カテゴリー別アーカイブ: 勉強会

再話クラス✾

カラスがごみを荒らしているので、注意喚起の張り紙を作成した今年班長のジミーが、再話クラスの報告をいたします<(_ _)>
(班長と再話クラスに関係はありません)

語りによる再話確認
「地蔵浄土」 『全國昔話資料集成14芸備昔話集広島』岩崎美術社
テキストを見ないで耳だけで語りを聞いていると何の違和感もありませんでしたが、その後テキストを見ながらの勉強の時間になると、何か所か指摘するところが出てきました。
ということは、語り方でおかしいと思ったり思わなかったりの違いが出てくるということでしょうか?
それは恐ろしい。
わたしは、そんな技量はありませんのでテキスト通りに覚えるしかありません。
そんなことを勉強できたと思います。
再話検討
「人と動物の寿命」 『昔話研究と資料第四六号』日本昔話学会
話の前半は、神さまが人間と動物たちに寿命を決めるという内容で、それを受けて後半は人間の人生の苦労を妻子のあるサラリーマンを例に挙げておもしろおかしく聞かせる内容です。
出版年が2018年です。
後半は世間話になっています。
ということは、昔話がこうやって移り変わっていくのだということと、元の形が『日本昔話通観』には残っているだろうということを学びました。
世間話には世間話の面白さがありますが、再話をするときにまず原話を決めて、それを誰に語るかということが重要です
対象を誰にするかで、再話が全く変わってきますし、そもそも面白い原話でも語れないと判断しないといけないかもしれません。
〝誰に語るか〟
中級クラスで常に基本に戻らなくてはいけないという話が出ましたが、原話選びでもそうですね。
笑える原話なんですが、真剣にいろんなことを考えさせられました。
「しじみ兄弟の竜宮行き」 『日本昔話通観第15巻』同朋舎
太郎しじみ、次郎しじみ、三郎しじみが竜宮へ向かいますが、太郎と次郎は着けずに三郎だけが着けるというお話。
かわいいお話です。
最初タイトルが「しじみの兄弟」とされていたのですが、「しじみの三兄弟」がいいという意見が出て採用されました。
いっそ「しじみ三兄弟」はどうかという意見もありましたが、採用されませんでした。
むかし、だんごでそんなタイトルがあったからでしょうかね(笑)
原話に欠落している一文がありました。
欠落しているとはいっても、勝手に入れてはいけません。
でも、明らかに一文が必要なら、さて、どうするか?
もちろん、文章を作るのですが、原話から推測できる事実だけを表す一文を入れるのです。
決して、事実を作るのではありません。
ということは、記憶にとどめましたが、さあ、次に自分がトライするときに出来るかどうか…。
欠落しているのは分かるんですが、作らずに一文を入れることはほんとに難しいと思いました。

再話と語法は同じペースで勉強していかないと、再話力が上がらないと思ったんですが、それも基本でした。
常に基本を忘れるべからず!
というのを、忘れるべからず!!です(笑)

4月の中級クラス

今年度初めての、中級クラスの勉強会の報告です(^^♪

山の上の火 『山の上の火』クーランダー他/渡辺茂雄訳 岩波書店
まぬけなトッケビ 『おはなしおろうそく30』東京子ども図書館
おんちょろちょろあなのぞき 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森
かしこいモリー 『おはなしのろうそく1』東京子ども図書館
ヤンさんの語り
三びきのくま 『イギリス民話集1トム・ティット・トット』J・ジェイコブス再話/木村俊他訳 東洋文化社

