昔あった時間

 新学期になりました。忙しい秋の季節の始まりです……。あっついけど。
この2~3日の雨で少しは涼しくなるんでしょうか? 
 さて、9月最初の土曜日の図書館おはなし会は、ウーカーさんと、おらふが担当しました。

子ども8人 おとな8人

手あそび 虫かご
おはなし 「風の神と子ども」『おはなしのろうそく9』東京子ども図書館
おはなし 「くさった風」『日本の昔話3』おざわとしお/福音館書店
絵本 『きみ、だあれ?』そく・ちょるうぉん 絵/聞かせや。けいたろう/KADOKAWA
絵本 『せかいいちれいぎただしいかいじゅうボンバルボン』キューライス/小学館
絵本 『こねこをひろったけどそだててみたら…』新井洋行/BL出版
絵本 『なんのサンドイッチ?』たなかひかる/大和書房
手あそび さよならあんころもち

 先日、三世代で来てくれた親子さんのお話をしましたが、またみんなで来てくれました! この日じゅうたんコーナーに集まってくれたのは、みんな女の子。くりくりのお目めぱっちりで聞いてくれました😊 
 幼児さんの時から本が大好きな女の子が、一年生になってまた来てくれるようになったり、子どもの成長のスピードを見て、感心するばかり。
 なんですが、指と指をくっつけて、小指から指同士をパチパチさせていく、この日の手遊びが、小指と中指をくっつけたりして「はじめて」感が満載なんです。
そして最後に親指をくるくる回すのですが、ぎこぎこしちゃって回らないんです。
そういえば、ぞうきんを絞れない、水道の蛇口を回せない子どもが多くなっているとか……。
 こういう動きって、手先の不器用さにもつながっていくだろうし、脳の発達にも影響するんじゃないか、なんてハラハラどきどきしてしまいます。
 簡単なものなので、5歳児さんなら初めてでも2~3回やるとできますが、手指あそびって、一人遊びとか、暇なときにでてくる仕草みたいなものでもあるから、良くも悪くもそういう時間がないのしょうか。子どもにとって「退屈な時間」はいろんなアイディアを生み出して自分主体で遊べる最高の時間😊 退屈を楽しめたらいいですね!
 ま、そんなこんなで、おはなしも絵本も楽しんでくれました💓よかったです😊

こんな本📖

 

ジミーさんに紹介していただいて読んでみた。
『ひどい民話を語る会』
京極夏彦・多田克己・村上健司・黒史郎
角川書店 2022年

妖怪好きの上記の四人がひどい民話について語ってる対談(?)です。

ヤンは、日本昔話集成や日本昔話通観を毎日読んでいる身としては、知っている話がバンバン出て来ておもしろかったです。

「ひどい」民話といっているのは、いわゆる話型を持った昔話とはズレた話で、昔話が、きちんとした構造を持っているのに対して、ゆる~い、ある意味不完全な構造の話(これを民話と、この本では呼んでいます)。そのなかでも、下ネタの話が次々出て来ます。

ここで紹介されている話は、ヤンはほぼ再話に使っていませんね(笑)
「くさかった」くらいかな?
わざわざ次に伝えたいと思わなかったので。

京極夏彦さんは、「おわりに」で、これらのひどい民話は、ただのウケ狙いで、いろり端の一夜限りのその場しのぎの、アドリブだらけの、口がすべっちゃっただけの、適当な与太話だったのかもしれないといいます。
そして、そんなどうでもいいものが後世に伝えられるなんて素晴らしいと。

ヤンは、それらを再話はしていないけれど、資料として読むことで、かつてのいろり端の濃厚な空気を感じることができて楽しいと思っています。
おはなしってそうやよな~って思うのです。

昔話資料を読まなくても、この本を読めば、どんな「ひどい民話」があるか分かりますので、ぜひ読んでみてください。そして、興味があれば、1冊でも2冊でも原資料を手に取ってみてください。
語りの現場の臨場感に浸ることができます。

ヤンは、そんな語りの場をゆる~く追求したいなと思っています。

ツクツクホーシの声が、涙が出るほどうれしい今日この頃。
早く秋になれ~~~~

 

 

8月最後の図書館お話会

今日からもう9月!
今年があと4か月で終わると思うと、寒い年越しの時期がこの暑さでは全く想像できません。
まだまだ暑さの盛りの中、8月最後の週のお話会の報告をします。
来てくれたのは、子ども12人、大人9人。

手遊び くーるぽん
おはなし 「アリョーヌシカとイワーヌシカ」『まほうの馬』A.トルストイ他/文 E ラチョフ/絵 高杉一郎他/訳 岩波書店
絵本  『ひこうきにのろう』バイロン バートン/作 なかがわちひろ/訳 好学社
 〃  『これはのうじょう』ジョン クラッセン/作・絵 なかがわちひろ/訳 徳間書店
 〃  『これはのみのぴこ』谷川俊太郎/作 和田誠/絵 サンリード
手遊び さよならあんころもち

「アリョーヌシカとイワーヌシカ」は大好きなおはなしなんですよ。
この日は、ほとんどが初めての子どもたちだったと思いますが、分からない言葉は「〇〇ってなに?」ってすぐに聞いてくれたから、やり取り上手なヤンさんは短く説明を入れながら語ってくれました。
だから、内容のある話だけれどもみんなちゃんとついてきてたし、その真剣な姿を見ているわたしも幸せでした。
『ひこうきにのろう』は、飛行機の内部が詳しく説明されていて、「燃料って、翼に入ってるの?」とびっくりしました。
大人なら、これは知ってて当たり前ですか?
わたしは知りませんでした。
あとの二冊は、タイトル『これは…』でつないでますね。
お見事でございます。
暑さを忘れた、楽しい時間でした(*^_^*)

