「未分類」カテゴリーアーカイブ

6月 おはなし初級講座

報告が遅くなりました。
6月もおはなし初級講座ありましたよ~。

語りは7つ。
「手なし娘」『子どもに語る日本の昔話③』(こぐま社)
「かも取り権兵衛」『日本の昔話②』(福音館書店)
「ツバメとアブ」『子どもに語るモンゴルの昔話』(こぐま社)
「足折れつばめ」『子どもに語る日本の昔話③(こぐま社)
「おんちょろちょろあなのぞき」『語りの森昔話集①おんちょろちょろ』(語りの森)
「ホットケーキ」『おはなしのろうそく18』(東京子ども図書館)
「かきねの戸」『語りの森昔話集①おんちょろちょろ』(語りの森)

『手なし娘』
こちらは日本の手なし娘です。
作中、「もがれた」(本当は切られた)や「問わず語り」など文学的な表現も多く、少し大きい子でなければ意味が通じないかもしれないという話題が出ました。
娘の手が生えるきっかけをくれた守り本尊はお坊さんの姿で登場するのですが、援助者は人間の姿で現れるものなのだそうです。

『かも取り権兵衛』
これは奇想天外な場面が次々と展開される笑い話ですね。空へ、屋根の上へ、地下世界へ、雲の上へと場面転換も多く、間でできているような話です。
その『間』ですが、二種類あって、場面転換でつくる間と、子どもたちとのやりとりでできる間とがあるそうです。前者は家で練習できますが、後者は子どもの前で語って初めてできる間なのだそうですよ。3年生くらいがいちばん面白がる年齢かもしれません。

『ツバメとアブ』
低学年ではメインに、高学年でもおまけにつかえる由来話のひとつです。
ツバメとアブの関係は少しアリとキリギリスのようでもありますが、考えすぎずにすんなり語った方がいいようです。

『足折れツバメ』
いわゆる隣のじい型のお話です。最初の優しいおじいさんは軽く丁寧に。強欲じいさんは、「優しいおじいさんはこうだったけど、こっちはこう」と違いを一語一語イメージできるように押さえて語るのを意識したほうがいいようです。

『おんちょろちょろあなのぞき』
これも笑い話です。子どもと遊んで間を作っていくお話なので、お経もどき部分をお経っぽく演じてもいいようです。

『ホットケーキ』
低年齢~低学年向きのお話なのにわりと長めのお話ですよね。このお話の主人公は誰ですか?
そう、ホットケーキです。ホットケーキが元気にコロコロ転がっていくように、繰り返しを歌うように楽しんで語ればいいようです。

『かきねの戸』
子どもはうんちとかおしっこが好きですね。でもこのお話の中の一番大切なところはなんでしょうか。それは、かきねの戸を外して家を出、落として幸せを掴むこと。
お母さんの思惑とは正反対、かきねの戸をはずして持っていくナンセンスがおかしく思えるのは何年生からでしょうか。

もっちは図書館でかきねの戸をやって、笑ってもらえなかったことがあって、逃げたくなりました。笑い話って本当に難しい…。

初級講座は8月はお休みです。7月、皆様の出席をお待ちしておりますよ~。

6月のがらがらどん

この前の日曜日は、がらがらどんの日でした。
そして、がらがらどん始まって以来のことが起こりました。
なんと、この日の参加者が、メンバー4人だけだったのです。
カイビャクからのメンバーさんたちは、「こんなんはじめてや」とおっしゃってました。
(12時すぎに一人駆け込んできてくれたので、正確には5人なんですけど…)
しばらくはなしをして、「お茶でものもか」という流れになり、(今日はお茶飲んで終わりかな)と思っていたら、「じゃ、やろか」みたいな急展開でいつものように始まりました。

「め牛のブーコラ」 『民俗民芸双書北欧の民話』山室静訳 ヤンさん再話
「六匹のうさぎ」 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』
「川の母」 『魔法のオレンジの木ハイチの昔話』ダイアン・ウォルクスタイン
「ヤギとライオン」 『こども世界の民話』(上) 内田莉莎子/他
「ミスターフォックス」 『Englisy Fairy Tales』 Joseph Jacobs ヤンさん再話

そして、このあとの感想を言い合う時間が、人数が少ないだけに(普段はここまで話をしないことまでオッケイ!)みたいな、濃密な話の内容になりました。
「ミスターフォックス」は、出典の英文から、ヤンさんが再話したということでしたから、話は知っていても、テキストとしては初めて聞くテキストです。
怖い話は、やっぱり怖かった。
始めはそうでもないんですけどね、階段の下の樽の後ろに隠れるところからはもう、息をつめて聞いてしまう。
そして手首が自分の膝の上に落ちてきて、「ぎゃァァァ~」
本当は自分じゃなくてむすめの膝の上なんだけど、自分が「ぎゃァァァ~」
そして、最後の食卓の場面で、むすめが時々挟む「夢の中では」のセリフで、緊張感クレッシェンドしまくりで、(ああ、最後までもつやろか、自分…)と思っていると最後の最後に、目の前に手首がババーンと提示されてしまい、私の場合は手首の見えないはずの断面に血がにじんで滴りそうになってました。
どう、聞きたくなったでしょ?
行きたかったな、と思いましたね?!
ああ、残念でした(笑)
ああ、面白かったわあ~~(ヤナ奴)

