春休みが終わり新学期が始まって、久しぶりに子ども達と会った4月某日。
私「みんな元気やった?」
「うん!」
「田舎のおばあちゃんとこ行ったで!」
「バーベキューした!」
わいわいガヤガヤ
私「新しいクラスはどう?」
Aちゃん「仲良しの〇〇ちゃんと同じクラスになってん!」
「ぼくの先生、めちゃ太ってんねんで〜」
「うちの先生、運動苦手って言うてた」
「えーうちの先生は体育大好きやで」
わいわいガヤガヤ
B君「ぼくなぁ〜、国語の教科書の(下)をもらってな、物語全部読んでんやんか〜。ほんならな、あめだまっていう話があってな、あるお母さんが小さい子ども二人つれて渡し舟に乗ってな、その渡し舟にな、腰に刀さしたひげ面の怖そうなお侍が乗ってきてんな。お侍はいねむりしててん。一人の子がお母さんに「あめだまちょうだい」って言うてんやんか。ほならもう一人も「ちょうだい」言うてん。ほんでお母さんがあげようと思ってあめだまの包み出してみたらな、一個しかなかってん。
(しぃ〜〜ん。みんな聞いてる)
ほんでな、お母さんが「舟が向こうに着いたら買ってあげるから、待ちなさい」って言うてんけどな、二人とも「食べたい〜」って言うて泣き出してんやんか。ほんならな、それまで目ぇつぶって寝てたお侍がじい~って見ててん。お母さんはな、寝てたのに起こされたから怒ってはると思って子どもに「静かにしなさい!」って言うててん。ほんならお侍が急に大きい声でな「そのあめだま貸せ」って言うてん。お母さんがおそるおそるあめだま渡したらな、お侍が急に刀取り出して…
(しぃ〜〜ん。みんな固まって聞いてる)
あめだまを刀で2つに切ってくれてん。ほんで子どもにあめだま分けてあげてん。ほんでまたいねむりし始めてん」
私、感動しました。
子どもからお話ししてもらっちゃって、しかもなんていいお話!!(新見南吉「飴だま」)
(;_;)涙出そうでした。
私「B君めっちゃええ話教えてくれてありがとう〜!」
B君「そうやろ?」
私「また、いいのん見つけたら教えてな!
なぁ、私も短いおはなししよっか?めっちゃ短いねんけど(^-^)」
B君「やって、やって!短いってどれくらい?もしかして1分とか?」
私「うーん、もしかしたら1分ないかも」
みんな「やって、やって!」
私「あんな、あるとこに川が流れててん。その川に くつ が流れてきてん。ほんでそのくつん中にな、きゅうりが入ってん。ほんでな、
きゅう、くつ
きゅう くつ
きゅうくつ
言うてんて。おしまい」
みんな「あはは、みじか〜!」
「だじゃれやん〜」
「45秒くらいちゃう?!」
「45秒や!」「45秒!」
私「もいっこあんねん。
あんな、あるとこにな、川が流れててん」
みんな「さっきと一緒やん!」
私「うん。ほんでなその川にな、くつが流れてきてん。」
みんな「同じやん!」
私「うん。ほんでなそのくつん中にな…」
みんな しぃ〜〜ん
私「たい(鯛)が入ってな、
たい、くつ
たい くつ
(みんなも一斉に)たいくつ!
言うてんて。おしまい」
みんな「あははは〜みじか〜!やっぱ45秒やん!」大笑いしてました。
すると、突然C君が「あんな、あるとこに川があってな、くつが流れてきてな、その中にな、たこが入ってな、そのくつがオレのくつでな、あまりにも臭かったからな、くっさ〜〜!!って言うてな、倒れて死んでん!がはははは」
もう、全員大笑いです。
あまりにもみごとな三段落ちです。
もう、おかしくっておかしくって、本当に全員お腹抱えて大笑いです。
そして私は思いました。
初めのB君のえー話もそうだし、C君の大爆笑ばなしもそうですが、大昔からお話ってこうやって伝承されてきたのかなぁ…って。
えー話を知ったら「誰かに教えてあげたい」って思うし、面白い話聞いたら、自分なりにアレンジして「更に面白くして誰かに伝えたい」って思うし。
(あれ?これは関西人だけですか?)
