月別アーカイブ: 2025年6月

グリム童話、いいんだけどなあ🤗

4年生以上に語る機会がめっきり減ったので、これまで語ってきたレパートリーのうち、とくに語りごたえのあったグリムの話をみなおしてみようと、この1月から月1、2話のペースでもどしています。

でもね、子どもたちに語っていたときは手応えがよくて私自身も学ぶことの多かったグリムなんですが、いま、口に上らせると、なんか違和感があるんです。
こんなじゃなかったんだけどなあって。
夢中になって語れないんですよ。

その原因を考えました。

まず。
おはなしを選ぶとき、この話で子どもに何を伝えようかと、一生懸命考えます。皆さんも同じですよね。
グリム童話はそれがわかりやすいのです。
そりゃそうですよね。
グリムさんは、近代ドイツを作り上げるために、倫理的、教育的に再話したという経緯があるんですから。
200年も前の再話なのに、現代の日本に住むわたしでも、けっこう共感できるんですよ。子どもに伝えたいことが見える。
200年前のドイツと現代の日本。その程度なら、人間ってあんまり変わらないのかな・・・

おっと、話がそれそうや。もどって。

わたしが語ったグリムの話は、どれも、子どもたちの反応がとてもよかったです。
(だから、わたしも好きになった)
そして、子どもって、とっても正義感が強くて、まっとうで、賢いなあって、思いました。
このわたしの子ども観は、(主に)グリムを語ることで得たと思います。

ところがいま、それらの話を戻しながら感じる心の動きは、み~んな、過去の記憶なんですよ。
新鮮味がなくて面白くない。
かつて子どもたちといっしょに発見した主人公の人生のコアな部分は、もうわたしにはじゅうぶんなんです。

わたし自身のために語るには、グリム童話は良い子ちゃん過ぎるっていう感じかな。

きのうの語りクラスで、「靴をはきつぶすお姫さまたち」を聞かせていただいたんだけど、今の私には、グリムの「踊って踊ってボロボロになったくつ」ではなくて「靴をはきつぶすお姫さまたち」⇒こちらの主人公のほうが、魅力的。

おじいさんに親切にしていいことがあるという人生より、自分の勘と力を信じて、やっちゃえ~~~っていう生き方のほうに、惹かれます。
あと少しグリムの思い出に浸ったら、こんどは、そんな話を覚えたいなあって思っています。

おっと、大丈夫です、再話するときには、いろんな価値観の話をまんべんなく選ぼうと考えています。
語りの森は、みなさんに、できるだけいろいろな話を提供したいってスタンスでやっています。いま、ご自分にぴったりの、好きな話を選んでくださいね。

 

ありがと~!三匹のくま🐻

先週のおはなし会でのこと。

初めて参加したという1年生の男の子。
このあいだ、学校でおはなし会があったという。

わたし「へえ~、何小学校?」
男の子「T小学校」
わたし「へえ~~~」

わたしが体調不良で助っ人をサボった学校ではないか!

男の子「あの時、来た?」
わたし「行ってへんなあ」

こういうとき、いつも、子どもがおはなし会をどう受け止めたのか、知りたいと思う。けれども、子どもに「面白かった?」とか「どうやった?」とか尋ねるのは間違い。子どもは大人の顔色を見て答えるからね。ほんとのことを知りたかったら、こう尋ねないとだめなのですよ。⇒ 「何のお話やった?」

わたし「何のお話やった?」
男の子「三匹のくま」
わたし「ああ、大きいでっかいくまの話やな」
男の子「うん。小さいちっぽけなくま(手で小さいことを見せる)」
わたし「そうそう、小さいちっぽけなくま~笑」
わたし「ひとつだけ?」
男の子「ほかにもあった」
わたし「何の話?」
男の子「・・・・わすれた」

1時間の授業の中で、ほかにストーリーテリングもあったし絵本もあったし手遊びも、ブックトークもあったのに、この子の心に残ったのは、「小さいちっぽけなくまの話」

そっか~。
うれしいなあ。
はるかむかし、イギリスで語りつがれ、ジェイコブスさんが活字で広めた「三匹のくま」。
語りの森昔話集に再話できたことが、うれしい。
その再話を語ってくれたことが、うれしい。
T小学校で20年あまりおはなし会をつづけてきたこと、いまは心強い後輩たちが引き継いでくれていることが、うれしい。

そうやって、人から人へ、語り継がれるわくわくする想い。

その子は、「三匹のくま」のことを「小さいちっぽけなくまの話」といった。
ほらね、子どもは一番小さい主人公のくまに心を寄せてることが分かるでしょ。
小さいちっぽけなくまの小さいちっぽけな声のおかげで、おばあさんはにげていったんだから。

全国の語り手さんたち!
わたしたち、ひとりひとりの小さな小さな活動が、人類の歴史のあったかいぶぶんを育んでるんですよ~
がんばろうね!!!

