月別アーカイブ: 2022年12月

12月の初級クラス

今回は入門講座を修了された方も迎えての勉強会となりました。この後3月、4月にも次々と初級クラスデビューしてくださるとのこと。毎年お仲間が増えることは本当に嬉しいです。それは一重に、ヤンさんが入門講座を継続してくださっている事、そしてジミーさんや諸先輩方がその環境を整えてくださっている事に尽きます。こちらの勉強会にご縁があったことに、心より感謝です♪

【 手遊び 】(とんとん、ひげじいさんのクリスマスバージョン)
とんとん、とんとん、星の夜
とんとん、とんとん、ベルがなる
とんとん、とんとん、となかいさん
とんとん、とんとん、そりを引く
とんとん、とんとん、サンタさん
みんなに届くよプレゼント

【 語り 】
1.「いばら姫」『語るためのグリム童話集3』/小澤俊夫監訳/小峰書店
2.「春の野道で」『語りの森昔話集3・しんぺいとうざ』/語りの森
3.「白ばらとばら赤」『語りの森昔話集4・おもちほいこらしょ』/語りの森
4.「お経をわすれた和尚さん」『語りの森昔話集4・おもちほいこらしょ』/語りの森
5.「しんぺいとうざ」『語りの森昔話集3・しんぺいとうざ』/語りの森

【 ヤンさんの語り 】
6.「こびとのおくりもの」『語りの森昔話集1・おんちょろちょろ』/語りの森

【 語った方の感想  】
・言い間違いを言い直さないように語った。言い直したい自分がいる。
・言い間違いをすると、次の言葉が出ない。
・言い間違えている事に全く気付かず語っていた。
・子どもが語りを聞いた後で触発されて、自分でお話を作った(これに関して、複数の方々が語りの影響による子どもの行動のエピソードをシェアしてくれました)
・自分の語りを講評してもらうこと、人の語りを聞くことから学びが多い。

【 講評より 】
・言い間違いを言い直すと「丸暗記」していると聞き手は感じる。
・語法につながる大事な言葉は、強調するのではなく「立てる」。
・聞いてわかりやすい言葉をテキストから学び、自分の語彙力を磨く。
・情景描写の場面は、語り手自身が見ている景色を、聞き手に伝えるよう語る。
・~と、いいました。のように「と」の後で切って語ると、文章を読んでいるように聞こえる。切らないで語ると「語りのリズム」が生まれる。
・大切な「場所」を表す言葉や、「矢」のような一語の言葉は意識して「立てる」。

【 ミニ研究クラス 】*ジミーさんの研究発表ブログ〈こちら→〉と関連して
今回の語りにあった「しんぺいとうざ」は話型でいうと「猿神退治」で、これはヨーロッパでは「竜退治」になるそうです。もともとは神さまだったものが悪者になって退治される存在になるのですね。山の神は山姥に、河の神は河童になるとのこと。話型から昔話をつきつめていくのも楽しそうですね。

ちなみに2023年1月17日(火)に予定されている語法の勉強会のお話「ホレばあさん」は自然をつかさどる女神様です。

1月、2月はお休みですので、次回の初級クラスは3月14日(火)です。

12月のおはなし会1🎄

12月8日(木)

小学3年生 2クラス合同

おはなし「ホレばあさん」『語るためのグリム童話』小沢俊夫監訳/小峰書店
おはなし「ひなどりとねこ」『子どもに聞かせる世界の民話』矢崎源九郎編/実業之日本社
じゃんけん「ちーちゃんぱーちゃん」
おはなし「こびとのおくりもの」『語りの森昔話集1』村上郁再話/語りの森
・・・休憩・・・
おはなし「はらぺこピエトリン」『子どもに語るイタリアの昔話』剣持弘子編訳/こぐま社
おはなし「アナンシと五」『子どもに聞かせる世界の民話』

