「勉強会」カテゴリーアーカイブ

10月のおはなし中級クラス🍬🍭

二か月ぶりの中級クラスがあり、今回も濃い中身でした。
とはいえ、わたしは今回もラスト1話の批評というところで早退したので残念無念(´;ω;`)ウゥゥ
お勉強は以下のメニューで、まずエントリーした人が順番に語り、そののちに批評の時間という進め方でした。

「いばら姫」『語るためのグリム童話3』小峰書店
「おばけ学校の三人の生徒」『おはなしのろうそく28』東京子ども図書館
「だんまりくらべ」『子どもに聞かせる日本の民話』実業之日本社
「しんぺいとうざ」『語りの森昔話集3しんぺいとうざ』語りの森
「金を生むねこ」『子どもと家庭のための奈良の民話一』奈良の民話を語りつぐ会
「三枚の鳥の羽」『語るためのグリム童話4』小峰書店

「いばら姫」は、わたしが語り、テキストの疑問個所を勉強させていただきました。
指をつむにさす、といいまちがえてしまうことについて、みなさんはそんなことありませんか?
ありませんか、そうですか、わたしだけですか、すいません<(_ _)>
テキストでは、最初に「つむを指にさして死ぬであろう」と出てきて、次に出て来る時には「指につむをさしてしまいました」と出てきます。
わたしは、覚えるときにすでに罠にかかるな(決して罠ではないのですが)と自覚していましたので気を付けていたのですが、語るときに一回目は「つむに指をさし」てしまい、二回目は「指をつむにさし」てしまったのでした(笑)
いや、笑い事ではないですね。
不可能ですから、つむに指をさすなんて、格闘家ではないんですから…
聞き手の頭の中にお姫さまが浮かんでいるときにつむが先に出て来るよりは指が先に出て来る方がイメージしやすいです。
お姫さま→指(当然お姫さまの指を思い浮かべますよね)→つむ(ああ、ささってしまうんじゃないかな、とか、ささったんだなと聞き手が思う)
この順番です。
ということを勉強しました。
他にもこの手の細かいこと、そしてこのおはなしの深いところを単語を細かく見ながら指摘していただきました。
中級クラスはこんなふうにテキストや語りを細かく見ていきます。

「金を生むねこ」は、テキストがヤンさんの日常語になっているという、語り用にしては特殊な本です。
今回の語り手さんは、関西弁という大きなくくりでは同じですからそんなに違和感なく語っておられると思いますが、厳密にいうと違う関西弁ですから(それぞれ地域によってちがいますよね)、それについてのお話もありました。
「おばけ学校の三人の生徒」は、創作です。
このテキストは生徒であるお化けのセリフが、大きさや太さ、書き方がいろいろ違うように書いてあり、語るときに違いが分かるように語らなければならないということを表しています。
演じないといけない珍しいテキストです。
語り手によって、セリフをオリジナルに考えることになりますが、みなさんどんなふうに語られるのかとかんがえると楽しくなりますね。

一話ずつにたくさんお勉強したのですが、あんまりたくさんになってしまうので書けません、ごめんなさい_| ̄|○
でも、どの語りも面白かったですしよかったです。
次回のエントリーは、もういっぱいなんでしょうかね?
(さりげなく、自分を売り込む)
次回も楽しみです!(^^)!

10月度 初級クラス

日に日に気温が下がり、日中と朝晩の寒暖差が大きくなってきましたね(>_<)先日三男が体調を崩し休日診療所に行ってきたのですが、息子の前の患者さんはインフルエンザでした・・・今年の流行は早そうですね。予防注射を受けにいかねば、と思っている今日この頃です。

さて、10月度初級クラスの報告です。今回もまずは手遊び「どんぐりころちゃん♬」をしてからの発表でした。

①古屋のもる  『子どもに語る日本の昔話1』/こぐま社

初級クラスでの初・語りでした!こぐま社の方言の強いテキストですが、Oさんは長崎出身で、このおはなしの熊本の方言に近いそうです。聞いていて違和感なく、自分の言葉として語っているように感じました。高学年のおまけにいいそうです。