 

 

♬一でしっぺ、二でしっぺ

昨日は、もうすぐじめじめした梅雨に入りそうな、そんな曇りの日で、雨も少~しポツッと降ってきたり。
そのせいかはわかりませんが、図書館はいつもより人が多くて、お話会に来てくれたのは、子どもが16人、大人が9人でした。

手遊び ちいさなはなけ
おはなし 「こぶ取りじい」『日本の昔話3』おざわとしお/再話 福音館書店
絵本 『ならびました』五味太郎/著 ブロンズ新社
 〃 『おさるはおさる』いとうひろし/作・絵 講談社
 〃 『まほうのコップ』藤田千枝/原案 川島敏生/写真 長谷川摂子/文 福音館書店
 〃 『おしいれ』新井洋行/作・絵 偕成社
 〃 『オムライスだいすき』苅田澄子/文 いわさきまゆこ/絵 金の星社
 〃 『つみき』中川ひろたか/文 平田利之/絵 金の星社
手遊び さよならあんころもち

「こぶ取りじい」のおじいさん、どんだけ踊るの好きやねん!と思います(笑)
歌の歌詞の、〝しっぺ〟というのが意味が分からないといつも思うのですが、おはなしを聞いているとそんなことはどっかにいってしまって、とにかく楽しく踊っているおじいさんがイメージできるので不思議です。
子どものころに見た、地域の盆踊りで大人が楽しそうに踊るのを思いだします。

絵本は短いものが多かったのでたくさん読んでもらいました。
『おさるはおさる』だけは長いのですが、子どもたちも長さを感じることなく楽しんでいました。
たくさんシリーズがあるようですが、『おさるのまいにち』をお話会で読んでもらって知っているだけでしたが、『おさるはおさる』も期待を裏切らない面白さでした。
おじいさんのさるはここでも「うん、うん」を繰り返してくれるのでうれしかったです。
おじいさんさるのいい味が、何ともいえず奥深さを与えてくれてますね。
いとうひろしという作家に改めて注目しました(*^_^*)

まいった、まいった😓😭😢

先週土曜日のおはなし会がおわってほっとして、晩ご飯を食べてぼ~っとしてたら、いきなり痛い!
きりきりと、胃が痛い!
なんで?

だいたい胃腸は丈夫なので、原因も分からなくて、しかも明日は病院休みやし

え?
まさか、アニサキス?
カツオのたたきを食べた~o(≧口≦)o

夫「ストレス違うか?」
わたし「そや、めっちゃストレスや」
夫「おはなし、もうやめたら?」
わたし「ちがう、あんたがストレスなんや!」
夫「・・・おたがいやろ」

胃が痛いときは、黙っとくのがいちばんです。
けんかになるから。

結局原因不明で、すこーしずつ、すこーしずつ、痛みはひいていきました。
で、ぺーちかもお休み、リハビリもお休み、ホームページの更新もできず。
学校のおはなし会の助っ人もお休み・・って助っ人になってない。ごめんなさい。

ずっと、普通食が食べられず、おかゆだけだったから、エネルギーが、ぷすん、ぷすん・・・・
でも、なんとか今日の図書館のおはなし会はやり終えました。

今晩から、普通に食べられるようになって、うれしい!

なんか、いっぱい食べたい気分!
ティラミスとか。
あかん。がまん、がまん。

Ⅾuolingoで英語学習してるんだけど、娘はスペイン語、娘のパートナーは英語やっててね。
しんどくて休んでたら、ふたりでつついてくれるの。がんばれ~って。
ありがたいというか、なんか楽しくてね~

ああ、めっちゃ落ち込んでたのが、ふつうに心が動くようになった。

年をとったらどうしても人に迷惑をかけるんやから、できるだけ健康でいようとしみじみ思ったできごとでした。

 

6月のあったかペーチカ

梅雨前の快晴、洗濯仕事もはかどります。あれやこれやと洗って、服もシーツもはたはた、くるくる、しています。きつい日差しに、ふとんはちょっと暑がっていそうです。さてさて、あったかペーチカは、9人の参加がありました。

「主がそうなら道具もそう」 語りの森HP

「宝下駄」 『語りの森昔話集5』語りの森

「仙人のおしえ」『日本の昔話5』おざわとしお/再話 福音館書店

「いばら姫」『語るためのグリム童話3』小峰書店

「かしこいモリー」『おはなしのろうそく1』東京子ども図書館

「アリ・ムハッメドのかあちゃん」 『世界の民話8中近東』ぎょうせい より再話

Mさん絵本紹介

『トガヒネズミ ひみつのくらし』六田晴洋/写真・文 世界文化社

『カップねこ』塚本やすし/作・絵 ニコモ

『オムライスだいすき』苅田澄子/作 いわさきまゆこ/絵 金の星社

『かくれんぼハウスへようこそ』ぬまのうまき/作 ほるぷ出版

『かんばんのないコーヒーや』かめおかあきこ/作 ほるぷ出版

『山の学校 キツネのとしょいいん』葦原かも/作 高橋和枝/絵 講談社

『うまれたよ!トカゲ』関慎太郎/写真・文 岩崎書店

『さるさるおさるこんにちは』乾栄里子/作 高畠那生/絵 金の星社

今回も盛り沢山のプログラムでした。私は準備が間に合わず、聞くだけになりましたので、それはそれで、楽しい~ほっこり~しました。語りのすごいところは、語れば語るほど変化していく、育っていくところ、語りの場一期一会な所ですね。おもしろいな~。「かしこいモリー」の語り手さんの初々しいかわいらしい感じも、もしかしたら今回限りかもしれませんし、来週また聞く予定の「主がそうなら~」「アリ・ムハッメド~」も、聞き手メンバーが変わりますし、語り手の状態も変われば、同じ語りにはならないですもんね。そして、私は新しいおはなしより、語ってきたおはなしを語る方が好きなのですが、先輩方でも新しい話をばんばん覚えるので、感心するばかりです。ある方は「同じ話もええけど、あきんねん!」と言われていましたよ。(これは帰り際立ち話で)また、絵本もたくさん紹介して頂きました。「カップねこ」おもしろい~!また来月のペーチカも楽しみです。

次回:7/6(日)