ろうそくをともしてのおはなし会でした。
ただ、広い会場だったので、ちょっと催し物のような雰囲気になってしまいました。
子どもたちは開放的になっちゃうし、わたしも大げさな語りになって、いつもとは違う疲れでした(笑)

でも、子どもたち、初めての語りに興味津々でした。

質問タイムで出た質問!
*お話を語っているとき、何を考えていますか?
*どうしてお話を語るようになったのですか?
*いつからお話を語っていますか?
*どのお話が一番好きですか?
*お話を語っていて、子どもが一番喜んだお話は何ですか?
*お話以外で好きな本は何ですか?
*ひとつのお話を覚えるのにどれくらいの時間をかけますか?
*どうやってお話を選ぶのですか?
*家に本は何冊くらいありますか?
*お話はいくつくらい覚えていますか?

彼女たちは、これからお話を覚えて、1月には語りをします。
その時にまた再会する予定です。
いつも、このひと月で、子どもたち、とっても成長するんですよ。
楽しみです。

子どもがふたり、はずかしそうに微笑みながらそっとついてきて、エレベーターの扉が閉まるとき、「ありがとうございました!」とおじぎして、手を振ってくれました。
まあほんと、天使のような少女たち。映画のワンシーンのようでした。

 

研究クラス 🐉

先日、あったかペーチカの会でもらった折り紙のサンタさんが一気にわたしをクリスマスモードにしてくれました🎄
その一方でお勉強の時間も忘れずに、というか、当番に当たっていた年に2回の研究クラスの日がやってまいりまして…
頑張って調べたことを、アタフタと発表してきました(笑)
研究クラスの当番は、自分が語りたい一話を選んでその話について話型や類話を調べ、当日は調べたことを発表するとともにその話を語って批評してもらうのですが、今回はお願いして、「竜退治」が出てくる話を調べて、その中から語るために再話する話を決めるということにしてもらいました。

わたしは、中国の皇帝のシンボルであるかっこいい龍が大好きだったのですが、おはなしを始めてから知った昔話の中に出てくる竜(ドラゴン)はとにかく悪者で退治される存在なわけです。
皇帝のシンボルである龍、日本では神でもある龍、それに比べてヨーロッパの悪者の竜、その違いに唖然としているままに長い年月竜退治の話を選べないでいました。
そこで今回は真剣に龍の起源を調べてみようと思ったわけです。
『龍の起源』(荒川紘著 紀伊国屋書店)という、そのものズバリな本がありますのでそれを読んでレポートにまとめました。
それと、類話を集めたのですが、話型として「竜退治」というのがあります。
AT300「竜退治」ですが、この話型はAT301「奪われた三人の王女」AT303「双子または兄弟」などの話型とくっついていることが多いです。
むしろ、AT301やAT303として表記してある話の中に竜退治のモチーフが入っていることのほうが多いです。
そして、退治されるのが竜でない場合も多いです。
退治されるのはいろいろあって、大蛇、怪物、トロル、悪霊など様々です。
「竜退治」の話型は日本では「猿神退治」の話型に相当するそうですが、今回は時間がなくてその中に竜を退治する話もあるのかは調べられませんでした。

日本の話では『古事記』に出てくる「八岐大蛇」の話が竜退治の話だといえます。
『龍の起源』に詳しく書いてありましたが、まことにざっくりいうと、龍というのは蛇の進化したものなので、八つの頭と八つの尾を持つ八岐大蛇も龍といえるということで、なるほどなと思いました。

AT番号をたどっていって、類話を60余話読みました。
その中で、龍を退治する話を2話、龍ではない話を2話、再話したい話を決めることができました。
竜退治のモティーフの入っている話はグリム童話の「二人兄弟」のように長い話が多いです。
長くても面白いので楽しいのですが、語るとなると長すぎで時間的にお話会では無理なことが多いと思います。
それで、メッセージは多少軽くなるかもしれないけれども、適度な長さの話を探していました。
お話会では、いろいろな話をバランスよく組み込むのが理想ですが、その中で悪者をやっつける話を「どうや! やっつけたぞー!!」という気持ちでわたしは語りたいのです(笑)
竜退治は、これぞやっつける話ですし、いままでは中国の龍との違和感で選べませんでしたがこれで納得できました(*^。^*)
次は、再話に臨みます(^O^)/

