消えてはいけない~🕯

家では、飾りも仮装も何にもしませんが、お店や店員さんがハロウィン仕様になっているのを見るとなんだかうれしくなります。
先週土曜日の、図書館のお話会の報告をします~👻
子ども10人、大人7人。

手遊び く~るぽん
おはなし 「命のろうそく」『語りの森昔話集6プレッツェモリーナ』語りの森
絵本 『フルーツパフェをちゅうもんしました』岡田よしたか/作・絵 PHP研究所
 〃 『たれてる』鈴木のりたけ/作 ポプラ社
 〃 『おふろのぼうず』乾英里子/作 石井聖岳/絵 ひさかたチャイルド
 〃 『だれのほね?ぼくたちきょうりゅう』たけうちちひろ/作 出版ワークス
 〃 『いないいないぶー』おおのたろう/作 ポプラ社
手遊び さよならあんころもち

「命のろうそく」を語るには参加者の年齢が低かったのですが、ヤンさんが分かるように工夫しながら語っていくと、少ししたら子どもたちがぐっとおはなしに入ってきたのがわかりました!
すごく勉強になる瞬間に立ち会えて、語り手としてラッキーでした!!
絵本はどれも面白かったけれど、わたしとしては『おふろぼうず』が懐かしかったです。
小さいころ、よくやってもらいました!
親はもちろんですが、たま~にお風呂に入れてくれた祖母やいとこも、当然のようにやってくれました。
ひとりではいるようになってもやっていて、大きいのに挑戦してました。
自分の子どもにはあんまりやってないなあ~(笑)
この絵本で、いろいろな思い出に浸れました(*^_^*)

10月の大人のためのおはなし会

過ごしやすく、心地よい秋の季節。旅にでたくなります。木々の紅葉ももうじきでしょうか。今回のテーマは「旅」です。5名の方の参加がありました。

絵本「えきべんとふうけい」マメイケダ あかね書房

おはなし「オオナムチとスクナヒコの国作りの旅」語りの森HP

おはなし「ロバの子」『語るためのグリム童話7/星の銀貨』小峰書店

絵本「オレゴンの旅」ラスカル/文 ルイ・ジョス/絵 山田兼士/訳 セーラー出版

絵本「たからもの」ユリ・シュルヴィッツ/作 安藤紀子/訳

まずは、列車で東京を出発して、各所の駅弁を食べながら、この駅弁はどの辺り?とみなさんで会話しながら読み進みました。島根県で幕の内弁当を食べて、列車の旅も終点となりました。そのまま次は、二人の神様が出雲の国を出発!しかも国作りの旅です。名付けられた地名や二人の旅の痕跡が今もその地にあるというのは神話ならではですね。そして、ロバの子です。自分の姿を見たロバの子は、広い世の中に出ていきます。主人公は、本質的な物と出会うためには旅にでなくてはなりません。オレゴンの旅もそこと同じ質を持つ絵本で、道化のオレゴンがサーカスのくまを連れて、北アメリカの森を目指します。くまのいるべき場所へ。その後オレゴン自身は?道化師オレゴンも自分を取り戻し、再び歩きます。最後はたからもの、夢のお告げから、主人公はたからものを探しに長い長い旅にでます。大方は歩きます。でも、目的地で知るのです。「宝は自分の家にあり」(このモチーフ、私はパウロ・コエーリョの『アルケミスト』を思い出します)

みなさんで一緒に旅に出て、色んな場所へ行きました~。無事に家に帰ってきました。心の旅はどこへでも一瞬で行けますね。

次回は11/22(金)テーマは「おばあさん」です(^^)

グリム童話「ねずの木」勉強会

グリム童話「ねずの木」をご存知でしょうか。
継子話ですが、殺されてしまう男の子の、その殺しかたがショッキングで子どもたちに語るのはためらわれる話です。
今回、ヤンさんが企画してくれたこの勉強会は、その「ねずの木」について色々調べてくださった内容をみんなに共有してくれるというもので、わたしはとても楽しみにしていました。
ヤンさんが資料を作ってくださっていて、これだけでも相当の労力だったと思います。
資料に沿って勉強会は進められました。

