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2019年1月 日常語による語りクラス

2019年の『日常語による語りクラス』勉強会が始まりました。
皆さま今年もよろしくお願いいたします。
ヤンさんが先日のブログで『今年の抱負』は(も)「伝える」だといわれていましたが、私は「時間を上手く使う」にしたいと思います。
私事ですが、今年度は生活リズムが大きく変わりそうなので、自分に気合を入れるつもりで、大々的に発表させて頂きます。
公私混同甚だしいですね。年明け早々からすみません。

早速報告させて頂きます~。

 

<語り>
猿の肝」『ナーミンのためのならのみんわ』 村上郁/再話

きつねと熊」『日本の昔話4』 小澤俊夫/再話

こぶ取りじいさん」『日本の昔話3』 小澤俊夫/再話

和尚おかわり」『日本の昔話1』 小澤俊夫/再話

 

<ヤンさんの語り>
貧乏神」『日本の昔話5』 小澤俊夫/再話

 

<テキスト>
地獄に行った吉兵衛さん」『語りの森昔話集2ねむりねっこ』村上郁/再話

雪娘」『日本の昔話5』 小澤俊夫/再話

 

 

今日の勉強会はいろんな意味で非常におもしろかったです~!!
まず初めの「猿の肝」の語り手さんが!!
いわゆる型にキッチリはまったストーリーテリングというのではないのです。
いわゆる、椅子にキチッと座り、
いわゆるテキストの通りにキチッと語り、、、、ではなく!!
自由に!
感じるままに!!
心からおはなしを楽しんで!!!
見ている(聞いている)こちらもどんどん語り手さんの世界に引きずり込まれ、、、
気が付けばみんなが笑顔で終わっているという、、、。
『語り』というのはそもそも語り手の数だけあって、いろんなスタイルがあっていいのよ。自分のできるやり方で、伝えやすい得意なスタイルで。そうやってこれまでたくさんの人が、子どもに、孫に、近所の子に、語ってきたのだから」というヤンさんのお言葉に大きくうなずき納得するのでした。

テキストの「雪娘」では、前半の吹雪の晩、中ほどの女の人が話す緊迫したシーン、雰囲気が変わる赤ん坊を育てるところ、そしてラスト。
ヤンさんに細かいところまでアドヴァイスをいただき、修正し、もう一度読んでもらうと、みんな「ほぉ~~~」と、ため息がでるほど素敵なテキストに!
勉強になる~~!!

日常語のテキストを作るとき助詞や接続詞を抜くのは、「間」を活かすため。日常語だからこそ、自分の普段の語り口だからこそ、「間」を自在に操って、もっとも分かりやすく伝えられるように。

今日は「語り」について、「語ること」について、「日常語」について、などなど、興味深く、おもしろく、勉強になることがたっくさん見つかる勉強会でした!「今日、勉強しにきて良かった~~!」と言いながら解散しましたよ。

また、来月、よろしくお願い致します。

かぶ

12月日常語による語りクラス

12月に入り、何かと気ぜわしい毎日です。
2学期のおはなし会も全部終わり、ホッとしています。

12月の日常語による語りクラスの報告を致します。

〇語り
さかべっとうの浄土」『語りの森昔話集2ねむりねっこ』 村上郁/再話
https://katarinomori13.com/jfolktales.html ←こちらからも見れます。聞けます。

雪おんな」『日本の昔話5』福音館書店 小澤俊夫/再話

 

〇テキスト
きつねと熊」『日本の昔話4』福音館書店 小澤俊夫/再話

こぶ取りじい」『日本の昔話3』福音館書店 小澤俊夫/再話

和尚おかわり」『日本の昔話1』福音館書店 小澤俊夫/再話

 

テキストにある「ほっほっほ」や「あははは」などの笑い声は、日常の会話の中ではまず言いません。ですから語りの中で不自然になってしまうようなら、「笑いました」でいいかもしれません。

「こぶ取りじい」の「となりの欲ばりじいさん」は、欲ばりとは違うのでは?という意見がでました。欲ばりというのは、お金や物を欲しがるイメージです。
このとなりのじいさんは、ただ「こぶ」を取ってほしかっただけです。このおはなしが伝えたかったメッセージは「欲ばってはいけない」ではなく、「人のマネをしてもうまくいかないよ」ではないでしょうか?変に性格付けされてしまう「欲ばり」は無い方がいいかも。