出典について一言(^_-)-☆
『民俗民芸双書』シリーズの岩崎美術社は現在ありませんので絶版です。
図書館にあるかもしれません。
「ヤギとライオン」のテキストは、実業之日本社の『子どもに聞かせる世界の民話』と同じです。

次回のがらがらどんは、7月16日(日)です。
そして8月は夏休みです。一回お休み。
それにしても最近は真夏なみの暑さですね。
みなさま、どうか体調管理をしっかりなさいますように。

では(^^)/

 

お話の勉強会 🐌

講評するって、難しいんですよ。

いっちばん大事なのは、講評する人間は自分の好みで相手の語りを聴いてはいけないってことね。
自分がいちばん、というか、相手より上って思うと、自分を基準にしてしまうのね。
だから、選びも、声も、語りかたも、無意識に好き嫌いで判断してしまう。
それはとっても不遜なことなの。

そんな講師や先輩が必ずいうこと。
1、どうしてその話を選んだの?
2、以前、ほかの人が語ったのを聞いたときは、~~~だった。

わたし、若いころ、これでけっこう惑わされてね。迷って迷って(笑)
仲間にも悩んだ人もいるし。まああっけらかんと、ふう~んてやり過ごした仲間もいたけど(笑)

で、じきに開き直ってね。こんなふうに考えるようになった。
1、好きやからに決まってるやん。ほっといて。失礼な!
2、そんなん私、聞いてへんから知らんがな。再現できるんやったらやってみて。

だから、わたしは、こんな講評はしない。
もちろん、中級講座では、同じ話で違う再話や類話はなかったか、どうしてそのテキストにしたのかを説明してもらいますけどね。「ちゃんと他のテキストも見てから選んだんやろね。安易に飛びついてないやろね」ということね。ちゃんと調べる努力をしてから選びましょうということです。

初級講座はね、ふふふ、楽しいのよ。
とにかく語り手としての最初の話を聞いてますからね。おぎゃ~って生まれたときの。
途中からの人でもね、ピカピカの話を聞かせてもらってるから。
その人たちが、一話、一話、と成長するのを見るのが、ほんっとに楽しい。
語り手が100人いれば100の語り。
声の出し方や話し癖も、自分で気づきながらそれを味(個性)にしていく。

日常語講座は、もちろん、あなたの語りを追求しましょうって方向で、アドヴァイスします。
答えはあなたの中にある。

それでも、たった一つだけ、自分の中にきびしい基準を作っています。
「見えること」です。
わたしは聴くとき、じっと「見る」ことに集中しています。顔とちゃうよ(笑)
語り手が描き出す世界を、です。
その世界がぼやけるとき、そこはこうすれば見えるんじゃないかな、と思うことをアドヴァイスします。
それもその人の語りの中で、こうすれば、なんです。私ならこう語る、は、めったにいわない。
だから、相手によって言うてることが違うやんってよく言われます。
でも、せんじつめれば同じことを言っているわけです。

ババ・ヤガーでは講師のヤンがいて勉強するけどね、それ以外の勉強会では、みなさん、どんな感じかな?
おすすめは、お互いのいいところを言い合う会にすること。
10人いたとして、それぞれがよくない所を教えあったら、その人は10個の欠点をなおさなくてはいけない。ああしんど。
いいところを教えあったら、このままでいいってところが10個もある。次もがんばろうって思わない?

子どもたちに善意で奉仕している者同士、気持ちよく、楽しく、きびしく、成長したいですね。

5月の中級講座

今日は母の日、だったと気が付きました。
あ~あ、何にもしてないよ、不出来な娘を許して<(_ _)>

強引に、先週の金曜日の、おはなし中級講座の報告です(^^♪

レポート付きの語り
「がちょう番のむすめ」
このおはなしは、もう、テッパンですね。
ええはなしや~~、って思います。
よくぞこれを選んでくださったと、とてもうれしかったです。
この話は、むすめの成長の話ですが、成長を助けるのは最後に結婚相手となる王子ではなくて、その父王です。
王さまのほうが、がちょう番にされたお姫さまの上品さに気づき、事の真実を探偵のように調べて、最後に悪い腰元に罰を与えるのです。
王子さまは、まるで肉料理の皿についているパセリくらいの存在です。
王さまの存在に注目してみると、語るときに王さまのセリフが重要になります。
そこのところをヤンさんに指摘してもらって、とても参考になりました。
やっぱりおぼえたいなあ~(また、言ってるよ…)
そして、本日の教訓は、「語法を指摘できても、その箇所が大事という意味が分かっていないといけない。」です。
最後の、腰元が自分に罰を与える箇所です。
このエピソードの孤立は大事なところなので、自分の中で納得させておいたうえで、淡々と語る、のでございますよ!
(詳しくは、昔話の語法・エピソードの孤立性2をご覧ください → こちら

二つ目の語りは「はらぺこピエトリン」
楽しいお話です。
そして、語り手さんの「このお話楽しいわあ~」っていう思いが聞いていて伝わってきました。
まわり全体が、明る~くなる感じがしますね。

昼食後は、呪的逃走譚のお勉強です。
今まで日本のお話の呪的逃走譚をレポートで報告してもらいましたが、この日からはみんなで世界の話を見ていきます。
その第1回目はグリム童話の中の呪的逃走譚を読んでいきました。
時間の関係で残り半分は宿題。
次回までにデータでやり取りして完成する予定です。
そして、うれしいことに、またメンバーが増えました。
ご新規さん、いらっしゃいませ~(^◇^)
これからどうぞよろしく、そしてみんなでがんばりましょう(^^)/