「勉強会」カテゴリーアーカイブ

4月のプライベートレッスン

明日からゴールデンウイークですね。
京都府南部の今日は曇り、外出の予定がある人は、明日からの天気が気になるところですね。
4月のプライベートレッスンは合計3話でした。
残念ながらわたしは1話しか同席できず、ほかの2話はタイトルと出典だけのご報告です<m(__)m>

1日目
テキストを日常語になおす
「じいにすいつこう」『子どもと家庭のための奈良の民話三』京阪奈情報教育出版
主人公のおじいさんの背中には金がくっついて、隣のおじいさんの背中には馬の糞がくっつくという笑い話です。
重箱の隅をつつくように、一つ一つの疑問を丁寧に解説していただきました。
何度も聞いている内容ですが今回も心に刺さったのが〝何でも知っている語り手になってはいけない〟!
この先どうなるのかわかっているからこそのテキストへの手の入れ方や語り方をしてはいけないということですね。
ついついやってしまう~~、ありがち~~と、心で叫んでましたワタシ(笑)
自分が知っているから初めてこの話を聞く聞き手のことを忘れちゃってるんですよ。
わたしにとっての落とし穴です。
そしてもうひとつが、語り方で〝言葉を飲みこむ〟
これは、〝言葉を立てる〟の反対です。
飲みこむように、小さく、さらっという。
決して強調してないよ、言ってるけども過度に注目しないでね、的な気持ちを込めて小さく語る感じでしょうか。
短い笑い話は間の取り方が難しいですが、それに加えてこの話は〝言葉を飲みこむ〟も入るんですよね。
でも、先に分かっていればあとは覚えて練習するのみ!
勉強会で聞かせていただくのを楽しみにしておりますね~(^O^)

2日目
テキストを日常語になおして語る
「きつねのお産」『子どもと家庭のための奈良の民話二』京阪奈情報教育出版
語り
「金のがちょう」『語るためのグリム童話4』小峰書店

「きつねのお産」と「金のがちょう」も聞きたかったな~
「金のがちょう」は、一度覚えたけれども今はもうすっかり忘れてしまったという残念なことになっていまして(笑)
好きな話なんで聞かせてもらいたかったです。
ああ、残念でした(´;ω;`)ウッ…
みなさま、よいゴールデンウイークをおすごしくださいね~~(^O^)/

4月の語りクラス

手遊び ぱっぱっぱ

ぱっぱっぱ なんだろう  ぴっぴっぴ しっぽだよ  ぱっぱっぱ なんだろう ぴょんぴょんぴょん うさぎだよ  ぱっぱっぱ なんだろう  にょ~ろにょろ へ~びだよ

炭焼き長者     『日本の昔話5』おざわとしお再話/福音館書店

いのししとかめ   『語りの森昔話集4』語りの森

めしを食わないよめさん 『語りの森昔話集1』語りの森

がまんの石と刀   『子どもに語るトルコの昔話』こぐま社

宝下駄       『語りの森昔話集5』語りの森

ねむりねっこ    『語りの森昔話集2』語りの森

紙のおうちのヤンネマン 『世界の民話26オランダ・ベルギー』より再話 ヤンさん

初級・中級の合同『語りクラス』、今年度新たにスタートしました。今回はウーカーの報告です。参加者は18名でした!皆さんの楽し気なおしゃべりの声で、新しいクラスもすぐに和みの雰囲気。メンバーは、語り歴が数年の方から30年以上の方までおられます。合同クラスの良い点はまさにそこだと思います。中級の方のテキストの読み込み方に驚きます。初級の方のおはなし選びの悩みには、立ち止まって考えさせられました。お一人お一人の講評の言葉が、自分に向けられているものとなり、身に沁みます。自分はどうだろうか?ちゃんと考えているか?考え抜いているか?その周辺に求めるものが潜んでいるように思います。自分で考えて、自分で気がついて、自分で納得するための努力はしたいと思います。それでもわからない時はヤンさんどうぞお導きをお願いします!

