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9月の初級クラス

とにかく今年の夏の猛暑には参りました~。
まだまだ残暑が続きますが、そろそろ秋~冬に向けてのお話を用意。
練習しているうちにお話に出て来る「おもち」が食べたくなって
「ええ具合に焼けて、ぷう~とふくらんできた」ので
砂糖じょうゆでいただきました。はい、練習そっちのけ(笑)

手遊び:「きつねがね」
コーンコーンコンコンコン ✖2回
きつねがね、化けたとさ
石ころかな、おにぎりかな
いや違う、いや違う
葉っぱかな、お皿かな
いや違う、いや違う
はさみかな、お箸かな
いや違う、いや違う
おばけ~~~

語り
1.『大歳の火』/日本の昔話5/福音館書店
2.『三匹の子ブタ』/イギリスとアイルランドの昔話/福音館書店
3.『ヘンゼルとグレーテル』/語るためのグリム童話集1/小峰書店
4.『タオの物語』/子どもに語るアジアの昔話2/こぐま社
5.『かたつむり』/語りの森昔話集3/語りの森
6.『みつばちの女王』/語るためのグリム童話4/小峰書店

ヤンさんの語り
7.『アリョーヌシカとイワーヌシカ』/まほうの馬/岩波書店

講評
1.お話の背景、テーマは語った後で話すのが良い。まずお話を聞いてもらって自由に感じてもらってから。
2.テキストの言葉を変える基準は耳で聞いてわかりやすいように。
例:ハリエニシダ→ハリエニシダの木の枝
3.すべて丁寧に同じテンポなく、時の流れを一瞬に感じたり遅く感じたりするように、語り方も間や早い遅いを組み合わせて語ると良い。
4.語り手に合わないお話などはない。外から見た評価は気にする必要はなく、語り方で克服できる。
5.一字一句間違えないように語ることは、聞き手にきちんと伝えるための言葉や感性の「訓練」だと考える。現場を経験することで、変えても問題ない言葉、変えては伝わらない言葉の違いを体感できるようになる。
6.スラスラとまるで読んでいるかのように語れるようになってから「間」を入れる。

お話を語るということは、「お話への愛」「聞き手への愛」に尽きますね。良いお話が伝承されていくこと、語り継がれていくことの尊さ。お話を待っている聞き手のためにも、精進致しましょう!

次回は10月10日(火)です。

7月の初級クラス

梅雨明けも間近?の暑い暑い日、初級クラスが行われました。

手遊び歌
とんがり山のてんぐさんが
うちわであおいで 見渡せば
すーいすい すーいすい
かっぱの親子が 顔出した
ばあ!

語り
1.七わのからす/子どもに語るグリムの昔話3/こぐま社
2.しおちゃんとこしょうちゃん/おはなしのろうそく27/東京子ども図書館
3.ありとこおろぎ/語りの森昔話集1・おんちょろちょろ/語りの森
4.鬼の面、お福の面/語りの森HP 〈こちら→〉
5.たなばたさん/子どもと家庭のための奈良の民話1/村上郁 再話
6.雌牛のブーコラ/語りの森昔話集4・おもちホイコラショ/語りの森
7.お月さまの話/おはなしのろうそく25/東京子ども図書館

ヤンさんの語り
8.ヤギとライオン/子どもに聞かせる世界の民話/実業之日本社

講評
・七(しち、なな、関西弁だとひち)の言い方はどれでも良い。意味がわかる言い方で。
・昔話はいきなり終わるような印象があるが、その後は聞き手の余韻にまかせる。
・時間的には決して長くないお話でも、お話の内容の中で聞き手が長い旅をしている場合などに余韻が残る。
・深い意味を含んだお話は、その決め手になる部分の語り方でそのお話のイメージが決まる。
・創作にはその事柄を説明する言葉(形容詞)が多く使われていることがあり覚えにくいことがあるが、そこはとにかく力づくで覚えてしまう。
・早口言葉の代わりに累積譚を覚えるのも良い。累積の部分は一気に一息で語る。
・テキストの読点は取って語る。読点で切って語ると不必要な言葉が立ってしまう。
・口伝えで伝えられたお話の中に、語法がしっかりと受け継がれていることの感慨深さ。
・新しい話は覚えたと思っても、語りの現場で練習不足を感じることがある。「寝ていても語れるように」(松岡享子さんの言葉)
・遠近、大小を表したい時は、言葉の長さと声の高さで。声を大きくしない。
・聞き手が3回のくり返しを飽きないで聞いてくれるためには ①年齢に合わせたお話の選択 ②くり返しの中のモチーフの違いをうまく伝える事 ③語り手の「おもしろいやろ?」を伝える事。
・語りの言葉を自分のものにする為にテキスト通り覚えるが、語りの現場で自然に変わってしまう(決して変えるのではなく)のは仕方がない。
・自分が使わない言い回しを学んでおく事で、いずれテキストの中で変えた方が良い表現に気づけるようになる。


