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12月度 中級クラス❄

今月も様々なジャンルのおはなしで、感動あり、笑いあり、歌あり、方言あり・・・楽しい勉強会になりました。では、報告です。

♬手遊び メリークリスマス🎄♬

(語り)

①マローンおばさん 『マローンおばさん』/こぐま社

エリナー・ファージョンの詩で、図書館でのクリスマスおはなし会に語られるそうです。雪が深く降り積もった冬のある日、一人貧しく暮らしているマローンおばさんの家に月曜から順にスズメ、ネコ、母子キツネ、ロバ、クマがやってきます。マローンおばさんは食べ物を分けてやり、「あんたの居場所くらい ここには あるよ。」と言うのです。土曜におばさんが起きてこなくなり、日曜に動物たちがおばさんを天国に連れていくのです。最後は聖ペテロ様に「あなたの居場所が ここにはありますよ、マローンおばさん」と言われます。

天国の景色を見てマローンおばさんが言った「ここは わたしの来るところじゃないよ」という言葉はイメージより、聞き手に考えさせる場面ですので、語り方に気を付けましょう、とのアドバイスでした。

詩の語りを聞いたのは初めてでしたが、最後は(大げさではなく)涙が込み上げてくるような気持ちになる心温まる語りでした。子ども達ならどんな風に感じるのかと気になります。

②ヘレーおじさん 『語りの森昔話集3』/語りの森

ブータンの昔話です。わらしべ長者の逆バージョン、高価なものを順に低いものと交換していく内容です。最後はおんどりと歌を交換し、ブータンでは、だれが見てもばかげた取り引きをする人を、「ヘレーじいさんのようだ」ということです。この手のおちを理解できるのは、中学年以上になります。笑い話ですので、子ども達の前で語ってしか、本当の間は取れませんが、経験からここで笑いがあるかと想像しながら語られました。

繰り返しの品物を交換する場面、「おまえさん、その〇〇と△△を取りかえないか」の前は少し間をとり、考えているように語るといいそうです。

③お月お星 『日本の昔話2』/福音館書店

実子とまま子の話の場合、「ホレばあさん」や「ネコの家に行った女の子」のように良い子と悪い子であることが多いですが、このおはなしは二人とも良い子であるところが気に入ったそうです。なお、まま子に関しては、ヤンさんがブログ(昔話の解釈ー白雪姫)で解説してくれていますので、ぜひ参照ください。そうです!私もまま母になることがしばしばです(苦笑)→https://blog.katarinomori13.com/2020/11/11/%e6%98%94%e8%a9%b1%e3%81%ae%e8%a7%a3%e9%87%88%e3%83%bc%e7%99%bd%e9%9b%aa%e5%a7%ab%ef%bc%93%f0%9f%91%b8%f0%9f%91%b8%f0%9f%91%b8/

最後は母親が謝罪し、目も見えるようになり、家族みんなでハッピーエンドのおはなしです。三人息子がいる私は、どうしても女の子が主人公より男の子のおはなしを選んでしまうのですが、双子の女の子のいるYさんは母の愛が感じられる素敵な語りでした。

④ソーディサルレイタス 『英語と日本語で語る フランと浩子の昔話1』/一声社

子どもに語られたのを聞いて、自分も覚えたくなったそうです。子どもとリズムを作っていくおはなしです。♪ソーディ ソディ ソーディサルレイタス♪と一緒に口ずさみたくなりますね。低学年のおはなしですので、ふくらし粉の説明ができるようにしておきましょう。

⑤びんぼう神と福の神 『子どもに聞かせる日本の民話』/実業之日本社

先月に入会してくれたHさんの初めての発表でした。山形弁の方言が残ったままのテキストですが、方言を大切にしたいと手を入れずに語られました。東北で語りを聞いた経験もあるそうで、違和感なく語られ、大いに笑いがおこりました。

☆ふくろからふたり出てこい 『ロシアの民話集(下)』/岩波書店(ヤンさん)

おはなしひろばにupしてくれていますので、聞いてみてください。→https://katarinomori.xsrv.jp/oh/2020/12/18/%e3%81%b5%e3%81%8f%e3%82%8d%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%b5%e3%81%9f%e3%82%8a%e5%87%ba%e3%81%a6%e3%81%93%e3%81%84/

