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研究クラス 👻🐟

今年度初めての研究クラスがありましたので報告します(*^_^*)
いつもならば、当番にあたっている人が語りとレポートを出しますが、今回は語りは無しでレポートだけなので、ヤンさんが最初に「今日は時間があるからみんなでお話会しようか?」とのたまいました。
(え~、聞いてない~)(いきなり~?!)(どんだけ~~)Σ(・□・;)
みなそれぞれが口に出したり出さなかったり、でもこのようなテレビで見るギャグみたいなことをいって反撃の様子を見せながらも、ヤンさんが続けて、「いきなりやから、練習のつもりでいい~」と言われると同時に、次々とホワイトボードにタイトルを書いていったのでした(笑)
つまり、文句言うというより、単におはなしを決めるための時間かせぎだったわけですね。
メニューは以下の通り
「豆の大木」『子どもに贈る昔ばなし14おにとあんころもち』小澤昔ばなし研究所
「アリョーヌシカとイワーヌシカ」『まほうの馬』岩波書店
「かしこいモリー」『おはなしのろうそく1』東京子ども図書館
「ついでにペロリ」『おはなしのろうそく6』東京子ども図書館
「金を生むねこ」『子どもと家庭のための奈良の民話一』奈良の民話を語りつぐ会
「ヤギとライオン」『子どもに聞かせる世界の民話』実業之日本社
「鳥のみじさ」『日本の昔話3』福音館書店
「ブレーメンの音楽隊」(ヤンさん)

覚えたてなのか、もどしながらなのか、得意な話か、背景はそれぞれでしょうし、途中で止まって「あれ、なんでこんなに出てこないの?」とか言いながらも、批評なしの安心感か、開き直りか、みんな言い訳なしに次々と語っていきました(笑)
約一時間、楽しいお話会でした。

次は、レポートの説明の時間。
今回の当番は、わたしでした。
グリム童話の「怖がることを習いに出かけた男の話」(KHM4)です。
この話はとにかく長いので覚えられません。
もし覚えたとしても、お話会の時間枠には入りません。
でも、前から気になっていたんです。
そこで研究クラスの課題にし、この話に関して調べ、類話の中でこれと思う話を見つけてそれを再話クラスで出そうと思ったんです。
レポートは次のように進めました。
この話はKHM4で、初版ではその箇所は「ボーリングとトランプ遊び」という話が載っています。
そして2版からこの「怖がることを習いに出かけた男の話」に差し替えられています。
「ボーリングとトランプ遊び」にほかのいくつかの話を合成したこと、類話がヨーロッパ中に残っていること、その最古のものが「死をさがしに旅に出た男」(『愉しき夜』ストラパローラ)だということが分かったのでこの三つの話を読み比べました。
次に、研究書をあたりました。
心理学的な解釈の本、昔話の研究者の本、わたしが手に入るものを集めました。
この話が、おもしろい話なのか、ゆうかんな男の冒険の話なのか、愚か者が課題をクリアする話なのか、それらのミックスならば重点はどこにあるのか、そんなことを考えながらレポートを進めていきました。
調べている途中で、〝「怖いものなしの王子」(KHM121)とモチーフの比較をせよ〟という本があったので、やってみました。
「怖がることを習いに出かけた男の話」はATU326で、「怖いものなしの王子」はATU590です。
『国際昔話話型カタログ』(小澤昔ばなし研究所)でモチーフ番号を調べ、モチーフを比較しました。
最後は、類話です。
たくさん出てきました。
でも、再話するならどうしても入っていてほしい最後のモチーフ、怖さが分かった理由が入っているのは3話しかありませんでした。
わたしの目的だった、再話する類話を見つけるについては、この3話の中から決めるか、あるいは「怖いものなしの王子」かその類話から決めるかでとどまりました。
いま思案中です(笑)
長いレポートなわりに、結果がだせなかったというのにみなさんお付き合いくださり、ありがとうございました。
そして、説明に時間がかかって呪的逃走話の読み込みができなかったというのも申し訳ございませんでした<(_ _)>
わたしとしては、未完成でも〝悔いなし!〟なんですが、まったく自己満足ですね(笑)
でも、これからモチーフインデックスを使えるということが分かったのでよかったです。
(ただし、わたしは英語が分からないのでグーグル翻訳のお世話にならないといけないんで、なぞな訳と戦わないといけないんですが…)

そして、今回、見学者さんが来られました~✌(‘ω’)✌
抜き打ちお話会も参加され、当初の予定の時間が過ぎてもいてくださり、熱心さに感激しました。
まだ、入会は考え中とのことですが、逃がしはしません、いえいえ、是非ご一緒にお勉強しましょうね(*^_^*)
次回は12月です。(年間で3回なので)
次回もまた楽しみです!(^^)!

