7月のおはなし会3🎋🎋🎋

お隣の市へ大人のおはなし会に呼ばれて行ってきました。
コロナ下で、少人数感染対策は厳重に、でも勇敢に語りの会を開催された主催のかたがたに感謝します。

プログラム
レクチャー「語りの愉しみ」
「腰折れ雀」
「三匹の名付け親」
「美しいユーラリ」
「きつね女房」
「危機一髪」

ヤンは、レクチャーと後半の3話の語りです。
ヤンの3話は、#女の力でまとめました(笑)

「腰折れ雀」は瀬田貞二再話を語り手の普段使いの言葉で語られました。やわらかくって心地よかったです。
「三匹の名付け親」はジミーさんです。会話の掛け合いのおもしろさ、味がありますね。これは大人向きのおもしろさです。

「美しいユーラリ」「危機一髪」は、最近再話した大好きな話で、『語りの森昔話集5ももたろう』に入れますので、楽しみにしていてくださいね。
「美しいユーラリ」は、ヨーロッパ的なモティーフがつぎつぎとつながっていて、長くても飽きが来ない話です。語りやすい話でもあります。同系統の話でも、グリムは重厚ですが、フランスの話は明るく軽快です。
それに対して、インドの昔話「危機一髪」は微妙に演じると面白い話で、間(ま)で生きる話でしょう。けっこう難しくて、練習に時間がかかりました。
「きつね女房」は『日本の昔話2』小澤俊夫再話/福音館書店を、日常語で語りました。

レクチャー「語りの愉しみ」
依頼があったときはいい気候だったので、はいはいと軽く引き受けたんだけど。みんなが睡眠不足の今日この頃、とってもクーラーのきいた気持ちのいい会場で、さて何をどう話すと、お互い眠らずに済むか~~~と、なやみました(笑)
おはなし会のサブタイトルは「今ひとたびの空想の世界へ」
でね、「空想の世界」といっても、本だっていいわけですよね。絵本だって、アニメだって映画だって、とっても技術が向上してて、素晴らしい空想の世界を描いてくれる。そこでなぜ語りなのかという、ありふれた話をしました。
ひとりの語り手がひとつの話を選び、そらで言えるまで覚え、よく表現するために練習する。その努力と時間に値打ちがあって、ひとりの人間を通してじかに伝える物語であること、それが語りの魅力だってこと。
コロナで人と会えない日々が続き、じかに語れない日々が続き、人が人に語ることの重要性に気付いたというようなことを話しましたよ。

さて、次のおはなし会は、9月の幼稚園。
コロナが収まっていてほしい◑﹏◐

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けもの婿の「白くま王ワレモン」「へび婿入り」、続けて更新したので読んでくださいね~

それから、昔話の語法オンライン勉強会は「がちょう番の娘」です。8月24日ですよ~
「がちょう番の娘」は対面でやる予定はありません。オンラインだけね。
なんでかっていったら、5月に対面でできなかった「白雪姫」を10月26日にやることになったからね。いそがしい。
暑いけどがんばって勉強しましょうね。《お問い合わせ・リンク集》のページから申し込めます。お待ちしていますヾ(^▽^*)))

 

 

 

7月の中級クラス

アッツ~~い~~!!
自分はつい叫びたくなるけれども、人から聞くと暑さが増すようで聞きたくない。
だからここで叫んでおきます<(_ _)>
オリンピック、始まりましたね。
選手のみなさんや関係者の方がたが熱中症にならないように祈っております。

しばらくオンラインで行っていた中級クラスが、7月は元通りの対面でありました。
みなさん心なしかウキウキしているような…。

手遊び 一本と一本でどんな音 ほーらこんな音 (一本指で拍手する)
(一本から五本まで繰り返します。四本くらいから音が出てきます。小さい子でも楽しめます。)
語り
「若返りの水」『子どもに語る日本の昔話3』こぐま社
〝清水〟という言葉が聞き手に分かりにくそうだと思ったので、清水→湧き水or泉と置き換えたほうがいいかという質問がありました。
分かりやすいのは〝泉〟だけれども、言葉としては〝清水〟のほうが霊的なものを含むということで、なるほど言われてみればそうだと思いました。
事前に考えた言葉を当日の聞き手の様子で瞬時に判断して言葉と説明の有無を決めるというところでしょうか。
難しいですね。
また、語り手さんはテキストをちゃんと覚えているか録音してチェックされたそうですが、中級クラスになれば、録音して耳で聞いたときに、分かりにくいと思う個所をチェックし、言葉を変えていく作業をしてみてもいいということでした。
できるようにならないといけませんね。

