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昔話の語法勉強会の感想から4😄😄😄😄

感想のご紹介、今回でおしまいです。

👷‍♀️感想
昔話は、子どもたちへの語りものではなく、老いを《今》生きる人たちに適切な《話》ではないかと思いました。

👩‍🎓おおお、根源的ですね。
そう、200年前までは、昔話は、《子どものもの》ではなかったのです。
子ども限定ではなく、大人たちが語っていたものなのです(これ、研究者たちの常識です😅)
では、200年前に何が起こったのか? (答えはいちばん下を見てくれ⬇)

わたしたち(私だけか?)は、図書館や学校で子ども相手に語ることが多いので、ついそのことを忘れてしまいがちです。
けれども、大人が楽しむ語りの会におおぜいの人が集まる実情を考えると、納得できます。
老人施設に出向いての語りの会も、広く行われています。
奈良の民話を語りつぐ会が毎年おこなっている民話祭りなど、全国津々浦々で、大人も子どども一緒に楽しめる語りの会が盛況です。
老いも若きも、生の声で語りを聞く魅力を感じているのですね。
生の声。これ、大事ね。
加えて、昔話は《人間》を語っています。
もちろん子どもに対して教育的な効果がありますが、大人にとっても今を生きるすべを教えてくれるものです。

この感想を書いてくださったかたは、今回の勉強会で初めて語りを聞いたそうです。
こんな感想をいただいて、語り手冥利に尽きます。
30ん年前、わたしの語りの出発点は、ここにあったからです。

🙋‍♀️感想
昔話はどうやって生まれたのか、同時多発的なのか、伝わったのか、知りたい気持ちがふくらみました。

🧙‍♂️そうですねえ。
よく似た話が世界じゅうにありますが、どうやって生まれたんでしょう。めっちゃ興味がありますよね。
たとえば『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』に入れている「こびとのおくりもの」、日本の「こぶとりじい」とそっくりですね。これは小学校低学年でも気付きます。
昔話の研究には、そういうことを追求する分野もあって、個々の話型についての研究がおこなわれています。
これはそのうち≪昔話雑学≫にまとめてみます。

💗感想をくださったみなさま、ありがとうございました。
ヤンはとっても気が弱いので、前向き肯定的な感想、うれしかったです。

🔆ほな、200年前に何が起こったか、わかりましたかあ❓
そう、1812年、グリム童話の初版が出ました。
グリム童話の正式名は『子どもと家庭のためのメルヒェン集』
ちゃんちゃん

3月度 初級クラス

暖かくなってきたと思ったら・・・マスクが手放せない花粉症の季節ですね。今年はいつもより飛散量が多いのでしょうか?!薬を飲んでもくしゃみに目のかゆみがひどいです(><)花粉症でない人が羨ましい限りです。

さて、今月の初級クラスの報告です。今回3名の方が入門講座で発表されたおはなしを語ってくれました~!

①おんちょろちょろあなのぞき  『語りの森昔話集1 おんちょろちょろ』/村上郁 再話

接続詞をテキスト通りに語れなかったり、主語を飛ばしてしまった、との反省でした。     けれど、入門講座から2回目の発表とは思えないほど、間違えた雰囲気を出さずに語られていました。本番では間違えてしまっても、言い直すことはせず、しれっとして語りすすめましょう。ただし、タイトルにもある通り「ねずみはちょろっと顔を出し」が正しく「ちょっと顔を出し」ではありません。大切な言葉ですので、間違えずに語りたいですね。

②おおかみと七ひきの子やぎ  『おはなしのろうそく18』/東京子ども図書館

Sさんも入門講座からの発表でした。語るときの目線をどこにもっていけばいいか?と質問がありました。全員が答えたのですが、ほとんどの方が聞き手と目を合わさない(合わせれない)とのことでした。聞き手が子どもの場合は、反応が気になりますし、問題なく顔を見れますが、大人ばかりの勉強会ではなかなか難しいものです。

ヤンさんからのアドバイスは語るときの姿勢について。足を床にしっかりつけましょう、その方が落ち着き、声もお腹から出せますよ。

③福田屋のプリン  『10分で読める名作二年生』/学研

入門講座からの3人目の発表です。約15分の創作で会話文が多いのですが、間もうまくとられ、福田屋のプリンが食べたくなりました!このおはなしは初級クラス用おはなしリストにはありませんので、次回はぜひリストから語ってくださいね。

④がちょうはくちょう  『おはなしのろうそく27』/東京子ども図書館

ヤンさんは語られる前に「がちょうはくちょう」と「ババヤガー」の説明をされているそうです。「がちょうはくちょうは、悪いいたずらをしたり、子どもをさらっていったりするといわれていました」とマーシャがイヴァーヌシカを追いかけていく前に書かれていますが、最初に説明しているので、この文は省くそうです。                                   細かな点では、パン焼きかまどのペーチカが立っていました、とありますが、ペーチカがありました、と変えるといいそうです。ペーチカを知らない子どもが聞くと、ペーチカが人の名前と勘違いするからです。また、金のまりとありますが、まりを知らない子どもがいるので、ボール言い換えているそうです。