7月の初級クラス

梅雨の真っ最中で、今日も梅雨らしい降りそうで降らないけど、ちょっと降るという、いずれにしても洗濯を外に干せないお天気です。
ジェニイさんが残念ながら欠席されましたので代わりに報告します。

「この世の光」 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森
「かめのピクニック」 『語りの森昔話集2ねむりねっこ』語りの森
「こんぶ」 語りの森HP → こちら
「三つの五月のもも」 『語りの森昔話集2ねむりねっこ』語りの森
「リスとてぶくろと針」 『子どもに語る北欧の昔話』こぐま社
「かしこいモリー」 『おはなしのろうそく1』東京子ども図書館
「ヤギとライオン」 『子どもに聞かせる世界の民話』実業之日本社 ヤンさん

みなさんからいろんな話が聞けて、今日も楽しかったです。
ヤンさんが、それぞれの語り手さんにアドヴァイスされた内容はもちろん当然それぞれなんですが、終わってみて、これはみなさん共通に感じていらっしゃるんじゃないかなと感じたことがあったのでそれを書きますね。

「発表するときに緊張してしまう」問題
家で練習しているときは完ぺきだったのに、いざみなさんの前に出て語るとなると緊張して言葉が出てこない。ひとつ引っかかったり、言葉を飛ばしてしまうとよけい緊張してしまい、その後の言葉が出てこない。ああ、もう帰りたい…。
緊張するのはどなたでも多少ありますね。
元は司会者とかコンパニオンとか、そういうかたは大丈夫かもしれませんがだいたいは緊張されます。
でも、個人差の大きいことですし、ここを乗り切るのは場数を踏むしかないのでしょうが、〝練習は裏切らない〟を心に唱えつつ、ヤンさんがいつもおっしゃる〝寝てても言えるくらいに〟練習しておくことしか、乗り切る方法はないのではないでしょうか。
ここを乗り切らないと、ぶつぶつ切れてしまってリズムが生まれようがありません。
リズムは歌の部分だけとか、話の一部分だけに生まれるものではないので、全体を通してリズムがあるということが重要だと思います。
わたしは緊張を解くために、心の中で「子どもたちは、話を聞きに来ている。わたしではない。わたしは影。わたしは透明」みたいなことを念じています(笑)
「自分の意にそぐわない話を覚えることになった場合」問題
みなさん、いろんなご事情がありますね。
お話会の予定と各自の予定、各自の持ちネタ事情、上下関係、いろんなことがありますから、残念ながらそんなことになった場合、さあどうしましょうかね。
たいへん幸せなことに、わたしはそれは一度もないのでございます。
頑張ってください、Kさん。
……あんまり無責任なので、ちょっと考えました。
昔話の場合かもしれませんが、長いあいだ語りつがれてきたということは何かそこにメッセージがあるはずですね。
昔話のメッセージを勉強してみると、自分が最初に感じた印象と違ってくることがよくあります。
語法を勉強したり、再話を勉強していると、そういうことがよくあり、「え!そんなにええ話やったんか?!」と思うことがあります。
今回は、「かしこいモリー」でしたが、これもほんとにいい話です。
いい話は、子どもたちが食いつくように聞きます。
あんまり好きじゃないと思っても、メッセージを掘り下げてみるのもいいかと思いました。
「○○と言われた」問題
何のことか分かりませんよね、すいません。
勉強会なんかで、語りあい、批評しあうみたいなときに、いろんな意見が出ますよね。
それこそいろんな意見がありますから、中には家に帰ってからひとりで涙することもあるかもしれませんよね(笑)
もうね、いちばんの先生は聞き手の子どもたちですからね、大人に言われたことはもういいんじゃないでしょうか。
天気予報ではなくて天気予想くらいの、まあ、一応聞いとこうかみたいな(笑)
でも、怖いなと思うのは、いろいろ言われると本人は当然気にしますよね。
気にしている気持ちや、ショックを受けた気持ちは引きずってしまうので、それが語りに出てしまうんですよね。
せっかくいい語りができるのに、ホントに残念なんですよね。
もし人に何か言うんだったら、そんなことまで考えて、責任もって言ってほしいですよね。
悪気じゃないと思いますけどね。
言われたほうにしてみたら、いっしょですからね。
ああ、かつてわたしもショックなことがありましたので、思い出して力が入ってしまいました(笑)

ジェニイさんみたいに丁寧に報告できなくてごめんなさい。
次回は9月です。
もう、エントリーは満杯!
次回も、エキサイティングな初級クラスの予感です!

