「勉強会」カテゴリーアーカイブ

4月度 中級クラス

コロナの変異株が猛威を振るい、緊急事態宣言も発令されましたね。息子達の学校では行事が次々と延期になり、高校は時差登校になりました。そして、このブログを書いている最中に、図書館が明後日から5月11日まで休館との連絡がありました(><)

さて、火曜にありました中級クラスの報告です。いつもより少ない11名での勉強会となりました。

♬手遊び ぎおんの夜桜パッと咲いた~♬

(語り)

①金の子牛 『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/語りの森

イタリアの昔話です。父親が、自分が死んだあと何を残してほしいかと三人の娘に聞きます。上の二人の娘は百スクーディのお金を、末の娘二コリーナは父親からの祝福を希望します。二人の姉さんは祝福をもらった二コリーナを妬み、王子に嘘をついて懲らしめようとします。二コリーナは、王子に魔法使いから金のカナリア、金の毛布、金の子牛をぬすんでくるようにと言いつけられます。援助者のおじいさんに助けられ、課題を成し遂げた二コリーナは王子と結婚するというおはなしです。

用事があり退出されたので、講評はありませんでした。残念・・・

②黄泉平坂 『語りの森HP』

今回、ヤンさんから語り癖を指摘されました。皆さんは自分の語り癖を分かっていますか?練習のとき、自分の語りを録音して聞いているのですが、全く気づきませんでした。助詞を強調しているときがあるそうです。(再度録音した自分の語りを聞くと、気になりました。癖ですので、口にしみついており、意識して直さなければ、ついついそのままになってしまいます。)

語り癖がない人はいませんし、その癖がその人の語りになります。が、自分の癖を意識して語るのと、知らずして語るのでは違います。癖を全くなくす必要はないそうですが、おはなしによって、その癖を出さないようにした方がよいときもあるそうです。

③がまんの石と刀 『子どもに語る トルコの昔話』/こぐま社

以前初級クラスでこのおはなしを語られているのですが、その時は初級クラスは手を入れないというルールのもと、ほぼそのままのテキストで語られました。今回覚え直していると、気になるところが多々出てきたため、何か所も手を入れられました。しかし、手を入れた文に気をとられ、練習不足もあってか、ストーリーを楽しめないままでの発表になってしまいました。

テキストに手を入れる前に

1、そのままで語れるか考える。 2、どうしても無理な場合は、文ごと変えるのではなく、2、3語付け足して(削除して)みる。

手を入れるときに大切はことは、「何度も口に出して、自分の耳で聴いて確認する」です。文を見ているだけでは読んでいることになり、聞き手の立場で考えなければなりません。

また、翻訳者の世界観があるので、その世界が崩れないよう変える必要があります。例えば、このおはなしには「若者が自分のことを召使などというので、悲しくてたまりませんでした。それでもやっと気を静めて言いました」とあります。昔話は心情表現をあまりしないという点から、Yさんは削除しましたが、他にも心情表現が沢山出てくるので、削除しない方がいいとのアドバイスでした。

先輩方にテキストに手を入れることについてお聞きしたところ、

〇基本的に最初から変えない。何度も語って、どうしても納得のいかない部分だけ変える。

〇(語法的に間違っていないと)自信のあるところだけ変える。手を入れなくて済むテキストを選ぶ。自分が好きなおはなしでも、語れるテキストかどうかを見極める。

と言われており、安易に手を入れるべきではない、テキスト選びが重要であるか、また再話との違いを再認識しました。

④おおかみと七ひきの子やぎ 『語るためのグリム童話1』/小峰書店

小学校1年生に語る予定で、「小間物屋」や「石灰」を言い換えたほうがいいのか、と質問がありましたが、そのままでいいとのことです。子ども達から質問があったときは、「お店」や「薬」と答えてあげましょう。