『ノート式おはなし講座語りこの愉しき瞬間』
P18おはなしの選び方
どのおはなしを覚えるかというのは大抵の語り手には大問題ですね。
だから人から勧められたら、タイトルと同時に言われた言葉もうのみにしてしまいがちです。
でも、語り手にそれぞれ個性がありますから、低学年向きと言われる話を高学年のおまけで語って大うけする人もいますし、低学年には難しいと思われる話を小さい子どもに語れる人もいます。
聞き手も、おはなしを聞く機会が年に一度の聞き手、月に一度の聞き手、それぞれです。
聞き手と語り手との信頼関係がどの程度できているかということも関係してきて、一概に○○年生向けのおはなしという言い方は難しい、ということを教わりました。
自分の目の前にいる聞き手のニーズと言いますか、終わった後に満足してくれている状態になるのは、いったいどの話だろうと必死に考えて、かつ、自分が嫌いでない話で(好きならばなお良し!)覚えられそうな話をこれまた必死に覚える。
楽に覚えられる人がいたらごめんなさい<(_ _)>
でも、そんな人とは反対に必死と覚悟を決めておかないとわたしは覚えられません(笑)
おはなしの選び方は、聞き手が固定している場合は、おはなしも考えやすいですが、いろんな場所に行く場合ですと決め方が難しいですね。

今年度からメンバーが増えました。
HPから申し込んでくださっていたかたが1人おられて、今回から参加されました。
そして、見学のかたが2人こられていまして、参加を決めてくださいました。
わたしも今回からが正式な参加者ですので、4人増えたというわけです。
今年もみんなで、語りの勉強頑張りましょう!!

4月度 初級クラス

今年の桜は遅咲きだったおかげか?!、雨が降っても全ては散っていませんね。桜を見ているだけで癒されます。

さて、4月度の初級クラスは「祇園の夜桜、ぱっと咲いた~♪祇園の夜桜、ちょっと咲いた~♪、祇園の夜桜、ぐっと咲いた~♪」の手遊びで始まりました。

今月の語り

①矢のくさり  『語りの森昔話集1 おんちょろちょろ』/語りの森

語る前に「アメリカインディアンのおはなし」と一言添えるとよいでしょう。皮の服にやまあらしの針で飾ってある靴下、お葬式のときに聞こえてくるたいこや顔を黒くぬった村人達など、インディアンならではの独特の生活が描かれているからです。

おばあさんが口に手を当てると食べ物が出てくる場面を力んで語ってしまいました。この後に重要な援助者からの贈り物が描かれますので、その前はさらっと語りましょう。

②みるなのくら  『日本の昔話1』/福音館書店 

語り方がおはなしにぴったりで、完成度の高い語りでした。一の蔵から十一の蔵まで、子どもならどんな景色を想像するのでしょう。「四の蔵 花見」や「七の蔵 七夕さま」はイメージしやすいでしょうか?!「九の蔵 大嵐」や「十の蔵 刈り入れ」は難しいかなと思ったり・・・ぜひ子どもに語ってくださいね。

③あなのはなし  『おはなしのろうそく2』/東京子ども図書館

間が命のおはなしですね。間の取り方は聞き手の年齢や経験によって違うでしょう。練習しているときは、間はとれません。子ども達の前で語って初めて間ができますので、練習のときには自分で「ここで間をとろう」とは考えず、一気に語りましょう。

緊迫感が始まる後半、オオカミがやってくる場面。動物たちが小屋のどこに隠れるか、そしてオオカミが口をあけてパクリと食べてしまいますが、どんな風に飲む込むのか、しっかりイメージしましょう。すると同じ言い方ではなく、一つ一つ違ったものになるはずですよ。

④かめのピクニック  『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/語りの森

入門講座を終えられ、初めて語られました。「父さんがめと(間)、母さんがめと(間)、息子のかめです。」初めは誰もが経験しがちですが、句読点は読むためのものですので、この1文は間をいれずに一気に語りましょう。

練習しているときに、同じところでばかり間違えるので、今日の発表のときもその箇所にくると力んでしまい、必要のない間をとってしまったとの反省でした。

「そうそう」と思い切りうなづいてしまいました。間違えたらいけないと思うと、余計に力が入ってしまいますよね。どうすればいいか?「その部分だけを繰り返し練習するのみ」とのことでした。

