窓ガラスから射し込む陽射しは暖かいのに、外に出ると寒いですね。
えいやと外に出てみれば、尾の長い、スズメより大きくて、鳩より小さい野鳥に出会いました。
その鳥が、すごい速さで歩いて逃げるのですが、追いかけただけ逃げるんです。距離は一定に保たれているんです。
なんだか楽しくてしばらく追いかけて遊んでしまいました。最後は「なんやこの人間」と言ったのか、ききみみずきんがないのでわかりませんが、飛んで行ってしまいました。
さて、語りを勉強していて、「テキストに手を入れたい!」と思ったことはありませんか?
共通語で書かれているテキストはともかく、どこかの方言っぽい言葉で書かれている日本の昔話などは、言い回しが舌に乗らなくて、覚えづらくて苦労した覚えがあります。
そんなとき、自分が普段話している言葉に直せたらいいのになぁと思ったことがあります。でもその方言っぽい部分をどう直していいのか、そもそも語り手初心者にそんなことしていいのか悩みますよね。
今回は、日常語による語りの入門講座に行ってきました。三回連続講座です。
まずは「日常語」ってなんやねんというところから説明して頂きましたが、とどのつまり前述した「普段使ってる言葉」のことでした。
ただこれは、一人ずつ違うもので、その人の歴史そのものでもあります。
自分一人だけの歴史ではなく、父母、祖父母、曽祖父母、おじおば、いとこ、先生、ともだち、仕事で一緒だった人、出会った人たちの人生の歴史、主にことばが混ざりに混ざって自分の日常語ができているんだなと思うと宇宙を感じませんか?
普段何気なくしゃべっているけれど、自分の日常語ってさてどんななんだろうと考えつつ、次は口承文芸の研究をされている先生が学生さんと集めたという伝承の語り手さんが昔話を語っている音声を聴かせていただきました。
語りの素晴らしさは横に置いておいて、やはり耳慣れない土地言葉、つまり方言で語られている昔話はやっぱり聞き取りにくく感じました。
とすれば、本来の自分のものではない土地言葉をそれっぽくテキスト通りに語ったところで、聴き手の子どもたちには届かないだろうし、イントネーションもおかしなものになる。やっぱり普段子どもたちと会話しているような普段の言葉で語れたらいいなぁという思いを強くしました。
ただ、「外国のおはなしは共通語のテキストのままでやります。自分のなかのヨーロッパのイメージを壊したくないから」とおっしゃったヤン講師の言葉は耳と心に染み入りました。
私も関西弁のグリム童話はいやや~(´;ω;`)
とくにお姫様や王子様の出てくる物語は私もコテコテ関西弁のイメージはないです、ハイ。
つまり、ケースバイケース。語り手がそのおはなしをどう語りたいか、どんなおはなし会にしたいか、ということなんでしょうね。
さてその後、実践的に共通語のテキストを日常語に直していくハウツーの伝授がありました。
やっぱりそこは土地言葉のテキストからいきなり日常語に直すより、共通語からの方が分かりやすいです。
ただ、日常語は本当にその人だけのものなので、ここを変えたら日常語のテキストらしくなるよ~というアドバイスとともに、ヤン講師が共通語のテキストにどう手を入れたかを確認していきました。もう高校か中学の現国の授業みたいです。
接続詞やら目的語やら副詞やら、そんな単語が飛び出します。
そして実際語って頂いたのですが、当たり前ですが日常語に直したテキスト通りに語られました。
そう、日常語に直すというのは好き勝手に語るということではありません。
日常語に直した自分だけのテキストを作り、それを覚えて語るのです
え~、やっぱり覚えるんや~~!
と思われる方もいらっしゃると思いますが、テキストを直していく段階で何回も何回も口に出して読みますし、自分の言葉になっているので比較的覚えやすいと思います。覚えにくいのは自分の言葉になっていないからかもしれません。知らんけど。←ここが関西特有の言い回し
レッツ トライ!
悩んだら自分のいつもの言葉を見つめなおすこと、それから『昔話の語法』(小澤俊夫著 福音館書店発行)の第六章の二、再話昔話の言葉を参考になさってくださいね~。
語りの森HPの『日常語で語ろう』ページにも具体例とヒントが丁寧に掲載されています。
http://katarinomori13.com/nitijyo.html#tekisuto ←ここにリンク置いておきますね(^▽^)/