今回はテキストに手を入れることが少なく、個人的な感想が多い報告ですみません・・・中級クラスは初級クラスのテキスト縛りがないため、一気におはなしの世界が広がった気分です。中級クラスもやる気十分、次回3月16日にお会いしましょう。来年はどんなおはなしに出会えるか、楽しみです(^^♪

11月度 中級クラス

遅くなりましたが、先週火曜にありました中級クラスの報告です。

♬手遊び しのだのもりの~♬

(語り)

①話十両 『日本の昔話3』/福音館書店(ジェニィ)

男が十年間働いて貯めた十両で「命が助かる話」を三つ買うというおはなしです。三つ目の「短気は損気」のはなしの中で、男が我が家に帰ってきて、女房と会話をする場面、会話文だけで語りたいと思い、「」の前後の言葉を削除しました。ヤンさんからは削除してもいいが、家の中からは女房が~の場合は家の中から話していることが分かるように、声の大きさと間を考えて、また、~といつめました。では、問い詰めている気持ちをこめれば、言葉に表さなくても、聞き手に分かるでしょう、とのことでした。本番では意識して語りたいと思います。

②仙人のおしえ 『日本の昔話5』/福音館書店

所々に手を入れられましたが、三回の繰り返しは出来るだけ同じ言葉で統一するほうがいいでしょう。また、言葉を付け足す場合、言わなくても分かるときは不要です。昔話は心の葛藤を言葉では表しません。どのような気持ちか?それは聞き手が感じればいいので、正解はありませんし、語り手が決めつけて語ってはいけません。自分の思いは大切ですが、語り手はストーリーを伝えるだけで、心は聞き手にあることを忘れずに。

③あめ玉 『はじめてよむ日本の名作絵どうわ3』/岩崎書店

「ごんぎつね」が有名な新美南吉の作品です。一つしかないあめ玉欲しがる二人の子ども。黒ひげをはやした強そうなお侍が刀で半分にわってくれる、というほっこりするおはなしです。

昔話なら「むかしあるところに~」で聞き手が自分でイメージした世界が作られていきますが、創作は情景描写などが細かに書かれているので、言葉一つ一つを理解し、正確に語らなければなりません。例えば初めの 「春のあたたかい日のこと、わたし舟にふたりの小さな子どもをつれた~」とありますが、あたたかい→どれほど?、わたし舟→どんな大きさの?どんな川を渡る? と状況を細かにイメージする必要があります。

新美南吉の本紹介と合わせて、4年生に語られるそうです。

④まぬけなトッケビ 『おはなしのろうそく30』/東京子ども図書館

3年生に「鬼」をテーマにしたプログラムの一つとして語られたそうです。間を入れて語っている部分がありましたが、間を入れると聞き手が何かとイメージしてしまいますので、一気に語りましょう。

⑤王子さまの耳はロバの耳 『語りの森昔話集4』/語りの森

幼稚園で語りたいと覚えられたそうです。「王子さまの耳はロバの耳だよ」を歌いながら語るか悩まれたそうですが、練習しているうちに自分なりのメロディーができたそうです。とっても自然な感じで、一緒に口ずさみたくなりました。

☆きつね女房 『日本の昔話2』/福音館書店(ヤンさん)

今月から息子の小学校でおはなし会が再開されました。今までは図書室で、床に座った状態でのおはなし会でしたが、コロナ禍で教室で机に座ったソーシャルディスタンスを保ちながらのおはなし会に変更になりました。特に低学年で感じたのは、初級クラスの報告でウーカーさんも書かれていますが、一部の子ども達がおもしろいと感じても、机が離れている物理的距離からその気持ちが回りの子ども達に伝染しにくいのです。クラス全体で理解、笑いが起こりにくい状況で、語り手はさらに技術を磨く必要があると感じました。

1年生に「鳥のみじい」を語ったときに↑のように感じたのですが、昨日、2年生に「はらぺこピエトリン」を語ってきました。去年も2年生に語ったのですが、満足のいく語りができませんでした。大好きなおはなしなのですが、自分の思いが強くでているとヤンさんに指摘され、気を付けたつもりだったのですが、一歩引いて冷静に語れず、大切な言葉も流してしまったのだと思います。今年こそはリベンジ!と思い、語ってきました。