児童文学を読む会⏱🐈♤

絵本の講座の翌日は、児童文学を読む会です。
ヤンさん、お疲れ様です<(_ _)>(笑)

今回は、リリアン・H・スミス『児童文学論』第9章ストーリーの続きです。
子どもたちは、真実が語られているかどうか見抜く力がありますから、日常生活を扱うフィクションのなかにも、些細な物事を正確に描写することが求められます。
正確であれば、たとえ今はもう変わってしまった生活様式の描写であったとしても、時代を経て、読む者が体験することができるし、興味を持つでしょう。
冒険小説のように山あり谷ありではないので、ワクワク感はないかもしれませんが、何気ない普段の様子や気持ちをていねいに描写する文章を好む子どもにはとても受け入れられると思います。
引用「子どもの読者というものは、作中の人物と自分を同一化するもので、この同一化により、本のなかの出来事は生き生きとうかびあがり、その新しさや力づよさが、つぎつぎの世代の子どもたちによって確認されるのである。」
なるほどな、と思いました。
本のなかに入りこむときの気持ちというのは、まさにこの文章のとおりですね。
本が書かれた時代や物語の時代設定がどんな時代になっていても、分かりやすく丁寧な説明があって、読みやすいように美しく整えられた文章ならば、知らない時代や国へ入っていくのに壁はありません。
ざっくり過ぎると、抜け落ちてピースがはまらない所が気になって先に進めませんね。
山あり谷ありではなくても、細かい描写を追うことにワクワクすることはありますし、日常を描いた物語でも引き付けられるのはそういうことなんだと思いました。
日常を描くなかに作者のメッセージがあり、それが子どもの真実を見抜く目にこたえるものであれば、次の世代の子どもにもまた支持されるのですね~

10章ファンタジー
引用「ファンタジーは、独創的な想像力から生まれるものであって、その想像力とは、私たちが五官で知りうる外界の事物から導きだす概念を超えた、よりふかい概念を形成する心の働きである。」
わたしなど、まったくに近いほどよくわかりませんが、勉強会のおかげで、つまり、とんでもなく思いつかない所から、奇想天外な世界観を作り出して成功したものがファンタジーとして残るということでしょうか?
世の中のファンタジー好きのかたには申し訳ないのですが、たぶんわたしはファンタジー音痴です(笑)
子どもの時に『ドリトル先生』を読んだことを思い出しましたが、「ふ~~ん」で終わったことも思い出しました。
わたしは何か現実にだけ囚われているような、ファンタジーの世界に入り込めないような生活だったんだろうか?
でもね、こうして今になってではありますが、この章でファンタジーを勉強し、ヤンさんやみなさんがいろんなファンタジーの本の話をされるのを聞いているのは興味深く、楽しく聞かせてもらいました。
避けていたわけではないけれども、他の本ばっかり読んでファンタジーの古典には手を出してませんでした。
が、しかし、最近読んだ『ホビットの冒険』はとっても面白かったです。
みなさんの話の輪に入れるように頑張ります。
宿題は、『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』も)を読んでくること。
P307の3行目まで進みましたが、この次はアリスについての部分になるからです。

勉強会では、ホントはもっともっと実のあることを読んだり聞いたりしたんですよ!
でも、わたしの能力的に無理_| ̄|○
この報告はとてもざっくりで、自分で言いますが残念です_| ̄|○
勉強会が終わって、研究クラス用の本を借りようと書架をウロウロしてました。
すると、いま習ったばっかりの『人形の家』(ルーマー・ゴッデン/岩波少年文庫)が目の前に!
これは、「読みなさい」という神の啓示かと観念して、借りなければいけない本と読まなければならない本の上に乗せたのでした(笑)
いまちょうど、『ジーブス』シリーズを借りてないので、今のうちに読みます。
ではまた次は9月に!!

絵本の読み聞かせ入門講座📙

今週、最後の絵本の講座がありました。
1回目~3回目がヤンさんの読み聞かせとお勉強。
4回目が実習。
最後の5回目も実習です。
4回目と5回目ですべての受講生が前に出て自分が選んできた絵本を読みました。
ひとりで2冊読めた人は一人だけだったので、受講生の人数と選んできた絵本の長さがちょうどよかったというのも驚きました。
みなさんが選んでこられた絵本も、例年に比べて有名作家の定番が多かったように思います。
定番や古典絵本は、やっぱりいいなあと思いました。
人に読んでもらって一定の距離から見ることで、作家さんが隅々まで見てほしいという意図をもって、装丁から何から何まで考えて決めているんだと分かりました。