「三枚のおふだ」『おはなしのろうそく1』東京子ども図書館

2学期に一年生に語ることが決まっているそうです。
話の中に栗拾いが出て来ますので、栗がなる前か後かどちらがタイミングがいいだろうかということについて、聞き手が幼いほど、体験した(直)後におはなしを聞いたほうが現実味を帯びるそうです。
幼稚園くらいだと特にそうですね。
行事(もちつきとか節分とか七夕とか)があったらそれを覚えているあいだに、関連するおはなしをするといいですね。
すでに年中行事を理解している年齢ならば、前でも理解できますね。
1年生にしては割と長い話なので、プログラムのメインにできますかという質問が出ました。
これはすぐには言えないことでした。
➀聞き手の聞く力がどれくらい育っているか。
➁話自体は本格昔話ではない。メインにするのは話の長さではなくて話の重さで決める。
➂最後に面白くてワーッとなっている聞き手にふたつ目の話をするのはやりにくい。この話で終わりにするのが収まりがよいのではないか。
➀~➂のことをいろいろ考え併せてみると、結論として「三枚のお札」は、メインにしようと思えばできないことはない、という言い方が一番無難ではないかという、なんか歯切れが悪くてすいませんが、誤解のないように言いたいのでほんとにこうなるのがわたしも妥当だと思いました。
語り手さんも、特にメインにしたいわけではないということでしたので、メインは話の重さで決めるということがわかってよかったです。
〝タンツク タンツク こんぞうよ〟の雨だれの音は、4行ありますが2行×2です。
この2回目を言うときには、小僧が食われることが分かっているので切迫感を出すといいそうです。
お札を後ろに投げる時の言い方も注意が必要です。
このとき小僧は切羽詰まってますし、聞き手は2枚目からはこんどは何が出て来るのかと待っています。
それを踏まえて、短い台詞ですが大事な言葉には力をこめないといけません。
唱えことばや呪文には力があるそうです。
だから、すう~っと流してしまってはいけません。
言い方は、それぞれ練習しましょう。

「なまくらトック」『おはなしのろうそく3』東京子ども図書館

テキストについて
おはなしによって、整理したほうがいい話、整理してもいい話、整理しないほうがいい話があり、これは〝整理してもいい話〟にあたるそうです。
同じ場面で表現が違うところをどれか一つに決めて統一すると聞きやすく覚えやすくなるでしょう。
語り方としては、トックのなまけものの怠惰な感じに対して、相手の働き者で天真爛漫なところの対称性を分かるように語るといいです。
この話は思いきり演じても怖くならない話ですし、松岡享子先生が「演じないと面白くない」とおっしゃっていたと思います。
話によっては、演じると怖すぎて聞き手に恐怖を植え付ける恐れがありますのでわたしたちは普段から慎重ですね。
しかしこの話はその心配はご無用です(^^♪
ただし、気を付けたほうがいいのは、太っている子どもさんがいる場合はこの話は出せないこと。
聞き手のメンバー構成を熟知していて太っている子どもさんがいないと確認できている場合以外、代わりの話も用意していった方がいいでしょう。

「三匹の名付け親」『語りの森昔話集3』語りの森

これはわたしなんですが、今月末に語ることになりましたが、コロナのことがありましたので1年5ヶ月くらい人前で語っていません。
それで、この日は時間に余裕があったので練習をさせていただきました。
すでに以前このクラスで出していますので、ほんとに人前で語るリハビリで、講評はなしです。
語ってみて、家で練習しているときはテキスト通り完璧に覚えていたつもりでしたが、何カ所か迷いが出ました(笑)
練習させていただいてありがたかったです。

「危機一髪」『インドの民話』青土社

ヤンさんです。
このおはなしは、ただいま準備中の『語りの森昔話集5』に掲載予定です。
へっへっへ、聞けてラッキーでした。
すでに目では読んでいたのですが、語ってもらうと面白さが何倍も違いました!
やっぱりおはなしは耳で聞くもんなんですね、ヤンさん!!

長い報告ですいません。
これでも大事だと思うところだけですが、それでも疲れるくらい長いですよね。
読んでいただいてありがとうございます。
次回もきっと長いと思います(笑)
次回は9月です。
今回エントリーされていたけれどもやむなくお休みとなり涙をのんだかたがおられて優先したこともあり、エントリーはすでにいっぱいになっております。
暑くてもエントリーはしておく!、なんとあっぱれなんでしょうか!
次回も楽しみです(*^▽^*)

猛暑お見舞い申し上げます🎐

梅雨が明けたと思ったら、あつい、あつすぎる╚(•⌂•)╝
こんななか、テレビで観戦できる人はええよ。
けど、高温多湿の中で、走ったり、跳んだり、つかまえたり、投げ飛ばしたりするのって、健康的なんかな?
スポーツって、なんのためにするんかな?
選手って、超人なんかな?