②森の王  『語りの森3 しんぺいとうざ』/語りの森

発表まで時間があったそうで、「練習しすぎて疲れた」とのコメントがありました。私は毎回ギリギリですので、こんな風に言ってみたいと思いました。きっちり覚えられていると心に余裕があったかでしょうか、落ち着いた素敵な語りでした。

3人兄弟の末っ子が成功するおはなしです。魔法をかけられ、高い塔に閉じ込められていたぎょろめ目のおじいちゃん(森の王)をジャックが助けます。ジャックは森の王にかけられていた魔法を解き、自由の身にしてくれたお礼に願い事の叶う指輪をもらいます。森の近くにお城があり、王様はお城のそばの深い洞穴から黄金の袋を取ってきたものを、末の娘と結婚させるというおふれを出します。3人の息子が挑戦し、ジャックだけが指輪の力で成功します。しかし、ジャックは自分が成功した若者だとは言わず、家に帰ってしまいます。王さまは家来に若者を探させ、ジャックを見つけ出し、お姫様と結婚するというおはなしです。

それから、以前初級クラスで発表してくれた「ホットケーキ」を子ども達の前で語った報告もしてくれました。オジサンポジサンやメンドリペンドリなどの言葉遊びは楽しんでくれたそうですが、最後のホットケーキがブタに食べられてしまった場面、一部の子どもは残念そうだったと感じたそうです。

この点について、ブタが出てきて鼻の上にホットケーキをのせたところからの語り方に注意するといいそうです。今までとは違うぞ、と聞き手に意識させる語り方が必要で、そうすると、最後は笑って、子ども達も結末に満足するそうです。

③三びきの子ぶた  『イギリスとアイルランドの昔話』/福音館書店

以前から語りたいと思っていたそうですが、難しいイメージがあり避けていたそうです。その気持ち、よく分かります!「三びきの子ぶた」は小さい子ども達に一番語られているおはなしの一つではないでしょうか?何度聞いても楽しいですし、私も覚えたいと思いますが・・・未だ挑戦できていません。

練習中は子どもがいないので、間の取り方が分からなかったそうです。言葉を十分に覚えれば、本番では子どもに任せておはなしを進めればいいそうです。    タイトルを言った時点で子ども達は「知ってるー!」と言ってくるでしょう。しかし、絵本やアニメで知っていることが多く、後半の3番目の子ぶたとおおかみとのやり取りを知らないことが多いので、気にせず語ればいいそうです。

前半の1回目(1人目)=失敗(おおかみに食べられる)、2回目=失敗、3回目=成功、後半は3回ともおおかみをだますことに成功しますね。上手くだましてやったぞ!と子ども達に感じてもらえることを意識して語りましょう。そうすると、最後におおかみを食べてしまった場面では「やったー!」と大いに喜ぶそうです。

①「めぶた →お母さんブタ」②「はりえにしだ →はりえにしだと言う木の枝」③「3時 →お昼の3時」と言い換えたほうがいいでしょう。③は子ども達が朝の3時と勘違いすることがあるからです。

④屋根がチーズでできた家  『子どもに語る北欧の昔話』/こぐま社

ジェニィが語ったのですが、接続詞がとても多く、覚えにくかったです。無くてもストーリーが分かる接続詞は、語るときに省いてもいいそうです。接続詞の代わりに「間」をとればいいときもあります。

昔話はその場面に2人の登場人物しかいないことが多い、よって、耳で聞いて分かりやすい。しかし、このおはなしは ①兄さん②妹③トロル女 と3人の登場人物がいて、しかも、2人とも子どもです。テキストでは、「〇〇」と妹が言いました。と書かれていますが、妹が「〇〇」と言いました。と変えると誰が言っているかすぐに分かります。聞き手に分かりやすくするために、演じるのではなく、テキストを変更したほうがよいとアドバイスをもらいました。

⑤三枚のお札  『おはなしのろうそく5』/東京子ども図書館

こわくて面白いおはなしの代表格ですね。途中でストーリーが止まることのないよう、一気に語れるよう心がけたそうです。

1年生に語る予定で、説明したほうがよい言葉として             「つうら →顔」「かなひばし →そのものの説明ではなく、長さを理解してもらうことが重要であり、手で30㎝ぐらいをジェスチャーするとよい」そうです。

