日別アーカイブ: 2025年2月27日

2月の大人のためのおはなし会

昼間の気温が少し上がり、日差しに暖かさを感じる日が訪れました。とは言え三寒四温、まだまだ寒い日がありますので、油断せずに温かくして過ごすのがよさそうですね。おはなし会テーマは鬼。7名の方が足を運んでくれました。

おはなし「地獄へ行った吉兵衛さん」『語りの森昔話集2ねむりねっこ』語りの森

絵本「ふくはうち おにもうち」内田麟太郎/作 山田孝/絵 岩崎書店

おはなし「まぬけなトッケビ」『おはなしのろうそく30』東京子ども図書館

おはなし「ミアッカどん」『イギリスとアイルランドの昔話』石井桃子/編・訳 福音館書店

絵本「つのはなんにもならないか おにのこあかたろうのほん」きたやまようこ/作・絵 偕成社

おはなし「鬼子母神とザクロ」『子どもと家庭のための奈良の民話一』村上郁/再話 京阪奈情報教育出版

絵本『おにたのぼうし』あまんきみこ/作 岩崎ちひろ/絵 ポプラ社

色んな鬼が出てきました~。地獄の鬼、節分の鬼、韓国の鬼、イギリスの鬼、鬼の子ども、鬼子母神。最後はあまんきみこさんと岩崎ちひろさんが描く優しい鬼でした。おにたが、「おにも色々いる」と悔しそうに言っていたのです。鬼の気持ちを考えたことはなかったなぁと思いました。中国では、鬼というと亡くなった人や魂のことをいうそうです。人の心が作り出したであろう鬼の存在ですが、京都の有名な伝説では「酒呑童子」のはなしがありますね。本当にいたんだよ~と語り継がれてきたものです。目に見えない恐ろしいものを存在しているものとして、語り、描き、おはなしの中で生き生きと動き回る鬼達。お祭りなんかでは実際に鬼が登場して、子どもたちが泣き叫ぶようなことも。そんな鬼達は、私たちの背筋をしゃんとさせてくれる、そんなありがたい存在なのかもと思いました。おはなし会では、「ふふふっ」と笑ったり、先輩の鬼っぷりが最高~と喜んだり、心が温まったりと、大人なのに情操を育むという表現がぴったりな時間でした。心に響くプログラムをがんばって準備していますので、どなたでも気軽にお越し下さい~。

次回:3/21(金)テーマ「桃の節句」

2月のプライベートレッスン

ここ近畿のまん中あたりの地域では、月曜日まではすごく寒かったのですが、その後一週間ほどは暖かくなるようです。
予想では一気に春の陽気になるような日も!
寒暖差があるのもつらいんですけど、文句ばっかり言ってても仕方がありませんね。

2月のプライベートレッスンは3話でした。
語り(日常語)「貧乏神と福の神」『日本昔話記録7香川県佐柳島・志々島昔話集』柳田國男/編 武田明/採録 三省堂
1月の再話クラスでテキストが完成したのでおぼえて語られました。
完成したテキストでしたが、プライベートレッスンではほぼ一対一で詳しく話をしますので、もっとテキストを突き詰められます。
この日もテキストの検討をしまして、よりイメージしやすいテキストになりました。

具体的に言いますと、貧乏神とおじいさんの位置関係をスムーズにイメージできるようにしました。
再話する作業はきりがないのかもしれませんが、テキストに取り組み、語りを耳で聞き、そしてまた検討と修正をする。
そしてよりテキストを磨いていくという過程を見せていただいて勉強になりました。

語り「美しいユーラリ」『語りの森昔話集5ももたろう』語りの森
残念ながら参加できませんでした。
ききたかったなあ~

整理「高野谷の狐」『遠州伝説集』御手洗清/著 遠州タイムス社
この話は、かなり再話して分かりやすくなっていますが、やはり読み物であるので耳で聞いて分かりやすいテキストにする作業をされました。
語るためにイメージを追って話を細かく見ていくと、イメージしにくいところが出てきて、それをどういう状態なのか確認しながら文章を整理していきました。
ご自分の地元の伝説集なので、生まれ育ったところの話は愛着があると思います。
そして伝えたいと思うだろうから、ずっと残ってきたんでしょうね。
きつねに騙される話なのに、きつねは全く登場しない、おもしろい話でした。

日本全国できつねに騙される人がいて、「おれはだまされない」と言い張る人がいる(笑)
「自分は、オレオレ詐欺には引っかからない」と思うのはやめにしたほうがよさそうです。