「日常語の語り」カテゴリーアーカイブ

9月のプライベートレッスン

今日は、とっても涼しく感じる日で「秋になったな~」と思います。
というか、今年の夏が暑すぎたのでやっと涼しくなったというべきなのかも。
9月のプライベートレッスンの報告です。

1日目
「アリョーヌシカとイワーヌシカ」『魔法の馬』岩波書店
先月、「りくでも海でもはしる船」を読み物としての文章を聞いて分かりやすい文章にするために少し手を入れるという作業をされましたが、今月は別の方がこの勉強に臨まれました。
わたしは惜しくも参加できませんでしたので、ご本人から頂いた感想を乗せさせていただきますね。
”自分なりに考えた案を事前にヤンさんに送って、当日そちらを読み上げて、再度考えて手を入れました。おはなし選びは、ほとんど語りの森のテキストからしていたので、できるだろうか?と不安に思いながら向き合いました。疑問を持つ、違和感に気づく、語法が活きているか、耳から聞いてわかるかなど。ヤンさんには経験に基づくアドバイスをたくさんいただきました。特に学んだ事は「テキストをそのまま活かすところ」です。変えない方がいい所、変えてはいけない所があります。その言葉が表現する雰囲気、人物の行動や会話文による場面の色。それを変えてしまったり、取ってしまうと、その雰囲気や色合いが「なくなる」わけです。それはストーリー全体の奥行きにも関わります。これが分かるようになるには、読んだり、聞いたり、文学的なものに触れていくことが大事ですかね。いつもと違う楽しさがありました。ありがとうございました。”

2日目
「北林家の狸」『ナーミンのためのならのみんわ』
共通語のテキストを日常語になおす作業をされました。
もうだいぶと慣れられて、すいすいと自分の言葉になおされているように思いました。
熱心に途切れることなくプライベートレッスンを続けられているのを拝見しているのでまさに「継続は力なり」を体現されています。
この話は笑い話ではありませんが、参加者さんが今興味を持たれている笑い話の語り方についての話が出ました。
そこでヤンさんが言われた言葉が心に残りました。
語りはその都度その都度、語りの現場で成立するかどうかを考えたほうがいいのではないか。
何度も語ると慣れてくるし語り方も成熟してくるけれども、語りの現場はその日の聞き手とどんな関係を作れるか、やってみないと分からないところがある。
ストーリーを聞かせる話は聞き手もついてきてくれるのでいいけれど、笑い話はどこで受けるかわからない、予測がつかない。
自分の考える間と、子どもたちの間は合致しなことのほうが多い。
そして、子どもたちと語り手の人間関係ができていたら、笑ってくれやすい。
笑い話はその意味で高度である。
ほんとにそうですね。
〝高度〟とおっしゃたときに、身が縮む思いと引き締まる思いがしました。
自分では、笑い話の間はある程度分かっているつもりでしたが、大人の間と子どもの間が合うとは限らないということを考えていませんでした。
わたしは幼稚園のころから毎日のようにテレビで漫才を見ていたので(関西人あるある)、大人とこどもの間が違うなんて考えもしませんでした。
新しい発見!
ありがとうございました(‘◇’)

9月の日常語クラス

朝晩は、少し過ごしやすくなってきましたが、みなさんのところではどうでしょうか?
とはいえ、日中はやはり暑いです!
そんなことにはめげずに、日常語クラスの勉強会が行われました(‘◇’)

この日は、たまたまなんですが語りのエントリーばかりでして、予期せず楽しい語りの会のようになりました!
「さるかにがっせん」『語りの森昔話集4』語りの森
「危機一髪」『語りの森昔話集5』語りの森
「かちかち山『語りの森昔話集4』語りの森
「舌切りすずめ」『日本の昔話2』福音館書店
「あちちぷうぷう」『語りの森昔話集4』語りの森
「ゆうれいのおんがえし」『子どもと家庭のための奈良の民話一』京阪奈情報教育出版
ヤンさんの語り 「母のめだま」『子どもと昔話18号』古今社

自分はエントリーしていなくて聞くだけなので申し訳ないですが、ほんとに楽しい〝おはなし会〟でした!
たっぷり聞かせていただきました(^O^)
お勉強の時間の中でわたしが特に共鳴したのは、〝行くが行くが行くと〟について、笑い話の語りの難しさ、そしてどんな姿をもつ話でも子どもを傷つけないように語れる語り手の技量を身に着けたい、の三点でした。
他にもいろいろ課題やアドヴァイスはありましたし、どれもいい学びをいただきました。

ここでお知らせなんですが、日常語クラスは今回でおしまいになります。
開催側の事情がありまして、残念ながら今までと同じように続けることを断念いたしました。
今後は、メンバーがそれぞれの経験に基づいて初級クラスと中級クラスにわかれ、そこで日常語の語りを勉強していただくことになりました。
引き続きこれからも頑張ってくださいね。
ヤンさん、今後ともどうぞよろしくお願いします(^O^)/

8月のプライベートレッスン

こんなに暑いのに、もうすぐ2学期が始まりますね。
もちろん、学校はクーラー完備でしょうが行き帰りはまだまだ酷暑じゃないかと心配な気がします。
そんな暑さでもオンラインで行うプライベートレッスンは自宅から動かなくていいので楽ちん(笑)
今月は3話の参加がありました。

