「勉強会」カテゴリーアーカイブ

5月の中級クラス

ブレーメンの音楽隊 『語りの森昔話集4』語りの森

ホレばあさん  『語るためのグリム童話集2』小峰書店

赤ずきん  『語るためのグリム童話集2』小峰書店

ねずみの小判干し  『おはなしのろうそく26』東京子ども図書館

ふたりの友  語りの森HP

幸運の種まき 『世界の民話18イスラエル』ぎょうせい より再話

本日も多くの学びがありました!

・もし、大事な一文や外せない言葉を忘れて飛ばしてしまったら…気付いたなら、入れられそうな箇所で入れる。「…ところで、~だったのです!」

・盛り上がり場面にスピード感を持たせたい場合、速いシーンをスローで語る方法がある。(私の内心:アクション映画によくあるあれかな?あれを語りで?)

・子どもたちが、おはなしの先を分かっている顔をしているとき、「けれども…」接続詞はいらないのでは?課題、今後も考える必要がある

・赤ずきんの語り手さん:赤ずきんのテーマ・意味を調べて、心理的な解釈を知ってから、テキストを決めた。『昔話の魔力』赤ずきんが初めて親の言うことを聞かずに自分の意思を押し通す体験。失敗して、一度死ぬ。生き返り、自分でオオカミのお腹に石を詰める。赤ずきんは体験を通して学ぶ。その解釈に納得できたので、小峰書店のテキストを採用した。…最後の赤ずきんのことば(これからはもう、けっして道草をくわないことにするわ)となっている。自分で自分に言う。テキストによって違う。違和感があっては語れないので、自分で納得することは大事

・心理的な解釈は語り方で自然にでるけど、視点を変えて、聞き手がここをどういうふうに聞くか?こういう風に聞いてくれたらおもしろいな、を考える。目の前の子どもとの間合い、やり取りに、自分が想定して語り方を変える。怖がらせる場面の大事さがある。遊びの場面、かけひきの面白さ。

・ヤンさんの再話テキストはよく考えられているので、その通りに覚えたかったが難しかった。→自分のリズムがそれぞれあるので、言葉を入れてもいいし、取ってもいい。

高次元な内容で、頭がチカチカしました。一生懸命聞いていましたが、ここでの報告は少し薄まっているかもです。聞き手と一緒に作るおはなし会、まだまだ分かってないですね。分かってないことが分かっただけでも収穫です。練習や実践での意識の持っていくところを変えられるかもしれないと思い始めました。寝てても語れるくらいの練習が前提だということも腑に落ちました。今までは、本番でこけないために練習を重ねていましたが、そうではない意識でできそうです。ああ、時間が足りない。時間は作るものですね!適度に頑張ります(^^♪

5月の日常語クラス

こんにちは。
5月の日常語クラスはつい5日前だったんですけど、そのころはまだ朝晩は寒いなと思っていたのに今日はなんと、最高予想気温が30度だそうです。
急に暑くなって、気持ちや着る物がついていきません~~(;’∀’)

語り
「鳥のみじさ」『日本の昔話3』福音館書店
「めしを食わないよめさん」『語りの森昔話集1』語りの森
「もぐらのお嫁さん」『語りの森昔話集4』語りの森
「手なし娘』『日本の昔話2』福音館書店
ヤンさんの語り「からすとたにし」語りの森HP → こちら
テキストを日常語になおす
「かちかち山」『語りの森昔話集4』語りの森

この日、ヤンさんが敬語の使い方について面白い資料を持ってきてくださいました。
『日本語の大疑問 眠れなくなるほど面白いことばの世界』(幻冬舎)の中で、敬語表現の「~~しハル」の〝ハル〟の使い方が、京都と大阪でも違うという調査結果をもとに、敬語使用ルールは地域によって違うということを説明してありました。
この「~~しハル」という言い方は、まさにわたしが生まれ育った環境で多用する言葉遣いですので、とっても身近に感じられましたし、納得しました。
わたしは、〝ハル〟が敬語だという意識はなく多用してきました。
敬語というよりも、女性と上品な男性の使う言葉だと思っており、犬と雨には使わないです。
言葉というのはものすごく近いところでも違う言葉遣いをするので不思議です。
昔は、村やごく限られた地域から一生出ることがないのが当たり前だったということでしょうか。
今はどこへでも行けるし、テレビで日本中の日本語に触れられるから、みんなが言葉のちゃんぽんなんでしょうね。
そんなことを考えながら、普段使っている自分にとって自然な言葉にテキストを直して語れることは幸せなんだなと改めて感じました。

次回は、7月14日です。どんな話がメニューに上がるのか、楽しみにしています!(^^)!

