第25回昔話の語法勉強会「山梨とり」

今週は前半が気温が低くて雨も降り、寒かったです。
みなさん、体調は大丈夫かなと思っていましたが、無事にみんな揃って勉強会が行われました(^O^)
今回の話は日本の昔話「山梨とり」です。
有名な話ですから、本や絵本がたくさん出ていますね。
今回は、最初にNさんが「山梨とり」を語ってくれました。
テキストは『子供に語る日本の昔話3』こぐま社です。

勉強会の資料は、元となった話(原話)の「山梨とり」『桃太郎・舌きり雀・花さか爺―日本の昔話Ⅱ』関圭吾編/岩波書店でした。
この話は、昔話は主人公が中心の物語であるということがよくわかる話でした。
そのことを中心に据えながらヤンさんが語法を抑えて説明してくれたわけですが、まとめとしてリュティ先生の言葉を引用してさらに詳しく説明してくれました。
1.主人公はあらゆる合理的な説明を超えて恩寵をうけている。
2.昔話は、劣っている者が逆転して、やがて力をもっていくという力学を持っている。
昔話が主人公中心の話であるということは、たまに出てくるかわいそうな脇役をかわいそうと考える必要が全くないことであり、何より聞き手が主人公と同調して話を聞いているわけですから、あなたはあなたであるというだけで幸せになれるというメッセージをダイレクトに伝えているのだということがよくわかりました。
そして、それを分かったうえで語り手がおはなしを語るということが大事なんだと!
だからできるだけ身近な人、同じ顔触れの子どもたちに、昔話を元の姿のまま語るほうがより愛情を伝えられる、ということを聞いて、感動して、満足感がいっぱいになりました!(^^)!

資料として、同じ原話から再話された本を持ってきてくださいました。
手に入りやすいものばかりですから、読み比べてみると再話の違いがわかって、とても面白いと思います。
『子どもに語る日本の昔話3』稲田和子・筒井悦子/こぐま社
『日本の民話②東北地方①』日本民話の会編/世界文化社
『わらしべ長者-日本の民話二十二編-』木下順二作/岩波書店
『日本昔話100選』稲田浩二・稲田和子編著/講談社
『ならなしとり』峠兵太作・井上洋介絵/佼成出版社
『やまなしもぎ』平野直再話・太田大八絵/福音館書店
『一寸法師 日本・中国・韓国の昔話集2』財団法人出版文化産業振興財団/独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター

ヤンさん、たくさん本を持ってきてくださってありがとうございました。
同じ原話なのにタイトルからして違うんですね。
再話となるときっといろいろなんでしょうね。
元の話と比べるのはとても勉強になると思います。
原話の違う「山梨とり」もありますし、有名な話は類話から再話した本も調べたらたくさんあるでしょうから、全部読んでみたら原話の選び方のいい勉強になると思います。
あとはやるだけなんですが…(笑)
でもコツコツやり続けたらそれが語るときの裏付けというか、自信にもなるでしょうから、より安定した語りができるはずなんですよね。
やっぱり継続は力なりですね。
では、また次の勉強会を楽しみにしています(^O^)/

3 thoughts on “第25回昔話の語法勉強会「山梨とり」

  1. ジミーさん、報告をありがとうございます。

    子どもたちに、自分こそが主人公だと自尊の想いを持って生きてほしいと思います。昔話を語り継いできたご先祖さまたちもそうだったのです。人としての生き方の肝を教えていたんですね。
    必ずしも幸せばかりではないけれど未来は明るいのが昔話のやさしさだと思います。

  2. ヤンさん、コメントありがとうございました。
    特に大人になると人生は山あり谷ありですが、自分が人生の主人公だという気持ちをよみがえらせてくれたら乗り越えていけるかも。
    昔話は愛ですね!
    〝がんばれよ〟ではなくて、やさしく包み込んで見守ってくれるような愛を感じます!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です