そして、「くつ」 の話で確認できたこと。
子どもは3回の繰り返しが好き。
子どもがそういった形を求めている。
→昔話の形式意思
まさに語法やん〜
ちょっと違いますか?
おはなし会でも、勉強会でもない報告ですが、子ども達としゃべってて、めちゃくちゃ幸せになったので、ここに書かせて頂きました。
そして、またまた長くなってしまいました。
4月の抱負はどこへいってん…
かぶさん、いいな~。
生徒さんたちといい関係を築いてらっしゃいますね。
B君の『飴だま』いい話!面白かった話をそうやって伝えていって、口承されていくうちに多少尾びれが付いて……そうやって類話が出来ていったのかしら。
c君の『くつ』も秀逸!!
ぱっと応用して創作できる頭の回転がすごい。
で、笑いを共有できるのいいですね。
『くつ』私もこれ読んで爆笑したので、誰かに伝えたい~!
ちなみに「砂丘ってどうやってできたん?」って我が子に聞かれて、
「むかしむかしな、お寺の裏山にたくさん栗の木があってな、秋になると栗がざらんざらんとなるねん。小僧さんがな『和尚さん栗拾いにいかせてけろ』って言ったんやけど……」
「それ、三枚のお札やん!」
「まあいいから聞きや……(途中省略)……すぐそこまで山姥が追いかけてくるもんで『大きい砂山でろ』って小僧さんが後ろにお札を投げてん。そして出来たんが砂丘やねん」
「うっそやー!」
で、大爆笑。
これ嘘教えたんやなくて、ユーモアですよ。
だって子ども、嘘やって分かって楽しんでますから。
もっちさん、早速コメントありがとう〜!
ちなみに「くつ」の話は『日本昔話通観22』に、愛媛県の二人の女性がそれぞれ語られたお話として載っています〜。
面白いですよね〜!
三段落ちの話としてCくんの話も一緒に載せて欲しいわ〜(^-^)
も一つおまけに、
みんなで大笑いしたあと、ずっと話を聞いていた最年少の男の子が、手持ちぶたさになる、待ちの時間があったんです。大人しいその子が、
「あー、これは、
たい、くつ
たい くつ
たいくつ やな!」って。
また、みんなで、大爆笑〜 o(≧▽≦)o !
かぶさん、もっちさん、子どもたちとの楽しいやり取りを教えてくださってありがとう(*^-^*)
幸せのおすそ分けをしてもらった気持ちです。
幸せのおすそ分けだから、かぶさん、もう長くてもオッケイじゃないでしょうかね?
ジミーは、コメントの長さは、もはや考慮していません。
時間とネタがあれば長く、無ければ短く、をモットーにしていこうと思います
かぶさん、涙が出るほど、ええはなし。なんぼ長くてもいい、なんぼでも聞きたいよ~
子どもはいいよね、ほんとに、子どもはいい。
もっちこもっちの砂丘話も。
あのね、たったひとつ、ヤンがおばあちゃんから伝承している話がある。
それが、「きゅうくつ」!
その時のおばあちゃんの声やら話し方やら顔つきやら、みんなよみがえるよ。
ジミーさん、ヤンさん、コメントありがとうございますm(_ _)m!
話が長くなってしまうのは
場合により、オッケイ
という事で、お墨付きを頂いて、ホッとしております(*^_^*)
ありがとうございますm(_ _)m!
ヤンさん!
「きゅうくつ」を、おばあちゃんから聞かれたのですね〜!いいなぁ〜
今度、ヤンさんの「きゅうくつ」ききたいなぁ。