「勉強会」カテゴリーアーカイブ

語法クラススタート

春眠暁を覚えず・・・
ふとんが気持ちいい・・・
やっと起き出して、コーヒー飲みながら新聞読んで、またぼ~っと空を見て・・・
ああ、春の空や・・・

なんて言うてられません。
昔話の語法クラスがスタートしました。

スタートがあるということは、ゴールがあるということです。
1年~2年で終わります。
『昔話の語法』(小澤俊夫著/福音案書店)の第4章のみ講読します。
終わったとき、メンバーは、テキスト選びのエキスパートになっているでしょうか~

わたしたち現代の語り手にとって、テキストが何より大切です。
そのテキストがどんなに文学的に優れていても、耳で聞かれるときに理解しにくい(映像として頭や心に浮かばない)のなら、語りのテキストにはなり得ません。

語り手は語りのセンスを研ぎ澄まさなければなりません。
その一番の方法はよい語り手の話を聞くことでしょうが、それはなかなか難しい。
そこで、文芸学的な研究に助けてもらいます。
昔話は耳で聞かれて伝わってきたから、耳で聞いて分かりやすい言葉の法則を持っています。だから、語り手は、昔話が持っている言葉の法則を学ぶことで、語りのセンスを身につけることができると思います。

語法を学ぶという座学と、子どもに語る(子どもに限りませんが)という実践を組み合わせて学ぶ。
ババ・ヤガーではこれまで単発の語法勉強会をひらいてきましたが、最終的に、みなさんがもっと主体的に、語法を身につける方法はないかとずっと考えてきました。
わたしの宿題発表みたいな勉強会はあかんのと違うかと。

そんなこんなで、けっこうな人数のかたが集まってくださいました。
心強い限りです。
まさか、予習と宿題が出るとは思ってなかったって~?
やってみるときっとおもしろいから、がんばってください。

第1回は、昔話の一次元性について学びました。
一次元性は、子どもの世界の把握の仕方に近い性質です。
諸々の事情で語法クラスを受講されていないみなさん、《昔話の語法》のページで確認しておいてください。⇒こちら

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きのうの《おはなしひろば》は「くつをはきつぶしたお姫さまたち」
聞いてくださいね~
春は疲れる季節です。
ぼ~っと昔話を聞いて、心を開放してあげてください。

 

貧乏神☞ペーチカ☞総会🎊

コロナもずいぶん落ち着いたし、語りの森の総会をやりたいねえと、ジミーさんと話してたんですよ。

いっぽうで、フルーツさんが貧乏神にとりつかれ・・・じゃなくて、興味を持ってはるのがおもしろくて、いつぞやの、あったかペーチカの集まりのときに、ふと、「貧乏神大会やろか?」って口からぽろっと出たんですよね。

で、貧乏神やから、12月。
12月のあったかペーチカは貧乏神大会にしようって、なんとなく決まっちゃって。
しかも、どうせなら、午後からはお弁当食べて交流会にしようかってことになって。
それって、「総会やん」ってことにあいなりました。ああそうかい。

というわけで、このブログを読んでくださっているみなさまにお誘いです。
今年12月の日曜日、語りの森の総会をいたします。
ひさびさです。
午前は、語りの会。テーマは貧乏神。
語りの森のみんなが、貧乏神を語ります。
どうぞ聞きにいらしてください。飛び入りも大歓迎です。
午後は交流会。
会場が確保できしだい、日程等の詳細をお知らせします。

というわけで、既存のテキストにもたくさんの貧乏神の再話がありますが、ほかにもあらたに再話を公開しました。
 ⇒こちら
みなさま、お好きな貧乏神を選んで仲よくなってください。そして、当日、語ってくださいね~

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きょうのおはなしひろばは、「京のかえると大阪のかえる」。
春のおだやかな昼下がり、のんびり聞いてください。

 

4月の語りクラス

新年度を迎え、1回目の語りクラスの報告です。
高校の入学式と重なり、いつもより少なめの人数での勉強会となりましたが、
語りに対する熱量はいつも通りです☺

👐手遊び 『ぎおんのよざくら♪』

語り
➀「ひとりふたりさんにんのこども」 『おはなしのろうそく26』東京子ども図書館
幼稚園や小学校低学年向けのおはなしのレパートリーを増やしたく、
今回覚えました。「ひとつ、ふたつ、みっつ」の繰り返しが楽しいおはなしですが、
テキストに手を入れたほうが良いとアドバイスがありました。

◎ひとつ、ふたつ、みっつ、道がみっつにわかれているところへきました
道がひとつ、ふたつ、みっつにわかれているところへきました

同じように、門がひとつ、ふたつ、みっつ、庭がひとつ、ふたつ、みっつ
先に何があるのか語ります。
子どもはひとつ、ふたつ、みっつ、と聞きながら、自分で想像しているので
違うものが出てくるとおはなしについてこれなくなるからです。
ただし、チューリップのところからは、テキスト通りで問題ありません。

また、子どもが三人いることがわかるよう、演じて語る必要があるとのアドバイスもありました。
図書館のおはなし会と1学期の朝学習で語る予定にしていますので、結果をまた報告します!

