「勉強会」カテゴリーアーカイブ

4月の語りクラス

新年度を迎え、1回目の語りクラスの報告です。
高校の入学式と重なり、いつもより少なめの人数での勉強会となりましたが、
語りに対する熱量はいつも通りです☺

👐手遊び 『ぎおんのよざくら♪』

語り
➀「ひとりふたりさんにんのこども」 『おはなしのろうそく26』東京子ども図書館
幼稚園や小学校低学年向けのおはなしのレパートリーを増やしたく、
今回覚えました。「ひとつ、ふたつ、みっつ」の繰り返しが楽しいおはなしですが、
テキストに手を入れたほうが良いとアドバイスがありました。

◎ひとつ、ふたつ、みっつ、道がみっつにわかれているところへきました
道がひとつ、ふたつ、みっつにわかれているところへきました

同じように、門がひとつ、ふたつ、みっつ、庭がひとつ、ふたつ、みっつ
先に何があるのか語ります。
子どもはひとつ、ふたつ、みっつ、と聞きながら、自分で想像しているので
違うものが出てくるとおはなしについてこれなくなるからです。
ただし、チューリップのところからは、テキスト通りで問題ありません。

また、子どもが三人いることがわかるよう、演じて語る必要があるとのアドバイスもありました。
図書館のおはなし会と1学期の朝学習で語る予定にしていますので、結果をまた報告します!

➁「おおかみと七ひきの子やぎ」 『語るためのグリム童話』小峰書店
Yさんからの質問 「しちひき」vs「ななひき」、どちら?
子どもが「しち」を「いち」と聞き間違えないよう、「なな」と語るほうがよいとのことです。
同じように「七羽のからす」や「七人さきのおやじさま」など、「七」は昔話が好む数字ですので、様々なおはなしにでてきますね。

➂「ハヴローシェチカ」 『語りの森昔話集2』語りの森

➃「かえるの王さま」 『子どもに語るグリムの昔話』こぐま社
語られたNさんは、聞き手の時と違いハインリッヒの場面は泣きそうになると
言われていました。語り手の想いがのる場面では、つい高揚したくなりますが
気持ちを抑えて語りましょう。

➄「金の髪」 『おはなしのろうそく19』東京子ども図書館
何度聞いても(結果は分かっているのに)娘とピエトロはどうなるの?とハラハラドキドキします。
パタタ、パタタ、パタタ・・・の擬態音があり、伯爵と娘が馬に乗っているだけですが、状況をしっかりイメージする必要があり、語るのは難しいです。
「勉強のために覚えて語ってみる」語り手のスキルを上げるためにぜひチャレンジしてみましょう。

今回はタイムアップとなり、『ノート式』はできませんでした。
次回は5月13日です。

プライベートレッスン

急に暖かくなりました。
それはええけど、花粉も黄砂も飛んでます(っ °Д °;)っ
めげずにプライベートレッスンです~

「宗旦ギツネ」のテキスト整理
『京都府の民話』日本児童文学者協会/偕成社

京都市上京区に残る伝説です。

初めは再話ということでエントリーされたのですが、本文が結構きちんと再話されているので、手を入れて整理するだけで語れるだろうと判断して、テキスト整理のレッスンにしました。

が、やってみると、ラストのモティーフに合理性がなく、これでは語れないなと思いました。
でも、うまい具合に、フルーツさんが、宗旦ギツネの伝説そのものを調べてこられていて、ほかにさまざまな伝承があるのが分かりました。それで、そちらに置きかえて、整合性のある話にしました。だから、ラストは真っ向、再話になりました。

おもしろかったです。

それと、読み物としての文章になっているので、聞くとイメージが見えない部分がありました。その部分は整理しました。
読んでわかりやすいのと聞いて分かりやすいのとは違いますからね。

次回、もう一度テキストを語れる形にして完成させることになりました。

フルーツさん、貧乏神からきつねばなしへと、川の流れのよ~に~
楽しんではりますo(*^@^*)o
わたしも楽しい!

きつねといえば、4月の大人のためのおはなし会(15日)のテーマが「きつね」。
ウーカーさんの故郷の言葉で語るきつねの伝説もありますよ。
みなさん、聞きに来てくださいね~

 

 

3月の再話クラス🌷

急に気温が上がってきて、勉強会で暖房を入れるか入れないか、何度に設定したらちょうどいいのか、もうどうしたらいいのかわからない(笑)
各自が着る物で調整しながら、そしてある者は花粉と戦いながら(換気のために窓は閉められないからね)、再話クラスが行われました。

再検討
「とびじいさん」『北欧の民話』山室静/著 岩崎美術社 → 完成
「アズビンの馬」『新編世界むかし話集九アフリカ編』山室静/著 文元社 → 再々検討
新作
「笛吹峠」『鈴木サツ全昔話集』鈴木サツ/語り 小澤俊夫・他/編者 鈴木サツ全昔話集刊行会 → 再検討