このおはなしも子どもに語って初めて完成するおはなしです。また報告をお待ちしています。

⑥まほう使いの弟子  『語りの森3 しんぺいとうざ』/語りの森

練習しているうちに、自分の言葉に変わってしまったのが反省点だそうです。

後半の息子とまほう使いとの変身ごっこ、馬(馬喰)→鯉(かます)→つばめ(のすり)→指輪(手回し琴ひき)→麻の実(めんどり)→きつね、と次から次へと変身するのが楽しいですね~アドバイスとして、早くなりすぎず、きっちりとイメージできるように語りましょう。

このおはなしは中学生用に再話されたそうです。ヤンさんが中学1年から3年に語られているそうですが、中学生になると仮にその言葉の意味が分からなくても、ストーリーでおおよその意味を理解するので、説明は不要だそうです。以前「馬喰」の意味を説明したら、嫌がられたエピソードを話してくれました。

≪ヤンさんの語り≫ いばら姫  『語るためのグリム童話3』/小峰書店

このおはなしは、姫が15歳にときにつむに刺され、100年の眠りにつきますが、つむの先がとがっていることを理解しなければなりません。つむの説明の仕方を絵(イラスト)ありバージョンと、絵なしバージョンでレクチャーしてくれました。ヤンさんが語る前に絵を見せるのは、このおはなしだけだそうです。

今回のクラスで、Uさんが「ホットケーキ」の報告をしてくれましたが、とても勉強になりました。子どもに語るときが本番であり、今後も皆さんの報告が聞きたいと強く思いました。

おはなし入門講座〝おはなしの選び方〟

先週の火曜日に第2回目のおはなし入門講座がありました。
2回目のテーマは、おはなしの選び方です。
いつものように、最初はおはなし会のようにいすを並べてヤンさんの語りを聞かせてもらいました。

➀「かめのピクニック」『語りの森昔話集2ねむりねっこ』語りの森
➁「がちょうはくちょう」『おはなしのろうそく27』東京子ども図書館

➀は、大きい子ども向けのおはなしです。
簡単な内容なのになぜ大きい子向けかというと、18か月という数字が出てきます。
これは一年半だとすぐわかる必要があります。
そして、この話が面白いと分かるには、ナンセンスがわかる年齢というか、聞いたことをそのままに理解する小さい子には「それ、ほんと?!」となりますと、笑えないことになるわけです。
だから、あるていど大きな子どもといっしょに遊ぶおはなしです。
➁は、長い話ですが、小さい子ども向きです。
登場人物が幼い姉弟ですし、弟がさらわれて姉が救出するという単純な筋です。
最初にババヤガーとがちょうはくちょうの説明をしたら、小さい子どもにもじゅうぶんついていけます。
このようにタイプの違う話があるということをまず勉強しました。
今回は、たくさんあるおはなしの中からどれを覚えるか、〝おはなしの選び方〟でございます。

