「勉強会」カテゴリーアーカイブ

おはなし入門講座🌸

今年もおはなし入門講座が始まりました。
「わお~、なつかしいなあ」って思ってくださっているあなた💖
あなたにもそんな初心なときがあったのですよ😊

ことしもやはり「えっ❣ 覚えるんですか❓」というかたが数人いらっしゃいました(笑)
え? あなたもそうだったって?
で、だまされてここまで来てしまったって?
でも、たのしいでしょ。それでいいのだ。終わり良ければ総て良し。

なぜ十年も二十年も入門講座を続けているかっていうとね。
もとよりわがサークルのメンバーを増やすためではありません。だって、がらがらどんはメンバーは4人までって決めてるからね。(そう、うちはめっちゃ弱小なのだ)
語る人を増やすため、いや、お話を聞かせてもらえる子どもを増やすためです。
いろいろな考えの語り手はいるけれど、ヤンは、「自分のためではなく、子どもに語りたいって思う語り手」を増やしたいの。
わたしたちの未来のために。
相手は、わが子、わが孫、近所の子ども、図書館に来る子、地域の小学校の子ども・・・

言い古された言葉だけれど、おはなしに上手下手はありません。
あるのは、愛だけ💖
それと、うまく伝えるための技術がある。
ババ・ヤガーはその精神と技術を学ぶところ。

今年はメンバー14名で始まりました。
赤ちゃん連れのお母さんからおばあちゃん世代まで、いつも幅が広いのが楽しいです。
12月の発表まで、頑張ってついてきてくださいね。
今は自信がなくても大丈夫。誰でも最初は初めてです(笑)

再話勉強会📖

ババ・ヤガーの再話勉強会は、4カ月に一度あります。
メンバーが、再話したい昔話資料を持ち寄り、みんなで再話します。
前もってお家で予習してくることになっています。しっかりやってくる人、電車の中でやって来る人、出たとこ勝負の人、いろいろですが、勉強会では、みな集中します。
集中しすぎて、ぼ~っとなるので、ヤンはちょっとほかのことを考えたりします(笑)

語り
「はらぺこきつね」『世界の民話3北欧』櫛田照男訳/ぎょうせい より再話
「金の斧」『山城和束の昔話』京都府立総合資料館 より再話
前回仕上げた再話を語って聞いて確認しました。
机の上ではOKでも、語ってみると語りにくかったり、聞いてみると分かりづらかったりするものです。今回も、それぞれ2~3カ所変更しました。
どちらも短いけれどよくできた話で、みなで「語りたいねえ」といい合いました。

検討
「三羽のチョウ」『出雲の昔話』立石憲利他編著/日本放送出版協会
「なんでもないもの」『フィンランドの昔話』高橋静男他訳/岩崎美術社

「三羽のチョウ」は色彩もきれいで三回のくりかえしも軽やかです。それをいかに生かすかが腕の見せ所(笑)
短い話なので、どうしても言葉を入れたくなるのですね。説明しないで感じさせる・考えさせる再話をめざしたいです。
この話は「兄弟仲良く」を解いていますが、兄弟に限らず「人間同士仲良く」がテーマの類話があります。再話するとき、語りついだ人の思いに敬意を表して、テーマは変えてはいけません。

「なんでもないもの」は、北欧らしい話です。
長い話なので一度の検討では終わらず、きょうは前回の続きをやりました。
原話には、矛盾点がいくつもあって、何とか回避しながらやって来ましたが、いよいよ大団円になって、矛盾をどうすることもできなくなりました(笑)
もういちど次回に持ち越しです。
この話は『かぎのない箱』ボウマン・ビアンコ文・瀬田貞二訳/岩波書店所収の「どこでもないなんでもない」とほとんど同じです。読み比べてみましたが、「なんでもないもの」にあるような矛盾はなく、本当に楽しめました。ただ、読み物になっているので、このまま語ると聞きづらいです。

10時から15時まで、みなさまお疲れさまでした。
でも楽しかったね~といってお開きになりました💖

9月研究クラス 🌰

暑い暑い夏を乗り越えて、地震と台風を乗り越えて、やっと学びの季節がやって来ました。
残暑のなか、研究クラスの熱い発表がありましたよ~

レポートと語り
「きんぷくりんとかんぷくりん」
「きんぷくりんとかんぷくりん」は、和歌山に伝わっている話を、発表者のグループが、かつて再話した話です。
キンプクリン、カンプクリン、という音に興味があって調べ始めたとのことです。
話型名は「いかとするめ」
類話を比較しようと、日本昔話通観、日本昔話集成、日本昔話大成から、資料を集められるだけ集めてきて詳細に比較してくださいました。全部で27話です。その一覧表のすごいこと。めっちゃ面白いのです。
「キンキン、カンカラカンノカン」「ジョジョラノジョン、ガガラノガン」「ヌラクラ、ヒッカラカン」・・・。
笑い話に属する、とんち話です。だから、大分では主人公は「吉四六さん」になっています。
落語にもあるということで、当日ユーチューブで聴かせてもらいました。落語の題は「テレスコ」です。「テレスコ、ステレンキョウ」
かぶちゃん、落語家、だれやったっけ?おもしろかったね~
さらに、各話を日本地図に落として、分布図を作ってくださっていました。
うひょ~~
この話は東北と西日本に分布していて、なぜか関東地方と近畿地方にはありません。
なんでないのやろか?
落語のせいやろか、と思いましたが、鎌倉時代の文献『沙石集』にもあるとのこと。ずっと古いんですね。

