いずれの日にか国に帰らん🌴

小学一年生の夏に引っ越しをして、2学期から通い始めた新しい学校でいじめられた。
毎晩、泣きながら、いつかきっと、ほんとうの家に帰ろうと心に決めた。

遠足のバスが、ふるさとの家の前を通ったことがあった。
ちょうどそのとき、みんなで、♪うさぎお~いし~♪って歌ってたの。
歌詞は、自分の境遇と全然違うんだけど、それから長い間この歌にしがみついていた。

中学生になって「椰子の実」を覚えた。
「ふるさと」と「椰子の実」は、いつか郷愁にひたる入口になっていった。
ときどき口ずさんでは、遠くを見ていた。

先日、その「椰子の実」の最後の一節 ♪いずれの日にか国に帰らん♪ が、書名になっている本を見つけた。
『いずれの日にか国に帰らん』安野光雅著/山川出版社/2018年
著者のふるさと島根県津和野の挿絵に、深い郷愁にひたった。

はい、ここまでが前置きね。
夏休み明け9月12日(木)に、絵本の会主催の勉強会があります。
でね、そう、安野光雅さんの絵本がテーマです。
ヤンは研究者じゃないから、講師というよりコーディネーターね。
『ふしぎなえ』『旅の絵本』などをいっしょに見て、魅力を探ろうっていう勉強会です。
みなさん、来てくださいね~

さて、かのふるさとのほんとうの家は、今はもうわたしの心の中にしか存在しません。
その住所に行っても、どこがどこやらわからなくなってしまいました。
でも、いずれの日にか国に帰ろうと思っています。

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