語り方のアドバイスとして、七ひきの子やぎ達が隠れる場面では

子ども達はどこに隠れるか知らないので、淡々と語らず、微妙な(わざとらしくではありません)間をとって語りましょう。しっかりとイメージを持つと、かくれんぼをする面白さが出てきて、子ども達は喜ぶそうです。

微妙な間とは、、、ヤンさんが少し実演してくれ、「なるほど~」と思ったのですが、自分が習得するには何度も子ども達に語る必要があると思いました。

⑤鷹のフィニストの羽 『語りの森昔話集3 しんぺいとうざ』/語りの森

3回の繰り返しが5セットも出てくるおはなしで、力を抜くことができず、最後まで語るのがしんどかったそうです。これはロシアの昔話ですが、ロシアはこのようにモチーフが重なり、次々と展開していく長いおはなしが多いそうです。グリムのように一つのテーマがあるわけではないので、聞き手(おはなしに聴き慣れ、展開を喜ぶ子ども達向け)を選ぶおはなしだそうです。

☆ハエ打ちの勇者 『世界の民話18』/ぎょうせい(ヤンさんの語り)

毎年「子ども読書の日」に合わせて、年に一度中学校でおはなし会をさせてもらっています。今日、そのおはなし会がありましたが、1日でも遅ければ、中止になっていただろうと思います。私は「黄泉平坂」とあわせて「やまたのおろち」を語ってきました。日本の神話を知らない子がほとんどでしたが、真剣に耳を傾けてくれました。また、Aさんは3年生に「年とった栗毛の馬」(語りの森HP)を語られたのですが、自分が語りながら子ども達の聞いている世界に飲み込まれそうになったそうです。

図書館や学校でのおはなし会が再開された時には、思う存分おはなしの世界を楽しんでもらえるよう、今のうちに磨きをかけたいと改めて思いました。

 

4月 初級講座報告

日差しは暖かく、風は強く冷たいこの頃ですね。色んな花々も嬉しそうに咲いています。この風でぶんぶん揺れてます!そうやって、風が夏をつれてくるのかな。「まだまだ~」と寝ぼける夏を風が引っ張る様子がイメージされます。こちらはこちらで、季節問わず年中シュッシュッと、みなさん慣れた手つきで会場準備です。

ヤンさん 手遊びとおはなし 

ぎおんの夜桜♪ ひとり、ふたり、さんにんのこども (おはなしのろうそく26)

1.ついでにペロリ『おはなしのろうそく6』東京子ども図書館

入門クラスで初めて覚えたおはなし。今回、テキストの細かい部分を見直すことができ、新たな発見があった。いけると思って臨んだが、緊張した。リラックスして語るにはどうしたらよいかが、課題だと感じた。第一歩目のおはなしとして、自分にとって大事なもの、我が子が飽き飽きしながらも(笑)練習に付き合ってくれた、とのことでした。

ヤンさん…入門クラスの時からまたよくなっていた。ある程度の緊張はあっていい。大人対象だと緊張するね。子供の前だとそこまで緊張しない。(みなさんの声)場数を踏んでいくことでほぐれてくる

2.ラ・レアールの修道院長『語りの森HP』語りの森

こちら私です。頭痛持ちの王様がのんきな太った修道院長に3つ問題をだしますが、その間を取り持つ修道院の料理人の姿があります。私のイメージ…料理人はヤジロベーの真ん中の存在です。死と再生もテーマの一つで(私の予想)、問題に答えていく料理人が、だぶだぶの修道院長の服をするりと脱ぐ時、このシーンは痛快です。練習期間中に語りのヒントはないかと、ふと落語のことを思い出し、YouTubeで聞いてみました。米朝さんの「持参金」、おもしろかったです。落語の雰囲気!を取り入れたような形で、楽しく語れました。

ヤンさん…テキスト冒頭、修道院長の性格を表している会話文「王様、それはあなたがいつも…」を気軽に答える。そうすることで、話の課題がはっきりする(王様が院長をこらしめたい)。会話文の後の地の文、区別が分かりにくいところがあり、分かるようにする(間、言い方)。最初に出てくる「銀貨」「金貨」、ん ん わかるように言葉を立てる。落語は’間‘がなにより大事なもの。