語り
「なまくらトック」
ずいぶん慣れて楽しく語られているなあと思いました。
この話は演じないと面白くない話です。でも、だからといって、登場人物の気持ちになりきると、リアルになって面白くありません。かご(ヤシの木、葉っぱ)とトックの対照的なキャラクターをばちっと決めてしまって、やりとりを楽しみます。
かごはどこまでも朗らか元気に。トックはどんどん怠け者になっていく。で、ふたりの落差が激しくなって、最後の嫌なものをつめて帰ってくるところがピークね。うまくやれば子どもたちは飛びあがって叫びますよ(笑)
「銀貨」
これも、ずいぶん慣れて、ああ自分のものにされているなあと思いました。
最後の所は、ふっと涙が出たよ。
だれだって、偽物扱いされたり役立たずっていわれたりするでしょ。そんなことない?ヤンはあるよ😿

比較研究
「呪的逃走」のモティーフ
ケルトの昔話「鳥たちの戦争」「スモール・ヘッド」を読みました。呪的逃走を探すのも比較するのもおもしろいけれど、読むだけでも面白い。語りたいなあと思うけれど、長すぎる~
一覧表を秘密基地で更新しているので見てくださいね。

はい、きょうは、パソコンの調子の悪いかぶちゃんに代わって、ヤンが報告しました~
補足をよろしく~💖

9月度 初級クラス☂

朝夕はようやく涼しくなってきましたね。寝るときのタオルケットを布団に変えたいのですが、なかなか布団が干せません…子ども達は運動会に向けて毎日練習、外で思い切り練習できるよう、早くすっきりとした秋晴れになって欲しいです。

さて、先日2か月ぶりに初級クラスがありました。今回も7話の発表がありましたので、報告させて頂きます。

①「さんしょううお女房」  『日本の昔話2』/福音館書店

大山の麓に住んでいるさんしょううおの母娘を助けた若者への恩返しに、娘が人間の姿になり、若者のお嫁さんになります。 ある日、庄屋の奥さんが重い病になり、さんしょううおの生き血を飲ませれば治ることを知ります。娘は母に逃げるよう伝えに行きます。けれども母は「逃げないので、生き血を全部とらず、頭と体の半分を残してほしい」と言います。若者はこのことを庄屋に伝え、無事奥さんの病は治り、母の体も元通りになった、というおはなしです。さんしょううおはトカゲの仲間で、半分切っても再生するのですね。

小さい子どもは「お嫁さんになる」が分かりづらいので、「結婚する」に変えるのはどうかと質問がありましたが、日本の昔話には合いません。このおはなしは高学年向きであり、言葉の意味も理解できるとのことです。

②「マカトのたから貝」  『子どもに語るアジアの昔話2』/こぐま社

「はるか東北の方角にある山を指さしていいました」と出てきますが、方角を言う場合は東北ではなく、北東という言い方が正しいと指摘がありました。

また、「小さなたから貝が一枚落ちていました」の文で重要なのはたからですが、小さなと一枚を強調して語ってしまいました。どの言葉に重きを置くか、常に意識して語りたいです。

③「ヤギとコオロギ」  『子どもに語るイタリアの昔話』/こぐま社

演じる必要はありませんが、ヤギ・ロバ・犬・コオロギのイメージをしっかり持ち、自分が楽しみながら3回の繰り返しを語りましょう。

「串刺しにしてやるぞ」とありますが、滑舌が悪く言いにくいそうです。そんな方は・・・早口言葉の練習をしましょう!1日1回、口をしっかり開けて言うことが大切です。

④「きつねの玉のとりあい」  『日本の昔話1』/福音館書店

めすの古ぎつね、おさんとおじいさんの化かしあいが面白いおはなしです。おさんぎつねはおじいさんが持っている油揚げが食べたいために女に化け、子どもがお腹を空かしているとうそを言って、「化けの玉」と交換してもらいます。

そして、仲間のきつねに殿さまに化けてもらい、おじいさんから玉を取り返してもらいます。

次はおじいさんが神主さんに化け、おさんから玉を取り返し、最後はおさんが仏壇の仏さまに化け、取り返そうとしますが失敗します。

きつねは悪いというイメージをしっかり持って語りましょう。また、化けたときは「絶対に玉を取り返すぞ」という強い気持ちで、また化けたことが分かるように語りましょう、とのアドバイスでした。

⑤「めんどりちゃん」  『語りの森HP』/村上郁 再話

「ホットケーキ」などと同じ 累積譚(登場人物や動物エピソードがつぎつぎと鎖のようにつながって続いていく形式の話)です。繰り返しの部分は歌のようにリズム良く、早口で言えるようにしましょう。

⑥「エパミナンダス」  『おはなしのろうそく1』/東京子ども図書館

私が今まで聞いたエパミナンダスのお母さんは「ほんわか」した言い方が多かったのですが、今回語ってくださったKさんは全てではありませんが、少し怖い(きつい)イメージでした。この語り方なら6年生でも楽しめるのでは、とヤンさんのコメントでした。

⑦「ねずみ浄土」  『子どもに語る 日本の昔話3』/こぐま社

前半をしっかり語り、後半の欲深じいさんが「にゃーご」と猫の鳴きまねをするまでは、聞いている子ども達も次がどうなるか想像できるので、少し力を抜いて語ればいいそうです。

次回、10月9日(火)は中央公民館になりますので、くれぐれもお間違えのないように~(^^)

ごめん、さっきのつづき

児童文学を読む会の補足情報の補足です。
「青ひげ」だけじゃなくて、いろいろ見られるのです。
ウォルター・クレインの他の作品、また、次回に読むケイト・グリーナウェイ、ランドルフ・コールデコットの作品もあるので、見てきてください。これも宿題ね。

ここから→ヴィクトリア朝の子どもの本

おもしろいでしょ~