「日記」カテゴリーアーカイブ

すいかたろう 🍉

畑ですいかを作っている。
今はすべて収穫して、少しずつ食している。
自分で作ったものだから、夫はうまいうまいという。
ひと玉を割るのがうれしいから、息子もうまいうまいという。
しかたがないから、わたしもあまいあまいという。
でも他人様にさしあげる勇気はない。

今朝、台所に下りていくと、何かがちゅんちゅん鳴いておる。
あれ? 
まだ雨戸は閉まったままだ。
ちゅんちゅん、じゅう、じゅう
あれ?
家の中だ。

鳴いているのは、すいかだった。
中にねずみが巣を作ったか?
あやちゅうちゅうが間違ってすいかに飛びこんだのか?
いや、これは、すいかたろうに違いない。

放っておいたら、いつまでも鳴いておる。
自分で出てくる気はなさそうだ。
しかたがない、おばあさんは、すいかをまな板にのせると、包丁でそうっと切れ目を入れて中をのぞいた。

おばあさんは、むかし、こんな話を聞いたことがある。
桃を半分に切ったら、ももたろうがまっぷたつになったという話を。
こんな話も聞いたことがある。
ももたろうは、まっぷたつになりたくないので、端に寄って待っていた。
おばあさんは、ももたろうをまっぷたつにしないように、端を切った。
ももたろうは、まっぷたつになった。
こんな話もある。
おばあさんは、今度こそ、ももたろうをまっぷたつにしたくなかったので、何もしないで待っていた。
ももたろうは、くさってしまった。

だから、おばあさんは、すいかに包丁でそうっと切れ目を入れたのだ。
ふつうのすいかだった。
ただ、焼酎の香りがした。
夫「熟れすぎて、発酵したんやな」

以上、夏の早朝の夢。

立秋 ⛅

今日は立秋。
台風が近づいています。

蒸し暑い毎日、熱中症のニュースが後を絶ちません。
美しい絵を見てちょっとなごみましょう~

またまたメトロポリタン美術館の所蔵品から。

右は与謝蕪村の竹かごの中の秋の花。

下はアメリカの画家トマス・コールの初秋の風景です。

 

 

 

 

 

 

さてさて。

昨日は広島の原爆忌でした。
9日は長崎の原爆忌。
15日は敗戦の日です。
八月は、そういう月です。

おはなしおばさんとして、子どもと向きあっていると、日常的に戦争と平和について考えます。いえ、むしろ、戦争を体験していないわたしは、「いのち」について考えています。
日常的に、です。特別の日だけではありません。

子どもたちへのブックトークでよく使うのは、
『いのちのまつり ヌチヌグスージー』草場一壽作/サンマーク出版。
ぼうやが沖縄のおばあちゃんちに墓参りにいきます。ぼうやは、お墓参りって何?ご先祖さまってなに?とたずねます。仕掛け絵本なのですが、あまりにたくさんのご先祖さまに、子どもたちはびっくりします。
わたしは、「このなかのひとりでも、子ども生む前に死んでたら、ぼうやはいなかったんやね」と、ぼそっと言います。子どもたち、そう、いつも主人公になりきることのできる子どもたちは、自分がぼうやです。どきっとして、命の奇跡を感じてくれます。
「奇跡や!」と口にだす子もいます。
この本を使って、「平和」「いのち」「環境」等のテーマでブックトークをすると、どの本の説明も自分のこととして受けとめてきいてくれます。

わたしは、そこに描かれているたくさんのご先祖さまが、目の前にいる子どもたちと重なって見えるのです。

奇跡のようなこの平和な一瞬が、いつまでも続くように、この一瞬の記憶が子どもたちの支えのひとつとなるように、そう願いながら、おはなしおばさんは、今日も勉強しています。

メトロポリタン美術館 🎨

今朝の新聞で知ったんだけど。
メトロポリタン美術館が、所蔵品のうち著作権切れのものをWEB公開してるんだって。
著作権の消滅しているもの、パブリックドメインっていうんだけどね。
どうぞお使いくださいって。

たとえば、モネ。

これは、水連の池にかかる橋ね。

下のはルノワールの海岸。

下のはエジプトのファラオ。ハトシェブスト王といって紀元前15世紀の女性の王さま。

37万5千点のデジタル画像があるんだよん。
昨日書いたみたいなホンモノではないけどね、見に行けないときは、いいよね。
メトロポリタン美術館 コレクション  ←ここからどうぞ。