「にわとりの一本足の上に立った小屋がひとつ見えました~」のババヤガーの小屋の説明、糸紡ぎをしているババヤガー、この場面は、丁寧に聞き手がイメージをしっかりできるように語りましょう。また、後半のがちょうはくちょうから逃げる場面は「ミルクの川、ありがとう」までが一つのまとまりになりますので、ここで間をとりましょう。同じように「リンゴの木、ありがとう」の後で間をとるとよいとのアドバイスでした。

⑤小さな赤いセーター  『おはなしのろうそく8』/東京子ども図書館

数少ない、幼稚園児にも語れる小さい子ども向けのおはなしですね。創作ですので、一語一句変えずにきっちりと覚えましょう。「セーターは屋根をこえ、かきねをこえ、野原をこえ、とんでいきました」なのですが、野原草原と思い違いをして語られました。草原ではもっと広いイメージになりますので、気をつけましょう。

⑥米山薬師  『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/村上郁 再話

今まで前半に力が入りすぎ、後半が練習不足の反省を生かし、今回は前半はあらすじを頭に入れ、まず後半から覚えられたそうです。盛り上がる後半を自信をもって語られていました。

怖いおはなしですので、語る前に笑顔で「今日はこわーいはなしをするよ」とアナウンスし、聞き手に心の準備をしてもらうといいでしょう。

☆ヤンさんによる語り   世界でいちばんきれいな声(三歳バージョン)  『おはなしのろうそく11』/東京子ども図書館

「〇〇と言えるでしょうか?」の問いかけに、「言えませーん」と言わずにはいられない、間の取り方、とても勉強になります。

次回初級クラスでは、「ノート式」の『おはなしの選び方』(P18~P23)を勉強しますので、各自読んできてください。                                        おはなし選び・・・私は覚えるより難しいです。ヤンさんはよく「定番のおはなしは何ですか?」と聞かれ、「定番はありません」と答えるそうです。今までこんなおはなしを聞いてきた子どもなら、この時期に、このおはなしなら聞けるだろうと考えておはなしを選ばれているからです。どんなおはなしも定番になりえる、聞き手を見て、自分なりの定番を見つけることが大切です。

なお、日本の五大昔話(桃太郎、かちかち山、さるかに合戦、舌切り雀、花咲爺)は室町末期から江戸初期にかけて成立した代表的な昔話ですが、決して定番のおはなしではありませんよ。

昔話の語法勉強会の感想から3😄😄😄

👩‍🏫感想
河合隼雄が日本の昔話について話していたのですが、ヨーロッパの昔話の結末とは違い、あわれ、最初の状態に戻る話(鶴女房、みるなのくらなど)、といった種類の話についても掘り下げてみたいです。

🕵️‍♂️おおお、すごいなあ。
河合隼雄さんは心理学から昔話にアプローチされていますよね。ユング派やね。
ブルーノ・ベッテルハイムさんは、フロイト派の立場からの研究ですね。
このおふたりのご本は、読んでおくべくでしょうね。
どちらの著書も、とっても興味深いです。それがすべて当たっているかどうかは、分からないけど。

小澤俊夫先生(心理学ではありませんよ~)は、ヨーロッパで「鶴女房」とかを紹介したら、「え?そこでおしまい?」って訊かれるとおっしゃっていました。ヨーロッパの本格昔話では、恋人が変身して逃げるまでが話の導入で、逃げた相手をさがしに行くのが話のメインになってるものね。日本の場合は、始まったと思ったら終わっている(笑)
『昔話のコスモロジーーひとと動物の婚姻譚』小澤俊夫著/講談社学術文庫
に詳しいです。おすすめで~す!

あ、そうそう、先日質問されたのに覚えていなかった昔話の語法勉強会でとりあげた今までのテーマを《プロフィール》の単発勉強会のところに載せておきましたよ🎇

昔話の語法勉強会の感想から2😄😄

🙋‍♀️感想
昔話の性別役割分担(おばあさんは川へ洗濯に、などの)や、結末で、お姫さまと結婚することが主人公の幸せになることに、引っかかりを感じることがあって・・・

👨‍🎓そうですよねえ。
社会的に求められる性別役割(ジェンダー)と昔話について、研究されている学者さんは確かにおられますが、まだまだ新しい分野かなと思います。だから、わたしたち、研究の成果を参考にすることはできない。つまり、語り手が自分で考えないといけないってことやね。

たとえばね。
男性は外で働き、女性は家事をするのが当たり前の社会だとして。子どもに「おばあさんは山へ柴刈りに、おじいさんは川へ洗濯に行きました」って語ったら、子どもは間違いなく、「なんで?」「どうして?」って尋ねると思う。特別の事だって感じると思うのね。
でもね、その子の父親が主夫で、母親が外で働いている場合、「おばあさんは山へ柴刈りに、おじいさんは川へ洗濯に行きました」って語ってもぜんぜん疑問に思わないと思う。ね?