⑤三匹のこぶた  『イギリスとアイルランドの昔話』/福音館書店

3番目の子ぶたは「おおかみをうまくだましてやったぞ!」という気持ちを持って語るとよいでしょう。でもわざとらしくはならないように。

⑥手なし娘  『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/語りの森

はじめに衝撃的な導入が書かれています。新しい母親が娘を憎み、父親に山で殺してくるように頼みます。しかし、父親は殺すことができず、両手を切って、そのまま山にのこして家に帰ってしまいます。手を切られたところでは、聞き手が「はっ」と思うように、短いですが丁寧に語ることが大切です。

⑦田の久  『子どもに語る日本の昔話1』/こぐま社

旅役者の意味を理解できない場合があるので、「旅回りで芝居をして稼いでおった」と言い換えるといいでしょう、とのアドバイスでした。

「うわばみ」の説明、Kさんはタイトルを言う前に説明したのですが、最初ではなく、おはなしの中で出てきたときに「へび」と一言添えるだけでいいそうです。

こぐま社の特徴、会話文と字の文に方言と共通語が混ざって書かれており、覚えにくかったそうです。私も福音館書店の日本の昔話が覚えやすく、語りやすいです。

☆ヤンさんによる語り  六匹のうさぎ  『語りの森昔話集1』/語りの森

語りの後、ノート式から「おはなしの選び方」の勉強をしました。やはり一番大切なことは、「自分が好きなこと」。読んでみて「こんなおはなしがあるよ」と思わず他の人に言いたくなるようなおはなしを選びましょう。本にも書かれていますが、対象年齢の書かれたテキスト本や先輩から勧められたおはなしは、あくまで目安にしましょう。

私は息子が3人いますので、どうしても女の子のおはなしより、男の子の成長物語が好きな傾向にあります。同じようなおはなしばかりに偏ってしまうのでは?と思いますが、それでいいそうです。おはなし会は一人ではなく、複数でしますので、それでプログラムを考えればいいそうです。

5月度のクラスでは続きの「2、聞き手の視点からの選び方のポイント」を勉強しますので、読んできてくださいね。

さて、ついに「語りの総会」の抽選が終わりましたね。私は一昨年に語ったので、関係ないとたかをくくっていたのですが・・・見事に当たってしましました。あ~緊張しますね。どんな素敵なおはなしが聞けるか、そして昔話集3にはどんなおはなしが集録されているのか、今から待ち遠しいです!

昔話の語法勉強会の感想から4😄😄😄😄

感想のご紹介、今回でおしまいです。

👷‍♀️感想
昔話は、子どもたちへの語りものではなく、老いを《今》生きる人たちに適切な《話》ではないかと思いました。

👩‍🎓おおお、根源的ですね。
そう、200年前までは、昔話は、《子どものもの》ではなかったのです。
子ども限定ではなく、大人たちが語っていたものなのです(これ、研究者たちの常識です😅)
では、200年前に何が起こったのか? (答えはいちばん下を見てくれ⬇)

わたしたち(私だけか?)は、図書館や学校で子ども相手に語ることが多いので、ついそのことを忘れてしまいがちです。
けれども、大人が楽しむ語りの会におおぜいの人が集まる実情を考えると、納得できます。
老人施設に出向いての語りの会も、広く行われています。
奈良の民話を語りつぐ会が毎年おこなっている民話祭りなど、全国津々浦々で、大人も子どども一緒に楽しめる語りの会が盛況です。
老いも若きも、生の声で語りを聞く魅力を感じているのですね。
生の声。これ、大事ね。
加えて、昔話は《人間》を語っています。
もちろん子どもに対して教育的な効果がありますが、大人にとっても今を生きるすべを教えてくれるものです。

