「日常語の語り」カテゴリーアーカイブ

2月の日常語による語りクラス

2月は、かぶさんにかわって、ジミーが報告します(^^)

語り
金剛山のとら 語りの森HP → こちら
さるの顔はなぜ赤い 語りの森HP → こちら
雪おなご 『日本の昔話5』福音館書店
テキスト
きつねの小判 『日本の昔話1』福音館書店
ひょうたんの化けもの 『日本の昔話3』福音館書店
犬の足 『日本の昔話3』福音館書店

今日は、いつもより人数が少なく、こじんまりと顔を近づけての勉強会でした。
あるかたは同じ話を何度も語り、あるかたは同じジャンルの話を続けて取り上げ…
勉強会を続けていると、各自の好みと傾向が垣間見られるのが楽しみでもありますね。
福音館書店の『日本の昔話』から話を選ばれているときに、わたしはよく、読んでいるはずなのに記憶になく、「こんなおもしろい話、あったん?」と思うことがあります。
今回も出ました!
小犬だと思って育てたらきつねだったというおはなし。
まちがう?
でも、柴犬の子ときつねの子は、よく似ているんだそうです(かぶさん談)
それと、ヤンさんが語ってくれた雪おなご
怖い話ですが、日常語ですから冷たい怖さがなくなっていて、話の面白さがストレートに伝わってきました。
日常語で語ると聞き手が怖がっていたら和らげることもできるし。
みんなで喜んで聞きました!(^^)!
雪おなごを語る人が増えるかも。

1月 日常語による語りクラスの報告

これまでの『日常語での語り講座』が今回から
『日常語による語りクラス』に名称変更致しました。

2018年、一つ目の勉強会が1月9日にありましたので報告致します。

<テキスト>

さるの顔はなぜ赤い」 語りの森ホームページ 日本の昔話より  村上郁/再話
https://katarinomori13.com/jfolktales.html

「ふるやのもり」の類話ですね。
共通語のテキストでは、「しっぽがぷつんと切れてしまいました。」のように擬態語と動詞がくっついていることが多いですが、
関西弁の日常語テキストを作る際は、思い切って「ぷつ~んて、しっぽが切れてしもてんて。」のように前に擬態語を持ってきても、いいかもしれません。大阪弁は擬態語・擬声語がとても多いそうです。それらを楽しく誇張するような話し方が自然なこともあります。

 

『笑』という字」 『ナーミンのためのテキスト』

奈良の民話を集めたものからの出典ですが、ヤンさんによると、このようなおはなしは日本中にたくさん残っているそうです。
それを聞いた受講者のお一人が「そうか!なるほど!今年買った切手の絵がね、犬が竹をかぶっているんですよ。どうしてかなぁ、と不思議だったんですよね!このおはなしからですね!」と言いました。
切手の画像を調べてみると確かに52円切手は犬張子(いぬはりこ)が竹の笊(ざる)をかぶっています。かわいい~。

犬張子について少し調べてみました。犬張子は郷土玩具として江戸時代に発達し、後期には今の丸みを帯びた立ち姿になったといわれています。犬は安産・多産なことから「安産祈願」「成長祈願」の縁起物とされていたそうです。笊(ざる)をかぶった「笊かぶり犬」は、犬に竹をかぶせると「笑う」という字に似るので、笑門来福 よく笑う家庭になる、という江戸の粋な洒落っけから作られたそうです。(本当の「笑」の字源はくさかんむりに手をあげて舞う巫女の形から「しなをつくる」→「口がしなをつくる」→「笑う」だったそうです。)

子どもの成長を祈ったり、笑って過ごしたいという江戸の人たちの想いが、おはなしとして全国あちこちに残っていたということですね。
短いおはなしですが、江戸時代からずっとつながった人の想いを感じられ、幸せな気持ちになっちゃいました~

 

<語り>

金剛山のとら」 語りの森ホームページ 外国の昔話より 村上郁/再話
→https://katarinomori13.com/wfolktales.html

次回もう一度語りにチャレンジして下さるそうです。完成を楽しみに待っております。

 