2クラスに語ったのですが、最初のクラスで失敗したところは意識して言葉を立て、後のクラスでは上手くいきました。途中から一番前の端にいる男の子が立ち、真ん中の後ろに座っている男の子の顔を見ながら(相槌をうちながら)おはなしを聞いてくれたので、クラス全体に気持ちが伝わったのかもしれません。思った通りの反応があり、最後はバッコルコが死んで「よっしゃー!」と言っていた子どももおり、楽しんでもらえたと感じました。子ども達とおはなしを通じて、気持ちを共有できるのは本当に幸せですね。図書館のおはなし会再開の目途が立たない中、小学校でおはなしの場を設けてもらえるのは、本当に有難いです。頂いた子ども達の貴重な時間を無駄にしないためにも、これからも語りに磨きをかけたいと思います。

余談が長くなってしまい、すみません・・・もう12月、1年が早い!1月と2月のクラスはお休みですが、久々の語法の勉強会がありますね!「まほうの鏡」楽しみです(^^♪

10月度 中級クラス

初級クラスに続き、約8か月ぶりに中級クラスが再開されました!初級クラスで5年間勉強し、進級した私たち5名も加わり、また見学に来られた方もおり、14名での勉強会となりました。

長期休暇でおはなしを温めてこられたのでしょう。すべて15分以上の本格的昔話ばかりで、聞きごたえたっぷりでした。主人公もテーマも国も違うからでしょうか、飽きることなく、おはなしの世界を存分に楽しむことができました。では、報告です。

①まほうの馬 『まほうの馬』/岩波書店

・以前はテキスト通りに覚えたそうですが、今回は語りにくい部分にかなり手を入れられての発表でした。

・何度も登場する「うつくしいエレーナひめ」ですが、『うつくしい』を一部省かれました。「うるわしのエレーナひめ」と訳されている場合もありますが、ロシアの昔話にはよく出てきます。これは「うつくしいエレーナひめ」で一つの言葉(名前)であり、毎回だとしつこく感じるかもしれませんが、削除しなくてもいいのでは、と提案がありました。

また、「おとぎばなしにでもでてこないような、どんなふででもかきあらわせないような」という文言があり、削除されたのですが、これもロシアの昔話特有の言い文句なので、残したほうがいいそうです。

・最後にうつくしいエレーナひめが「ほら、おとうさま、わたしのおむこさんがみつかりました」という言葉は感情をおさえて語りましょう。盛り上がって、ついエレーナひめになって語ってしまう気持ち、分かります。私も好きな場面では、興奮気味に自分の気持ちを押し付けてしまうことがあります。が、語り手は一歩引き冷静になって語る、聞き手が自分のイメージで楽しむことが大切、なんですよね。

②マリアの子 『語るためのグリム童話1』/小峰書店

「子どもに語る グリム童話」では三位一体など、難しい言葉が出てくるので、こちらのテキストを選ばれたそうです。しっかり言葉が入り、情景もイメージできて、おはなしに引き込まれた素敵な語りでした。

あけてはいけないと言われた十三番めのとびらをあけてしまう、女の子。聖母マリアに聞かれても「あけていない」と言うばかりです。言いつけを守らず、うそをついた女の子は下界の荒れ野に捨てられ、口もきけなくされてしまいます。

しかし、王子に拾われ、結婚し、おきさきとなります。子どもを三人産みますが、その度に聖母マリアが現れ、「とびらをあけたか」と聞かれます。が、今回も三回とも「あけていない」とうそをつき、聖母マリアに産まれた子どもを連れ去られてしまいます。口がきけないため、大臣や王子に説明することができず、おきさきが子どもを食べたと疑われ、火あぶりの刑にされます。しかし、火が燃え始めたとき、ついに「とびらをあけた」と正直に答えます。