この感想を書いてくださったかたは、今回の勉強会で初めて語りを聞いたそうです。
こんな感想をいただいて、語り手冥利に尽きます。
30ん年前、わたしの語りの出発点は、ここにあったからです。

🙋‍♀️感想
昔話はどうやって生まれたのか、同時多発的なのか、伝わったのか、知りたい気持ちがふくらみました。

🧙‍♂️そうですねえ。
よく似た話が世界じゅうにありますが、どうやって生まれたんでしょう。めっちゃ興味がありますよね。
たとえば『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』に入れている「こびとのおくりもの」、日本の「こぶとりじい」とそっくりですね。これは小学校低学年でも気付きます。
昔話の研究には、そういうことを追求する分野もあって、個々の話型についての研究がおこなわれています。
これはそのうち≪昔話雑学≫にまとめてみます。

💗感想をくださったみなさま、ありがとうございました。
ヤンはとっても気が弱いので、前向き肯定的な感想、うれしかったです。

🔆ほな、200年前に何が起こったか、わかりましたかあ❓
そう、1812年、グリム童話の初版が出ました。
グリム童話の正式名は『子どもと家庭のためのメルヒェン集』
ちゃんちゃん

3月度 初級クラス

暖かくなってきたと思ったら・・・マスクが手放せない花粉症の季節ですね。今年はいつもより飛散量が多いのでしょうか?!薬を飲んでもくしゃみに目のかゆみがひどいです(><)花粉症でない人が羨ましい限りです。

さて、今月の初級クラスの報告です。今回3名の方が入門講座で発表されたおはなしを語ってくれました~!

①おんちょろちょろあなのぞき  『語りの森昔話集1 おんちょろちょろ』/村上郁 再話

接続詞をテキスト通りに語れなかったり、主語を飛ばしてしまった、との反省でした。     けれど、入門講座から2回目の発表とは思えないほど、間違えた雰囲気を出さずに語られていました。本番では間違えてしまっても、言い直すことはせず、しれっとして語りすすめましょう。ただし、タイトルにもある通り「ねずみはちょろっと顔を出し」が正しく「ちょっと顔を出し」ではありません。大切な言葉ですので、間違えずに語りたいですね。

②おおかみと七ひきの子やぎ  『おはなしのろうそく18』/東京子ども図書館

Sさんも入門講座からの発表でした。語るときの目線をどこにもっていけばいいか?と質問がありました。全員が答えたのですが、ほとんどの方が聞き手と目を合わさない(合わせれない)とのことでした。聞き手が子どもの場合は、反応が気になりますし、問題なく顔を見れますが、大人ばかりの勉強会ではなかなか難しいものです。

ヤンさんからのアドバイスは語るときの姿勢について。足を床にしっかりつけましょう、その方が落ち着き、声もお腹から出せますよ。

③福田屋のプリン  『10分で読める名作二年生』/学研

入門講座からの3人目の発表です。約15分の創作で会話文が多いのですが、間もうまくとられ、福田屋のプリンが食べたくなりました!このおはなしは初級クラス用おはなしリストにはありませんので、次回はぜひリストから語ってくださいね。

④がちょうはくちょう  『おはなしのろうそく27』/東京子ども図書館

ヤンさんは語られる前に「がちょうはくちょう」と「ババヤガー」の説明をされているそうです。「がちょうはくちょうは、悪いいたずらをしたり、子どもをさらっていったりするといわれていました」とマーシャがイヴァーヌシカを追いかけていく前に書かれていますが、最初に説明しているので、この文は省くそうです。                                   細かな点では、パン焼きかまどのペーチカが立っていました、とありますが、ペーチカがありました、と変えるといいそうです。ペーチカを知らない子どもが聞くと、ペーチカが人の名前と勘違いするからです。また、金のまりとありますが、まりを知らない子どもがいるので、ボール言い換えているそうです。