「ねずの木」は、KHM47で、初版から7版までず~っと入っています。
グリム童話の初版が出た時に、内容が残酷であるという批判があった話は、話自体を2版からは載せないか、あるいは実母を継母に変えて掲載しました。
しかし、「ねずの木」はショッキングな内容にもかかわらず、抜かれることなくずっと掲載されているので、この話にはどういう意味があるのか気になっていろいろ調べてみようと思われたそうです。
「ねずの木」の話型はATU720「ビャクシンの木」です。
まず、類話を探すと、ヨーロッパにたくさんありました。
話の中で何度も歌われる歌を探すと、それもヨーロッパ中にありました。
ヨーロッパ以外も、メキシコ、ボリビアにもありました。
日本の類話は、継子話の中に、継母に殺される子どもの話があり、話型でいうと274A「継子の訴え-継子と鳥型」と274B「継子の訴え-継子と笛型」がATU720に対応します。
話の中に出てくる物がヨーロッパの話とはずいぶん違いますが、歌も入っているし、日本にも類話があったということです!
「ねずの木」に出てくる、骨からの再生のモティーフについても調べておられて、なんと、一番古いのはエジプト神話だそうです。
おどろきですΣ(・ω・ノ)ノ!
グリム童話の初版が200年と少し前ですから、それよりはるかかなたの昔からモティーフはあったわけですね。

勉強会の副題は、〝昔話は残酷か?〟でした。
前に、昔話の残酷性について3回に分けて講座を開いてもらいました。
その時にも勉強したことを、改めて一つの話を深堀りすることによって違う角度から勉強できてラッキーでした。
始めにヤンさんが「ねずの木」を語ってくださったんですが、繰り返し出てくる歌を聞いていると立体感が生まれ、また、読んだときはスルーしてしまったちょっとおちゃめなフレーズというのが耳で聞くことによって生きてきて、この段階で残酷性が少し薄れているように感じました。
とはいえ、話自体が変わるわけではないので、ショッキングな場面は当然ショッキングですし、小さい子どもたちには恐怖であろう話を語ることはできないと思います。
でも、大人や大きな子どもだけの場所でなら語ることができると思いました。
この話は、母親としての恐ろしい面を強く出した話ではあろうけれども、もっと何かこう人間の弱さみたいなものも表しているんじゃないかと思いました。
悪いと分かっているけれども自分の感情を抑えられないということは、男女関係なくあります。
今もドラマでは、ありえない悪い奴にやられてどん底に落とされた人が、地獄から這いあがってきてじりじりと復讐を遂げる、みたいなのがわんさかありますが、勉強会で資料を読んでいく過程で、大人気のどろどろ復讐ドラマの魅力を「ねずの木」の物語にも感じました。
わたしだけでしょうか?
わたしだけでしょうね(笑)
世俗にまみれているもので、どうもすいません<m(__)m>

大事な、昔話の語法についても教えていただきました。
「純化作用」です。
純化作用とは、中身を抜いて語るということです。
「ねずの木」はまさに、歴史的・宗教的・社会的な意味や背景をぜんぶ抜いて、そのことだけを語っていて、純化作用のお手本みたいな話です。
どんな不条理なことや不思議なこともすっと通れるのに、残酷な場面だけはなぜかみんな我に返ってしまってファンタジーを忘れてしまうのでしょうか?
でも、語り継がれて残っていることには意味があるのですから、語らないと決めるのではなくて大事な話の一つとして心に残しておきたいです。

最後に、残念なことですが単発の勉強会はこれが最後になります。
わたしもぼーっとして考えもせずに申し訳なかったんですが、勉強会の前の準備というのは、ヤンさんは相当大変です。
もう、無理というところまで気付かずに今まで来てしまったんだなとやっと気付いた次第です。
今回そのこともあって、〝調べ方〟についても教えてもらいました。
そうですね、自分でやればいいんですよね。
よちよちでも、やっていきましょう!
ヤンさん、今までほんとにありがとうございました。
そして、通常クラスではこれからもよろしくお願いします~~

いつものおはなし会

 10月19日土曜日の図書館おはなし会は、久しぶりの雨☔じゅうたんコーナーに子どもたちは集まってくれているのですが、館内は先週より静かです。いつもの雨のはずですが、どこかで災害が起こっていないかなとか、大雨になって明日学校が休みになるかもとか、すぐに考えてしまうのは私にもグローバル化が身についてきたのでしょうか⁈ 久しぶりの雨に子どもたちもどことなく、そわそわしているように感じます。

 子ども10人 おとな9人

手あそび くーるぽん
おはなし 「かきねの戸」『語りの森昔話集1』村上郁/語りの森
絵本 『りんごがドスーン』多田ヒロシ/文研出版
絵本 『くじらだ!』五味太郎/岩崎書店
絵本 『ぱっくんおおかみとくいしんぼん』木村泰子/ポプラ社
絵本 『ならんでいる』五味太郎/絵本館
絵本 『おばけのてんぷら』せなけいこ/ポプラ社
手あそび さよならあんころもち