「おおマリアさま、わたしはとびらをあけました」と言う前に『おきさきの心のなかに強い後悔の気持ちがわきおこり、死ぬ前に白状しようと思いました』と書いていますが、「なぜ白状したか?」は聞き手自身が考えればいいので、削除しましょう、とのアドバイスでした。

嘘を一度もついたことがない人はいないのでないでしょうか。正直に言わなければいけないのに、白状できない気持ち。小学校の高学年で語られるそうですが、子ども達がどんな反応をするか気になります。Kさん、また機会があれば教えてくださいね。

③ドシュマンとドゥースト 『子どもに語る アジアの昔話2』/こぐま社

・イランのおはなしです。タイトルを言ってから、ドゥーストとドシュマンの意味を説明されましたが、余計なことは言わず、ドシュマンは「敵」、ドゥーストは「友」と辞書的な意味を言うだけでいいそうです。

・耳で聞いているので、登場人物が複数名出てくる場面は、誰が言った言葉か分かるように会話文の前に主語をもってきましょう。

例えば、小屋の中でライオン、トラ、オオカミ、キツネが会話する場面があるのですが、

「〇〇〇」とキツネがいった。 → キツネが「〇〇〇」といった。

になります。誰が言った言葉か分かる場面では、主語を言う必要もありません。

・このおはなしの前半は二人で旅をし、後半は「隣の爺譚」型でドシュマンの話としてストーリーが進んでいきますが、

◎ドシュマンは、ドゥーストの幸せな生活がうらやましくて、自分も同じ幸運を得ようと・・・

◎べつのひみつを聞き出し、ドゥーストにおとらず金持ちになれるかもしれない・・・

◎まもなく、ドゥーストがいったとおり、・・・

のように、ドゥーストという言葉が度々出てくるので省きましょう。

・一文に行動が多く書かれており、聞き手はイメージしづらく、語り手は息が続かない文が沢山あります。その場合は二文に分けるといいでしょう。

例えば、Yさんが語りにくかった一文

「ドゥーストは、金貨をポケットにつめられるだけつめて、すぐ馬に乗り、近くの村まで行って、朝になるのを待った」

→「ドゥーストは、金貨をポケットにつめこんだ。そして、馬で近くの村まで行って、朝になるのを待った。」

自分のレパートリーである、「小石投げの名人 タオ・カム」や「マカトのたから貝」(どちらも同じアジアの昔話に集録)にも語りにくい長い一文が多くありますが、このように手を加えればいいのだと勉強になりました。

④シン・シン・ヤンドンマ 『語りの森昔話集』

ブータンの昔話で、シンポという妖怪が出てきます。前半は「大工と鬼六」のような名前当てのおはなしです。後半はシンポに捕らえられたシン・シン・ヤンドンマが、知恵をいかして逃れ、また、他に捕らえられていた人々も逃がしてやり、最後は領主の三人目の息子と結婚します。

久々の語りで、活舌が悪いことを気にされていました。子ども達があまり耳にしない言葉、「わたりどり」や「シンポ」ははっきりと発音しましょう。練習のときからマスクをして、活舌を意識するといいですね。

☆五分次郎 『語りの森HP』(ヤンさんの語り)

日常語での語りで、味付けの違うハンバーグを食べたあと、和菓子のデザートを食べたようなほっこりした気分なりました。

初級クラスでは、なんとなく語りにくかったけれど、どのように変えればいいか分かりませんでした。もしくわ、どうしても語りにくい部分はヤンさんに変えてもらっていましたが、中級では自分で変える作業をするのです。口にのらない言葉、例えばはらっぱ→野原、ごてん→お城と言い換えたり、不要な接続詞や文は削除し、足りないところは付け足す、文の前後を逆にして分かりやすくしたり、三回の繰り返しは同じ言葉でそろえる、などなどです。そして、自分だけのテキストができるのです!