今回で1年間の初級クラスの前半戦が終了というところでしょうか。
みなさんそれぞれに色々なお話に挑戦しているのがわかりますし、毎回エントリーも多くて本当に聞きごたえがありました。語るチカラだけでなく、聞くチカラもついたというご感想もありました。また、秋以降、みなさんがどのようなお話を選んで来られて語っていただけるのか、とても楽しみです。


次回の初級クラスは9月12日(火)です。

 

6月の初級クラス

梅雨の曇り空の日、初級クラスが行われました。
たまたま今月、子ども達の集まりで簡単に作れるクラフトを頼まれて、かたつむりを作る予定をしていたら、この日の手遊びが「でんでんむし」で嬉しくなりました♪ちなみに「でんでんむし」はもともと方言で「出出虫」(ででむし)で、殻から出よ出よとはやし立てた事が語源と言われているそうです。


手遊び歌・でんでんむし

でんでんでんでん でんでんむし どーこだ
るんるるんの るんるるん るんるるんの るんるるん
葉っぱの上に ニョキ!

葉っぱ葉っぱ葉っぱ 葉っぱは どーこだ
るんるるんの るんるるん るんるるんの るんるるん
木の枝に パッ!

語り
1. 牛飼いと織姫/語りの森昔話集5/語りの森
2. こすずめのぼうけん/おはなしのろうそく13/東京子ども図書館
3. ふるやのもり/おはなしのろうそく4/東京子ども図書館
4. ホレばあさん/語るためのグリム童話集2/小峰書店
5. 弓の名人/奈良の民話1/奈良の民話を語り継ぐ会
6. かにかに、こそこそ/日本の昔話/福音館書店

ヤンさんの語り
7. ミアッカどん/イギリスとアイルランドの昔話/福音館書店

講評
・最初に出て来る大事な言葉は特に気を付けて「立てる」。
・「くり返し」は聞き手である子どもにとって安心、期待、推測。同じようなくり返しを聞き手が飽きないように語ることは大事。
・お話を自分なりにしっかりイメージすること、実体験と重ねることはお話を覚えること、語る上で必要。
・再話者のテキストの言葉の使い方を好きで馴染みがなければ、覚えにくいこともある。

今回はイメージについてみなさんのご意見が色々と聞けておもしろかったです。私なりにまとめてみると、イメージをするということは、まずはひとつひとつの場面に自分の五感をフル活用させることがいかにできるか。お話の丸覚えになっていないかという事が大事。もちろん、そのお話への解釈や語る事に迷いがあれば、それも聞き手に影響してしまうので、自分の中で納得し解決する事は必要です。それとは別に、例えば水の音が聞こえたり、森の匂いがしたり、涼しさを感じたり、水の深さや冷たさなどをひとつひとつの場面にいかに重ねられるかということなのかなと。
ちなみに私は、暑い夏場に冬の話を覚えるのが好きです。お話の中にしばしの「涼」を求めるわけです。

次回の初級クラスは7月11日(火)です。

5月の初級クラス

手遊び歌
たけのこ めだした
花さきゃ ひらいた
はさみで ちょんぎるぞ
えっさえっさ じゃんけんほい

語り
1.スウォファムの行商人/MORE ENGLISH FAILY TALESより再話
2.ねこのしっぽ/語りの森昔話集4/語りの森
3.金噴き明神/語りの森昔話集5/語りの森
4.金のとさかのおんどりとひき臼/語りの森昔話集5/語りの森
5.いうこときかないうなぎ/おはなしのろうそく7/東京子ども図書館
6.金を生むねこ/奈良の民話1/奈良の民話を語り継ぐ会
7.幽霊和尚さま/語りの森HP 〈こちら→〉

