再話クラス

今週火曜日は、日中はいちにち雨でした。
時々激しく降る雨に驚き、しかしうっとうしいなと思う間もないような、予定を一時間も超過するほど盛りだくさんの再話クラスでした。

再検討
「天狗のうちわ」(原題:「鳥うちわ」)『丹波和知の昔話』稲田浩二/編 三弥井書店
「聖アントニウスがこの世に火を持ってきた話」『新装世界の民話13地中海』小沢俊夫/訳 ぎょうせい
「黄金の騎士」『新装世界の民話19パンジャブ』関楠生/訳 ぎょうせい
新作検討
「狩人と三人の友だち」(原題:「弓の名人と友だち」)『ソビエト昔話選』宮川やすえ/編著 三省堂

書くことがたくさんありすぎて、1話ずつの内容を書くことはできませんが、わたしが担当だった話で痛恨のミスがあったことだけ書きます(´;ω;`)
「黄金の騎士」を耳で聞いてもらって確認してもらおうと、必死で何とか覚えて語りました。
この話は、話型がAT530「ガラス山の王女」なんです。
再話の中に〝ガラスの山は、すっかり氷におおわれた、鏡のようにつるつるの険しい山だったのです。〟という一文があります。
その説明の前後に、〝ガラスの山〟という言葉が何度も出てきます。
ガラスと氷と鏡という三つの言葉が「なんかおかしい」と思いながら、原話がそうなっているから仕方がないと思ってそのまま覚えましたが、ヤンさんの「これはガラスじゃなくて氷の山じゃないか?」というご指摘で原話を見ると、原話にはガラスという言葉がなかったんです!Σ(・□・;)
AT番号を調べた時のわたしの思い込みでガラスの山にしたのを、脳内で記憶のすり替えが起こって原話通りだと思い込んでいたということが判明しました。
今まで以上に自分で自分が信じられないことにショックを受けました。
笑って通り過ぎていいんでしょうか?
再話については、原話を何度も、ゆっくり急がず確認しながら再話していくしかないのですが、果たして日常生活で、わたしはいったいこれからどうしたらいいのかと、しばし遠い目をして地平線を見つめたのでありました。

「聖アントニウスがこの世に火を持ってきた話」と「黄金の騎士」は今回で完成しました。
完成稿は、あとで秘密基地にアップされますので、見られるかたはご覧ください。
「天狗のうちわ」と「狩人と三人の友だち」は次回で再検討します。
次回は5月28日です。
来年度から再話クラスは隔月になります。
痛恨のミスがあったとしても、やっぱり再話の勉強は楽しいです(*^。^*)
次回の勉強会も楽しみです(^O^)/

昔話の役割‍

リュティ理論を学んでいると、そのなかに、昔話には人間のあらゆる姿が映しこまれていると書かれています。
ヤンは、その考え方に癒されます。

ただ、あらゆる姿といっても、その具体的な姿を、ちゃんと見て、ちゃんと見つけて、伝えるのはとても難しいと思います。
きのう、再話クラスの勉強会があって、痛感した次第です。

きのうの内容は、そのうちジミーさんがここに報告してくださいますので、今は、それは置いておいて、さっき読んだ本の中で見つけたことを、ここに書きます。

トンプソンの『民間説話ー世界の昔話とその分類』

トンプソンさんは、話型番号ATさんです。ちなみに、は、アールネさん。

昔話を「超自然的敵対者」「超自然的援助者」「魔法と怪異」・・・と分類して説明してあってね、そのなかの「神々」の章に「願望の成就と懲罰」っていう項がある。

わたしたちが子どもに語るとき、最後に悪いやつが懲罰を受けるのを、どう語るか、話題になるでしょ。
そのヒントになることが書いてあった。
きのうの再話勉強会でもその部分をどうするかってことが、ヤンは気になった。

トンプソンさんはこう書いています。引用します。

昔話のよい語り手のひとつの目標は、悪が当然の罰を受けるのを見とどけることである。真の価値のないもの、または邪悪の行為を見破ることは必ずしも容易ではない。しかし人の心を探るもっともよいひとつの方法を語り手は知っている。それは無限の力をどう役立てるかを見ればよい。生来謙虚でやさしい人ならばその力はただ強味となるだけだが、傲慢な不人情な者ならばその力は必ず彼に破滅をもたらすことになろう。

昔話は極端に語るという法則があるため、日常現実に暮らしている私たちには抵抗があることが多いです。あいまいにしたくなる。
でも、「はっきり言わんと分からん」ことがある。
大事なことほどはっきり言わないとあかん。
真の価値のないもの、または邪悪の行為を見破ることは必ずしも容易ではないからです。

引用文を読むと、はっと気がつくことがあります。
それは、昔話の価値観と子どもの正義感が合致しているということです。
幼い子は、親や大人の価値観をオウム返しにしているだけのことが多いけど、小学校も中学年くらいになると、自分の中の本来の正義感がむくむく目覚めて来るような気がします。

「ジャックと豆の木」のラスト、大男が豆の木から落ちて頭がぶっつぶれたとき、「ヤッター」って立ち上がった4年生の男の子を思い出します。

生来謙虚でやさしい人ならばその力はただ強味となるだけだが、傲慢な不人情な者ならばその力は必ず彼に破滅をもたらすことになろうっていうのは、昨日再話をここころみた「弓の名人と友だち」/『ソビエト民話選』にぴったりですね。

昔話のよい語り手のひとつの目標o(*^@^*)o
よい語り手になりたい、よい再話者になりたいですね。

難しいけど・・・

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きょうの《おはなしひろば》は、新美南吉の「たけのこ」です。
聞いてね~

 

