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第22回昔話の語法「ホレばあさん」

先日寒い中窓を開けて換気しながら「ホレばあさん」の語法勉強会が行われました。
まずは「ホレばあさん」のおはなしの構造(骨組み)について理解してから語法を丁寧に確認していきました。
私は最初の頃語法勉強会で聞いたことと実際のおはなしの中のその作用みたいなものが実感できず何度も勉強会を受けているうちに「あ、そうか!」と腑に落ちる部分がやっと出てきました(汗)。今思えば知ってるおはなしも少なくてわからなかったんですね。たくさんのおはなしを聞いたりテキストを読んだりして「おはなし」にたくさん触れる事で内容が認識できるようになってくるのだなぁと思います。

ヤンさんは語法にハマっていた時には子どもたちに語りながら頭の中で「これは孤立性!」とか同時進行で語法を確認しながら語っていたら(神わざ!)子どもたちの集中がとてもよかったそうです。

到底語りながらは出来ませんがテキストの語法をしっかり確認することが大切だと再認識しました。
今回も「これは何ですか?」と尋ねられてもオロオロし予習不足、理解不足でした(恥)。まずは復習からだ!

ヤンさんの講義でいつも昔話に込められている愛の深さを教わります。「ホレばあさん」の美しいむすめのやったことは自然に起きたこと。怠けもののむすめがやったことは無理矢理わざとやったこと。昔話はわざとやったことは失敗する。自分なりに生きていくことがよいとされる。哲学的。

そうだったんだ!自分なりに生きていくことを伝えていたのか!
子どもたちに語るのが楽しみです。

第4回おはなし入門講座

雪のちらつく18日に21年度入門講座最終回の発表会が行われました。年をまたぎましたが全員参加で最終回を無事迎えることができました。
プログラムは以下の通りです。

1.三人兄弟
「語るためのグリム童話6鉄のハンス」小沢俊夫監修/小峰書店
2.あちちぷうぷう
「語りの森昔話集4おもちホイコラショ」
3.スワファムの行商人
「イギリスとアイルランドの昔話」石井桃子訳/福音館書店
4.かめのピクニック
「語りの森昔話集2ねむりねっこ」
5.山の上の火
「山の上の火」クーランダーとレスロ文
渡辺茂男訳/岩波書店

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ききみみずきんメンバーの語り
6.しんぺいとうざ
「語りの森昔話集3しんぺいとうざ」
7犬と猫とうろこ玉
「おはなしのろうそく15」東京子ども図書館

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ヤンさんの語り
8.アナンシと五
「子どもに聞かせる世界の民話」実業之日本社

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○受講者さんのお話

Aさん おはなしを覚えて語るのは年齢的に無理かと思っていました。でも発表の期限が決まって覚え方を教わってやってみると実際には覚えることがとても楽しかったです。(ヤンさん:そーでしょー!)入門講座に来るとみなさんに会えてエネルギーもらえるようで楽しみでした。

Bさん 人前にでることは緊張します。でも今回自分で描いた絵を人に見てもらうように発表したい気持ちになりました。
☆語りのあいだ2歳の娘さんはお膝のうえでじーっとお母さんの声に耳を傾けて一心に聴き入っていました。愛おしい素晴らしい時間だなぁと改めて感じました。

Cさん (ナレーションなどのお仕事をされてたそうで)人前に立つことはありましたが事前に全て準備して手ぶらで臨むのが初めてでとても緊張しました。
「手作りのものを届ける」ことの大切さを思い出しました。

Dさん 地理を確かめたりネットで検索しておはなしの中に出てくる石像ならぬ木像が実在することを確かめ写真を見せてくださいました。その探究心がおはなしに奥行きを与えていたことは間違いないと思います。素晴らしいです。
ご本人は一字一句違えずに覚えることが苦痛でした。同じところで止まってしまう。止まるくらいなら同じ意味の言葉に変えても良いのでは?と考えたそうです。
ヤンさんはあくまで練習ではテキスト通りに覚えましょう。今回のテキストは小説のような言葉なので覚えにくかったでしょうとのことでした。

☆テキスト選び難しいですね。Cさんも「読んであまりピンと来ないものも人の語りを聞くとすごく面白かったりする」と言われてました。ホントそうですよね。私もテキストの目利きができるようになりたいと思う毎日です。