8月 プライベートレッスン

夏休みがとっくに終わって、8月は今日で最後。
学校が始まっても、まだまだ暑さは続く今日この頃です。
8月のプライベートレッスンは、3話でした。

1話目
「貧乏神の土産」
テキストを日常語に変えて、語りもされました。
残念ながら、参加できなかったので報告できません。
Mさん、よければ、出典やレッスンのようすをコメントでお知らせくださいね。
よろしくお願いしますm(__)m

2話目 語り
「おばあちゃんの話」『赤頭巾ちゃんは森を抜けて』兼岡糸子他/訳 阿吽社
フランスの古くから伝わる「赤ずきん」のおはなしで、一般に知られている赤ずきんの話とはだいぶ違います。
「くらいくらい」とか「ちいちゃいちいちゃい」のおはなしのように、怖がることを楽しむために、聞き手のようすを見ながら、語り手と聞き手が相互に交流するエンタメ的な話でとても面白かったです。
ペローの赤ずきんのように、男はおおかみだから気を付けるんですよ、みたいな感じがないんです。
7月のあったかペーチカの時にしてもらった、赤ずきんミニ講座に詳しく報告してくれていますので、どうぞそちらもご覧ください。 → こちら

3話目 テキストの整理
「鉄のストーブ」『語るためのグリム童話6』小澤俊夫/監訳 小峰書店
受講者さんは、同じ物が違った表現になっているところの言葉をそろえたり、必要ないと思う文を取るという作業をされていて、それでよいのかどうかを見てほしいということでした。
最初から順を追って見て行き、説明してもらいながらテキストを整理できて、悩みが無くなってから覚えるというのが、理想だということが改めて分かります。
これで心置きなく覚えられますよね。
この話は長い話なので、初めにヤンさんが整理の目的を聞かれたときに、短くするつもりかどうか聞かれました。
受講者さんはそれは考えておられなかったようですが、もしそれもしようと思ったらもっと考えることが多くなって、とてもプライベートレッスン一回では終わらなかっただろうなとあとで思いました。
テキストは多くの場合、整理や手直しが必要なように思います。
しかしそれはとても難しいことで大変だと、まだまだ至らなさを感じた次第です。
でも、何回も機会を増やすことが道を進むことなので、カメの歩みでも少しずつ歩んでいきたいなあと思いました。
何事も、やり続けないとですね(^^)/

すてきな宝物

 虫の音や朝一番には秋の気配が感じられるものの、午後からの暑さは熱い!くらいにまだ暑いです🥵 夏休みもこの土日で終わり、月曜日からは新学期です~
遅くなりましたが先週8月23日土曜日の図書館おはなし会の報告です😄

子ども 7人 おとな7人

手あそび くーるぽん
おはなし 「ミアッカどん」『イギリスとアイルランドの昔話』石井桃子/福音館書店
おはなし 「かみなりさんとかさやさん」語りの森HP
絵本 『にゅうどうぐも』野坂勇作/根本順吉 監修/福音館書店
絵本 『そんなにみないでくださいな』accototo/KADOKAWA
絵本 『いました』五味太郎/ブロンズ新社
絵本 『すいかのたね』押本達希/ブロンズ新社
手あそび さよならあんころもち

 夏休みのせいでしょうか、「いつもの常連さん」がなかなか集まりにくいのですが(このオープンスペースでそう呼べることもすごいこと、なんですが😊)
夏休みは思わぬ再開があるので、それを見るといつもとても感動します。
 この日はおはなし会が始まる前からじゅうたんコーナーに二組ほどの親子さんが子どもに読み聞かせをしていたのですが、一方のかたは初めておはなし会を経験したようで途中で「時間がなくなって……」と急いでいらして、ああ今日は初めての子どもさんばかりかなあ、と子どもたちのほほえましくにこにこしながら聞く姿を見て思っていたのですが、さすがヤンさん、タダではかえさない?!😁
 おはなし、絵本とどんどん聞き手との距離を近くして最後にぎゅ~みたいな、 『すいかのたね』 夢中でしたね!
 おはなし会が終わって、『すいかのたね』を借りたいという、じゅうたんコーナーにいらしたもう一方の親子さんに「予約が入ってしまっていて……」と伝えると、「わたし、おはなし会にこの子を連れてきていたんです」と、子どもさんのお母さんを指さして若いおばあちゃんが言うんです。今日は三世代で来てくれたんですね! 「小学校でもおはなし聞きました」とお母さんも。「(ヤンさん)のおはなし?」とお母さんのお母さんが聞くと、「そうです!」と。もしやヤンさん20年位前と今とさほど変わっていないのでは⁉😁
 きっと小学生だったこのお母さんも、ヤンさんのおはなしの何かが今でも心に残っているのかもしれません。ほんとにヤンさんがたくさんの人を楽しませて、そのためにたくさんの時間を使ってくれたおかげの、今のおはなし会があると、改めてこの場所の大切さを実感します。あ~これだから、暑いばかりの夏だけど、夏はいいんですよね😊