聞き耳」 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』 村上郁/再話 語りの森

元のテキストは「ネリヤ」のままで共通語で再話されています。これを今回は「竜宮」に変えて関西弁の日常語にされます。「ネリヤ」のような、その土地や地方の独特な言葉や名称を変えることで雰囲気が変わってしまい、全体的なおはなしのイメージもくずれてしまうことがあります。ひとつ変えることで、他も変えなければならないこともあります。よく注意しなければなりません。

 

<お楽しみ・ヤンさんの語り>

日常語での語り「貧乏神」 日本の昔話5 福音館書店

共通語での語り「アナンシと五」 世界の民話 実業之日本社

 

 

今日も一話一話じっくり丁寧に取り上げて頂き、たいへん勉強になりました。

ヤンさんのおまけの語りも二つも聞けてなんてラッキー♪ しかも日常語と共通語!
しかも「アナンシと五」は元の原話資料には入っている「その次は?」という台詞まで教えて頂き、これが子どもとの掛け合いで成り立つおはなしである、というものすごい真実に、さらに語り方まで教えて頂き、なんともスーパースペシャル贅沢な新年一つ目の勉強会でありました。

みなさま、今年もよろしくお願いいたします。
子どもたちにすてきなおはなしを届けられるようにがんばりましょう~(*^_^*)

12月 日常語の語り勉強会

大変遅くなりました。先日の日常語での語り勉強会の報告です。

<語り>

広岡の腰痛地蔵」 『ナーミンのためのテキスト』

おばあさんが始めに六体地蔵さんに頼む場面と、「明日の今度のその今度、もひとつ今度のその今度・・・」と言って慌てて帰って行く場面は、同じようには語らない、と、語り方のアドバイスがありましたが、テキストは完成です。皆で「他人事ではないねぇ」と言いながら楽しく聞かせていただきました。

だんごころころ」 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』 村上郁 再話/語りの森

蓑 について子どもに聞かれたときにひとことで説明できるように用意しておく。
個人的に、欲ばりじいさんの「ヘングリヘングリケケッコウ」にはまってしまいました。恐るべし「ヘングリヘングリ」

天福地福」 『日本の昔話』 小澤俊夫再話/福音館書店

前回テキストチャレンジの時に、本文中に「天福地福」の説明的なことを入れる、と言われていましたが、やっぱりやめにしたそうです。するとヤンさんからアドバイスが!「おはなしが終わってから、天福地福の説明をする。もしくはタイトルを言わずにおはなしして、終わってから 天福地福 と言って少し説明してやる、という方法もあるよ」な~るほど!聞き手の年齢に合わせてそんな手もあるのか!!
私も前にこのテキストを日常語にしているので、新たな引き出しが増えたようで、ガッツポーズでした。

<テキスト>

聞き耳 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』 村上郁 再話/語りの森

3回目のテキストチャレンジ。どんどん修正されて完成間近です。今回は目線があちこちに行かないように、という修正が入りました。
するとうしろから、女の人が「ちょっとお待ちください」とよびとめました。→→ 目線は 語り手
するとうしろから、女の人の声で「ちょっとお待ちください」と聞こえました。→→ 目線は 男
少し変えただけで目線が変わってしまったり、つじつまが合わなくなったりします。なるほど~!

金剛山のとら」 語りの森ホームページ 「外国の昔話」村上再話

やさしいお声と言葉で心に届きました。「とてもいいおはなしなので大切に大切にしっかり覚えて語りたかったの。」と言われていましたが、それもしっかり心に届きました。いいなぁ~(*^_^*)

 

さてさて私、風邪をひいてしまい、咳が止まらず、咳をしすぎて胸が痛いのです。(母に話すと「多分肋骨にヒビ入ってるで。私もやったことある。咳した拍子に ピキーン! っていうたやろ?」と言われましたが、音が鳴ったかどうかわかりません・・・でも痛い((+_+))・・・)
脇を締めて腕を前でクロスしていると、コルセットのようで少し楽。。。