今回も、自分の語りにすぐにも役立つアドヴァイスを、ヤンさんからたくさん戴きました。
ありがとうございました!来年もよろしくお願いいたします。

今日はクリスマスを意識した色にしてみました (^^♪

かぶ🌲

11月日常語による語りクラス

8月は夏休み、9月は台風直撃により急遽中止、10月は秋休み、ということで、3ケ月とんだので、4ケ月ぶりの日常語による語り講座でした。
3ケ月以上練りに練ってあたためにあたためたおはなしが5つラインナップ致しました。

<語り>
豆っこの話」 『日本の昔話2』福音館書店
→「豆さんの話」

<テキスト>
さかべっとうの浄土」 『語りの森昔話集2ねむりねっこ』村上郁/再話 語りの森

雪おんな」 『日本の昔話5』福音館書店
→「雪おなご」

めしを食わないよめさん」 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』村上郁/再話 語りの森
→「めしを食わへんよめさん」

とっつく、ひっつく」 『日本の昔話1』福音館書店
→「とっつこか ひっつこか」

<ヤンさんの語り>
茨木童子
(出典をしっかりお聞きするのを忘れてしまいました。。。)

おはなしのタイトルを言った時に子どもたちは
「どんなおはなしが始まるんだろう?」とわくわくしてこちらに集中します。
共通語で書かれたテキストは、もちろんタイトルも共通語になっています。
今回取り上げられたおはなしはタイトルも、日常語にしましたよ。その方が自然です。

語り継がれてきたおはなしを文字におこして残してきたテキストは、だれが読んでもわかるように、共通語で、接続詞もたっぷり加えて書かれています。
普段の語りの場合もそうですが、接続詞ではなく「間」でつないだ方がすっきりとおはなしをすすめることができる、ということがあります。
(もちろん取ってはいけない接続詞もあります!)
日常語つまり私たちの普段の会話を考えたとき、接続詞はほとんど使っていませんね。
考えてみて~!順接の接続詞はあんまり使わないよね~。でもでも!逆接は使うよね~
日常語のテキストを作るときは、取れる接続詞はなるべく取って「間」でつなげることを意識してみましょう。
きっとその方が自然な語りになりますよ、というアドバイスがありました。

他には、擬態語・擬声語・慣用句っぽいものなどが出てきたとき、それがその地方の土地言葉なのか、言い回しなのか、意味やニュアンスが分からないことがありますね~。その場合は臨機応変に考えなくてはいけませんが、その土地の他のおはなしを調べたり、類話を調べたりすることで、判断がつくことがあります。
はい、勉強、勉強~~

今回も、皆さまのほっこりした日常語で、ほんわかした気持ちになりました。
やっぱり日常語はいいなあ~。私もがんばろ。
はい、精進、精進~~

かぶ

7月 研究クラス

地震、大雨、台風と自然の猛威に圧倒されていますが、みなさまご無事でしょうか?
各地に甚大な被害が出ています。心よりお見舞い申し上げます。

さて、7月13日の研究クラスの報告をします。(またもや遅くなりました…)