3.首の短い男の話『語りの森HP』語りの森

好きなおはなしで、エントリー前から時々テキストを読んでいた。アイヌの村長の語りで難しかった。練習を録音して聞くとのっぺりしている。初級クラスでこの難しいおはなしを選んでしまったが、とても好きな話。首の短い男となって人間界に現れた「首のもげたとっくり」は自分の素性がわからなかったがために悪さをしていた。素性・育ちのベースのような部分。語り手自身の子供の頃、身近におはなしを語る人はいなかったが、父がお酒を飲んだ時には「あの話して!」と、実体験話なんかをよく聞いていた。子どもは大人のおはなしを聞いて、安心して大きくなっていく、自分の能力に気付くような所があるように思う、とのことでした。

ヤンさん…アイヌの語りは「わたし」一人称で語るので、慣れていないから難しい。それと同時に、難しものに挑戦することによって、手に入るものは大きい。覚える、語る、人前で語る、その段階ごとに自分のものになる。テキストの語りについて、「小便飛ばしをしよう」と男がいうところが、子どもが言っているように聞こえたので、神的な存在であることを性格付けする。また、「御幣(ごへい)」アイヌではイナウといって、日本のものとは違って、木から削り出したもの。神への供物。岩波書店で、日本語もアイヌ語も堪能だった知里幸恵さんの本がある(アイヌ神揺集)。本を読むことで、アイヌについて自分の中に持っている世界が変わる

なぜ、アイヌの語り手は一人称で語るのか?…質問されたご本人Uさんの宿題となりました♪

4.ひなどりとねこ『子どもに聞かせる世界の民話』実業之日本社

小学校で朝学習に語る予定、ねこの気ままさ、平和なおはなしが気に入った。語っている時に、テキストと違うなと自覚しながら語っている部分もあった、とのことでした。

ヤンさん…ちょっと猫が恐かった。知らないおばちゃんの語りとなると、こちらが思ってる以上に怖さなどを聞き手は感じるもの。全体的に薄めて。ひなどりのくしゃみとお母さん鳥のやりとり面白かった。「だめよ」猫に見つからないように隠れているお母さん鳥の言葉、禁止のだめ?焦りのだめ?語り手によって解釈違うが、めんどうくさくなった最後の「いいわ」の言い方も考えてみて。ここで、子どもが「わー!あかん!」となるし、はっくしょん!で喜ぶ。世界に入り込んでいると子供が一緒にくしゃみをしてくれる。聞き手と楽しむおはなしであり、終盤が大事。

Tさん…皆さん初々しく、最初が硬いですが、いつかふわっと緩む時が来る。うまくなったやん私、と思う時が危ない、これは体験談。ヤンさん…過去を思い出し、自分を励ます!(笑)

5.クルミわりのケイト『おはなしのろうそく10』東京子ども図書館

ずっと練習していたがあいだが空いた。前に語ったものなので、大丈夫と思っていた。3回の繰り返しで言葉が変わるところが分からなくなった、練習不足。中学生に語る予定、とのことでした。

ヤンさん…年齢が上がるほど反応がおとなしくなるので、語りにくくはなる。また、本番と同じように練習する。座って語るのと、立って語るのと、お中に入る力が違う。立った方が声出る。また、3回の繰り返しの違い、言葉を完璧に覚える。ストーリーの展開があるので、場面転換で間をとると分かりやすくなる。

6.ほれ薬『語りつぎたい日本の昔話 吉四六さん』小澤昔ばなし大学再話研究会 小峰書店

おもしろい、楽しいおはなしを選んだ。テキストの言葉を自分のものにする難しさ、とんでもないことだと思いながら取り組んだ。覚えている期間の約一カ月に波がある。言葉がすっと覚えられて楽しい時もあれば、すじの運びが分からなくなる時もある。そして、それを超えるとまた楽しくなっていくような、色んな段階がある。語りつつおはなしの世界に入る難しさがあると実感がある。心の耕し方のような部分。いざ人前で語るとなると、あがってまっしろになる。決まった言葉をきっちり覚えて語りたい、とのことでした。