中級クラスでは発表された方から、手を加えたテキストのコピーをもらえます。そのテキストを見ながら勉強しますが、家に帰ってからもこの人はこんな風に手を加えている、と新たな発見や復習もできます(^^♪

次回中級クラスは11月24日(火)、商工会館にて9時~12時です。場所と時間がいつもと違いますので、間違えないようお気をつけください。

ウェブおはなし会☁No.4 

2週間に1度、第2と第4火曜に行われている、ウェブおはなし会も4回目になりました。毎回新しく参加される方がおられ、久々にお顔を拝見し、画面を通じてとは言え、とても嬉しくなります(^^♪ 毎回語られる方、聞くだけの方、途中で抜けられる方、今回は友達の家で一緒に参加された方々など、様々です。

今回の参加者は14.5人でした。画像と音声が出ないトラブルが発生している方が数名おられましたが(私も初めての時はトラブルましたし、毎回1人はおられます (笑))、無事解決し、語りが始まりました。

🕯プログラム🕯

①「お化け学校の三人の生徒」 『おはなしのろうそく28』/東京子ども図書館

②「三匹のちょう」 『語りの森昔話集4 おもちホイコラショ』/語りの森

③「にんじんとごぼうとだいこん」 『語りの森昔話集4 おもちホイコラショ』/語りの森

④「ふしぎなたいこ」 『ふしぎなたいこ』/岩波書店

⑤「こぶとりじいさん」『語りの森昔話集4 おもちホイコラショ』/語りの森

⑥「だんまりくらべ」 『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/語りの森

語りの森の新刊『おもちホイコラショ』から語ってくれた方が3名もいました。「三匹のちょう」は自分も覚えたいと思っていたおはなしで、今回聞けて、改めて語りたくなりました。また、(私は日常語のクラスを受けていないので)、普段聞くことのできない日常語で聞けたのも楽しかったです。

ウェブで語るって、どんな感じ?今まで2回語らせてもらったのですが、普段の練習と変わらない感じです。私の場合、良くも悪くも緊張しませんでした。画面を通してしか聞き手の顔を見れない、しかも、私のスマホは一度に3人しか映らず、細かな表情まで分かりませんので、リラックスして語れました。ただ、聞き手の表情が見えない分、間は取りにくいですし、反応などは感じにくかったです。他の語られた方はどうですか?

日に日にコロナ感染者が増えており、勉強会の再開も目途が立たない状況です。講評はありませんし、自分の家でゆったりしながら、好きな時に好きなだけ参加できる、ウェブおはなし会、おすすめです。毎回おはなしを聞いてほっこり、癒されています~

次回は8月11日、10時から。パソコンがなくても、スマホで簡単にできますよ!ぜひお待ちしています♪

2月度 初級クラス❄

1月はお休みのため、年が明けて1回目の初級クラスでした。入門講座を受けられた方が3名新しく初級クラスに進んでくれました(^^♪

今月も7話の発表がありました。では、報告です。

(手遊び) 「梅の木じゃんけん」

(語り)

①だんだん飲み  『日本の昔話5』/福音館書店

家ではきちんと語れていたそうでしたが、大人を前にして語ると・・・練習不足を感じたそうです。字の文とセリフで言葉が違い、覚えにくかったそうですが、累積譚ですので、寝ても言えるぐらいまで練習しましょう。

ヤンさんからのアドバイスは、狩人と鬼への声のかけ方、亭主は飲み込んでやるぞという気持ちで語りましょう。

その後、小学2年のおはなし会で語られました。ジェニィもその場にいたのですが、言葉がつまることもなく、子ども達を前にすると上手く間を取って語られ、子ども達も大いに楽しんでいました。虫→かえる→蛇→きじ・・・と大きさがクレッシェンドするにつれて、子ども達の「え~」という声も大きくなっていました。

②三枚の鳥の羽  『語るためのグリム童話4』/小峰書店

ヤンさんが整理されたテキストで覚えたのですが、気になった点を質問しました。

1、王様が鳥の羽を空に吹いて飛ばす場面が3回ありますが、

・小峰書店→ 3回とも「三枚の鳥の羽を吹いて空にとばしました」

・ヤンさんのテキスト→ 1回目のみ「鳥の羽を三枚吹いて空にとばしました」(2,3回目は「三枚の鳥の羽を~」)