今回、特に感じたことが一つありました。おはなしのタイプ別による、語り手の好みの事です。気に入っている話か、苦手な話か、ということです。かつては私もありました。そう思い込んでました。語る場がいくつかできて、語る機会が増えた頃に、苦手だな、難しいなとしていた話を、あえて自分で選んびました。そして、猛練習で準備をして、子どもたちの前で語ることで、そういう物差しをすっかり外せました。ちゃんと準備をすると自分が楽しかった~となります。どれだけおはなしと向き合ったかがほんとうに大事と、ヤンさんがいつも言われますが、その事が語りに表れます。それに対する返答を子どもたちが教えてくれてるのだと思います。次はどんなおはなしをして喜んでもらおうか、こんなおはなしも聞けるかな?どんな顔するかな?自分の好みはその後に自然とついてきます。これは、私の実体験を通しての気持ちの流れです。楽しかった、また聞きたいな、とみんなが感じるおはなし会の内容は、聞き手に合わせたプログラムです。教えていただいた事を、ここ数年で体感してやっと少し分かってきました。それまでは、言葉だけがそこにあって、まったく分かっていませんでした。自分の課題はたくさんあるので、そこに向き合って語りクラスで出していきたいです。真面目そうに書いてますが、ただの事実です(^^)/ 今後の語りクラスのエントリーは、優先順位がありますのでご参考に。①おはなし会が近くて、切羽詰まっている人 ②三か月以上エントリーしていない人 ③それでも空きがある場合のエントリー希望者 人数が増えたので、発言も増えて盛り上がります。学びが深いので、たっぷり時間を使います。来月も楽しみです。

次回は5月14日㈫

再話クラス

今週火曜日は、日中はいちにち雨でした。
時々激しく降る雨に驚き、しかしうっとうしいなと思う間もないような、予定を一時間も超過するほど盛りだくさんの再話クラスでした。

再検討
「天狗のうちわ」(原題:「鳥うちわ」)『丹波和知の昔話』稲田浩二/編 三弥井書店
「聖アントニウスがこの世に火を持ってきた話」『新装世界の民話13地中海』小沢俊夫/訳 ぎょうせい
「黄金の騎士」『新装世界の民話19パンジャブ』関楠生/訳 ぎょうせい
新作検討
「狩人と三人の友だち」(原題:「弓の名人と友だち」)『ソビエト昔話選』宮川やすえ/編著 三省堂

書くことがたくさんありすぎて、1話ずつの内容を書くことはできませんが、わたしが担当だった話で痛恨のミスがあったことだけ書きます(´;ω;`)
「黄金の騎士」を耳で聞いてもらって確認してもらおうと、必死で何とか覚えて語りました。
この話は、話型がAT530「ガラス山の王女」なんです。
再話の中に〝ガラスの山は、すっかり氷におおわれた、鏡のようにつるつるの険しい山だったのです。〟という一文があります。
その説明の前後に、〝ガラスの山〟という言葉が何度も出てきます。
ガラスと氷と鏡という三つの言葉が「なんかおかしい」と思いながら、原話がそうなっているから仕方がないと思ってそのまま覚えましたが、ヤンさんの「これはガラスじゃなくて氷の山じゃないか?」というご指摘で原話を見ると、原話にはガラスという言葉がなかったんです!Σ(・□・;)
AT番号を調べた時のわたしの思い込みでガラスの山にしたのを、脳内で記憶のすり替えが起こって原話通りだと思い込んでいたということが判明しました。
今まで以上に自分で自分が信じられないことにショックを受けました。
笑って通り過ぎていいんでしょうか?
再話については、原話を何度も、ゆっくり急がず確認しながら再話していくしかないのですが、果たして日常生活で、わたしはいったいこれからどうしたらいいのかと、しばし遠い目をして地平線を見つめたのでありました。

「聖アントニウスがこの世に火を持ってきた話」と「黄金の騎士」は今回で完成しました。
完成稿は、あとで秘密基地にアップされますので、見られるかたはご覧ください。
「天狗のうちわ」と「狩人と三人の友だち」は次回で再検討します。
次回は5月28日です。
来年度から再話クラスは隔月になります。
痛恨のミスがあったとしても、やっぱり再話の勉強は楽しいです(*^。^*)
次回の勉強会も楽しみです(^O^)/

3月のプライベートレッスン

このあたりでは、今週は雨の多いお天気ですが今日だけ晴れだそうで、気温と気圧の差がつらいお年頃としては、体にこたえますがな…
さて、今月のプライベートレッスンは3話でした。

一日目
日常語による語り
「貧乏神」『新しい日本の語り5藤原ツヂ子の語り』日本民話の会/編 悠書館
日常語による語り
「舌切りすずめ」『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』語りの森
二日目
語り
「十二人の兄弟」『語るためのグリム童話1』小澤俊夫/監訳 小峰書店