ヤンさん…私も真っ白になったことがある。語り10年目くらいの勉強会での創作話。練習した分すべてを、先生の前で聞いてもらいたいという自意識がでたから。子供の前では真っ白になったことはないなあ。聞き手と楽しむ、気持ちを持っていく。それと、真っ白にならないようにたくさん練習する。つまった時、子どもの情け深い目(笑)があるので、言葉を変えるなり、思い出すなりする。そんな状況も含め、楽しめたら良い。

Tさん…おばちゃんは媒体、イタコ。子ども達は‘おはなし‘を聞いているのだから、私が見えたらよくないと思うようになったら、落ち着くようになった。

ヤンさん…テキスト、ちりりん、ころろん…何の音かなと思ったら下駄の音だった。下駄の音と後で分かればよいが、聞き手を選ぶ。大人や中学生が楽しむおはなし。

みなさんの語りとそれを通しての対話、本当に楽しく充実した、おいしい食べ物を食べるような、栄養ドリンクを飲むような、あったかい言葉のシャワーを浴びるような、奥深い時でした!それぞれの表現でそれぞれ素敵なみなさんの語りが、子供たちに届けられるようにと心から思います。物語は人によって語られ、解放される必要があると、ある人が言っていました。私もおはなし会が終わった後の帰り道、おはなしが喜んでいるなと感じる時があります。聞き手も私も喜んでいるおはなし会ができた時です。自己満足の思い込みかもしれません。一瞬より少し長い時間で、語り手も聞き手もおはなしも、一つに重なる時を感じられると、なんかそんなことを感じます。充足感が体に刻まれるように残ります。そして、その喜びが次に繋がるので、何を覚えようかな、何のおはなしにしようかな、どんな顔するかな!とわくわくします。そうやって、5年、10年とみなさんおはなしの魅力にはまり込んでしまうんですね。ヤンさんが先日ブログで書いていたことを思います。そうやって、おはなしが人間の体を使って生きながらえている、言葉が私たちを使っている!やはり私たちは媒体ですね(笑)

来月はお休み、次回は6月8日(火)です。

3月度 中級クラス

桜が綺麗な季節になりましたね🌸3か月ぶりに中級クラスが開催されました。胃腸炎で数日寝込んでしまい、報告が遅れすみません(>_<)

♬手遊び やまごやいっけんありました~♬

(語り)

①石になった狩人 『子どもに語る モンゴルの昔話』/こぐま社

白ヘビをトンビから助けたお礼に、世界中の鳥やけもののことばが分かる宝の石を手に入れたアンチンフー。そして、山が爆発して大洪水が起こることを、事前に知ったアンチンフーが村の人たちのために石になってしまうという、自己犠牲のおはなしです。心に響く、完成度の高い語りでした。

語り手さんは東北大震災を思い起こすので3月は語らないほうがいいのでは、と心配されていました。日本は自然災害が多い国であり、それを語ることも大切であり、アンチンフーの想いをのせて語ればいいのでは、とヤンさんよりコメントでした。

語り方のアドバイスとしては、ヘビ達が集まっている場面で「わたしたちの王さまが、あなたをお招きしています」のヘビ達の言葉と、アンチンフーが助けた、小さな白ヘビの言葉は雰囲気を変えて語るといいでしょう。また、後半のアンチンフーが村人たちに大洪水が起こることを知らせていく場面から、最後まで同じ調子にならないよう意識しましょう。一番の盛り上がりはアンチンフーが石になってしまうところです。

②イワンの夢 『アファナーシエフ ロシアの民話下』/岩波書店

私が語ったのですが、テキストへの手の入れ方に悩みました。「手を入れる」とは、テキストを活かしながら、意味が理解できない場合は文を加えたり、削除したりするのです。自分のイメージで勝手に変えてはいけないのです。