スポーツとは無縁の日々を送るヤン。

目の前に大きな白い幼虫がいた。
頭は、人間の頭ほどの大きさだった。
それが2匹、近づいてきた。
思わず右足で、ぼんと踏んづけた。
びっくりして目が覚めた。
「気色悪い夢やなあ」と思って、また寝た。
朝起きると、右ひざがいたくて歩けなかった。

幼虫の逆襲
いもむしの怨念
虫の報復

なんでや~
虫も殺せない気の弱いわたしが、なんでや~

と叫んでも詮無いこと。
しっぷにサポーター、鎮痛剤の御世話になることとあいなった。
人生で何度目の膝疾患だろうか
せっかくおはなし会も勉強会も再会したのに、自力では行けない。
みなさまのご親切にすがって、ウエ~ン/(ㄒoㄒ)/~~

さてさて。
早朝、新聞を取りに出るとき。
買い物やウォーキングのとき。
夜、窓を閉めるとき。
この1年ほど、風のにおい、土や木々や草のにおいが、とてもとても心地よい。
懐かしくて、穏やかで、永遠とか平和とかを感じる。
暑いけれど、夏には夏のにおいがある。

みなさま、ストレスフルな日々ですが、思いきり深呼吸して、暑気を乗り切りましょうね~

 

 

 

昔話の解釈ー偽の花嫁と本当の花嫁、けもの息子とけもの婿9👸🤴

ひさしぶりに、リュティさんです。

今、語りの森がバタバタしててね。
今年度下半期の日程に総会を入れるかどうかとか、コロナでできなかった「白雪姫」の語法勉強会(会場で対面でね)をいつするかとか。
ああ、そうそう、『語りの森昔話集5ももたろう』をいつ発行するかとか。
へへへえ、そう、ももたろうなんですよ~
たぶん、11月の総会(図書館でやりたい)の時に、みなさんにお渡しできると思う╰(*°▽°*)╯

会場が確保できたら日程が決まるので、改めて広報しますね~

それで、はい、リュティさんです。

『昔話の解釈』を読む。
第6章偽の花嫁と本当の花嫁、けもの息子とけもの婿

あとちょっとね。

この第6章をぜんぶ読み返してみてね。
そこで例として出て来た昔話、どれもおもしろいよね。
何話かは再話して《外国の昔話》や《おはなしひろば》で紹介しました。ほんと、子どもに語りたい。
それで、これらの話に共通して、昔話の特性が見いだされると、リュティさんはいいます。

たとえば。
塔の中にとじこめられる。
けもののすがたの中にとじこめられる。
主人公が孤立するんですね。孤立化。

たとえば。
主人公は、末っ子、間抜け、がちょう番(身分がとっても低い)。
主人公は、継子、灰かぶり、父親に迫害される娘。
主人公は、とにかくめっちゃひとりぼっちなんです。孤立している。

そうです。孤立性という昔話の特性が、顕著に現れているのです。

そして、思い出してほしいのは、孤立しているからこそあらゆるものと結びつくことができるという昔話の語法です。

モリーは親に捨てられた下の三人の娘のうちの一番末っ子です。寝る所も食べる物もありません。極端に弱い存在です。孤立的です。
王さまは、国で最も高い身分で権力があります。極端に強い存在です。孤立的です。
そして、ふたりとも、彼らにまとわりつく現実的なしがらみから孤立しているというか、そういう環境は描かれないのが昔話です。
だから、常識では出会えないふたりが出会うことができる。
これは一例にすぎません。思い出しましたかあ?

昔話の主人公というのはとにかくひとりぼっちなものであると、リュティさんは言います。だからこそ、本質的なものと関係を結ぶことができるんだって。

究極的には孤立した存在であるが、だからこそらゆる者と関連を結ぶことができる人間像が、昔話には何度も何度も描かれるのです。

この、よりにもよって見捨てられた者が本質的なものに到達するっていうことは、決して希望像ではないといいます。
希望像ってのは、そうであってほしいなあと希望する姿のことね。
そうじゃないんだって。
じゃあ、何か?
人間存在の真実な観照(=主観を交えずに本質を見極めること)だというのです。
つまり、人間って、そういうものなんだよ、それが人間の真のすがたなんだよということね。
昔話は、たんなる希望を語ってるんじゃなくて、人間の人生の真の姿を語ってるんですね。

