他の方も書かれていますが、10連休は長かったですね~私はご飯を作っては片付けの繰り返しでうんざりでした・・・子ども達も宿題が多めに出ており、3連休ぐらいがちょうどいいとぼやいていました。
さて、長い連休で初級の皆さんは練習する時間があったのでしょう(^^)完成度の高い楽しいおはなしが沢山きけ、今月も楽しい勉強会となりました♪
では、報告です。
①ものをいう卵 『語りの森HP』/村上郁 再話
以前、句読点でとぎれることを指摘され、その点に注意しながら語られました。
おばあさんの家でブランシにお米を渡す場面、
それから、おばあさんは、ブランシにお米をひとつぶわたして、「これをすり鉢に入れてすりこ木でついてごらん」といいました。ブランシがひとつぶのお米をすり鉢に入れてすり木でつくと、たちまち、すり鉢はお米でいっぱいになりました。
修飾語がある場合、どの言葉が重要なのかを理解して語らなければいけません。一回目はブランシの目に見えたもの「お米」が大切であり、二回目は「ひとつぶ」がいっぱいになったことが重要ですので、「ひとつぶ」を立てて言う必要がありますね。
また、「やがて」「そして」「それから」など、接続詞は目で見る(読む)ためにあり、語るときは間でかえることができます。ですので、接続詞は強調せず、その後の文を丁寧に語りましょう。
②魚と指輪 『子どもに語るイギリスの昔話』/こぐま社
昨年12月の入門講座に発表されてから、約半年間あたためられ、今回の発表となりました。指輪の言い方が変わるので覚えにくかったそうですが、途切れることもなく、2回目の発表とは思えないほど、素敵な語りでした。
③地主の頭は何斤か 『子どもに語る中国の昔話』/こぐま社
まずはじめに、「斤」が中国の重さの単位であることを説明してくれました。
二人の兄弟がよそより多くお金を払うという大地主の家で働くのですが、1年経つと難題を出され、解けなければお金を払わないと言われます。先に兄が働きにいきますが、問題が解けず、無一文で家に帰らされます。翌年に弟がいき、見事地主をやりこめ、兄の働いた分までもらって帰るという痛快なおはなしです。
ヤンさんから、「このおはなしの姿(『ノート式~』P32参照)は何でしょう?」と質問がありましたが、私達が答えることができず・・・これは社会的地位の低い人が知恵を使って、高い人をまかす「笑い話」です。それを理解して語ると、地主の言い方も変わってくる、とのアドバイスでした。
④米山薬師 『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/語りの森
2回目の発表で、怖く語ることを意識されました。
声を低く、ゆっくり語るほうが恐怖感が出てきます。茶屋のおばあさんの言葉「あんなところへ行くと、帰ってこられなくなるぞ。~」はもう少し怖く語るほうがいいでしょう。逆に次郎が穴の中に葉を入れ、火をつける場面はもう事件が解決した後のことですので、軽く語ればいいそうです。
⑤鳥のみじいさん 『日本の昔話3』/福音館書店
1年生の初めての授業のおはなし会に語ろうと覚えました。「じさ/ばさ」は口になじまないので、「じいさん/ばあさん」に変えました。
「みたこともないきれいな小鳥が、ぷあぷあぷあーと飛んできて、」の文で一番重要な言葉は、小鳥です。小鳥を立てて言うように意識しましょう。また、じいさんがあくびをする場面は「ふああ」と言うのではなく、実際にあくびをするといいそうです。
鳥がじいさんの腹の中へ飛びこむ場面、「そのとたん、鳥がぷあぷあぷあーと飛んできて、じいさんの腹の中へとびこんでしまいました」とありますが、口からじいさんの腹の中へと「口から」を付け足すと、小さい子ども達はよりイメージがしやすくなるでしょう。
最後の「それからというもの、じいさんは毎日、へその羽をひっぱっては、町じゅう、うたって歩きました。」とありますが、歌っているのは腹の中の鳥です。この書き方だとじいさんが歌っているようにもとれるので、ヤンさんは「うたって」を省いているそうです。
⑥めしを食わないみいさん 『語りの森昔話集1 おんちょろちょろ』/語りの森
1年生から6年生までの子ども達が入り混じった場で語るそうです。1年生には分かりづらい言葉が出てくるが、その場で上手く説明ができるか心配されていました。
「蛇(じゃ)」→「へび」、「梁」→「天井」と言葉を言い換えて語ればいいそうです。「五升めし」はたくさんということが分かればいいのですが、「炊飯器10個分」と説明すれば、分かるかなと言われていました。本番でも説明するなら、入れながら練習をしたそうがよさそうですね。
よめさんがにぎりめしを頭の口の中へ入れるときの「しっとんしっとん」や、よめさんが鬼になって追いかけてくるときの「ブーンブーン」などの擬態語はイメージをしっかり持ち、聞き手に恐怖感をあたえましょう。
⑦ハープをひくハチとネズミとゴキブリ 『子どもに語るアイルランドの昔話』/こぐま社
若者がおっかさんと二人きりで暮らしていますが、悪天候で食べるものに困り、おっかさんに頼まれて若者が牛を売りにいきます。しかし、市場にいた男とつまらないものと取りかえてしまうという、「ジャックと豆の木」と同じ導入です(若者の名前もジャックです)。しかし、手に入れたハープ、ハチ、ネズミ、ゴキブリの音楽と踊りで、7年間一度も笑ったことのないお姫さまを笑わせ、最後は結婚し、幸せを得ます。
ハチが小さい小さいハープをひき、ネズミとゴキブリが、後ろ足で立って、ハープに合わせて踊る姿、想像するだけで楽しいですね。
若者が牛を売りに行く3回の繰り返し、お姫さまを笑わせる3回の繰り返し、テキストは少しずつ言い方が違っており、覚えにくかったそうです。子ども達にとって3回の繰り返しは分かっていても、予想していたことが当たって楽しいものですが、言葉が出てこない間や言い直しは、おはなしから離れてしまいます。
長いおはなしは構成を十分に理解し、体力も気力も必要です。これは長いおはなしでなければ経験できませんので、無理とは決めつけず、初級の皆さんもどんどんチャレンジしましょう!
☆ヤンさんによる語り だんごころりん 『語りの森HP』/村上郁 再話
次回初級クラスは6月11日、中央図書館・会議室(集会室前の狭い方のお部屋)です。その前に来週火曜の 語りの森 総会でお会いしましょう。