「にわとりの一本足の上に立った小屋がひとつ見えました~」のババヤガーの小屋の説明、糸紡ぎをしているババヤガー、この場面は、丁寧に聞き手がイメージをしっかりできるように語りましょう。また、後半のがちょうはくちょうから逃げる場面は「ミルクの川、ありがとう」までが一つのまとまりになりますので、ここで間をとりましょう。同じように「リンゴの木、ありがとう」の後で間をとるとよいとのアドバイスでした。

⑤小さな赤いセーター  『おはなしのろうそく8』/東京子ども図書館

数少ない、幼稚園児にも語れる小さい子ども向けのおはなしですね。創作ですので、一語一句変えずにきっちりと覚えましょう。「セーターは屋根をこえ、かきねをこえ、野原をこえ、とんでいきました」なのですが、野原草原と思い違いをして語られました。草原ではもっと広いイメージになりますので、気をつけましょう。

⑥米山薬師  『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/村上郁 再話

今まで前半に力が入りすぎ、後半が練習不足の反省を生かし、今回は前半はあらすじを頭に入れ、まず後半から覚えられたそうです。盛り上がる後半を自信をもって語られていました。

怖いおはなしですので、語る前に笑顔で「今日はこわーいはなしをするよ」とアナウンスし、聞き手に心の準備をしてもらうといいでしょう。

☆ヤンさんによる語り   世界でいちばんきれいな声(三歳バージョン)  『おはなしのろうそく11』/東京子ども図書館

「〇〇と言えるでしょうか?」の問いかけに、「言えませーん」と言わずにはいられない、間の取り方、とても勉強になります。

次回初級クラスでは、「ノート式」の『おはなしの選び方』(P18~P23)を勉強しますので、各自読んできてください。                                        おはなし選び・・・私は覚えるより難しいです。ヤンさんはよく「定番のおはなしは何ですか?」と聞かれ、「定番はありません」と答えるそうです。今までこんなおはなしを聞いてきた子どもなら、この時期に、このおはなしなら聞けるだろうと考えておはなしを選ばれているからです。どんなおはなしも定番になりえる、聞き手を見て、自分なりの定番を見つけることが大切です。

なお、日本の五大昔話(桃太郎、かちかち山、さるかに合戦、舌切り雀、花咲爺)は室町末期から江戸初期にかけて成立した代表的な昔話ですが、決して定番のおはなしではありませんよ。

昔話の語法勉強会の感想から3😄😄😄

👩‍🏫感想
河合隼雄が日本の昔話について話していたのですが、ヨーロッパの昔話の結末とは違い、あわれ、最初の状態に戻る話(鶴女房、みるなのくらなど)、といった種類の話についても掘り下げてみたいです。

🕵️‍♂️おおお、すごいなあ。
河合隼雄さんは心理学から昔話にアプローチされていますよね。ユング派やね。
ブルーノ・ベッテルハイムさんは、フロイト派の立場からの研究ですね。
このおふたりのご本は、読んでおくべくでしょうね。
どちらの著書も、とっても興味深いです。それがすべて当たっているかどうかは、分からないけど。

小澤俊夫先生(心理学ではありませんよ~)は、ヨーロッパで「鶴女房」とかを紹介したら、「え?そこでおしまい?」って訊かれるとおっしゃっていました。ヨーロッパの本格昔話では、恋人が変身して逃げるまでが話の導入で、逃げた相手をさがしに行くのが話のメインになってるものね。日本の場合は、始まったと思ったら終わっている(笑)
『昔話のコスモロジーーひとと動物の婚姻譚』小澤俊夫著/講談社学術文庫
に詳しいです。おすすめで~す!