ヤンさんの語り
8.幸運の種まき/世界の民話18・イスラエル/ぎょうせい

講評
・短い笑い話程、難しい。冒頭のお話の設定部分は大事な言葉を立てながら、聞き手にしっかりとイメージさせる語り方を心がける。
・笑い話は思ったように受けないと、次に語るのを躊躇してしまいがちだが、何度でもチャレンジしてみると良い。
・「寝ていても語れる」まで練習を積むと、少々言葉を忘れても先に進める。
・お話を時間をじっくりかけて覚える事そのものは、ちゃんと聞き手に伝わる。
・時には録音してみて、自分の語り方の癖を客観的につかんでみると良い。
・息継ぎを入れる場所は意味を考えて。テキストをスラスラ言えるようになったらどこでも息継ぎできる。
・聞き手の反応を予想するのは良いが、語り手がイメージを作り過ぎず、語りながら聞き手の反応を見て一緒に「間」を作っていく。
・聞き手からは描写ではなくストーリーを求められている。
・描写のあるテキストは覚えるのも、語るのも、聞くのも難しい。
・自分自身の発端句、結末句を地域に関係なく持って良い。

今回は題名が「金」「ねこ」にまつわるお話が重なりました。他にもお話の中に、同じ夢を3回見る、樫の木が出て来る、などの共通点もありました。「うなぎ」はかなりレアで印象に残りますね(笑)先月に続いて「ゆうれい」のお話をしてくださった方もいらっしゃって、今後はどんなお話が飛び出るか、ますます楽しみです。

次回の初級クラスは6月13日(火)です。

4月の初級クラス

すっかり春爛漫のお天気の良い日に、新年度最初の初級クラスが行われました。
窓を開けて換気をしても肌寒くない季節の到来に、とにかく感謝!
ただ、残念な事に季節の変わり目での体調不良か、春のお忙しい時期のせいか、欠席の方が多く、飛び入りの語りが3名(私もその恩恵にあずかりました)入りました。常に語れる話を携帯しておく事も大事ですね!(スマホは携帯し忘れた私ですが 笑)



手遊び

祇園の夜桜 ちょいと咲いた(チョキ)
祇園の夜桜 ぱっと咲いた(パー)
祇園の夜桜 ぐっと咲いた(グー)

語り
1.眠り虫の次郎/語りの森昔話集3・しんぺいとうざ/語りの森
2.三匹のちょう/語りの森昔話集4・おもちほいこらしょ/語りの森
3.きつねの田植え(日常語)/子どもと家庭のための奈良の民話2/
4.金のからす/語りの森昔話集5・ももたろう/語りの森
5.千人力(日常語)/語りの森HP 〈こちら→〉
6.瓶につめられたおばけ/語るためのグリム童話集5/小峰書店
7.あなのはなし/おはなしのろうそく4/東京子ども図書館

ヤンさんの語り
8.十二のつきのおくりもの/おはなしのろうそく2/東京子ども図書館

講評 ピンク・受講者  ・ヤンさん)
覚えたと思ったのに忘れている忘れた事に焦らず、また一から覚える事を繰り返す。場所、人物等リアルに調べたりイメージしてみる。
答えはないが、セリフの言い方を色々と考えて変えてみると良い。
勉強会で講評をいただいたら終わりではなく、そこからが本当のスタートだと考えて練習を重ねて、またどこかで語りを聞いてもらう機会を作るようにしている。
聞き手が意外性を感じる箇所は「間」をきちんと設けると良い。
日常語の場合、語尾が自分の言葉であるがゆえに自由に変えて語ってしまっていることが気になった自分の間違いに気づきながらも、そのまま続けられる心の余裕を持つことが大事。
力まないで語りたい強調しすぎる事で、聞き手は大事な言葉にたどりつく前に、違うものを想像してしまう
語りの後、子どもに感想を聞くのはタブー。子どもから自然に出た感想にも、ただ聞いて受け止める姿勢を崩さない


4月、5月に開催される対面、オンラインでの勉強会やオンデマンド配信、お話会などの案内が盛沢山の嬉しい春です。みなさん、再度メールをチェックして、ご参加漏れのないように~~~

次回の初級クラスは5月9日(火)です。
常に『ノート式おはなし講座・語りこの愉しき瞬間』をお忘れなく♪