Eさん 以前から子供たちに語っていましたが京田辺市に来てヤンさんに出会い衝撃を受け講座のどの言葉も聞き漏らしたくないと思うほどでした。
今小学校で語っていますが入門講座を受けて基本的なことに自信がつきました。
今日の発表会で聞いたみなさんのおはなしは東北などの地方に出向いて聞いた時のような感じを受けました。

○講座を終えて
とかく色々なことが起こりがちな人生ですが全員参加で全4回終了できたこととても素晴らしく嬉しいことでした。また発表会はみなさん緊張されていた(緊張しますよねー!)もののとてもあたたかく味わいのある素敵なおはなし会でした。好きなおはなしを選ばれてそれをひと月かけて覚え育てられた思いが感じられて感動しました(^.^)

★ヤンさんより受講者のみなさんへ
今回1つのおはなしを覚えて語ることで一旦完結しています。でもぜひおはなしを覚えて人前で発表するということをどうぞ続けてください!
今日はみなさんの門出です!

【お知らせ】
ババヤガーより
◉語法の勉強会(お月お星)
1/21(金)10時から13時
京田辺市中央図書館集会室
◉初級クラス
3/1(火)10時から13時
京田辺市中央図書館集会室

ききみみずきんより
◉お集まり(途中入退室自由)
2/15(火)10から13時
京田辺市中央図書館会議室
3/1(火) 〜15時

(コロナ禍につき予定が変更になることがあります)

これからもみなさんとおはなしのご縁が続きますように!

第3回おはなし入門講座

雨が降ると草木を潤して空気中のチリを落とし雨上がりの景色をきれいに見せてくれてうれしい気持ちになります。
さて先日の久しぶりの雨の日に第3回入門講座が行われました。ご報告します。

おはなしの覚え方・語りかた】

1.語り

「三匹のこぶた」
 (イギリスとアイルランドの昔話)福音館書店
   語り ヤンさん

2.おはなしの覚え方

A.ストーリーを覚える

①声を出して全体を読む
映画のように映像をイメージしながら読む
②テキストを見ずにあらすじを書き出す
→テキストと照らし合わせて抜けているところを補充する(自分の欠けているイメージを確かめる)
③意味段落に分ける
・場面が変わる
・時間の経過(次の日とか)
・人物の出入り

B.言葉を覚える

①一段落ずつ覚える
一段落ごと声に出して
その一段落を細かくイメージしながら覚えていく(どんな森?針葉樹?寒い?匂いは?など細かく)
自分の作ったイメージが定着するまで声に出してイメージする=訓練(早くイメージできるようになる)
②1つの段落の2〜3行ずつ暗唱していく
③その段落を覚えるまで繰り返し暗唱する
イメージ映像と一緒に
一日一段落とかすすめていく 何度も何度も 歩きながらとか
④全ての段落が終わってから通す
それまでは前の日までにやった段落を復習しない!
どの段落も同じ量の練習量にするため
⑤ヒマさえあれば語る
ひたすら語る→完成

C.大切なこと

☆覚えるのに時間をかけること
イメージを深めることは作品の解釈を深めること
☆正しくきちっと覚えること
あらすじだけ覚えて語っていると「えっと」とか言葉を探る不必要な間が入り声の力が弱くなる
おはなしの言葉だけで正確にきちっと語る
ストーリーテリングは言葉だけが道具‼︎

3.語りかた

☆「上手にやろう」と思わない
私たちはおはなしと聞き手を媒介する媒体に過ぎない。
ただし好きなおはなしのイメージを膨らませ理解を深めその背景までよく知っている語り手が語ると五感で感じているリアリティがおはなしに出てくる。子どもが「おばちゃんそれホンマ?」と言うほどに。
それはおはなしと格闘した時間によって生まれるもの。

☆途中で忘れても必ず最後までやりきる

 

♪♪♪
一番最初に覚えるおはなしは探す時間選ぶ時間もたっぷりとって何より「好きなおはなし」を選ぶこと。その伝えたい思いや情熱で突っ走って最後まで行くんだとのことでした。
これは一話目に限らずおはなし選びには大切なことだなぁと感じます。なぜなら『格闘』しなくてはならないですもんね。好きだからこそとことん向き合えるんだと思います。