➁「おおかみと七ひきの子やぎ」 『語るためのグリム童話』小峰書店
Yさんからの質問 「しちひき」vs「ななひき」、どちら?
子どもが「しち」を「いち」と聞き間違えないよう、「なな」と語るほうがよいとのことです。
同じように「七羽のからす」や「七人さきのおやじさま」など、「七」は昔話が好む数字ですので、様々なおはなしにでてきますね。

➂「ハヴローシェチカ」 『語りの森昔話集2』語りの森

➃「かえるの王さま」 『子どもに語るグリムの昔話』こぐま社
語られたNさんは、聞き手の時と違いハインリッヒの場面は泣きそうになると
言われていました。語り手の想いがのる場面では、つい高揚したくなりますが
気持ちを抑えて語りましょう。

➄「金の髪」 『おはなしのろうそく19』東京子ども図書館
何度聞いても(結果は分かっているのに)娘とピエトロはどうなるの?とハラハラドキドキします。
パタタ、パタタ、パタタ・・・の擬態音があり、伯爵と娘が馬に乗っているだけですが、状況をしっかりイメージする必要があり、語るのは難しいです。
「勉強のために覚えて語ってみる」語り手のスキルを上げるためにぜひチャレンジしてみましょう。

今回はタイムアップとなり、『ノート式』はできませんでした。
次回は5月13日です。

プライベートレッスン

急に暖かくなりました。
それはええけど、花粉も黄砂も飛んでます(っ °Д °;)っ
めげずにプライベートレッスンです~

「宗旦ギツネ」のテキスト整理
『京都府の民話』日本児童文学者協会/偕成社

京都市上京区に残る伝説です。

初めは再話ということでエントリーされたのですが、本文が結構きちんと再話されているので、手を入れて整理するだけで語れるだろうと判断して、テキスト整理のレッスンにしました。

が、やってみると、ラストのモティーフに合理性がなく、これでは語れないなと思いました。
でも、うまい具合に、フルーツさんが、宗旦ギツネの伝説そのものを調べてこられていて、ほかにさまざまな伝承があるのが分かりました。それで、そちらに置きかえて、整合性のある話にしました。だから、ラストは真っ向、再話になりました。

おもしろかったです。

それと、読み物としての文章になっているので、聞くとイメージが見えない部分がありました。その部分は整理しました。
読んでわかりやすいのと聞いて分かりやすいのとは違いますからね。

次回、もう一度テキストを語れる形にして完成させることになりました。

フルーツさん、貧乏神からきつねばなしへと、川の流れのよ~に~
楽しんではりますo(*^@^*)o
わたしも楽しい!

きつねといえば、4月の大人のためのおはなし会(15日)のテーマが「きつね」。
ウーカーさんの故郷の言葉で語るきつねの伝説もありますよ。
みなさん、聞きに来てくださいね~

 

 

3月の再話クラス🌷

急に気温が上がってきて、勉強会で暖房を入れるか入れないか、何度に設定したらちょうどいいのか、もうどうしたらいいのかわからない(笑)
各自が着る物で調整しながら、そしてある者は花粉と戦いながら(換気のために窓は閉められないからね)、再話クラスが行われました。

再検討
「とびじいさん」『北欧の民話』山室静/著 岩崎美術社 → 完成
「アズビンの馬」『新編世界むかし話集九アフリカ編』山室静/著 文元社 → 再々検討
新作
「笛吹峠」『鈴木サツ全昔話集』鈴木サツ/語り 小澤俊夫・他/編者 鈴木サツ全昔話集刊行会 → 再検討

今回の3話は、それぞれ全く違う内容の話ですが、共通して考えたことがありました。
それは、言葉にしろ内容にしろ、むかし語られていたころと今の状況が変わっているということに、わたしはもっと敏感にならないといけないなということでした。
「とびじいさん」は、わたしの担当の話なのでずっと向き合ってきましたが、一か所❝気が狂った❞という言葉が出てきます。
自分では、話全体を見てみて修正するところはもう思いつかなかったので、最後に「この表現を使うのはどうか…?」と指摘してもらって「あっっ!」と気づいた次第です。
おはなしおばさんとしては、言葉に敏感になっていないといけませんね。
❝おかしくなった❞という言葉に修正しました。
大人であれば会話の中や小説などで❝気が狂う❞は普通ですが、おはなしおばさんは子どもに語りますからね。
話によって、言葉を変えたり、表現をやさしくしたり、場合によっては子どもではなくて大人に語るようにと話の活かし方を繊細に考えなくてはいけないなと気づかされました。
いや、それはもう、勉強を始めた時からそう教わっているんだから、これでできているだろうという慢心か?!Σ(・ω・ノ)ノ!
それがいちばんこわい。
まだまだ先は見えないのに、こんなことに気づかないとは_| ̄|○
再話は難しいというか、訓練ですね。
言葉に敏感になる訓練だと思います!
運動は苦手だし、軍隊式も嫌いで今まで縁がない言葉だと思っていましたが、❝訓練❞してるんだと知りました。
我ながら気づくのが遅くてがっかりです(笑)