虫の声は聞こえてくるのに、蒸し暑い日々ですね。もう少しで秋めいてくるはず!さて、今回はzoomでの勉強会でした。
忠実なヨハネス 『語るためのグリム童話1』小峰書店
練習で語りを録音して聞き、自分の癖に気が付いた。それが出ないように意識してスーッと語られたとの事。また、ストーリーについて疑問があったのだけど、事前にヤンさんから頂いた資料(『昔話の深層』河合隼雄 著 P151 ~)を読むことで納得して語ることができたそうです。30分ほどのはなしですが、私もあっという間に感じるくらい入り込ませてもらいました。
ヤンさん…世界に入り込んでいるからこそ、聞き手が集中してくる場面がある。ヨハネスが死刑台に上がって、声を出すところ。裁判官や大衆の前で、ヨハネスは王様に向かって話す。「死ななければならないものは、最後にひとことしゃべらせてもらえるものです。王様…」→呼びかけの 王様 を入れる。言ったら石になるのに、言うぞ!と聞き手は集中する。トリックスターの働きをしてきたヨハネス、命がなくなると分かっていて言う、ヨハネスしか知らない話。ヨハネスの行いは、王様がしてきた行いより大きい。ヨハネスを主人公として語ると、聞き手の子どもたちはヨハネスになれる。王様の悲しみもこめて語り、より感動をともなう場面になる。
最後にヤンさんが興味深いことを言われました。年とった王様も金の王女を手に入れたかったが、それを息子に託した。ヨハネスの力によって、冒頭の欠如は最後に充足した。深い!『昔話の深層』に金の王女についての事も載っているそうです。
白い石のカヌー 『おはなしのろうそく33』東京子ども図書館
情景描写が多かったのですが、そのまま覚えようと努力されたとのこと。こちらのテキストは、『アメリカのむかし話』渡辺茂男 編訳/偕成社から。それでも、途中で、『子どもに贈る昔ばなし12 石のカヌー』小澤昔ばなし研究所 のテキストに変えようかとも思われたとのこと。そちらは『世界の民話12アメリカ大陸Ⅱ』より再話コースの方によるグループ再話。
ヤンさんからもう一つの資料を頂いていたのですが、それは小澤俊夫さん解説による「石のカヌー」の文法でした(季刊『子どもと昔話』49号2011年秋号)。解説を読みつつ、二つのテキストを比べると違いがはっきりわかります。昔話の語法の力による違いです。後者は昔話の語法を活かした再話です。耳から聞いてイメージする像、聞き手の中で起こる感情、これらは表現された言葉によって、かなり変わってくると気づきました。テキスト選びや、再話について、大きな課題として心に響きました。
ジャックと豆の木 『語りの森昔話集1』語りの森
再開された小学校のおはなし会に向けて練習で語られました。語りを初めて聞く子も含まれる3年生なので、学年を下げた形でプログラムを組んでいるとのこと。
ヤンさん…3年生なら、繰り返しの2回目と3回目は、アイテムの言葉だけを立てて、テンポアップして語る。 私が気になっていた所、豆の数え方で…「両手にふたつずつと口に一つ」と、ジャックはすぐに答えました。ここは子どもはどんな反応をするのかな?と思っていたんです。ヤンさんは手を使って「両手にふたつずつ(両手に豆をふたつずつ持つ)と口にひとつ(指一本を口に)」とする。子どもにかしこい~と思わせて、子どもとのやり取りができるし、ストーリーに戻れると。なるほど~!低学年の純粋さを忘れてました!数字って抽象的ですもんね。
語り手の方から、ヤンさんから受けとるものがたくさんありました。ババ・ヤガーの勉強会の今後の話もあり、感謝の気持ちとともに、ここから自分は何ができるか。何がしたいか。どうなりたいか。自分の内側を刺激されました。
【中級クラス変更点】
〇エントリーは1ヵ月前のクラスでする。出典も言う。
〇日常語のエントリーも中級でする。
〇毎週月曜に更新する秘密基地で連絡事項をチェックする、次月エントリー者のテキストを参加者各自がコピーして持参する。
次回は10月17日火曜日です。
ウーカーさん、詳しい報告をありがとうございます。
わたしは「ジャックとまめの木」を語らせていただきましたが練習するための飛び入りに近いものでしたので、お勉強は実際2話でしたが、どちらも資料月にしてくださって、話もしっかりした話でしたしとても勉強になりました。
『昔話の深層』は、全部は読んでいないのでこれをきっかけに読めてよかったです。
今後の勉強会の進め方の変更事項も書いてくださっていますが、みなさんご協力をどうぞよろしくお願いしますね
ウーカーさん、報告ありがとうございます。
語り、楽しかったですね~
どれもしっかりした話だったので、がっつり勉強もできたのではないかと思います。
ヤンも事前に調べたことを参加者の皆さんにメール添付できたので、要領よく進められたかなと思います。
こういうのもいいですね。
ジミーさん、ヤンさん、コメントありがとうございます。勉強会は宝の山です。時間を置いて、また考えているのですが、人からの指摘(答)と自分からの気付き、ここの理解や納得度の差は大きいですね。だから、指摘するのではなく相手を引っ張り出すような問いかけが、いかにその人を導くか、そこまで思うことが大人の姿!ですね(実際のおはなし会も)。テキストともっと向き合って自分で考えること、調べることをしよー!と心新たにする勉強会でした。