<(_ _)>

オンラインの語法勉強の報告をジミーさんがしてくださいましたね。⇒こちら
参加したかたの感想が届いていますので、ご紹介しますね。
みなさま、それぞれの視点からの熱い想いが伝わってきます。

Aさん
最初「ろばの子」を読んだ時、正直この話の良さがあまりわかりませんでした。その後、語法に照らし合わせて解釈していくうちに、主人公の内面の葛藤を表す、ある意味数少ない話ではないかと思いました。
そして、子どもの自尊感情を育てるのは周りの大人であり環境であること、それがあれば、難しいと思われることも克服することができる、愛され必要とされて育つことの大切さ。

その後、自分の外見を知ることで傷つくものの、その事実をもきちんと受け入れて「なみのろばの子じゃない」と主張していく強さ。

お姫様の前でろばの皮を脱ぐシーンで、嵐の「モンスター」という歌の「見かけじゃなくて 心を抱いて」というフレーズを思い出しました。欲しいのは、探していたのは自分の本質を理解して愛してくれる唯一の人、その人の前ではろばの皮を脱ぐ必要があった。

お姫様の父親である王様はろばの子に、人として一番大事なのはその人の心で、本人に何の責任もないこと(この場合はろばとして生まれたこと)からは自由になって良いということを教えてくれた存在なのではないのかなと。

こういう話こそ、思春期の子どもや大人達が「自分のストーリー」として、細かい描写のない「語り」で聞いて欲しい話ですね。

Bさん
「おひめさまの視点で見てみる」から「ろばの子の視点で見る」ことでストーリーがくっきりクリアに捉えられスッキリしました。誰の視点で描かれているかを意識することでストーリーに必要な道が浮かび上がる感じでしょうか。レパートリーのおはなしについてももう一度誰の視点なのか意識してみたいと思いました。

「ろばの子がなぜまたろばの皮を着たのか」について
P10 1行目飛び起きてろばの皮を着ようとしました‥ぼくはなんとかして ここから逃げださなければならない」と書かれている所から ろばの子はおひめさまの前で気持ち昂ってか、お姫さまの愛を通して自信を深めてか、皮を脱いでみたもののまだそのまま他の人の前に出る勇気はなく、朝になると夢から覚めるようにまた自信が揺らぎ、ろばの皮を着たのではないかと思います。
P10 6行目 王様に「ここにいなさい。おまえはそんなにも美しい若者だ‥」と大きな父性で受け止め社会的にも認めてもらってむき身の自分でいることに自信が持てたのだと思います。

今回も語法を通して昔話の愛の深さに感動しました。脇役に冷たいのもストーリーをクリアにする重要なポイントなんですよね。視点に気をつけたいと思います。ありがとうございました。

Cさん

語法を一つ一つ確認しながらみていくとストーリーがクリアになり、改めていい話だなと思いました

*欠如した存在のろばの子が成長していく過程で、リュートだけができたことは大事なことで、そのおかげで王女さまと結婚できたこと
*主人公中心にストーリーが進む中で王女の存在ががどれほどたいせつかが見えてくる
*初めて皮を脱いだのが王女様の前で、自分を認めたのが王女様である・・・充足される
欠如しているものは必ず充足されることがより明確にわかりました

王子が皮を脱ぐ場面も考えました
心を許せる王女の前なら皮を脱ぐことができたと思うのですが、朝になると部屋の外(外界)へはありのままの自分をさらけだすことができず、また皮をかぶってしまう
それは成長過程の行きつ戻りつの中の自信のない部分の現れと感じました
最後に王様が皮を燃やしてしまった後、ここから逃げ出したいという不安な王子に対して王様が「ここにいなさい」といいましたが、人生の大先輩からの大丈夫だと背中を押してくれる言葉に王子は力をもらって、覚悟を決め、また大人として大きく成長できたのではないでしょうか

語法と繋がる考えなのかどうかもわかりませんが、また教えていただければと思います

つづく~