このおはなしの原題は「正夢」です。イワンは見た夢のはなしをせず、父親に柱にしばりつけられ、それを助けてくれた王子にも夢のはなしをしないため、牢屋に入れられてしまいます。けれど、エレーナ姫と結婚したい王子を手助けし、無事エレーナ姫と結婚させ、イワンも富を手に入れます。

王子はエレーナ姫と結婚をするために、3つの課題をクリアしなければいけません。1回目と2回目は『エレーナ姫に届くものと、そっくり対になるものを持ってきてください。』と課題の内容を言うのですが、3回目は何も言いません。3回目が一番重要ですので、何も言わないままでいいのかと気になりましたが、子ども達は繰り返しをよくわかっているので問題ないとのことでした。

③雌牛のブーコラ 『語りの森昔話集4』/語りの森

幼稚園で語りたいと思い覚えられたそうです。

男の子がブーコラを呼ぶ3回の繰り返し、

1回目→はるか遠くで、かすかに、モウとひと声

2回目→さっきよりずっと近くで、モウ

3回目→岩山のすぐ下で、モウと、大きな声がしました。

小さい子どもは言葉だけでイメージしにくこともあるので、極端にする必要はありませんが、声の大きさを変えた方がいいでしょう。

トロル女が追いかけてくる場面は、逃げているイメージをしっかり持ち、言葉が途切れないよう意識されたそうです。自分は一歩先をイメージして語ると、より緊迫感がでてくるそうです。

お弁当を3回食べる場面は子ども達が「またか!」と喜ばれるそうですよ。

④屋敷こびと 『子どもに語る 北欧の昔話』/こぐま社

ご主人⇔主人、こびとにスープを⇔スープをこびとに、など統一されていない言葉をそろえられました。

テキストに手を入れたほうがよい例として、「〇〇〇」と言いました。「〇〇〇」のように、翻訳調になっているときは、語りにくいので会話文と会話文の間の言葉を削除するか、会話文の前にもってくるといいでしょう。このおはなしの中では、

「出ていけ!この役立たずめ!」と、主人はどなりました。「だが、おまえはこれで・・・」⇒主人はどなりました。「出ていけ!この役立たずめ!だが、おまえはこれで・・・」

となります。

このおはなしを読んだときは「面白いし、語りたい!」と思ったそうですが、時間が経つにつれ、また、覚え始めるとその気持ちが薄れてきてしまったそうです。しかし、最初に面白いを思ったときに気持ちを大切にして語ると、会話文は生き生きしてきますよ、とヤンさんよりアドバイスでした。

⑤ヘンゼルとグレーテル 『語るためのグリム童話1』/小峰書店

そのままのテキストでは長く、不要な部分が多く語りにくいためヤンさんが整理されたテキストに、さらに手を入れられました。

2回目にお父さんとお母さんがヘンゼルとグレーテルを捨てにいく話をしている場面で、『お父さんは、心が重くなりましたが、最初の時、お母さんのいいなりになったので、今度もそうするよりほかありませんでした。』と書かれていますが、昔話は内面を表しませんので、削除しましょう。

最後のお父さんとの再会の場面、喜び過ぎず語るほうが子ども達にはストーリーが届くので気を付けましょう。

「まま母」に関してはヤンさんが「昔話の解釈ー白雪姫」のブログで詳しく説明されているので、ぜひ参照にしてください。こちら⇒

☆ちいちゃい、ちいちゃい 『イギリスとアイルランドの昔話』/福音館書店(ヤンさんの語り)

小学校のおはなし会で語る予定にしている私にとって、聞けてラッキーでした。最後はどうなるか分かっているのに、いつ聞いてもドキドキして、楽しいです(笑)

