「日常語の語り」カテゴリーアーカイブ

7月の日常語クラス

今日は、海の日で、かつ祇園祭ですね。
天気予報は、猛暑でできるだけ外には出ないようにとありました。
祭り見物の方たち、大丈夫かな?

今月の日常語クラスの報告です(^O^)
語り
「わらしべ長者」『語りの森昔話集5』語りの森
テキストを日常語にする
「危機一髪」『語りの森昔話集5』語りの森
「ゆうれいのおんがえし」『子どもと家庭のための奈良の民話一』京阪奈情報教育出版
「舌切りすずめ」『日本の昔話2』福音館書店
「さるかにがっせん」『語りの森昔話集4』語りの森
ヤンさんの語り 「かも取り権兵衛」『日本の昔話2』福音館書店

この日も、数々の学びがある中で、わたしが心に残ったのは、「行くが行くが行くと」問題…。
『日本の昔話』シリーズにはこの表現が原話の通り残されています。
わたしが初めて本で読んだときは、正直「なんやこれ?!」と思いました(笑)
どう言ったらいいかわからないし、意味もよくわかりませんでした。
すぐに、遠い道のりをず~っと歩いていくという意味だと分かりましたけれども、「それならそう書けばいいんではないの?」と思っていました。
その後、原話の語り手さんの音声やビデオを見て、「おおお~~、そういうことか!」と納得しました。
原話の語り手さんが語られる「行くが行くが行くと」は文字で書いてあるのとは全く違って、何とも言えずいい味でなおかつ、その時の場面と主人公の気持ちがよくイメージできて、話が心にすーっと入ってきました。
ここだけ原話のままに残して再話したいと思われた気持ちがわかりました。
そして自分も、原話の語り手さんのように「行くがー行くがー、行くと」と語りたくなりました(笑)
この日の勉強会では、ここだけが浮いてしまうことがあることから、ヤンさんの再話では共通語の表現にしているということが出ました。
たしかに耳に快い言葉ではありますが、浮いてしまっては聞き手の集中が散ってしまいます。
それにも納得したわけです。
原話の語り手さんはそこだけ浮くことは絶対ないわけですからね。
ここは、わたしの「行くがー行くがー、行くと」を語りたいという欲求を封印すべきか、でもこの表現すきだなぁ、と押さえられない自分を感じたのでした(笑)
課題ですかね、もうちょっと時間をかけて消化します。
次回は、9月8日!
今度は語りの会になりそうです(^O^)/

6月のプライベートレッスン

雨が降らない曇りの日、蒸し暑いです~~
湿度が高いと何もかもがうまくいかなそうな気になってしまうワタクシ。
わたしだけですか?
そうですよね、どうもすいません<m(__)m>

6月のプライベートレッスンは2話でした。
1話目
「りくでも海でもはしる船」『かぎのない箱』J.C.ボウマン文、M.ビアンコ文、瀬田貞二訳/岩波書店
これは、原話ではなくてすでに再話してある話で、なおかつ翻訳の時点でも瀬田貞二さんの文章となって完成しているものです。
ですから、これを今回どうするかといいますと、読み物としての文章を、語るために耳で聞いて分かりにくいところに少~し手を入れるという作業を勉強されました。
ですが、初級クラスでは絶対この作業はしません。
ヤンさんは、経験をある程度積まないとテキストに手を入れるということを禁じているので、中級クラスになるとその勉強ができます。
それくらい、テキストに手を入れるということを慎重に考えているということなんですね。
テキストに手を入れるときにその根拠となる語法の知識も必要ですし、安易にできないです。
だから、テキスト選びが重要なんだとつくづく感じます。