1日目
語り
「ひなどりとねこ」『子どもに聞かせる世界の民話』実業之日本社
語り手さんが、もうね、”お母さ~ん”と叫びたくなるような雰囲気のあるかたなもんでこの話にぴったりあっててとってもほんわかした気持ちで聞かせていただきました。
わたし自身もお母さんではあるんですが、わたしは”オカン”とか”かあちゃん”という感じかな、ちょっと違うのでこの語り手さんの味は出ない(笑)
それぞれ語り手の違いを楽しむとともに、自分のマイナス個性を自覚してもあらがわず受け入れるということを再確認しました。
2日目
日常語の語り
「命のろうそく」語りの森HP → こちら
今回の学びは、自分の日常語に忠実に語ろうと思うと、たまたまそれがとても難しい語り方を習得しなくてはいけなくて、もうそれはプロの域に達しないといけないレベルとなるので、聞き手が確実にわかるテキストに何か所か修正するというものでした。
毎月着実にレッスンを受けられていて、力をつけていかれているのがよくわかり、すごいなと思います。
語りの力は、少しずつしか前に進めないとはいえ、毎月続けられているのでこれはもう爆進なんじゃないかな!
「りくでも海でもはしる船」『かぎのない箱』J.C.ボウマン文、M.ビアンコ文、瀬田貞二訳/岩波書店
6月のプライベートレッスンで、読み物としての文章を聞いて分かりやすい文章にするために少し手を入れるという作業をされた、その2回目です。
長い話ですから大変だったと思うんですが、今回「これで覚えてみましょう!」となりました。
覚えているときや語った時に修正したほうがいい箇所がまた出てくると思うので、そのときに修正をするという次の段階に進まれました。
勉強会で、また聞かせていただきたいと思います(^_-)-☆

今回も楽しい勉強会でした!
来月も楽しみです~~

7月のプライベートレッスン

スイカの季節になりましたね。
子どもの頃はよくスイカを食べましたが、大人になると食べなくなりました。
なぜかと考えると…。
持って帰るのが重い、冷蔵庫に入れにくい、(カットしてあって)すぐに食べないといけないから(笑)
我ながら、なんて怠惰な思考かとあきれますが。

今月のプライベートレッスンの報告です(^O^)
1日目
テキストを日常語になおす
「命のろうそく」語りの森HP → こちら
”関西弁で語るとき、だらだらした印象になる場合があるので、そのようなときは場面転換の時に気分を変える。
具体的には、接続詞を入れないで、語り方でそれを分かるように語る。”
この指摘が大変参考になりました。
ほんとにそうだと思いました。
やっぱり関西弁って、だらだらしているように聞こえるんですね。
それが続くと聞いていて眠くなるかもしれません。
おはなしにメリハリをつけるためにも、場面転換の時に気分を変えたら聞き手も聞きやすいですね。
2日目
語り
「鳥になりたかったこぐまの話」『雌牛のブーコラ愛蔵版おはなしのろうそく12』東京子ども図書館
鳥になりたいと思ったこぐまがうまくいかなくて、でも最後に同じくまの友達ができるというかわいい創作の話です。
鳥になりたい、空を飛びたい、ヒーローになりたい、子どもの頃っていうのはいろいろなものにあこがれて、それになり切ったりします。
聞き手はそのような気持ちに共感してくれるんでしょうね。
実現はしないことばかりですけども、最後にはお友達ができて、うれしい終わり方です。
創作は難しいということを実感するとともに、いい話は難しくてもチャレンジしたいという語り手さんの思いを感じました。

うちの極小の庭にもセミがいてびっくりしました。
こんな間近で鳴かれたらうるさくてかないませんがな。
と、セミには申し訳ないけどもそう思ってしまいました。
まだまだ暑いですが、何とか乗り切りましょうね(^O^)/

7月の日常語クラス

今日は、海の日で、かつ祇園祭ですね。
天気予報は、猛暑でできるだけ外には出ないようにとありました。
祭り見物の方たち、大丈夫かな?

今月の日常語クラスの報告です(^O^)
語り
「わらしべ長者」『語りの森昔話集5』語りの森
テキストを日常語にする
「危機一髪」『語りの森昔話集5』語りの森
「ゆうれいのおんがえし」『子どもと家庭のための奈良の民話一』京阪奈情報教育出版
「舌切りすずめ」『日本の昔話2』福音館書店
「さるかにがっせん」『語りの森昔話集4』語りの森
ヤンさんの語り 「かも取り権兵衛」『日本の昔話2』福音館書店

この日も、数々の学びがある中で、わたしが心に残ったのは、「行くが行くが行くと」問題…。
『日本の昔話』シリーズにはこの表現が原話の通り残されています。
わたしが初めて本で読んだときは、正直「なんやこれ?!」と思いました(笑)
どう言ったらいいかわからないし、意味もよくわかりませんでした。
すぐに、遠い道のりをず~っと歩いていくという意味だと分かりましたけれども、「それならそう書けばいいんではないの?」と思っていました。
その後、原話の語り手さんの音声やビデオを見て、「おおお~~、そういうことか!」と納得しました。
原話の語り手さんが語られる「行くが行くが行くと」は文字で書いてあるのとは全く違って、何とも言えずいい味でなおかつ、その時の場面と主人公の気持ちがよくイメージできて、話が心にすーっと入ってきました。
ここだけ原話のままに残して再話したいと思われた気持ちがわかりました。
そして自分も、原話の語り手さんのように「行くがー行くがー、行くと」と語りたくなりました(笑)
この日の勉強会では、ここだけが浮いてしまうことがあることから、ヤンさんの再話では共通語の表現にしているということが出ました。
たしかに耳に快い言葉ではありますが、浮いてしまっては聞き手の集中が散ってしまいます。
それにも納得したわけです。
原話の語り手さんはそこだけ浮くことは絶対ないわけですからね。
ここは、わたしの「行くがー行くがー、行くと」を語りたいという欲求を封印すべきか、でもこの表現すきだなぁ、と押さえられない自分を感じたのでした(笑)
課題ですかね、もうちょっと時間をかけて消化します。
次回は、9月8日!
今度は語りの会になりそうです(^O^)/