「勉強会」カテゴリーアーカイブ

再話クラスいったんの終了🦉

秋の気配はあるのですが、気温がどうしようもなく夏ですね(⊙x⊙;)

あついなか、再話勉強会がありました。

原話は岩波文庫の『スペイン民話集』から、「熊のファニート」です。
当番のYさんは、できる限りたくさんの類話を読んで、できるだけ完成度の高い原話をさがされました。
それでも、欠けた部分がたくさんあって、それをどう処理するかが悩みでした。

再話では、原話選びがいちばん大切です。
そのためには、ふだんから、原話にできる昔話資料をたくさん読んでたのしむこと。
ヤンは、毎日少しずつ資料を読んでいます。10分か20分くらい、お茶しながら読みます。
読んでると、こんな話を考えるなんて、人間って、おもしろいなあと思います。そして、その話をだれかに伝えたくなって、付箋を貼って、順番に再話していきます。

再話の方法は、ここではいちいち説明できません。
その気があれば、《外国の昔話》《日本の昔話》には各話テキストの末尾に原話資料を明記していますので、それと再話テキストをつきあわせれば、ヤンがどんなふうにしているか分かります。
どの言葉をどの順番に声にすれば、聞き手に情景が見えるかに心を砕いています。
基本は、昔話の語法の知識と、子どもに語る経験です。

ババ・ヤガーでは、2015年から再話の勉強会をひらいてきました。
とちゅう中断があって、新規メンバーも加えて続けてきましたが、それも昨日でいったん終わりました。
みなさんが、再話はおもしろいなあと思ってくださっていたら幸いです。
あとは、ご自分で、ぼちぼち、途切れることなく続けていってくださいね。

 

7月プライベートレッスン

毎日暑い日が続いていますね。
それに、今年の暑さは本当に今までで一番のようで、北海道が沖縄より暑い時があったとか!
信じられない暑さです💦

7月のプライベートレッスンは1話。
テキストの整理をしたいということで申し込まれました。

「地主のはなよめ」『太陽の東月の西』アスビョルンセン/編 佐藤俊彦/訳 岩波書店

はじめに、既存のテキストに手を入れて語れるように整理するときのポイントを教えてもらいました。
これ、教えてもらえてすごく勉強になりました(*^_^*)
1.読み物と語るための文章はちがう。
おおかたの本は、元の資料から読んで楽しいように再話してある。
外国の昔話であれば、翻訳するときの訳者の手も通る。
読んで面白い文章が、耳で聞いて分かりやすいとは限らない。
例えば倒置がされているとか、翻訳調(例:セリフが分割されていて、あいだに〝と、彼は言いました。〟がはさんである)などは、読んでいる分には何の引っ掛かりもないが、耳で聞いているとイメージが止められてスムーズに前に進めない。
そこで、耳で聞いて分かりやすく楽しいように整理する。
その個所を見つける。
2.聞き手はだれかを想定する。
これは、テキストの整理の場合だけでなく、語る話を決めるとき、テキストを決めるとき、再話するとき、すべてに言えることですが、対象の年齢を最初に決めることが重要。
話の内容も、言葉の選び方も、対象の年齢のことを考えないと決められない。
例えば今回の話では〝利子〟という言葉が出てくるので、それを生かすなら高学年以上を対象にしてテキストを整理するということをはじめに決めました。

結果的に、「地主のはなよめ」は、全身の大手術となり、難しいだろうなと思っていましたが、ほんとに自分でやるのは難しい、プライベートレッスンで説明してもらいながらだからこそ整理できたと思います。
わたしは、いつものように役得だけですが、ヤンさんと参加者さんはすごい集中して疲れたんじゃないかなと思います。
わたしも、ずいぶん前に、本のタイトルにもなっている「太陽の東月の西」を勉強会でテキストの整理をしてもらったことがあります。
昔ばなし大学で小澤先生が、「とてもいい話だからぜひ子どもたちに語ってあげてください」と紹介されて、読んでみたら面白い話だったので語ろうと思ったんです。
今思えば、そのときのわたしの経験値では、❝また、やっちまったぜ…❞で、途中でやめなければならない話でした。
面白いけど、完全に読み物で、それに長すぎる(-_-;)
何も分かっていなかった強さで、無謀にも勉強会で取り上げてもらって短くしてもらったんです。
その時の、自分の必死さを思いだしました。
苦労した思い出の話は、とても大切な話になっています。
だから、今回も、参加者さんにとって特別な話になるかも、なったらいいなあと思いました。
「地主のはなよめ」の語りを楽しみにしています~~(^O^)/

7月の語りクラス

今年は前代未聞の早い梅雨明けとなり
この日は朝から蒸し暑く、会場のクーラーが効いてくるまでは
各々が何かでパタパタとあおがずにはいられない~(;・∀・)
そんな中、語りクラスが行われました。