2話目
テキストを日常語になおす
「おならじいさん」『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』
回数を重ねてこられて、ほぼ完成形でテキストを持ってこられたので、すごく早く、すんなりオッケーが出ました~✌(‘ω’✌ )三✌(‘ω’)✌三( ✌’ω’)✌
すご~い!
へこきじいの話って、聞くのはすごく面白いんですけど、自分で語るのはハードルが高くて…。
「かきねの戸」を語った時、自分もこれが語れるようになったかとうれしかったんですが、へこきじいのことは考えていなくて今回「おならじいさん」を出してこられるのを知って、まだ超えられていない山がここにもあったかと気づきました(笑)
面白い話は日常語になおすともっと面白くなりますから、この話も語り手さんの日常語になおしてみるとテキストが生き生きしてくるというか、頭の中に語り手さんがすでに語っておられる声が浮かんできました。
そして、早く聞かせてもらいたいな~と思いました。
やっぱり聞くのはいいですよね~
自分のチャレンジはやっぱりもうちょっと後に伸ばしておきます(笑)

今年は梅雨入りが早かったから、早く開けるのかな?
少しでも日が差してくるとすぐに30度を超える暑さΣ(・□・;)
体調管理に気を付けて、みんな元気に頑張りましょう(^O^)/

5月のプライベートレッスン

まだ5月なのに今年はもう梅雨入りしたそうで、そういえば今週はまだ一度も洗濯物を外に干していない…。
そしてちょっと前より気温が低くなってて、ちょっと肌寒いので半袖か長袖か迷うという、うっとうしさ。
愚痴っていても仕方ない(笑)
今月のプライベートレッスンは3話でした。

語り(日常語)
「ぶんぶくちゃがま」語りの森HP → こちら
語り
「三枚の鳥の羽」『語るためのグリム童話4』小峰書店
語り(日常語)
「きつねの恩返し」『日本の昔話3』福音館書店

今月は語りが3話。
1話目の「ぶんぶくちゃがま」は、残念ながら参加できずに聞けなかったのですが、語りの森HPの「ぶんぶくちゃがま」のページをみると、こちらの話は2つある型の2番目ですね。
そして、3話目の「きつねの恩返し」が1番目の型で、期せずして両方のぶんぶくちゃがまが上がったということで、1話目が聞けなかったことがなんとも残念でありました。
2話目と3話目の語りを聞いていて、わたしの頭に残っているほかの方の同じ話の語りも思いだされてきました。
それは、「ほかの人は、こんな感じだったなあ~」というぼんやりした記憶だったり、目の前の語りの中でわたしのツボに入った好きな箇所との比較だったりするのですが、どの人の語りもいいなあと思いました。
同じテキストなのに語り手さんが変わると違ったふうに感じるというのはどなたも経験があると思います。
今回もそうなのですが、特に「みんな違ってみんないい!」と思いました。
細かいところは違う語り方なのに、それぞれにいいなと思うのはなんでかなと考えますと、今のところ思いついたのは語り手の伝えたいという気持ちかなと思いました。
日頃漠然と、語り手さんの語りたい気持ち伝えたい気持ちは、別物ではないかなと思っています。
まったく一個人の私的な考えなのですが、違うような気がしています。
わたしも話を選ぶときはもちろん好きな話を語りたいと思って決めるわけです。
だからこの時点では語りたいなんですけど、覚える時点からは伝えたいに変わるんです。
どうやったら伝わるかなと思って、テキストを修正したり、語りの練習をしたりしていると思います。
話の背景を調べるときも、話のメッセージを知ったらそれを伝えたくなります。
その間に、話を読み込んでメッセージをある程度つかんでいるから聞き手に伝わるのかなと今回語りを聞いていて思いました。
語りたいというのはテキストを覚えればできるけれども、伝えたいというのは話を理解しないとできない、という違いなのかな、とかそんなことを感じました。
だから、それぞれの語り手さんの語りに、テキストが同じでもそれぞれの良さがにじみ出てくるのかなと思いました(^^)
で、ひとつ前のヤンさんのブログで、「耳をきたえる」っていうのが出て、そのなかに「伝わるように話す」ということばがあったので、やっぱり伝えるっていうことが大事なんやと再確認したのでした~