我が子の中学校と小学校の卒業式にいってきたのですが、どちらも今までとは違った形での開催でした。中学校は保護者は一人だけの参加(ユーチューブで式の様子を配信)、在校生不在、合唱はなく、来賓も一人だけ、式辞や挨拶には「コロナ」という言葉が何度も出てきました。式が終わっても保護者は教室に行けず、クラスでの写真撮影がないなど、寂しい感じでしたが、これも仕方ありませんね。

さあ、気持ちを切り替えて、新年度です!4月から7月までは毎月のクラス&語法の勉強会がありますので、どんどん新しいおはなしに挑戦したいと思います。

2021年3月 日常語による語りクラス

2021年3月12日、日常語による語りクラスが再開されました。
お久しぶりにみなさまのお顔が見れて良かった~~。
その上、見学の方がお二人来てくださり、これからも一緒にお勉強して下さることになりました!
長いコロナ自粛で沈みがちだった重い心が、再開ニューフェイス加入ということで、パッと明るくなりました。
これからもよろしくお願いします!
それでは、早速ご報告させて頂きます。

 

<語り>
弓の名人」『子どもと家庭のための奈良の民話㈠』
ベテランの語り手さんです。このおはなしも、もう長い間語っておられるので、体の中にしっかりすっかり入っておられます。
けれども、語っている最中、つまったり忘れたりした時に、自由に言葉が出てきてしまう、とのこと。本番で、そうなったら何とかして、つながないといけませんが、練習中にはきちんとテキスト通りに語れるようにしましょう。語るたびに言葉が変わる、安定せずに揺れている、のは、まだまだ練習が足りない、と言えるかもしれません。

 

穴のぞき」『日本の昔話3』福音館書店
あったかいお声でやさしさを感じる語りです。(おはなしは、古ぎつねに化かされるおはなしなんですけどね)
自分で間違えたところに気付いて、おはなしを中断して言い直しちゃうので気を付けたい、とのこと。
ヤンさん → できあがったテキストを何度も何度も語って練習して、自分の耳に聞かせましょう。
→ 自分の耳が心地よく聞けるようになるまで、快感を感じるまで。何度も語ることで、自分の言葉になる、自分の心地よいリズムになる。そうなるまで練習しましょう。言葉が、リズムが自分の中にしっかり入るまで、定着するまで。言葉が不安定だったり、間違えたりする時は、まだまだ精査の途中と言えます。

 

大きなおならのお嫁さん(へっぴり嫁ご)」『日本の昔話4』福音館書店
語り手さんの「間」がおもしろかったです。助詞が弱くなる癖がある語りの場合、自信がなさそうに聞こえてしまうので、少し意識をして語りましょう。
お嫁さんがどんなおならをするのか、聞き手は期待して待っているので、サラッと語らずに、大いに楽しんで語って欲しいです。
ぼんがあーーー!!!

 

<ヤンさんの語り>
まめ、まてまて」『鈴木サツ全昔話集』より「まめっこのはなし」をヤンさんが再話
3歳の子どもたちに語れるように再話されたそうです。(3歳児は獲得している言葉の個人差が大きく、家庭内での言葉もそれぞれ違っているので、日常語で語るのは難しいため、語れるおはなしがあまり無い)
このおはなしは、鈴木サツさんが幼い時に一番最初にお父さんから聞いたおはなしで、これを何度も何度も、くりかえし、くりかえし聞かされ、その後やっと次のおはなしにいったそうです。
ヤンさんは「つまり、幼い子どもがおはなしを聞く最初の一歩にふさわしいのではないか!」とピン!ときたそうです。
実際に3歳児さんたちに語ったら、とてもよろこんで聞いてくれたそうです。しかも2月に豆まきをしたあとで、まめ、まてまて!を実体験していたので、時期もぴったりだったそうです!(語法で言うと、まさに、時の一致!状況の一致!・・・ちゃうか?)
私も語りたいなぁ~。いいなぁ~

 