今回の3話は、それぞれ全く違う内容の話ですが、共通して考えたことがありました。
それは、言葉にしろ内容にしろ、むかし語られていたころと今の状況が変わっているということに、わたしはもっと敏感にならないといけないなということでした。
「とびじいさん」は、わたしの担当の話なのでずっと向き合ってきましたが、一か所❝気が狂った❞という言葉が出てきます。
自分では、話全体を見てみて修正するところはもう思いつかなかったので、最後に「この表現を使うのはどうか…?」と指摘してもらって「あっっ!」と気づいた次第です。
おはなしおばさんとしては、言葉に敏感になっていないといけませんね。
❝おかしくなった❞という言葉に修正しました。
大人であれば会話の中や小説などで❝気が狂う❞は普通ですが、おはなしおばさんは子どもに語りますからね。
話によって、言葉を変えたり、表現をやさしくしたり、場合によっては子どもではなくて大人に語るようにと話の活かし方を繊細に考えなくてはいけないなと気づかされました。
いや、それはもう、勉強を始めた時からそう教わっているんだから、これでできているだろうという慢心か?!Σ(・ω・ノ)ノ!
それがいちばんこわい。
まだまだ先は見えないのに、こんなことに気づかないとは_| ̄|○
再話は難しいというか、訓練ですね。
言葉に敏感になる訓練だと思います!
運動は苦手だし、軍隊式も嫌いで今まで縁がない言葉だと思っていましたが、❝訓練❞してるんだと知りました。
我ながら気づくのが遅くてがっかりです(笑)

3月の語りクラス

2024年度最後の語りクラスとなりました。入門クラスを終えた方から始り、聞きごたえのある外国の話が3話、そして春を思わせる歌が楽しいお話や、最後のオチが笑えるお話などなど、とっても充実したプログラムになりました。手遊びもおススメです!

手遊び : 『一の指は牛さん』
*最後の五の指は色々なバリエーションで楽しめます!

語り
1.『あちち、ぷうぷう』語りの森昔話集4/語りの森
2.『三枚の鳥の羽』語るためのグリム童話集4/小峰書店
3.『鳥のみじい』子どもに語る日本の昔話2/こぐま社
4.『ガムバール』語りの森HP こちら➡
5.『魚がくれた子ども』語りの森HP こちら➡
6.『神様と小便』日本の昔話1/福音館書店

ヤンさんの語り
『きつねとがちょうたち』語るためのグリム童話集5/小峰書店

~本日の学びを備忘録としてこちらに残したいと思います~
ノート式おはなし講座・語りこの愉しき瞬間より
おはなしの覚えかた
・うろ覚えで語ると不安定な語りになり、聞き手にとってストレスになる
・言葉を大切にするとおはなしのイメージがくっきりと浮かび上がる
⇒語り手が言葉の意味を考えながら覚えると、自分のイメージがくっきりとする
⇒語り手の自信になる
⇒それが聞き手に伝わり、聞き手のイメージもくっきりとする

ヤンさん、皆様、1年間ありがとうございました。
また来年度もご一緒できることを楽しみにしております。
個人的な来年度の抱負としましては、しばらくご無沙汰している、K さんが名付けてくれた「あったかペーチカ」に一回でも参加することです。

次回は新年度4月8日(火)です
ノート式は26ページからです

2月のプライベートレッスン

ここ近畿のまん中あたりの地域では、月曜日まではすごく寒かったのですが、その後一週間ほどは暖かくなるようです。
予想では一気に春の陽気になるような日も!
寒暖差があるのもつらいんですけど、文句ばっかり言ってても仕方がありませんね。

2月のプライベートレッスンは3話でした。
語り(日常語)「貧乏神と福の神」『日本昔話記録7香川県佐柳島・志々島昔話集』柳田國男/編 武田明/採録 三省堂
1月の再話クラスでテキストが完成したのでおぼえて語られました。
完成したテキストでしたが、プライベートレッスンではほぼ一対一で詳しく話をしますので、もっとテキストを突き詰められます。
この日もテキストの検討をしまして、よりイメージしやすいテキストになりました。

具体的に言いますと、貧乏神とおじいさんの位置関係をスムーズにイメージできるようにしました。
再話する作業はきりがないのかもしれませんが、テキストに取り組み、語りを耳で聞き、そしてまた検討と修正をする。
そしてよりテキストを磨いていくという過程を見せていただいて勉強になりました。

語り「美しいユーラリ」『語りの森昔話集5ももたろう』語りの森
残念ながら参加できませんでした。
ききたかったなあ~

整理「高野谷の狐」『遠州伝説集』御手洗清/著 遠州タイムス社
この話は、かなり再話して分かりやすくなっていますが、やはり読み物であるので耳で聞いて分かりやすいテキストにする作業をされました。
語るためにイメージを追って話を細かく見ていくと、イメージしにくいところが出てきて、それをどういう状態なのか確認しながら文章を整理していきました。
ご自分の地元の伝説集なので、生まれ育ったところの話は愛着があると思います。
そして伝えたいと思うだろうから、ずっと残ってきたんでしょうね。
きつねに騙される話なのに、きつねは全く登場しない、おもしろい話でした。

日本全国できつねに騙される人がいて、「おれはだまされない」と言い張る人がいる(笑)
「自分は、オレオレ詐欺には引っかからない」と思うのはやめにしたほうがよさそうです。