人間って究極的にはひとりぼっち。でも、だからこそ、本質的なものと出会えるんだよ。そういうもんだよ。ということですね。

そして、聖書に出てくる金持ちの青年のことを引き合いに出します。
ひとりの青年がイエスに永遠の命を得るにはどんなよいことをすればいいのか尋ねます。彼は、殺すな、姦淫するな、盗むな等のおきてはすべて守っているけれど、他に欠けているものは何なのかと尋ねるのです。
すると、イエスさまは、持っているものをすべて売り払って貧しい人に施せと答えます。青年は金持ちだったので、それができないで、悲しみながら立ち去ります。(マタイによる福音書19)

その青年は、自分の財産をことごとく捨てるときにのみキリストに従うことができるのである。

はい、ここまで。
次回で、第6章は終わります。
(聖書の金持ちの青年のエピソードは、メンバーのおひとりに教えてもらいました。ありがとう~)

 

 

7月のおはなし会2🎋🎋

コロナ禍で1年余り中断していた、小学校のおはなし会が始まりました。
ただし、そうやすやすと始められたわけではありません。
書けば長い物語になりそうな、しかもまだ継続中の物語で、主人公は将来有望な若手たちです✍(◔◡◔)

メンバー最年少の語り手を機関車にして、中堅たちが見事にタッグを組んで、実現したお話会です。
若い熱意は偉大です(^人^)
ヤンばあさんは、らくちん、見てるだけ、見てるだけ~
めちゃ幸せやん!

それでも、ちょっとだけ語らせてもらったので、その報告です。

 

7月15日(木)

3年生授業 一クラスずつ3回

おはなし「かしこいモリー」『おはなしのろうそく1』東京子ども図書館
おはなし「かも取り権兵衛」『日本の昔話2』小澤俊夫再話/福音館書店
おはなし「かきねの戸」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』村上郁再話/語りの森
ブックトーク:ふしぎな物語

ヤンは「かも取り権兵衛」と「かきねの戸」。

去年1年間まったくお話を聞いてなかったので、どんな感じかなと手探りでした。
本来は「かしこいモリー」は2年生の初めくらいにやるんだけれどね。
脇役に気持ちが行ってしまう年齢になってからでは、ちょっときついんですね。大男の娘たちやおかみさんに同情してしまうと、この話のテーマが伝わらない。
ひたすら主人公モリーになり切れる年齢に聞かせたい話です。
だから、3年生の1学期はぎりぎりかな。それでも、お話が終わった後、「おかみさんはどうなったん?」ってきいてる子がいました。

「かも取り権兵衛」は、日常語。子どもたちが日常語の語りに慣れていないので、語りに工夫が要ります。1クラス目はわたし自身ぎこちなくって申し訳なかった。少しずつテンポを取り戻すことができました。

「かきねの戸」は3年生には少し幼かったけど、気楽に笑ってもらいました。

1年空いていても、教室に行くと、ちゃんと覚えていて懐かしがってくれました。
担任の先生たちも喜んでくださったようです。
ブックトークもうまくいきましたよ~。2学期からは、教室に置いておいて子どもたちがじっくり読める日程でやれたらいいね~。

 

7月16日(金)

1年生授業 一クラスずつ3回

おはなし「おおかみと七匹の子やぎ」『語るためのグリム童話』小澤俊夫編訳/小峰書店
おはなし「ひなどりとねこ」
大型絵本『おおきなかぶ』
ブックトーク:楽しい昔話

ヤンは1クラスだけ、「おおかみと七匹の子やぎ」とブックトークをしました。
幼稚園からのおなじみさんは、とっても嬉しそうに、ニコニコ聞いてくれました。はじめてストーリーテリングを経験した子の中には、絵本のほうがいいと言った子もありました。すこしずつ、すこしずつ、聴く耳を育てていきたいです。
先生からの要望で、30分の短いおはなし会になりましたが、それでよかったと思います。子どもたち、なんだか疲れているように思いました。
でも、最後が傑作(^◕.◕^)
わたし「おはなし、聴いてくれてありがとう」
子どもたち「ありがとうございました!」
幼稚園では、いつもそのあとこういいます。
わたし「また来ます。さようなら」
でも、今回はまだ2学期やるかどうか決まっていなかったので、
わたし「・・・・」
子どもたち「また来てね」と、あちこちからぽつぽつと小さな声。
わたし「また来ます!さようなら」
子どもたち「さようなら!」

帰りに校長先生にご挨拶したら、「2学期もよろしく」とおっしゃってくださって、ほっとしました。だって、子どもに嘘はつけないもの~~~

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昨日のおはなしひろばは青森県の昔話。
ちょっと珍しい、伝説みたいな、仏教説話みたいなお話です。
「むすめになったほとけさま」