選び方は次の三つの立場から考え、それを自分の場合におきかえて考えてみます。
1.語り手の立場から
語り手とは自分のことですね。
好きな話を選びましょう。
好きな話は、覚えるという単純作業を乗り切るのに絶対条件です。
短い話だから、他の人が語るのを聞いて感激したから、というのは好きな話には入りません(笑)
2.聞き手の立場から
聞き手の子どもたちは、おもしろい、楽しい、と思えなければ聞いてくれません。
じっと、おとなしくしているから聞いてくれているとは限りませんよね。
怒られるからじっとしているだけ(笑)
子どもたちが満足してくれる話とは、子どもたちがいま求めている話です。
それは、年齢や、場所や、子どもたちの雰囲気によって違いますからそれを知る努力をしましょう。
学校の場合は学年が決まっていますから、同じ学校に行くのならば子どもたちの成長が見られますからとらえやすいです。
図書館などの異年齢・不特定の聞き手の場合は、子どもたちと話をして探りましょう。
そして、常連さんを作りましょう。
そうして、自分の聞き手の成長段階、好み、雰囲気などから、どんなおはなしがいいか頭をフル回転させて考えましょう。
3.話について(内容と文章)
➀結末が満足できること。
ハッピーエンドでなければいけないということではなく、最後に聞き手が納得できるもの。
悲しい話を美しいと感じられるのは高学年以上になるので、それ以下の年齢には、悲しい結末や、考えさせる結末はさけます。
➁聞いて分かりやすい文章を選ぶ。
本のなかには、登場人物紹介とか、この物語のあった場所の地図とか、元々ページをもどって見られるようにしてあるのがあります。
もちろん、なくても分からないことがあれば後ろにもどって読み直せます。
でも、おはなしは戻れませんので、耳で聞いて一回で分からないといけません。
耳で聞いた話が何世代にもわたって語りつがれてきた昔話は、登場人物は少なく、複雑な展開はありません。
主人公が過去を振り返って長々とエピソードを突っ込むなんてことはありませんね。
アラビアンナイト形式の話もありますが、ひとつひとつが独立していて、同時進行ではありません。
聞いて分かりやすい文章というのは、昔話の文体であるといえます。
具体的には、つぎの5つのことに注意して、たくさん本を読みましょう。
・話の筋が単純であること。
・幸せな結末に向かって、早いスピードで一直線に進むこと。
・登場人物が少ない。
・情景描写が少ない。
・心理描写がほとんどない。
昔話の文体の特徴は、HPの昔話の語法に詳しくあります → こちら
そして、これという話があれば、しっかり声に出して読んで、自分の口に合うか確かめてみましょう。

たくさんお勉強しましたね(*^_^*)
講座が終わって疲れておられるかなと思ったら、意欲の強さというか、熱心さというか、「ああ、分かりました、バッチリやってきます~~」的な頼もしさを感じられて、どんなおはなしを選んでこられるのか楽しみにしております。
いままでは、「まだ覚えないで下さいよ」と、出走したいお馬さんを引き留めている状態に近かったので(笑)、次回はいよいよ覚え方のお勉強です。
みんなで頑張りましょう(^o^)/

 

再話クラス🍐🌰🎑

今年度2回目の再話クラスの報告をします!(^^)!

語り(耳で確認)
「しじみの三兄弟」『日本昔話通観第15巻三重・滋賀・大阪・奈良・和歌山』同朋舎
しじみの兄弟が竜宮に行ことしますが末っ子しか行くことができなかったというおはなしです。
どうして兄ふたりは行けなかったのかの種明かしが、この話の面白いところです。
繰り返し部分が出てきますが、〝繰り返し部分をそろえるかクレッシェンドさせるかは、話によって違う〟というのが、お勉強のポイントでした。
「人と動物の寿命」『昔話―研究と資料―第四六号』日本昔話学会
これは、前回のテキスト検討の時もおもしろくてみんな笑いながらでしたが、語ってもらうとやっぱり面白いんですよね。
人の寿命に関するはなしで、人間は動物たちの寿命をもらっているから長生きだけれども、その分辛いこともあるよ、というような内容で、子どもが聞いたら「ふ~ん……」で終わりそうです(笑)
で、老人施設で語られたそうです。
案の定、爆笑!
テキストとしては、原話の後半は世間話の様相であることと、人間の人生のとらえ方が少々前時代的で現在の状況に合わないんじゃないかということと、加算していく数字が間違っているんじゃないかとか、原話の問題が出ました。
原話というものは、こういうことがあるんだと改めて考えさせられました。
テキスト検討
「岩泉の桃太郎」(原題:桃太郎の岩泉がたり)『まわりまわりのめんどすこ―続・岩泉の昔ばなし―』熊谷印刷出版部
岩手県のおはなしです。
前半は桃太郎が、犬・さる・きじにきび団子をやって鬼退治に鬼が島に向かいます。
続いて、針・牛のふん・かに・臼がでてきて、桃太郎の家来が増えます。
鬼が島についてからは、あとから増えたご家来衆が活躍して、さるかに合戦のクライマックスと同じです。
戦闘配置は、桃太郎が指図します。
最後は桃太郎と全ご家来衆が宝物を持っておじいさんとおばあさんの元に帰ります。
ふたつの話が合体したような、こんなおはなしがあるんですね。
原話探しはたいへんだけど、お宝発掘に似ています。
原話では、牛のふんにだけ、〝どの〟がついていて、〝牛のふんどの〟になっているんです。
テキスト検討では、他と統一して〝牛のふん〟にしましたが、原話の語り手さんはきっと、牛のふんにだけ〝どの〟をつけることによって笑いを取ってたんだろうな、とヤンさんが言われました。
はあ~~、なるほど、言われてみれば納得です。
そこまで読み取るなんてさすがです!
自分もたくさん原話を読み込んで、語り手さんの息吹というか、語られたときの雰囲気を読み取りたいもんだと思いました。
原話の中には、語りのテキストにはない躍動感が残っているんですね。
「ぼた餅と豆腐の伊勢参り」『日本昔話通観第14巻京都』同朋舎
これは、わたしの知る伊勢参りシリーズのなかで、最短で「ぷっ」と笑わせてくれる、さらっと上質の一話のように思います。
ぼた餅と豆腐が伊勢参りをする道中の話ですが、形体の違いから進み方が違うから差が出るという、こんなまとめ方をしたら何にも面白くないんですが、それがとっても面白い話なんですよ。
擬態語と擬音語が何ともいえず効いています。
聞いたことのあるもの・聞いたことのないもの、両方入っているんですが、様子をよく言い表していて笑えます。
擬態語・擬音語があると、語るときに工夫というか、気持ちが入るというか、何か素通りできないわたしですが、この話ではむしろ何も考えていませんという風に、そのまま語るのがほんとにはまって面白いと思いました。
次回、語っていただくのが楽しみです。