あ、そうそう、先日質問されたのに覚えていなかった昔話の語法勉強会でとりあげた今までのテーマを《プロフィール》の単発勉強会のところに載せておきましたよ🎇

昔話の語法勉強会の感想から2😄😄

🙋‍♀️感想
昔話の性別役割分担(おばあさんは川へ洗濯に、などの)や、結末で、お姫さまと結婚することが主人公の幸せになることに、引っかかりを感じることがあって・・・

👨‍🎓そうですよねえ。
社会的に求められる性別役割(ジェンダー)と昔話について、研究されている学者さんは確かにおられますが、まだまだ新しい分野かなと思います。だから、わたしたち、研究の成果を参考にすることはできない。つまり、語り手が自分で考えないといけないってことやね。

たとえばね。
男性は外で働き、女性は家事をするのが当たり前の社会だとして。子どもに「おばあさんは山へ柴刈りに、おじいさんは川へ洗濯に行きました」って語ったら、子どもは間違いなく、「なんで?」「どうして?」って尋ねると思う。特別の事だって感じると思うのね。
でもね、その子の父親が主夫で、母親が外で働いている場合、「おばあさんは山へ柴刈りに、おじいさんは川へ洗濯に行きました」って語ってもぜんぜん疑問に思わないと思う。ね?

つまり、その昔話が語られたときの社会や家族のありかたが、そのまま、そのお話に反映されている。
そして、口承がほとんど途絶えている現代、わたしたちが読むのは、資料に残っているひと昔もふた昔も前の昔話。グリム童話なら200年も昔やね。
そうすると、いまは、それが語られた時とは世の中のありかたがずいぶん変わってきているから、「納得できないなあ」って思うことは当然出て来るよね。特に今、ジェンダーの問題は大きく変わろうとしている、というか、変えていかなければという潮流がある。

問題は、それをどう納得するかよね。

ただ、わたしが思うのはね、役割分担も、お姫さまと結婚して幸せになるのも、それは、そのお話のテーマではないということなの。
そういう舞台設定だけれども、伝えたいテーマは、知恵を出せとか、親切であれとか、誠実であれとか、いつの時代にも普遍的な価値なんよね。そこに性差はない。
だから、女は貞淑であれとか、男だから勇敢に戦えとかというテーマでなければ、わたしは、抵抗なく語れるかな。

けど、おじいさんは山へ行くもので、おばあさんは川で洗たくするものでって、ステレオタイプというか、子どもに繰り返し語って刷り込んでしまうと怖いなとは思う。

うん。この感想を書いてくださったかた、ありがとう。💕
昔話資料を読むとき、ジェンダーがかくされていないか、心にとめておきますね。

お姫さまや王子さまとの結婚については、昔話の語法や聞き手の子どもの表情で納得できる部分があります。
お姫さまや王子さまは極端な存在です。子どもは、たいてい異性に憧れます。その極端な結末が結婚です。
たとえそれがこころの異性であってもです。自分が男になって聞くか、女になって聞くか、聞き手の自由ですからね。

どちらにしても、納得できないから語れないと思わないで、納得できないから解決できるかどうか語ってみようという好奇心も大事かな。子どもはどんなふうに聞くだろう、自分の認識はどんなふうに変化するだろう、ってね。わたしは、よっぽど納得できない場合以外は、そんな感じでチャレンジしています。🏹

むつかしいねえ。
けど、おもしろいねえ🤗

昔話の語法勉強会の感想から1😄

2月26日の勉強会のときに、みなさんに感想を書いていただきました🖊🖋🖍
ありがとうございました。
みなさんからのコメントを励みにして、これからもがんばってやっていきたいと思います💗

その感想の中に、語法とは直接関係ないんだけど、昔話について、疑問や考えなどを書いてくださったかたがたがありました。
知っている範囲でお答えしたいのと、私自身の考えも言ってみたいので、何回かに分けて井戸端会議の話題にあげていきますね🌈