 おはなしの部屋から図書館のすみっこのじゅうたんコーナーでおはなし会をするようになって、いちばん変わったことは保護者の方が多く参加してくれるようになったことです。何やってるのかなとちょっと足を止めてくれたり、子どもと一緒にじゅうたんに上がっておはなしをきいてくれたり、親子でおはなし会を楽しんでくれています。オープンスペースのおはなし会はちょっとイベントぽく見えるのでは?と初めの頃はいろいろ思っていましたが、最近はここが「いつものおはなし会」になってきたような気がします。
「かきねの戸」も、手あそびも、懐かしめの定番絵本も、うきうきしているような、落ち着いているような、そんな間の中で子どもたちもお母さんお父さんも楽しんでいました😊なんだかおもしろい日でした😁

おはなし入門講座第一回

おはなしサークルききみみずきんからの報告です。今月から24年度「おはなし入門講座」が始まりました。(報告が、たいへん遅くなって申し訳ありません!今年は、7名の受講者の皆さんが参加してくださいました。

第1回のテーマは「おはなしってなあに?」

ききみみずきんがこの入門講座の運営を引き継いで、今回が五年目になります。毎回、語り手のスタートラインに立たれた方たちと一緒に勉強させてもらい、その度に感じるのは「初心忘るべからず」ということ。

講座初回では、「おはなしってなあに?」と題して、おはなしの成り立ち、おはなしを子どもに聞かせることの大切さ、そして子どもの本来持っている力について学びます。今年も、受講者さんと一緒に耳を傾け、「そうだ、そうだ!」と心の中で喝采しながらびっしりノートを取っていました。

まず「おはなし」がどのような形のものか学んでから、ヤンさんの語りでグリム童話の「七羽のからす」を聴きました。それから、瀬田貞二文/フェリクス・ホフマン絵『七わのからす』(福音館書店刊)を見てみます。想像力をめぐらしておはなしを聴いてから、同じおはなしの絵本を見ると、おはなしの豊かさに驚かされます。おはなしを聴いて想像していたのとは随分違いましたね。主人公の女の子の姿も、兄さんたちが水をくみに行った泉も、ガラスの山も…

受講者の皆さんに、どんな泉や山を想像していましたか?と尋ねると、またそれぞれ違った答えが返ってきます。でも、それでいいのです。間違いなんかなく、聴き手それぞれが心に描いたものが正解です。絵本では絵でイメージが固定されてしまいますが、耳で聴くおはなしにはそれはありません。初めておはなしを聴いた小学校低学年のお子さんが「絵がないのが面白かった」と言ったそうですが、おはなしには、自由に思い描ける楽しさがあります。それは絵本にもアニメにもない、誰にも邪魔されることのない、自分だけのものです。

また「七羽のからす」で女の子が自分の指を切り落とす場面になると、自分の指を握り締める子がいるそうです。その子はおはなしの中でことさらに描かれない女の子の痛みを感じ取ったのです。教育現場では「思いやりが大切」「相手の立場に立って考えよう」とよく言われますが、おはなしはまさにそれを教えられるツールだということがわかります。大人が教え諭すのではなく、子どもが本来持っている力を引き出せるのです。大昔の人びとは子どもにこうして昔話を語ることで、人としての優しさやあるべき姿を伝えてきたのでしょう。子どもにより良い生き方をして幸せになってほしいという愛情を込めて。

そうなんです、私たちがおはなしを語る行為は、単なるエンターテインメントを提供することではなくて、愛を伝えることなのです。

私はおはなしを語り始めて、想像力こそ人間が生きていく上で最も大切な力だと、思うようになりました。本当に他者の痛みや悲しみを想像できれば、相手への理解が深まり、差別も争いもなくなると思うのです。そんなとてつもなく大きな目標達成の一助になればとおはなしを語っています。そんな決意を新たにしてくれる勉強会に携われたことは本当に幸運だと思います。

入門講座のエッセンスを少しでもお伝えしたいと思って書きましたが、「ぴんと来ないな」という方はどうかこのホームページの「おはなし入門」をお読みください。「そんなことわかってるわ」というかたもぜひ!忘れていた大切なことを再認識できると思います。

入門講座第2回は「お話の選びかた」、11月5日です。受講される皆さんは、お配りした資料「おはなしのテキスト」に載っているリストから、なるべくたくさんの本を読んでいらしてくださいね。