原話を探すのは、とにかく原話を読むことが必要で、時間に追われている身では読みだす一歩がなかなかなんですよね。
そして、読みだしたら時間がかかります。
夢中になってしまって、途中で止められませんからね。
原話の世界に入ったら、洗濯とかご飯の用意とかがどんどんできなくなりますから(笑)
でも、原話本一冊とか、話型を調べて類話を集めてみるとか、やっぱりやらなくちゃ再話はできないわけですから、お宝発掘に精を出そうと改めて思いました。
今回、見学のかたがおられまして、うれしいことに入会を決定されました。
みんなで再話、楽しく頑張りましょう!!

9月度 初級クラス

ババ様方が次々と勉強会を報告をされている中、遅れてすみません。7月度に洗濯機が潰れた我が家ですが、パソコンもダメになってしまい(><)、新に購入しました。そろそろヤバイかもと思っていたので、バックアップはしていましたが、、、壊れ年の1年です(泣)

さて、夏休みが終わり、初級クラスも2学期が始まりました~まずは手遊びから。

「子どもと子どもがけんかして♪ 薬屋さんが止めたけど♪ なかなかなかなか止まらない♪ 人たちゃ笑う♪ 親たちゃ怒る♪ プンプンプン♬」

①はらぺこピエトリン  『子どもに語るイタリアの昔話』/こぐま社

「間」が命のおはなしです。テキストが求める間と語り手が仕掛ける間がありますが、このおはなしは後者、聞き手が求める間が必要であり、子どもに語ってしか取れません。何度も語って、育つおはなしです。本番で最適な間をとるためには、テキストが寝ても言えるぐらい、しっかりと覚えたうえで、子どもたちの表情や気持ちを見極めなければいけません。

これは私が語ったのですが、以前から覚えたいと思っていたおはなしの一つで、ようやくチャレンジしました。覚えているときも楽しく、バッボルコの迫りくる恐怖、特にドアを開けた瞬間にバッボルコの大きな口があり、ピエトリンが飛び込んでしまう場面がお気に入りです。語り手がおはなしを楽しみ、イメージすることは重要ですが、子ども自身が自分のイメージで楽しむこと大切なのです。そのためには語り手は一歩引いて、冷静に語らなければいけませんが、私は興奮気味に早口で語ってしまいました。