この日は、「おおかみと七匹の子やぎ」を取り上げました。詳しくはジミーさんの報告を見てくださいね。
この時の資料は、小澤俊夫先生の『語るためのグリム童話』(小峰書店刊)をテキストにしました。
『語るためのグリム童話』は、グリム童話の2版をもとに7版のよいところを取り入れたものです。
それで、昔話の語法を学ぶために、2版と7版を比較して、7版にはあるが2版にはない部分と2版にはなくて7版から取り入れた部分をみなさんに見てもらうことにしました。
そのため、まずは、エーレンベルク稿から7版まであるんだよということを説明しました。

👩感想
グリム兄弟が、たくさんの物語を集めていった過程(どんな人たちから、いつ頃から語られていたお話なのか)など、グリム童話にも興味が深まりました。

🕵️‍♀️グリム童話に関してはたくさんの研究があって、文献がいっぱいありますが、わたしは昔ばなし大学でまなんだので、やっぱり小澤先生のご本が、詳しく、基本的で、また分かり易いように思います。
おすすめ本で~す。
1、『グリム童話の誕生ー聞くメルヒェンから読むメルヒェンへ』朝日選書
2、『グリム童話考ー「白雪姫」をめぐって』講談社学術文庫
3、『グリム童話集200歳ー日本昔話との比較』小澤昔ばなし研究所刊
とくに1と2は、グリム童話の成立だけでなくて、今回の勉強会でちょこっとやった【版の比較】が詳しく説明されていて、おもしろいです。

以上👩‍🎓

そうそう、今後の語法勉強会の希望話を、おふたり、書いてくださってましたね。
「鉄のハンス」は長いから、次回は「馬方やまんば」にしま~す👹🐴

 

3月の研究クラス

今年度最後の研究クラスの報告です(^^♪

語り
「てんじくねずみ」 『子どもに語るグリムの昔話6』こぐま社
王女が、うまく隠れられた人をお婿さんにする、という話。
この話は、類話と比べると王女が気位が高くて誰とも結婚したくないという性格付けが強く、わたしはちょっとそれが驚きでした。
最後も、主人公を見つけられなかったので、仕方なくいやいや結婚したというのが、昔話の結末としての〝幸せな結婚〟のイメージがずれているような…
主人公は若者ですが、語り手が王女の特徴の描写を読んで王女に重きを置くと、王女が主人公のような感覚になるかもしれません。
実際、王女の説明は多いです。
語りを聞いたときに、うまく言えないけどなんか違和感がある、んじゃなかろうか、いや、ん~、なんだろう、みたいな(笑)感じになりました。
で、語りを聞いた後に詳しく語り手さんに話を聞いてみると、王女が主人公のような気持ちになっていたということが分かりました。
それって、聞き手には分かりませんよね。
勉強会だから、あとで詳しく話しあって分かることですから、やっぱり勉強し続けないといけないなと思いました。
いい発見だったと思います。

レポート付語り
「ハヴローシェチカ」 『語りの森昔話集2ねむりねっこ』語りの森
原話は、『ロシアの民話集上アファナーシェフ』岩波書店のなかの「おちびのハヴローシェチカ」です。
同じ話型のグリム童話「一つ目、二つ目、三つ目」や、他の類話との比較、アファナーシェフについて調べたことをレポートにまとめて説明してくださり、資料としてうれしいレポートをいただきました。
新しくおはなしを覚えるとき、1話ずつこうしていけば一番いいのだけれど、全くできていないので研究クラスのメンバーさんのレポートはいつもありがたいです(⋈◍>◡<◍)。✧♡
それにしても、リンゴをとるだけで結婚してもらえるなんてすごいことやと思っていましたが、そうではなくて、「とってきてくれたら結婚してもいいほど素晴らしいリンゴ」なんだということを読み取るんだと教えてもらい、ハッとしました。
スーパーに売ってる、特選のシールが貼ってあって一つずつラップされてるような、そんなもんじゃないんです!
人生をかけてもいいくらい欲しいリンゴなんだという気持ち、これが大事なんですね。
「てんじくねずみ」のところでも出ましたが、語り手がどういうつもりで語っているのかは聞き手には分かりませんが、語りには何かしら表れてしまうようです。
だから、テキストを心して読み込まないといけませんね。

