きのうのおはなし。
ツピッ、ツピッ、ってかわいい声がしたの。
ふとベランダをのぞくと、シジュウカラのひなが、ぱたぱたしてる。
なんども、外へ飛び出そうとするんだけど、うまくいかないの。
私に気がついて、めっちゃあせって、ぱたぱたしてる。
そうしたら、ツツピッ、ツツピッって、もっと大きな声がした。
見上げると、電線に大人のシジュウカラがとまってた。
ひなを呼んでるんやね。
ひなは、ぱたぱたぱたって飛ぼうとするんだけどうまくいかない。
干してたシーツが風でばたばたなびいてるので、恐いだろうなって思って、そっとはずしてから、窓を閉めた。
カーテンも閉めて、わたしのすがたが見えないようにした。
親鳥が助けに来られるようにね。
しばらく、ツツピッ、ツツピッ。ツピッ、ツピッ、って鳴きかわしてたんだけど、やがてしずかになった。
半時間ほどして、ベランダをのぞいたら、ひなはもういなかった。
うまく逃げられたのかなあと思って、ふと顔をあげたら、目の前の電線にとまっていて、そこからちょっと離れた所に親鳥がとまっていた。
しばらく、かわいい声を聞かせてくれてたけど、いつの間にかいなくなりました。
ああ、よかった。
巣立ちのころは、思わぬ危険がいっぱい。