今年は、はじめに簡単な自己紹介をしたので、幼い我が子に読むために受講されている人、ボランティアにかかわっているか、あるいはこれからやろうとしているとか、絵本製作にかかわっているとかの背景が分かっていました。
それもあわせて、聞かせていただいたこともよかったと思います。
どの絵本もよかったんですが、わたしはユリ・シュルヴィッツの『よあけ』を読まれたかたに感動しました。
『よあけ』は、いままでの絵本の講座でもヤンさんに何度も読んでもらっているとっても好きな絵本です。
絵も言葉も、とても素敵で何度読んでもらってもその都度心が洗われる気になります。
今回読んでくださったかたは、自己紹介の時から思っていましたが、とても静かな口調のかたで、お上品というか、「一生に一度でも、声を荒げるようなことがおありになるんだろうか…」と思わせるようなかたではありました。
そのかたが『よあけ』を読み始めると、まるで初めての世界に触れたような気持ちと、読み手の人柄や人生を感じるような雰囲気にあっとうされ、気持ちの動きが大きくなって泣きそうになりました。
読み手が「泣かせてやろう」とか、何にもないんですよ。
ただ、一生懸命に読んでおられるだけなんですよ。
でも、聞き手には絵本の持つメッセージが伝わり、読み手の背景まで感じられる。
あるいは、わたし自身が欲している心のどこかの部分と、この読み手さんの個性が、勝手にマッチしたのかもしれません。
なにはともあれ、わたしにとってはこんなにラッキーでうれしいことはありませんでした。
録音して、いつも持ち歩いていたいくらいです。

絵本の講座は、ヤンさんの読み聞かせ、お勉強、受講生の質問に答えるコーナー、実習と毎年もりだくさんです。
そして、毎年受講しているわたしですが、毎年発見とよろこびがあります。
また来年、どうぞありますように。

絵本読み聞かせ入門講座

近畿地方は、やっと梅雨入りしました。
ちょうど、「もう、このまま梅雨がなくて夏になるんじゃないか?」と言ってたんですが、やっぱり来ました(笑)
気候の変動とは関係なく、読み聞かせ講座はきっちりと始まります。
今回はいよいよ実習です。

はじめはヤンさんの準備の説明から。
入門講座なので説明は基本的なことからはじまり、とても丁寧です。
・絵本のカバーは外しておく。
・開き癖を付ける。
・声に出して読む。
絵本を開いたところは本文とは関係ありませんが、もう絵本作家の意図はそこにもあります。
たとえ無地で、白い紙だけでも考えてそうしてあるのです。
だから、開いたときにカバーで隠れて見えないということになってはいけません。
そして、特に新しい絵本は開いたときに真ん中の綴じてあるところが固くて曲がったままになりがちです。
すると、絵がみえないこともあります。
しっかり開けるようにしておきましょう。
そして、読み聞かせるリハーサルとして、声に出して読んでみます。
絵本の題、作者は必ず読みましょう。
作家さん・画家さんなど、作った人へのリスペクトです。
練習の時には、絵本を持つ手の位置、めくるときに腕が絵を邪魔しない、先に絵を見せてから読む、等、たくさんの注意点を教えてもらいました。
家で、我が子を膝に乗せて読む場合とはちがって、たくさんの子どもたちに読み聞かせる場合は、絵がみんなに見えるかとか、絵本を持つ手が傾いたり、腕がプルプルして不安定になっていないかなど、いろいろ考えないといけませんね。

そして、いろいろアドバイスを聞いているうちに思っていたんですが、自分の壁というか、近眼で老眼のわたしは絵本の字がかなりはっきりしていないと見えないんですよね。
質問コーナーでも、横長の絵本の場合手前の字は見えるけれど、一番むこうだと見えないとか、あるいは、重くて安定しないとか色々出ました。。
アドバイス通りにできないからどうしたらいいですか? ではなくて、工夫するしかないんですよね。
きいてくれる子どもたちが、ちゃんと絵を見られて、読む声がはっきり聞こえるというのは最低条件ですから。

そして、いよいよ実習のお時間です。
毎年ですが、一番に手を上げられるかたというのは、「早いこと済ませてしまいたいのでやります!」と言われます。
一番は勇気がいると思うんですが、それよりも待つ時間の苦痛が耐えられないんでしょうか?
分かるような気がいたします。
そのあとも、一人が終わるとまた一人と時間いっぱいまで途切れることなく手が上がりました。
受講者が選んだ一冊は、それぞれの好みかたまたまか、バラエティーに富んだいろんな種類の絵本で楽しかったです。
次回は最終回、今回時間切れで実習できなかった人は来週がんばりましょう!