5月の日常語クラス

こんにちは。
5月の日常語クラスはつい5日前だったんですけど、そのころはまだ朝晩は寒いなと思っていたのに今日はなんと、最高予想気温が30度だそうです。
急に暑くなって、気持ちや着る物がついていきません~~(;’∀’)

語り
「鳥のみじさ」『日本の昔話3』福音館書店
「めしを食わないよめさん」『語りの森昔話集1』語りの森
「もぐらのお嫁さん」『語りの森昔話集4』語りの森
「手なし娘』『日本の昔話2』福音館書店
ヤンさんの語り「からすとたにし」語りの森HP → こちら
テキストを日常語になおす
「かちかち山」『語りの森昔話集4』語りの森

この日、ヤンさんが敬語の使い方について面白い資料を持ってきてくださいました。
『日本語の大疑問 眠れなくなるほど面白いことばの世界』(幻冬舎)の中で、敬語表現の「~~しハル」の〝ハル〟の使い方が、京都と大阪でも違うという調査結果をもとに、敬語使用ルールは地域によって違うということを説明してありました。
この「~~しハル」という言い方は、まさにわたしが生まれ育った環境で多用する言葉遣いですので、とっても身近に感じられましたし、納得しました。
わたしは、〝ハル〟が敬語だという意識はなく多用してきました。
敬語というよりも、女性と上品な男性の使う言葉だと思っており、犬と雨には使わないです。
言葉というのはものすごく近いところでも違う言葉遣いをするので不思議です。
昔は、村やごく限られた地域から一生出ることがないのが当たり前だったということでしょうか。
今はどこへでも行けるし、テレビで日本中の日本語に触れられるから、みんなが言葉のちゃんぽんなんでしょうね。
そんなことを考えながら、普段使っている自分にとって自然な言葉にテキストを直して語れることは幸せなんだなと改めて感じました。

次回は、7月14日です。どんな話がメニューに上がるのか、楽しみにしています!(^^)!

4月のプライベートレッスン

町中でハナミズキがきれいに咲いておりますね。
他の草木もたくさんきれいに咲いているのですが、うちの近くではハナミズキが多いのでよく目に入ります。
白い花やピンクの縁取りの花、大きさも微妙に大小がありますし、どれも美しいです。

今月のプライベートレッスンは、日本の昔話を日常語のテキストに直すというものでした。
「宝下駄」『語りの森昔話集5ももたろう』語りの森

一本歯の下駄が重要なアイテムとして出てきますが、参加者さんはつい最近電車で一本歯の下駄をはいている方を見たそうです。
なんという、状況の一致でしょうか(笑)
でもなんで街中で一本下駄をはいているのかと不思議でしたのでネットで検索してみたら、最近ではトレーニングのために一本下駄を使うと出てきました。
なるほどね、体幹が鍛えられるんでしょうかね?

話の中で何度も〝転ぶ〟という言葉が出てくるんですが、わたしは〝こける〟じゃないかなと思ったんです。
参加者さん・ヤンさん・わたしの三人ともに関西弁ですが、参加者さんとヤンさんが、転ぶこけるを併用していて、わたしだけがこけるの一択だというのがわかりました。
つまりわたしの日常語には転ぶはなくて、道でべちゃっと倒れるのも、転がるように倒れるのも、全部こけるなんです。
ヤンさんが大阪弁の辞書を調べてくれて、こけるだけを使用するのはより典型的な大阪(関西)の言葉だとわかりました。
育つ環境にもよるんでしょうが、結構近い地域に生まれ育ってもこんな風に突き詰める機会があると、言葉ってそれぞれ違うんだなと実感しました。
再話もそうですけど、日常語テキストに直すときも、自分の言葉の感覚を敏感にしておかないといけないですね。
いろんな発見があり、今回も楽しい時間でした(^O^)/