②おおかみと七ひきの子やぎ  『語るためのグリム童話1』/小峰書店

以前、こぐま社のテキストで覚えて発表されたのですが、テキストを見直され、今回再発表されました。

おおかみが子やぎ達の家にやってくる3回の繰り返しは、言葉を変えて言っているので、声を変えて演じる必要はありません。また、子やぎ達が隠れる場面は、聞き手がしっかりイメージできるようにしましょう。おおかみが迫ってくる中、必死に場所を探して隠れるのですから、淡々と語らないようにとのアドバイスでした。

細かな点では、テキストでは「ところがおおかみは子やぎたちをみんな見つけだし、次つぎに飲みこんでしまいました」となっていますが、七匹目の子やぎは食べられていませんので、みんなという言葉を削除したほうがいいでしょう。

また、「お母さんやぎははさみでおなかを切りひらきました」の文で、はさみが抜けてしまったのですが、子やぎが家に取りに帰っており、抜けてはいけない単語ですので、気を付けましょう。

③ホットケーキ  『おはなしのろうそく18』/東京子ども図書館

間の取り方が分からないので、ゆっくり丁寧に語ることを意識されたそうです。このおはなしも間が重要であり、何度も子ども達の前で語ってみましょう。

④ブレーメンの音楽隊  『村上郁 再話』

日曜のがらがらどんで一度発表され、その時に年老いた動物達を元気よく語りすぎたと思い、今回は年寄りを意識されました。このおはなしは年老いた動物達がブレーメンで一旗揚げようと奮起しますね。年老いた動物達が主人公でも、このおはなしはお年寄り向けでなく、子どもが聞いて喜ぶおはなしですので、元気よく語ればいいでしょう。

⑤三枚のお札  『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/語りの森

練習不足が原因か、後半は接続語の後の「、」で間ができてしまっていました。終わりの1/3は特に盛り上がる場面で、次はどうなる?と子ども達は気になるので、特に気を付けましょう。

⑥クルミわりのケイト  『おはなしのろうそく10』/東京子ども図書館

久々のSさんの語りでした。このおはなしを選んだ理由が、長いおはなしにチャレンジしたかったのもあるし、登場人物の名前「アン」と「ケイト」が覚えやすかったからだそうです。おはなしを選ぶ理由は人それぞれですね~

最後の場面は「病気の王子」ではなく、「病気だった王子」でなければいけません。間違えてしまっても問題のない言葉もありますが、最後は王子の病気は治っていなければいけませんので、言い間違えないようにしましょう。

⑦トーレ・ッペの幽霊  『語りの森昔話集3』/語りの森

かさかさにひからびてミイラになった幽霊、トーレ・エッペを上手く演じながら、語られていました。高学年のおまけのおはなしとしていいそうです。

ヤンさんの語り  ものをいう卵  『語りの森HP』

ヤンさんもブログで報告されていますが、先日年長さんに語られたそうです。幼稚園の担任の先生が「集中して聞いていた」とコメントするぐらい、子ども達はおはなしの世界に入っていたそうです。

このおはなしは、HPの外国の昔話に掲載されています。母親は悪いローズばかりを可愛がり、ブランシにはつらい仕事をさせます。ブランシが井戸へ水汲みに行ったとき、一人のおばあさんに会い、おばあさんの言う通りにしたブランシは最後にダイヤモンドや馬車などを手に入れ、母親を喜ばせます。母親はローズにも行かせますが、おばあさんの言うことを聞かず、蛇やかえるなどを手に入れ、母親に家の中に入れてもらえなかった、というおはなしです。

親は兄弟、姉妹平等に接しようと心がけていると思いますが、子ども自身はどこかしら「お兄ちゃん、お姉ちゃん(弟、妹)ばかり可愛がっている」という思いがあるものでしょうか。子どもが親から認められたいと思っている年齢(小学校低学年ぐらいまで)にぴったりのおはなしと説明がありました。

「ノート式~」の勉強をする時間はありませんでした(残念)

次回初級クラスは10月8日(火)です。『ノート式~』の「おはなしの覚え方」(P23)を読んできてください。