呪的逃走の物語の読み合わせは、今回2話進みました。
「魔女の妹と太陽のお姉さん」「バーバ・ヤガーと月たらずの子」
どちらもロシアの昔話です。
ロシアの昔話は特に華やかなアイテムが続々と出てくるので豪華だそうです。
金・銀・銅・太陽・ダイアモンド、etc
思わず「再話した~い」と、みんながいうので、これは競争ですね~(笑)

ヤンさんの語りは、「酋長カイレ」でした。
カイレについては、3月6日のブログに詳しくあるのでご覧くださいね。
ほんとに、ほんとに、いい話です。
何度でも聞きたいわ~~

児童文学を読む会🎎

もう3月ですね。
そして今日はひな祭り!
我が家のお雛さまは今年も押し入れの箱の中ですが…
旧暦で出せたら出そうかな…(すでに、挫折感がただよいます)

児童文学を読む会の報告です(^^♪
今回読んだのは「第9章ストーリー」です。
9章に出てくる冒険物語を読んでくるのが宿題でした。
まず、自分が読んできた本の紹介を各自がしました。
子どもの時に読んだ感想、今回初めて読んだ感想、子どもの時に読んで今回改めて読んだ感想、みなさんいろんな本をたくさん読んでこられていました。

それから、本章をみんなで読みあいました。
本章で、ロバート・ルイス・スティーヴンソンの『宝島』を取り上げて、この作品がいかに優れているかを説明しています。
〝独創的な想像力と、見事な散文のスタイル〟
〝一人称の語り口は、ストーリーに終始一貫した、統一あるものの見方をあたえ、事件はいっそうくっきりとうきだしてくる〟

今回わたしが、積年の疑問が解けた(大げさ…)のは、子どもはたいして中身のない物語にでも、子ども自身の創造力を使って面白く読んでしまうということが書いてあったことです。
そして、大人という時間は長いが、子どもの時間は限られた一瞬だから、子どもがよい本を読めるように一瞬を逃がさないように配慮するのは大人の役目だということ。
全くその通りだと思いました。
いつの時代でも、なぜそんなに流行が続くのかが分からない本があります。
人気が出たら今度はテレビアニメになり、ますます知名度が高くなったりして。
初めは面白くてもそのうち飽きそうなものなのになんでかなと思っていました。
子どもの創造力が内容をカバーしていたんですね。
『宝島』のあとにも、同様の作品が出版されたけれども、『宝島』におよばないのは、上記のような条件を備えていなかったからでした。
〝人生の真実性を描き出している〟作品を読んで、上質の感銘を受けることは、自分の子どものころを振り返っても、軽く読める子ども用の本ではありえませんでした。
わたしの読書といえば、小学生の頃は小〇館の学年雑誌でしたから、ほぼ中身は覚えてません。(学年雑誌が悪いというわけではありません<(_ _)>)
「いなかっぺ大将」が、あったような、無かったような…
(あと、歌手の記事なんかは覚えています…)
いい本も、そうでない本も、きっと出版はされてたんだと思うんですが、身近だったのは学年雑誌でしたから、ほんとに楽しみに読んでました(笑)
この講座をきっかけに、よい児童文学を読もうと思いますが、子ども時代の一瞬を逃がしたことに残念さを感じます。

本章では、『宝島』のほかに、アーサー・ランサムの『ツバメ号とアマゾン号』にもページを割いて説明してあり、それを読むだけでその本を読みたくなりました。
今回進んだのは、282ページの12行目までです。
次回までに読んでくる本は、9章と10章に書いてあるファンタジーと歴史小説です。
まず、どんな本があるか9章と10章を読んでみて、最低1冊はどれか読んできてくださいね。