<テキスト>
もぐらのお嫁さん」『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』村上郁/再話
ねずみの婿さがしのもぐら版(^^)
もぐらというのがかわいいなぁ、お地蔵さんが出てくるのもおもしろいなぁ、と思って選びました。との事。
雲(くも)の発音について。聞き手が、蜘蛛と間違えないように語りましょう。普段自分がどう言っているか?聞き手の子どもたちは、どの言い方でよく聞いているか?単体で言う時と、文脈の中で言う時と、発音が違うこともあるし、難しいけど、ちょっと意識しないとなぁ、と私も考えてしまいました。

 

しんぺいとうざ」『語りの森昔話集3しんぺいとうざ』村上郁/再話
短い文章をつないで一文にしてみようと思いました、との事。
ヤンさん → 人が普段しゃべっている時、接続詞を使って、つながった文でしゃべっている。だから日常語のテキストでは、短いブツブツと切れるような文章では不自然で語りにくい。でも、大事な言葉を含んだ部分を省くのは良くないので、注意が必要ですね

 

 

今回も、色んなおはなしをたっぷり聞いて、
久しぶりにおはなしにどっぷり浸かって、
楽しいひと時でした~。
やっぱり、おはなしっていいぁ~~~!(^^)!

かぶ

3月初級講座報告

う~めにうぐいす たけのこすいせん おひさまかがやくさんじょのじょ♪   (ヤンさん)肌寒い日もありますが、あちらこちららで春の訪れを感じられますね。

1.貧乏神『日本の昔話2』こぐま社

覚えるのに必死でしたが、どうにかできた。練習量がもっといると感じた、普段使わない言葉が覚えにくかった、とのことでした。

ヤンさん…ストーリーが分かった、途中何かとあってもうまく切り抜けて、最後までおはなしを届けられていた。終盤が弱くなっていたのは、練習量に違いがあるから。終盤の練習量もそれ以前と同じにすると良い。おはなしの面白さは表現できていた。普段使わない言葉も自分の言葉にすることは大事。それは自分の言葉・語彙を増やすという事になる。また、思わず出ていた言葉「あ!」と言ってたところあったでしょ。おはなしの世界が自分で見えていると、テキストにない自分の生きた言葉がふと出てくることがあって、その時がとてもいいもの

2.竹の子童子『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』語りの森

自分の中でイメージが途切れる事があったが、なんとか語れた、早口になってしまった、練習量がもっといる、竹の子童子と三吉のかけあいのところを覚えるのに苦戦した、とのことでした。

ヤンさん…語りの場をもっと広げると良い。違う場で、違う子どもに、2回語る。そうすることで、はなしに奥行きがでる。イメージすることが慣れになる。覚えにくいところは、きちっと覚える努力はして、語る時はどんと語る。また、竹の子童子の人物像を考えてみると良い。手のひらに乗るような小さなこどもの姿だが、「世界の事は何でも知っている」「1234才だ」「願い事を叶えてやる」などといっていて、背伸びをしているような様子、男の子が偉そうにしている様子。性格付けをする。また、早口は良いけど、大事な言葉はちゃんと立てること。「さんちゃん」名前を呼んでいることが分かるように。「おれは天人だ」→「おれは 天人だ」 直前に一瞬の間をおく。声の出し方など、語り手の竹の子童子で良いと思う。

3.がちょうはくちょう『おはなしのろうそく27』東京子ども図書館

こちら私。HPを活用したり、ロシアの他の昔話を聞いたり、聞きなれない物・言葉の表情を知る事でイメージ作りをして、納得させた。調子よく早口になりつつ、大事な所は聞かせるようになんとか努力した。

ヤンさん…スピード感で語る話。子供に引っ張られて早くなる。それは聞き手に合わせていることになる。また、ペーチカが立っていました→ありました ペーチカを人の名前だと勘違いするのでかえる。何かと聞かれたらパンを焼くかまどだと分かればよい程度の説明をする。語る前に、ババ・ヤガーとがちょうはくちょうの説明をしておくとよい。