5月の初級クラス

手遊び歌
たけのこ めだした
花さきゃ ひらいた
はさみで ちょんぎるぞ
えっさえっさ じゃんけんほい

語り
1.スウォファムの行商人/MORE ENGLISH FAILY TALESより再話
2.ねこのしっぽ/語りの森昔話集4/語りの森
3.金噴き明神/語りの森昔話集5/語りの森
4.金のとさかのおんどりとひき臼/語りの森昔話集5/語りの森
5.いうこときかないうなぎ/おはなしのろうそく7/東京子ども図書館
6.金を生むねこ/奈良の民話1/奈良の民話を語り継ぐ会
7.幽霊和尚さま/語りの森HP 〈こちら→〉

ヤンさんの語り
8.幸運の種まき/世界の民話18・イスラエル/ぎょうせい

講評
・短い笑い話程、難しい。冒頭のお話の設定部分は大事な言葉を立てながら、聞き手にしっかりとイメージさせる語り方を心がける。
・笑い話は思ったように受けないと、次に語るのを躊躇してしまいがちだが、何度でもチャレンジしてみると良い。
・「寝ていても語れる」まで練習を積むと、少々言葉を忘れても先に進める。
・お話を時間をじっくりかけて覚える事そのものは、ちゃんと聞き手に伝わる。
・時には録音してみて、自分の語り方の癖を客観的につかんでみると良い。
・息継ぎを入れる場所は意味を考えて。テキストをスラスラ言えるようになったらどこでも息継ぎできる。
・聞き手の反応を予想するのは良いが、語り手がイメージを作り過ぎず、語りながら聞き手の反応を見て一緒に「間」を作っていく。
・聞き手からは描写ではなくストーリーを求められている。
・描写のあるテキストは覚えるのも、語るのも、聞くのも難しい。
・自分自身の発端句、結末句を地域に関係なく持って良い。

今回は題名が「金」「ねこ」にまつわるお話が重なりました。他にもお話の中に、同じ夢を3回見る、樫の木が出て来る、などの共通点もありました。「うなぎ」はかなりレアで印象に残りますね(笑)先月に続いて「ゆうれい」のお話をしてくださった方もいらっしゃって、今後はどんなお話が飛び出るか、ますます楽しみです。

次回の初級クラスは6月13日(火)です。

昔話の残酷性についての勉強会①

今日は、子どもの日ですね。
最近はこいのぼりをあげるおうちが少ないような…。
いや、十何年お雛様を出していないわたしが言う資格はありませんが(笑)

我が子や公共の場所で昔話を語るとき、語るほう・聞くほうの大人が、昔話の残酷な場面を子どもたちに触れさせたくないという気持ちがあることを耳にします。
残酷な場面のある昔話を聞いた子どもたちが怖がったり、残酷な性格になるのではないかということを大人が心配しているようです。
はたして、その懸念は当たっているのでしょうか?
世界中で延々と語り継がれてきた昔話は、人間の残酷性を育ててきたのでしょうか?
そんなはずはありませんよね。
だって、聞き手は楽しいから昔話を聞いて、語り継いできたんだと思います。
わざわざ怖い気持ちに立ち向かうとか、それはもう修行でしょう(笑)
怖い話を楽しむというのとは全く違います。
でも、語り手としてはそこのところをきちんと理論づけておかないと、自信をもって昔話を語るのは難しいと思いますし、何より語るときに説得力がなくなると思います。
それで、『昔話は残酷か』(野村泫著/東京子ども図書館)をテキストにして勉強会をすることになり、今回はその1回目です。
結論から言いますと、語りの表現方法と聞き手の精神年齢、この二つをクリアすれば昔話の残酷な場面についての問題というか懸念はクリアできます。
そのことを三回に分けて勉強します。
語りの表現方法については、昔話の語法が重要になってきますね。
やっぱり語法は理解していないといけないなあと(いや、他人事みたいだけどそうじゃなくて…)思います。
語るとき、再話するとき、そして今回も語法が大事なんですね。
それと、次回もっと詳しく説明がありますが、世に出ている昔話本や絵本を、大人が残酷だからということでかなり改ざんされている事実!
でも、昔話はストーリーを楽しむ話で、聞き手の〝次はどうなるの?〟という期待に応えながら次々に展開するストーリを楽しみ、最後に主人公が幸せになって〝ああ、面白かった〟と聞き手が満足するものです。
話の最初から最後までのその一連の流れが全部楽しい!
でも、悪者が最後罰せられなかったり、まだ生きている終わり方だと聞き手は不安が残るので〝ああ、面白かった〟とは言えないですよね。
語り手であるわたしたちはしっかり勉強して、理論を背景にして自信を持った語りをしたいと思いました。
そうでないと、殺すとか切るとか殴るというような言葉を使わない昔話しか語れなことになってしまい、となると本格昔話はほぼ全滅でしょう(笑)
わたしは、やっぱり本格昔話が好きですし、語りたい、子どもたちに聞いてほしいと思います。
次回は一か月後、それまでに宿題として次回の講義に出てくる昔話を読んでくることになりました。
ヤンさんがちゃんとリストにしてくれて、しかも手に入りにくい話はコピーしてくれていて、ああ、なんて至れり尽くせりなんでしょか~
次回も楽しみです!(^^)!