これは、三枚の~と聞いて、聞き手は鳥の羽をイメージするとは限らないため、1回目のみ鳥の羽を先にもってきているそうです。

2、同じく3回の繰り返しで、でぶでぶのひきが「大きな箱を持っといで」の後、

・おはなしのろうそく→ 若いひきがえるが、大きな箱を持ってきました。

・ヤンさんのテキスト→ 小さなひきがえるが大きな箱を持ってきました。

『でぶでぶのヒキガエルは、若いひきがえるを呼べ寄せて言いました』と先に書かれているので、若いでいいのではと思いましたが、大小対比(ひきがえる⇔箱)をさせているそうです。

①と同じく、2年のおはなし会で語ってきたのですが、最後まで集中しておはなしの世界を楽しんでもらえたと感じました。本格的昔話は演じることも特別な間をとる必要もなく、言葉さえ入っていればストーリーだけで十分に楽しんでもらえるのです。自分のレパートリーに本格的昔話は数話しかありませんので、もっと覚えたいと思いました。

③かきねの戸  『語りの森昔話集1 おんちょろちょろ』/語りの森

初級クラスで発表された方が多いおはなしの一つではないでしょうか?!何度聞いても楽しいですね。

抑揚なく淡々と語っていいのか?と質問がありましたが、我慢しているのに、淡々と「おしっこがしたい」という子どもはいませんよね。練習のときは普通に語ればいいですが、本番では楽しみながら演じてもいいでしょう。(演じずにはいられないでしょう。)

④美しいユーラリ  『語りの森HP』

すでにおはなし会で語られており、感想を述べてくれました。クラスによって反応の違いがあり、自分の語り方に問題があるのでは、と気にされていました。ヤンさんのブログ「おはなし会の報告」にも書かれていますが、先生の性格や態度、そのクラスにムードメーカーがいるかなどによって、子どもの反応に違いがでてくる場合があり、必ずしも語り手だけの問題ではないそうです。

20分と長いおはなしでしたが、私たちもすっかりユーラリの世界に入り込み、次の方が「語りにくい(苦笑)」と言われていました。

⑤眠り虫の次郎  『語りの森昔話集3 しんぺいとうざ』/語りの森

沖縄の昔話ですが、地理が苦手なSさんは首里が覚えれないと言われていました。首里城が燃えたニュースは昨年のことですし、子ども達でも知っているかもしれないですよ。

どうしても口にのらず、イメージがしにくい場合、例えば「家を継ぐ」→「後継ぎ」のように自分の使う言葉に変えてもよいそうです。ただし、テキストをきちんと書き換え、語るたびにその言葉を使いましょう。

⑥びんぼうこびと  『おなはしのろうそく26』/東京子ども図書館

言葉もしっかり入り、情景が見えた素敵な語りでした。が、そろそろ終わりにさしかかった場面で、一つの言葉が出てこず、止まってしまいました。早く続きが知りたいと思っていたのですが、なかなか思い出せず・・・本番では気にせず前に進みましょうとヤンさんがよく言われていますが、今回心からそう思いました。一つの言葉より、おはなしの先が知りたい!と聞き手は思っているでしょう。

⑦プニアとさめの王さまカイアレアレ  『語りの森HP』

珍しいハワイの昔話です。島と海の情景の中にプニアの利口さ、威張っているカイアレアレ達のまぬけさが聞いていて楽しいですね。

プニアがカイアレアレ達に向かってさけぶ3回の繰り返し場面、「おーい、みんなそこにいるかい。一番ざめ、二番ざめ、三番ざめ・・・」は1回目は丁寧に、しかし2,3回目は分かっているのでリズムよく語りましょう。さめがどこに隠れているかをイメージしながらゆっくり語られましたが、2回目以降は同じ言葉で分かっていますので、子ども達がだらけてしまうそうです。

≪ヤンさんの語り≫ 

おいしいおかゆ  『おはなしのろうそく1』/東京子ども図書館

ヤンさんが2月8日付ブログでも報告されていますが、2年生のおまけに語られ、とってもうけたそうです。おかゆがどんどん溢れ出す面白さ、それをイメージできるのは幼稚園ではなく、小学生になってからなんですね。以前6年生でも爆笑されたことがあるそうです。

さて、次回初級クラスは3月10日(火)、場所はいつもと違い中央公民館ですので、お間違えないようお願いします。『ノート式~』「おはなしの練習」(P29~)を読んできてください。