つまり、その昔話が語られたときの社会や家族のありかたが、そのまま、そのお話に反映されている。
そして、口承がほとんど途絶えている現代、わたしたちが読むのは、資料に残っているひと昔もふた昔も前の昔話。グリム童話なら200年も昔やね。
そうすると、いまは、それが語られた時とは世の中のありかたがずいぶん変わってきているから、「納得できないなあ」って思うことは当然出て来るよね。特に今、ジェンダーの問題は大きく変わろうとしている、というか、変えていかなければという潮流がある。

問題は、それをどう納得するかよね。

ただ、わたしが思うのはね、役割分担も、お姫さまと結婚して幸せになるのも、それは、そのお話のテーマではないということなの。
そういう舞台設定だけれども、伝えたいテーマは、知恵を出せとか、親切であれとか、誠実であれとか、いつの時代にも普遍的な価値なんよね。そこに性差はない。
だから、女は貞淑であれとか、男だから勇敢に戦えとかというテーマでなければ、わたしは、抵抗なく語れるかな。

けど、おじいさんは山へ行くもので、おばあさんは川で洗たくするものでって、ステレオタイプというか、子どもに繰り返し語って刷り込んでしまうと怖いなとは思う。

うん。この感想を書いてくださったかた、ありがとう。💕
昔話資料を読むとき、ジェンダーがかくされていないか、心にとめておきますね。

お姫さまや王子さまとの結婚については、昔話の語法や聞き手の子どもの表情で納得できる部分があります。
お姫さまや王子さまは極端な存在です。子どもは、たいてい異性に憧れます。その極端な結末が結婚です。
たとえそれがこころの異性であってもです。自分が男になって聞くか、女になって聞くか、聞き手の自由ですからね。

どちらにしても、納得できないから語れないと思わないで、納得できないから解決できるかどうか語ってみようという好奇心も大事かな。子どもはどんなふうに聞くだろう、自分の認識はどんなふうに変化するだろう、ってね。わたしは、よっぽど納得できない場合以外は、そんな感じでチャレンジしています。🏹

むつかしいねえ。
けど、おもしろいねえ🤗

昔話の語法勉強会の感想から1😄

2月26日の勉強会のときに、みなさんに感想を書いていただきました🖊🖋🖍
ありがとうございました。
みなさんからのコメントを励みにして、これからもがんばってやっていきたいと思います💗

その感想の中に、語法とは直接関係ないんだけど、昔話について、疑問や考えなどを書いてくださったかたがたがありました。
知っている範囲でお答えしたいのと、私自身の考えも言ってみたいので、何回かに分けて井戸端会議の話題にあげていきますね🌈

この日は、「おおかみと七匹の子やぎ」を取り上げました。詳しくはジミーさんの報告を見てくださいね。
この時の資料は、小澤俊夫先生の『語るためのグリム童話』(小峰書店刊)をテキストにしました。
『語るためのグリム童話』は、グリム童話の2版をもとに7版のよいところを取り入れたものです。
それで、昔話の語法を学ぶために、2版と7版を比較して、7版にはあるが2版にはない部分と2版にはなくて7版から取り入れた部分をみなさんに見てもらうことにしました。
そのため、まずは、エーレンベルク稿から7版まであるんだよということを説明しました。

👩感想
グリム兄弟が、たくさんの物語を集めていった過程(どんな人たちから、いつ頃から語られていたお話なのか)など、グリム童話にも興味が深まりました。

🕵️‍♀️グリム童話に関してはたくさんの研究があって、文献がいっぱいありますが、わたしは昔ばなし大学でまなんだので、やっぱり小澤先生のご本が、詳しく、基本的で、また分かり易いように思います。
おすすめ本で~す。
1、『グリム童話の誕生ー聞くメルヒェンから読むメルヒェンへ』朝日選書
2、『グリム童話考ー「白雪姫」をめぐって』講談社学術文庫
3、『グリム童話集200歳ー日本昔話との比較』小澤昔ばなし研究所刊
とくに1と2は、グリム童話の成立だけでなくて、今回の勉強会でちょこっとやった【版の比較】が詳しく説明されていて、おもしろいです。

以上👩‍🎓

そうそう、今後の語法勉強会の希望話を、おふたり、書いてくださってましたね。
「鉄のハンス」は長いから、次回は「馬方やまんば」にしま~す👹🐴