手遊び歌(カエルにちなんだものとのリクエストより)
♪雨だ、雨だ
♪カエルの夜回り
*どちらもYouTubeで検索すると多少違いますが視聴できます

語り
1.あなのはなし/『おはなしのろうそく4』/東京子ども図書館
2.おばけ学校の三人の生徒/『おはなしのろうそく28』東京子ども図書館
3.はしぼそがらすの神/『語りの森昔話集6』/語りの森
4.トリレヴィップ/『子どもに語る北欧の昔話』/こぐま社
ヤンさんの語り
5.忠実なヨハネス/『語るためのグリム童話1』/小峰書店

お話の背景を知ることは、語り手自身がイメージしながら語る時に大いに必要になります。外国のお話はもちろんの事、今回の語りにあった「アイヌ」のお話は、その生活様式や文化、信仰などがかなり違います。
そんな時、民族学博物館へ足を運んでみることで、とっても参考になるものが観れるとのこと。こちら➡
すでにお話の中にしかない、過去の文化に触れることも含めて「もっと広い世界を見たい」という想いで私も行って参ります!なかなかに見どころが多そうですが、中にレストランもあるみたいですので、休憩をはさんでゆっくり見て回りたいです❤
8月は勉強会はお休みですので、それぞれにご興味のあることを楽しまれて、それがお話語りにも良い影響を及ぼすことでしょう。

次回の語りクラスは9月9日(火)です。
みなさま、とにかくお元気で、楽しい夏をお過ごしください!

初めてお話を聞く人に・・・質問に答えて🧐

今年度もおはなしサークルききみみずきんのおはなし入門講座が開かれます。
⇒こちら

ところで、きのう、メールでご質問くださったかたがいて、「初めてお話を聞く人には、まず、どんな話を語ればいいですか」とのおたずねでした。

新しい語り手を発掘するのは、先輩たちの役割です。
各地で、教育委員会や、サークルなどが、ボランティア講座など、工夫を凝らしていますね。

さて、ご質問へのお答えですが、2つのケースがあると思います。

1,語りのみのばあい
1話5~10分で、語り手の好きな話。
好きな話には聞き手に訴える力があります。語り手の楽しい気持ちや感動がつたわればそれでいいです。そして、聞いて楽しかったと思ってもらえればOK。
どんな話がいいかという客観的基準はありません。
おとなだから、よっぽどでなければストーリーは伝わるはずです。
けれども、集中できる時間が短いので、10分を越えないようにします。

2,語りに解説をつける場合
1話5~10分で、子どもたちが喜んだ話。
その話を語ったとき、子どもたちがどんな反応をしたかを、具体的に解説します。
語りには、そんな力があるんだと発見してもらえるようなエピソードを添えます。
ふだん子どもたちに語っていて、そのことがいかに楽しいか、充実しているかを伝えることができれば、ちょっとやってみようかなと思う人が生まれると思います。

お答えになったでしょうか???

わたしたち語り手は、一代で終わってはいけないと思います。つぎの人からつぎの人へと、語り自体をつなげることがだいじだと思います。
物語は、文字にすれば残るけれども、物語に命を吹き込むのは人間です。

語り手はたいがい無償ボランティアですし、若い者たちは仕事もあって忙しい。
不景気な世の中で、でも、わたしたちは暇だからやっているのではありません。
新たな語り手を生み出すためには、ほんと、知恵と努力が要るとつくづく思います。

 

6月のプライベートレッスン

なんと、もういち年の半分が過ぎてしまいました!
一週間の終るのが早いと思っていますが、一年が終わるのも早いとは!
学校へ行っているときは一時限が終わるのが遅く、休みが来るのが遅かったのに…。
待つのが嫌になってましたのに…。

6月のプライベートレッスンの報告をします(^^♪
一日目 テキストの整理
「ひとつぶのサッチポロ」『北海道児童文学全集第14巻』萱野茂 立風書房
残念ながら参加できませんでしたので分からないのですが、語りもされたのかな~
アイヌのおはなしは独特ですから、とても興味があります。
よければ様子を教えてください~
二日目 テキスト整理
「トリレヴィップ」『子どもに語る北欧の昔話』福井信子他/編訳 こぐま社
7月の語りクラスにエントリーされている話です。
原話を見つけられてそれを今回のテキストと照らし合わせ、疑問点を解消してテキストにを入れるためにプライベートレッスンを受けられました。
ここまで丁寧にテキストに向き合うとテキストの完成度がぐんと上がりますね。
勉強になりました(*^_^*)
三日目 テキストを日常語になおす
「つるの恩返し」『語りの森昔話集3』村上郁/再話 語りの森
たぶん、はじめてテキストを日常語になおされたのではないでしょうか?
ですがはじめてとは思えないくらい、ご自分の言葉になおされていました。
このかたは奈良のかたで、京都南部のわたしと普段しゃべっていて全く違いは感じないのに、今回勉強としてテキストを見ていると「やっぱりちが~う!」「かなりちが~う!」ということがわかり、面白かったです。
語りを聞けるのを楽しみにしております(*^_^*)

暑い暑いといいながら、それでもわたしは冬よりも夏が好きです。
でも、体がしんどい、体力が持たない、どうしたらいいんでしょうか(笑)
みなさん、どうぞご自愛くださいね。