<レポート付き語り>
ホレばあさん
みなさんよく知ってる「ホレばあさん」をとりあげて下さいました。
ATU480「親切な少女と不親切な少女」で、典型的な昔話、「親切で働き者の娘は幸せになり、不親切で怠け者の娘は罰を受ける」おはなし。類話も山ほどあります。それを20話以上取り寄せ、類話比較表にまとめて下さいました!これはもうひと財産です!ありがたや~
それからテキスト比較。
初版以前『エーレンベルク稿』「マーモット」ヤコブ・グリム、ヴィルヘルム・グリム/採話
始めは書物だったんですね~!私が以前レポートした「みつばちの女王」も読み物から採られ、グリム兄弟によって再話されたものでしたが、ヤンさんによると結構そういったおはなしも多いそう。ヤンさん、どのくらいあるんでしたっけ?すみません、記憶が・・・
「みつばちの女王」は読み物だった時にはやたら長くて今の3倍くらいの長さで、主人公も王さま?3人の王子?という感じのおはなしでしたが、グリムの再話によってすごくあっさり、短く分かりやすく生まれ変わっています。
ところが!この「あっさりすぎて物足りないじゃないの?」と感じてしまうくらいのおはなし、子どもに語ると、めちゃくちゃよく聞いてくれるんです!私は3年生に語っているのですが「よかったなぁ!」「あ~おもしろかった!」と子どもたちは大変満足してくれます。語るたびにグリムさんの再話の力をひしひしと感じてしまいます。
初版『初版グリム童話集1』吉原高志・吉原素子/訳、白水社
二版『完訳グリム童話子どもと家庭のメルヒェン集1』小澤俊夫/訳、ぎょうせい
二版(+七版)『語るためのグリム童話2』小澤俊夫/訳、小峰書店
二版『子どもに語るグリムの昔話1』こぐま社
七版『グリム童話全集1』高橋健二/訳、小学館
二版と七版はほとんど変わらなかったそうです。
これだけたくさんの資料を読み込みまとめて下さったので、いろいろなことが見えてきて、大変勉強になり、面白かったです!お疲れ様でございました!

<語り>
七羽のからす
こちらも皆さまごぞんじのおはなし。実は前回の研究クラスでレポートして下さったものです。前回、ヤンさんからいろいろとアドバイス頂いて、今回語りでエントリーして下さいました。
前回は、ほれ、あれですよ、
聞き手の子どもが語りを聞いて、語りの中で体験することが大事
と、最も大切で、最も基本的な事を、ヤンさんに言葉でずばっと言っていただき、
じんじん、びりびり、びびびびびーーーと雷に打たれてしまった、あの回ですよ。(私だけですか?・・・)

ふうふうふうふう・・・

研究クラスの報告を書くのに、今回の資料を読み返し、前回の資料を読み返し、いろいろ思い出し、再び雷に打たれ、やっぱり復習って大事なのね。そうよ、学校の先生も言ってたじゃないか。勉強は予習復習が大事だって。暑くたってがんばるのよ。だって、いろいろ勉強して、いろいろ分かった上で、子どものとこに語りに行った方が、ぜったいいいもんね。ぜったい楽しいもんね。
「みつばちの女王」も「さるの海岸見物」もめちゃくちゃよかったです!
ヤンさん、ほんとにありがとうございます!!

あれ、文章が変ですね。おゆるしを~~
(直さんのか~い!!(ー_ー)!!)

かぶ

6月日常語による語りクラス

今日も大変暑い一日となりました。
早速ですが日常語の語りクラスの報告をします。

語り
きもだめしのはなし」『千代田町昔話集』再話/村上郁

身上あがるようだ」『日本の昔話2』福音館書店

テキスト
三枚のお札」『語りの森昔話集2ねむりねっこ』再話/村上郁

こんび太郎」『語りの森昔話集2ねむりねっこ』再話/村上郁

ヤンさん語り
「かも取り権兵衛」『日本の昔話2』福音館書店

「きもだめしのはなし」は <はなしばなし>とのこと。
ですから、タイトルを言う時から「きもだめしの は な し」と強調しておくと最後のところでストンとおちます。
はなしばなし>は怖い話とくっつくことが多いので、聞き手の年齢や語り手との関係によっては、思いっきり怖がらせることもできます。
ヤンさんが「駅前の〇〇〇預かりのはなし」という<はなしばなし>をぱぱぱと教えて下さいました。怖くて面白い<はなしばなし>です。出席者は悲鳴をあげたり大笑いしたりしてすっかり楽しんで、覚えたい~!と言っていました。

今日取り上げたいくつかのおはなしの出典本である『語りの森昔話集2ねむりねっこ』はヤンさんの再話です。
読まれることを意識した再話にしてありますので、語る場合は、接続詞は取ってしまって、<間>で表すことが可能です。
大変覚えやすく語りやすい文章の『語りの森昔話集』をぜひぜひ口にのせて、子どもたち語ってみて下さいね。

 

今回の報告はスピード感を意識して書いてみましたので、出席者のみなさま、ぜひフォローをお願いいたします!(*^_^*)<(_ _)>(^_-)

 

かぶでした