第25回昔話の語法勉強会「山梨とり」

今週は前半が気温が低くて雨も降り、寒かったです。
みなさん、体調は大丈夫かなと思っていましたが、無事にみんな揃って勉強会が行われました(^O^)
今回の話は日本の昔話「山梨とり」です。
有名な話ですから、本や絵本がたくさん出ていますね。
今回は、最初にNさんが「山梨とり」を語ってくれました。
テキストは『子供に語る日本の昔話3』こぐま社です。

勉強会の資料は、元となった話(原話)の「山梨とり」『桃太郎・舌きり雀・花さか爺―日本の昔話Ⅱ』関圭吾編/岩波書店でした。
この話は、昔話は主人公が中心の物語であるということがよくわかる話でした。
そのことを中心に据えながらヤンさんが語法を抑えて説明してくれたわけですが、まとめとしてリュティ先生の言葉を引用してさらに詳しく説明してくれました。
1.主人公はあらゆる合理的な説明を超えて恩寵をうけている。
2.昔話は、劣っている者が逆転して、やがて力をもっていくという力学を持っている。
昔話が主人公中心の話であるということは、たまに出てくるかわいそうな脇役をかわいそうと考える必要が全くないことであり、何より聞き手が主人公と同調して話を聞いているわけですから、あなたはあなたであるというだけで幸せになれるというメッセージをダイレクトに伝えているのだということがよくわかりました。
そして、それを分かったうえで語り手がおはなしを語るということが大事なんだと!
だからできるだけ身近な人、同じ顔触れの子どもたちに、昔話を元の姿のまま語るほうがより愛情を伝えられる、ということを聞いて、感動して、満足感がいっぱいになりました!(^^)!

資料として、同じ原話から再話された本を持ってきてくださいました。
手に入りやすいものばかりですから、読み比べてみると再話の違いがわかって、とても面白いと思います。
『子どもに語る日本の昔話3』稲田和子・筒井悦子/こぐま社
『日本の民話②東北地方①』日本民話の会編/世界文化社
『わらしべ長者-日本の民話二十二編-』木下順二作/岩波書店
『日本昔話100選』稲田浩二・稲田和子編著/講談社
『ならなしとり』峠兵太作・井上洋介絵/佼成出版社
『やまなしもぎ』平野直再話・太田大八絵/福音館書店
『一寸法師 日本・中国・韓国の昔話集2』財団法人出版文化産業振興財団/独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター

ヤンさん、たくさん本を持ってきてくださってありがとうございました。
同じ原話なのにタイトルからして違うんですね。
再話となるときっといろいろなんでしょうね。
元の話と比べるのはとても勉強になると思います。
原話の違う「山梨とり」もありますし、有名な話は類話から再話した本も調べたらたくさんあるでしょうから、全部読んでみたら原話の選び方のいい勉強になると思います。
あとはやるだけなんですが…(笑)
でもコツコツやり続けたらそれが語るときの裏付けというか、自信にもなるでしょうから、より安定した語りができるはずなんですよね。
やっぱり継続は力なりですね。
では、また次の勉強会を楽しみにしています(^O^)/