次回1/18はいよいよ最終回発表です。みなさんが選ばれた好きなおはなしに会えるのが楽しみです♪♪♪

中学校おはなし会

先日中学校のおはなし会に伺いました。昨年はコロナで休校だったため1年ぶりです。

プログラム

1年生
「黄泉平坂」「やまたのおろち」語りの森HP
「クルミわりのケイト」おはなしのろうそく/東京子ども図書館
「地獄へ行った吉兵衛さん」語りの森昔話集2ねむりねっこ/語りの森
2年生
「ガマンの石と刀」子どもに語るトルコの昔話集/こぐま社
「めしをくわない嫁さん」語りの森昔話集1 おんちょろちょろ/語りの森
「貧乏神と福の神」子どもに聞かせる日本の民話/実業之日本社
3年生
「年とった栗毛の馬」語りの森HP/世界の民話⑫ぎょうせい
「ラプンツェル」子どもに語るグリムの昔話/こぐま社
「あゆはかみそり」子どもに語る日本の昔話/こぐま社

 

読書週間に合わせて毎年この時期にこの中学校にうかがっています。
各学年3クラス。学年ごとに分かれ3つの空き教室にスタンバイ。1クラスずつ1時限ごとに入れ替わってもらって進めました。
1、2年生は語りによるおはなしを聞いたことのない子どもたちが半数くらいいます。

1年生は中学生になったばかりで日々の緊張や生活サイクルの変化からか少し疲れているような印象だったそうです。この時期は毎年そうかもしれません。聞きやすいおはなしを意識するのがよいのでしょうか?
「地獄に行った吉兵衛さん」の【来年の話をすると鬼が笑う】というのは子どもたちも先生もあまり響かなかったようで、、。今頃はお家でもそんな話はしないのでしょうか?

全体的に中学生は大きな反応はありませんが「よく聞いてくれる」につきます。最初から最後までよく集中して聞いてくれるなぁと思いました。笑い声こそ起きませんが(悲)笑い話も楽しんでくれている様子も感じられます。
3年生に語ったAさんは子供たちの聞く力に引き込まれそうだったと言われました。私も途中自分がどう立っているのか一瞬わからなくなり踏ん張らなければと思いました。

私はこの度初めて中学生に語りました。とても楽しかったです。こんなによく聞いてくれる中学生に語る機会をいただけることに感謝でいっぱいです。それとともに年一回、さらにコロナでその機会もどうなるかわからない今、子どもたちに何を届けなければならないのか焦りにも似た気持ちで考えてしまいます。とにかく来年にはしっかり準備して臨みたいと思いました。

おはなし入門講座 🔷発表会🔷

22日火曜日は入門講座の発表会でした。今年はソーシャルディスタンスを確保して受講生6名とヤンさん、ジミーさん、ききみみずきんのメンバーのみで行いました。
受講生の方々は「おはなしとは何か」「選びかた」「覚え方」を経ていよいよ発表会の日を迎えられました。全員子育て世代で練習時間を確保するのも工夫されただろうと思います。緊張感漂う中〝語る〟ことに一生懸命向き合っておられる姿が新鮮で色々感じるものがありました。

①まほうの鏡
語りの森昔話集1 おんちょろちょろ 語りの森
②ついでにペロリ
おはなしのろうそく6 東京こども図書館
③ロバの耳をした王子さま
語りの森昔話集4 おもちホイコラショ 語りの森
④暗〜い、暗〜い
語りの森昔話集4 おもちホイコラショ 語りの森
⑤りこうなまほうの鳥
語りの森昔話集1 おんちょろちょろ 語りの森
⑥おならじいさん
語りの森昔話集4 おもちホイコラショ 語りの森

同席していたききみみずきんから一話。
⑦お経を忘れた和尚さん(プッテ)
語りの森昔話集4 おもちホイコラショ 語りの森

ヤンさんは手遊び[どんぐりころちゃん]のあと一話語ってくださいました。
⑧ぼくにげちゃうよ(ヤン)
マーガレットWエインフェス ぽるぷ出版(絵本より)

発表のあと感想を言う時間を設けました。子供の好きなおはなしを覚えた方も多く、一緒に練習すると子供が先に覚えてしまい厳しくダメ出しされるという微笑ましいエピソードも聞かれました。あるあるですねー!
もっと練習したかった、もっと語りたいなどの感想がいくつも聞かれたほか、それぞれのテキストの構成についてや、一字一句変えないとはどういうことかなどそのまま語法の勉強会につながりそうな意見や質問が聞かれました。(当時覚えるだけだった私は何とボンヤリしてたのでしょう>_<)
コロナに影響されることなく全員発表会に参加していただけて本当によかったです。
そしてこれからも語りたいというお声が聞けてうれしい限りです。
初級講座もききみみずきんもぜひぜひお待ちしています(^.^)

お疲れさまでした。