3月のプライベートレッスン

このあたりでは、今週は雨の多いお天気ですが今日だけ晴れだそうで、気温と気圧の差がつらいお年頃としては、体にこたえますがな…
さて、今月のプライベートレッスンは3話でした。

一日目
日常語による語り
「貧乏神」『新しい日本の語り5藤原ツヂ子の語り』日本民話の会/編 悠書館
日常語による語り
「舌切りすずめ」『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』語りの森
二日目
語り
「十二人の兄弟」『語るためのグリム童話1』小澤俊夫/監訳 小峰書店

グリム童話の「十二人の兄弟」を久しぶりに読んだんですが、女の子が兄さんたちを探して助け出すための冒険と言いますか、苦難を乗り越えるいい話です。
やっぱりグリム童話はいいですね。
しかし、兄さんたちを救うために、7年間口をきいても笑ってもいけないなんて、なんと壮絶な方法なんでしょうか!
しかも、ちょっとでも守れなかったら、兄さんたちは死んでしまうのです(´;ω;`)
深い深い兄弟愛を感じました。
わたしには無理ですけど。
出典本にある次の話が「兄と妹」なんですが、これも続きで読みまして「やっぱりいい話! 覚えるか⁉」と、時間も語る当てもないのに心が動きました。
グリム童話が大好きな自分を再確認した次第です。
そして貧乏神シリーズ、いったい何作目になるんでしょうか?
いろんな貧乏神の話を日常語で覚えてこられましたが、頭の中でこんがらがったりしないんでしょうかね。
こちらも、わたしには無理(笑)
「舌切りすずめ」は、今月の中級クラスで別のかたが語られました。
同じ話でも、語り手が違うとまた違った味わいになるということを改めて思いました。
日常語による語りは、どれもほっとするところがいいですね。

桜の木も今日の温かさでつぼみが大きくなるのかな?
去年みたいに急に咲きそうな気がするので、気を付けておかないと見逃がしそうです。
ではまた(^O^)/

一乗谷朝倉氏遺跡🛤️

福井県に行って来ました。
1泊だったので、バタバタだったんですが。

1日目:越前三国

海辺を歩きました。日本海の荒波にぞくぞくしました。
その晩は、地魚とふぐをたらふく食って、日頃のストレスを解消。

2日目:一乗谷朝倉氏遺跡を歩く


福井駅から九頭竜線で一乗谷へ。15分ほど乗ったら、山間の小さな駅に着きました。
駅から5分の所に、遺跡博物館があります。
2022年にオープンしたまっさらのりっぱな博物館でした。

一乗谷遺跡は、戦国時代の城下町の暮らしが見える遺跡です。
半世紀以上かけて発掘調査された成果が、この博物館と、遺跡を見ながらのウォーキングコースと、復元町並みにみられます。


これは、博物館内にある城下町のジオラマ。
めっちゃ広くて、中にたくさんの人(の人形)が洗濯したり、物を売ってたり、立ち話ししてたり、たのしい!

 


戦国大名浅倉氏のお屋敷も復元されています。

博物館のきれいな食堂では、越前そばやらソースとんかつがお安く食べられます。
朝倉氏の時代の食事をイメージした定食もあったよ。
ソフトクリームもあった。

博物館から2,2キロメートルを歩きます。
のどかな道を歩いていくと、あちらこちらに井戸の跡が。
住居があった遺構です。


すごい石垣。

復元町並みに着きました。


これは復元された城下町です。


この井戸は、ほら、屋根がついてるでしょ。
「三枚のお札」で小僧さんが和尚さんに、井戸の屋根の下に隠してもらう、あの井戸です。


長いいろり。
ひとつの家に大勢で暮らしてたんやね。

博物館から復元町並みまではバスもあるんだけど(10分)いいお天気だったので、歩くことになりました。
とちゅう、地元の人の集落も通りますが、「クマに注意」の看板もあるような、自然いっぱいのウォーキング道です。
ただし、わたしは、いま、足の調子がよくないので、健脚の3人についていくのにへろへろになりました(;´д`)ゞ

足がよくなったらまた歩きに行きたいです。
これからなら、桜がきれいでしょう。

復元町並みからバスで福井にもどり、北陸本線で帰って来ました。
翌日の16日に金沢ー敦賀に新幹線が通るので、福井駅は北陸本線としては最後のおつとめということで、特急を撮ろうとカメラを持った人でおおにぎわいでした。

途中、敦賀で途中下車して、まるさん商店で焼きサバを買って帰りました。

それなりに復興のお役に立てたかな。
復興割りは使えなかったけど>︿<

3月のおはなし会🎎

3月11日(月)

こども園

3歳さん 1クラスずつ2回
ろうそくぱっ
おはなし「せかいでいちばんきれいな声」『おはなしのろうそく』東京子ども図書館
おはなし「じいとばあ」
ろうそくぱっ

4歳さん 1クラス
ろうそくぱっ
おはなし「いぬとにわとり」『おはなしのろうそく』東京子ども図書館
絵本『あける』はらぺこめがね/佼成出版社
ろうそくぱっ

ずいぶん前のおはなし会の報告でしたあ。
3歳さんは、なんだか3歳に思えない、いっちょまえの反応をしてくれます。
4歳さんは、いつのまにか、ちゃんと大きいぐみさんになる心の準備ができています。
子どもの成長は早いなあと、毎年この時期、思います。
4月になるのが、たのしみo(*^@^*)o

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今年の春休みは、《おはなしひろば》を新美南吉シリーズで毎日更新しますよ~
「ごんぎつね」や「てぶくろをかいに」ばかりではない、いろんな作品を楽しんでください。
短めの幼年童話ばかりを紹介していきますね。
きょうは「でんでんむし」ですO(∩_∩)O