グリム童話の「十二人の兄弟」を久しぶりに読んだんですが、女の子が兄さんたちを探して助け出すための冒険と言いますか、苦難を乗り越えるいい話です。
やっぱりグリム童話はいいですね。
しかし、兄さんたちを救うために、7年間口をきいても笑ってもいけないなんて、なんと壮絶な方法なんでしょうか!
しかも、ちょっとでも守れなかったら、兄さんたちは死んでしまうのです(´;ω;`)
深い深い兄弟愛を感じました。
わたしには無理ですけど。
出典本にある次の話が「兄と妹」なんですが、これも続きで読みまして「やっぱりいい話! 覚えるか⁉」と、時間も語る当てもないのに心が動きました。
グリム童話が大好きな自分を再確認した次第です。
そして貧乏神シリーズ、いったい何作目になるんでしょうか?
いろんな貧乏神の話を日常語で覚えてこられましたが、頭の中でこんがらがったりしないんでしょうかね。
こちらも、わたしには無理(笑)
「舌切りすずめ」は、今月の中級クラスで別のかたが語られました。
同じ話でも、語り手が違うとまた違った味わいになるということを改めて思いました。
日常語による語りは、どれもほっとするところがいいですね。

桜の木も今日の温かさでつぼみが大きくなるのかな?
去年みたいに急に咲きそうな気がするので、気を付けておかないと見逃がしそうです。
ではまた(^O^)/

3月の中級クラス

暑さ寒さも彼岸まで、春はすぐそこまで来てますね。年度末ですし、たくさんの紙と布を整理して、新しい季節をすっきり迎えたいと思う今日この頃です。

【手あそび】   

たんたんたん ぽぽ たんたんたん ぽぽ たんぽぽたんぽぽ たんたんたん

【語り】

おはなしのだいすきな王さま 『山の上の火』岩波書店

アリョーヌシカとイワーヌシカ 『まほうの馬』岩波書店

さるとかにのもち争い(日常語) 『語りの森昔話集4』語りの森

舌切りすずめ(日常語) 『語りの森昔話集4』語りの森

むかでの医者むかえ   語りの森HP

ヤンさん 鬼のひとり娘    語りの森HP

おはなしのだいすきな王さま テキストに少し手を加えて語られました。お百姓の何度も繰り返されるセリフを同じにしすぎると、それに答える王さまのセリフが何だったか、語り手自身が分からなくなり、王さまの言葉を間違える。王さまがイライラしてくる様子、その王さまの言葉のエスカレートする事を活かす。王さまが困りだすのがおもしろい、王さまの答え方の方に集中して語る。また、テキストの文によっては、はっきり耳に届けずに言う必要がある場合、飲み込むように語る。

アリョーヌシカとイワーヌシカ 弟と姉さんの掛け合いの詩の部分、このおはなしの重要な部分になるので、練習の中で語り方を考えていくとよい。「こういう風に聞き手に受け取ってほしい」という工夫をする。

さるとかにのもち争い さるが木に登って餅を食べていて、『そうしてるうちに、木の枝が折れて、ふくろから、おもちが落ちてきました。』という場面がどうなってるのかイメージがしづらいとのことでした。司書さんでもある中級メンバーの方が、国会図書館の検索で原話をその場で見てくれました!『木の枝にかけていた袋』と原話に記述。わー!とみなさんで納得して、分かってよかった~と解決しました。なので、そのように言葉を加えられました。原話の確認は大事ですね。

舌切りすずめ 何年も前に、他のテキストで覚えたおはなしだったそうですが、すっかり忘れてしまったので、混ざって困ることもなく、覚えられたとのことでした。「したきりすずめ~どっこどこ~ちゅんちゅん」を歌にされていました。

むかでの医者むかえ 語られたHさんは、遠方にしばらく行かれるという事で、クラスでの語り納めとなりました。目の前のことに時間を使って、気持ちゆったりと行ってきてください!

ヤンさんの「鬼のひとり娘」、大元はたった三行のはなしとのこと!サカタシズコさんという方がお父さんから聞いた話。お父さんは狂言を見るのがお好きだったそうで、その「首引(くびひき)」を娘さんに話したものだそうです。そして、娘のシズコさんがお孫さんに語ったものだそうです。おはなしは個人的なもの、それが始まりだったりするんですね。お父さんが狂言を見て、シズコさんに話したのは100年くらい前のことでしょうか。そんな繋がりがあって、一つの昔話を聞いているんだと思うと、私たちは伝承の途中にいるってことが、はっきり分かりますね。一人で百年語ることはできませんが、そうやって思いが繋がって、下の世代へと語り継がれるんだなと嬉しくなりました。ヤンさんの見ている景色が少し見えた気がしました。

中級クラスの報告を1年半ほどさせて頂きましたが、振り返りがとても勉強になりました。フルーツさんからもお知らせがありましたが、来年度から、初級クラスと中級クラスは合同となり「語りクラス」となります。初回は4/9㈫です。事前に秘密基地をひらいて、エントリーされているお話の出典をチェックし、テキスト持参の上での参加となります。みなさまお忘れなきを。どんな学びの会になるか、どんな新しい出会いがあるか、楽しみです。フルーツさんと交代で報告をしていきますので、よろしくお願いします(^^♪