旅の終わりに🚄

怒涛の10~11月をいやす旅もおしまい。
勝浦港を散策して、お弁当を買って電車に乗りました。
お弁当は、やっぱりまぐろ丼。

浜辺も好きだけど、港ってロマンチックで好きなんです。
ジーゼルの油臭いのもいいし、忙しく立ち働いている、いかにも力持ちの人の姿もいい。
海面をのぞき込んで魚をさがすのも好きです。
沖縄から北海道まで日本国じゅうあちこちからの船が停泊していました。

那智勝浦からは、くろしお22号で一路天王寺へ。
なんだけど、くろしおが入ってきたとき、やった~~~
ラッピング車両やったんですぅ

これ、車内。パンダが座ってる~

これは外ね。
アドベンチャーワールドの広告なんです。

旅の終わりに思いました。
あれもこれも自粛しているうちにいつのまにか年月が過ぎ去り、幼い子どもにとっての1年も、おばあさんにとっての1年も同じように重たいことがわかりました。
のこりの人生、わずかでも子どものためにできることをしようと、ない知恵を絞ってがんばってきたけれど、自分のためにも、残り少ない時間を少しは使ったらいいんやない?
活動のひとつひとつに、体力と時間がかかるようになったけど。まあぼちぼちいこかということや。

****************

来年4月に、「シュルヴィッツを読む会」をします。
お気に入りのユリ・シュルヴィッツの絵本を持ち寄って、わちゃわちゃおしゃべりしましょう。
詳細が決まったら連絡しますね。
できれば『チャンス』を読んでおいてください。(『チャンス』については⇒こちら

 

クリスマス・ペーチカ

12月4日(日)

手遊び「メリークリスマス」のあと
ペチカをみんなで歌い、おはなしのろうそくに火を灯して、
おはなし会がスタートしました。

おはなしのプログラム
1.「いばら姫」『語るためのグリム童話』3/福音館書店
2.「三匹のくま」『語りの森昔話集4 おもちホイコラショ』/語りの森
3.「指輪」『おはなしのろうそく27』/東京子ども図書館
4.「やまなしもぎ」 同名絵本/福音館書店
5.「はらぺこピエトリン」『子どもに語るイタリアの昔話』/こぐま社
6.「小さいコマドリくん」『新編世界むかし話集1イギリス編』/文元社より再話

絵本『コールテンくんのクリスマス』/好学社

プログラムの途中で、手遊びをしました。
1と5でいちごをたべて  2と5でおすしをたべて
3と5でケーキをたべて  4と5でビーフシチューたべて、
5と5でチキンをたべて  クリスマス!

今回はいつもの初級中級クラスのメンバープラス、ご縁のある方をお誘いして、
とてもにぎやかなおはなし会となりました。
25年前におはなし入門講座を受けた方々、コロナ禍でおはなし会そのものがなく、
久しぶりに語りを聞いた方、久しぶりに語った方、皆さんそれぞれに、おはなしの時間を楽しんでくださっていたようです。
最後に、皆さんで輪になってあれこれおしゃべりしていて、皆さんの笑顔を見ていると、私もうれしくなりました。
おはなしは、うれしいさん(『うれしいさん かなしいさん』松岡享子/作 東京子ども図書館 より)を増やしてくれるパワーがあるんですね。
こんなうれしい気持ちが、おはなしを続ける力の源になるんだなと思いました。
ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。

あったかペーチカ今後の日程
2023年1月15日(日)・2月7日(火)10:15~です。
2月は節分をテーマにおはなし会ができたらと思います(豆まきもしたい~)。
皆さま、ぜひご参加くださいね。