4.とんびになりたい『日本の昔話5 ねずみのもちつき』おざわとしお・再話

奇想天外でおもしろく、落語だと思い魅力を感じた。今回時間をかけて練習したが、自然におはなしの世界が動くような時間が心地よかった。一方で、おはなしの世界に入りきる難しさを感じる。目線が泳ぎ集中できない。楽しんで発語するのは難しい。

ヤンさん…集中しきれないのは、いつ、だれにするかという本番の場がないからかな。集中して、どれだけ言葉を自分のものにするか。このクラスを本番にすると決めたら、集中力が出てくる。(ここでは言い忘れたそうですが、おはなしを始めて5年は語ってはいけないというグループもある、この場はおはなしを提供する本番と考えて練習すること。@日常語クラス)やはり語る場がいる。私は3回繰り返し語るという練習をしている。(小学校での語りはだいたい3クラス)3回繰り返しても飽きない、3回繰り返す体力。本番の形を練習に取り入れる。

5.にんじんとごぼうとだいこん『語りの森昔話集4 おもちホイコラショ』語りの森

日常語入門クラスで語ったおはなし、日常語クラスは目から鱗だった。やりたいと感じていた納得する語りかもしれないと思っていたので、理想の語りに近づくと楽しみにしていた。しかし、言葉や語尾を変えていき、私の言葉になったと思いきや、見直すとまた変えたくなる。変えてみて、見直すとまた変えたくなる。ヤンさんには「変わってくるところを大事にしてみて」と言われた。日常語で語ることで、自分の言葉になってしっくりきた、とのことでした。言葉を立てるについて、意味が分からないかもしれない言葉を言うとき、例えばもらい湯はどんな風に言ったらよいか?

ヤンさん…重要な言葉でないときは立てずにさらっと言う。そのうち分かるだろうという事で流す。聞かれたら教える。また、日常語で語るという事は、よりリアルに表現できて、細かいところまでイメージできるということ。自分は普段どんな言葉を使っているかという事を考えることになる。決め手としては、自分が聞いていて快感があるかどうか。それは、聞き手が気持ちよくなる言葉でもある。

6.6ぴきのうさぎ『語りの森昔話集1 おんちょろちょろ』語りの森

繰り返し動物の名前がたくさん出てくる、少しずつ言葉も違う。教えがはっきりしているが、語るのは難しい。

ヤンさん…語るスピード感が大事になる。…かもしか→ぞう→くま→うま→とら、この逆の順番を間違えないように。間違えると子供たちが違う!と言ってくれる(笑)ライオンが「おまえたち、誰から聞いたんだね」と聞いて、「とらです」「うまです」「くまです」「ぞうです」「かもしかです」とみんなが口々に言う。ここも子供が笑うところ。最後の「ただのうわさで動くものではない」という教えはただの付足し。また、言葉がそろっていない所は意味がある。そう思って考えてみると覚えられる。

ヤンさん語り ギーギードア  おはなしはたのしい たなかやすこ

今回は受講料値上げについてのジミーさんからのお話があり、ババ・ヤガー立ち上げの頃のお話、ヤンさんの努力、ジミーさん自身の思いなどを聞かせてもらいました。語り手を増やす、再話して眠っているおはなしに光を当てる、子どもたちに語る、おはなしを広めるというみなさんの活動。おはなしに出会って、こうしてヤンさんという講師から学べることは、ヤンさんや関わるみなさんのおかげであり、本当に恵まれた環境なんだという事を改めて捉え直しました。自分はどうして語りをしたいのか、何のために語るのか、自分の中にあるその原動力は何かを見つめる機会を頂きました。おはなし という、先人・自然からの贈り物は、言葉による普遍的な永遠なるもの。時間・空間を飛び越える、想像による認識。人類が存在する限りなくならない恩送り、心と体の栄養だと思うのですが、おおげさでしょうかね~?!おはなしは聞くのも語るのも、本当に幸せな気持ちになるということです。さあさあ、求める者は見出すよ♪

次回は4月13日(火)です。