著作権。
えっとね、語りの森にUPしている昔話にも著作権があることになってるの。
再話はヤンに著作権がある。
そのもとになっている原話には原話の著作権者がいる。
だから再話するには、原話の著作権をお持ちのかたに、再話させていただいていいですかってお願いする。
今までお願いしたたくさんのかたがたは、みなさん快く許可してくださっています。本当にありがたいことです。
そして、そのやりとりのなかで、いろんなことを考え、感じ、励まされるの。

ただ、なかには著作権者が不明の古い資料もあるのね。八方手をつくしてもわからない、そんな時は困ってしまう。
メトロポリタン美術館みたいにパブリックドメインだったらいいのになって、思ってしまいます。
だって、子どもに語れば、紙のなかの話が息を吹き返すんだもの。
文化を未来に伝えていきたい。形ではなくって、人から人へ、心をこめて口伝えで。

おっと、メトロポリタン美術館で公開してるものは、Tシャツにプリントしたりとかもいいんだって💖

 

子どもにホンモノ体験を 👩👦

夏休みですね~

テレビの地域ニュースで、生きものの観察会を取材していて、子どもの感想。
「おもしろかった~❢」
そうそう、図鑑や教科書や映像で知っていても、ホンモノを見ると、感激なんですね。
それに、自然界には、知らないものもいっぱいあるし。
五感で受け止めて、しかも子どもは、さわったものとはすぐにお友達になってしまうんですね~

「日記に書けるし、よかった~」なんて感想言ってる子もいましたよ。
これには笑ってしまった。

夏休みの絵日記、ヤンは子どものころ苦しんだなあ。
文章書くのが下手でね。
上記「おもしろかった」しか書けない子だったの。
だから読書感想文は、出さなかった。
親と先生に、「本が嫌いになるう~」って訴えたの。

今思うに、机の前でダラダラうんうんうなってるくらいなら、外に出て、ホンモノのオーラをいっぱい浴びなくっちゃ。
せっかくの夏休みだよ~
子どもにホンモノを見せてやろう。

さてさて。
ホンモノに出会えるのは、生きもの観察会だけではない。

子連れで行ってきましたよ、国立民族学博物館。大阪府吹田市にあります。通称、みんぱく。
三人のガキたち、おもしろかったかな?
ここの展示品は、どれも、世界の各地で実際に使われていたものを、持ってきてあるの。
だから、いわゆる手あかがついているの。ホンモノ。
子どもは動物的な勘があるから、おとなには分からない何かを感じとる。
でね、たいていの展示品はさわっても叱られない。で、さわると友達になる。

こういうところに行くときは、グループで行くのがおすすめ。
で、親は親で楽しむの。子どもは子どもで、勝手に何か発見している。
マナーだけはちゃんと見守りながら、放し飼い。
で、ばあちゃんは、子どもの後ろを驚嘆しながら、ついて回るの。おもしろいよ~

さあ、つぎは、ガキどもに生の落語を聞かせてやりたい。
ばあちゃんのひそかな陰謀 💖
親御さんたち、どない?

グリム童話事典 📘

ページの雰囲気が変わったでしょ 🌛
だいじょうぶですよ、語りの森ですよ、だれも乗っ取っていませんよ~

さてさて。

ババ・ヤガーの中級講座では、再話比較や類話比較をします。
テーマを見つけることや、よりよいテキストを選ぶためです。
なんですが、その目的からはずれて、呪的逃走のモティーフを調べたり、あれこれやります。
素人ですから、研究ではありません。お遊びです。
でもね、それが楽しい~
ちょっと変な集団かも(笑)

調べるための手がかりとして、話型カタログとか、通観とか、日本昔話事典とかを基本図書にしているのですが、そのなかに『グリム童話を読む事典』高木昌史著/三交社 というとっても便利な本があります。
絶版でなかなか手に入らないのですが、なんと! なんと! その決定版が出たのです!
その名も『決定版 グリム童話事典』 高木昌史著/三弥井書店刊 2017年4月 3800円
『~読む事典』で解説されているのは、60話あまりなんですが、決定版は210話プラス初版にはあって2版以降にはない22話、つまりグリム童話のすべての話が解説されているのです。もちろん、どれも各話につけられたグリムの原注も抄訳されてるし、話型もATとATUの両方が書かれています。
世界の類話との対応表も、見やすくなっています。
グリムの家系図や、関連地図も、細かなところまで丁寧に改訂されていて、感動的です。
絵本や映像の紹介もあります。
コラムも一新されていて、「馬の首」とか「昔話における援助者」とか、ふふふ、興味あるでしょ?

図書館に置いてもらってね。それとも、家庭の医学に並べてどうぞ。