そしてそして私、このところいろいろやらかしていて、先日は小学校におはなし会に行き、教室でコートを脱いだらなんと上半身がパジャマでした((+_+))
トレーナーっぽいやつだとはいえ、胸のワンポイントはどうみても完全にパジャマの柄!!
もうどうしようもないので、ずっと脇を締めて腕を前でクロスしていました・・・

あ~あ・・・胸を張って生活したい・・・

みなさまよいお年を♪
かぶぶ

11月 日常語の語り講座

11月7日の日常語の語り講座の報告をします~(^0^)

まず語りの前にヤンさんが手遊び「どんぐりころちゃん」をしてくれました。

♪ どんぐりころちゃん あたまはとんがって おしりはぺっちゃんこ どんぐりはちくりしょ ♪

じゃんけんバージョンで3回勝負。

私は 負け、負け・・ときて、やっと3回戦目に勝つことができました!やった~!!

これ、子どもたちとやったらめっちゃ盛り上がります~!やっぱりみんな勝ちたいんですよね~(^.^) 勝った、負けた、あいこや!!とおおさわぎ。ほんとたのしい~

私はじゃんけんが難しい小さい子のところでは 「じゃんけん ぽん」じゃなくて 「ど~っち だ」でやります。フエルトで作った4センチぐらいのどんぐりを持っていって。

握ってもちょっとはみでてるので、みんな喜んで 「こっち~!!!」 と当ててくれます(^_-)

ヤンさんのじゃんけんもヤンさんは3回とも グー でした(*^_^*)

勝たせてくれてるって分かっててもやっぱり 勝つとうれしいんだよね~~!

やってる方も子どもがうれしそうにしてると、うれしいんだよなぁ~~!

おはなしでも絵本でもわらべうたでも、子どもと幸せを共有できるのが最高ですよね~!

私たちのやっているこの活動の根源っていうか・・・大事な根っこのとこ!!

人生は楽しいよ!この世界はおもしろいよ!っていうところ、だと私は思っています。

(だからほら、昔話も必ず最後に主人公は幸せになるやん!ハッピーエンドやん!人類みんなの想いやんね)(^O^)

 

おっと本題に入らなければ・・・(^_^;)

<語り>

サトリ」 『日本の昔話5』 小澤俊夫再話/福音館書店

くまのしっぽはなぜ短い」 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』 村上郁再話/語りの森

 

<テキスト>

だんごころころ」 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』 村上郁再話/語りの森

聞き耳」 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』 村上郁再話/語りの森

 

ヤンさんのおはなし

きつねの玉のとりあい」 『日本の昔話1』 小澤俊夫再話/福音館書店

 

今日は「おはなしの持っている姿」について話題になりました。そのおはなしの持っている姿やテーマをしっかり考え、捉えた上で語らなければなりません。これは、日常語にする、しない、に限らずですよね。そして、もう一つ、語り手はあくまでも語っている人であって、登場人物になりきってはいけない、入り込んではいけない、ですよね。もちろんこれも日常語にする、しない、にかかわらず。

 

最近、どの講座でもヤンさんがおはなしを語って下さいます(*^_^*)!

今度はどんなおはなしが聞けるのだろうって私はひそかに楽しみにしております。

さてさて、だんだんと気温が下がってきましたね。まわりを見ればうろこ雲に紅葉と、絵になる風景がたくさん!芸術の秋、スポーツの秋、読書の秋、勉強の秋、食欲の秋、いろいろありますが、皆さまはどんな風に過ごされますか?

次回は12月!早い!!

もう今年もおしまいだ…気持ちばかりが焦る秋…

かぶ

10月日常語の語り講座

秋の空は気まぐれ、きょうの関西は暑い暑い。
先週はすずしかったのにね。その先週の勉強会の報告です~

語り
「へびのむこさん」 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』村上再話
「半分のにわとり」 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』村上再話

どちらも好きな話なんだけど、「へびのむこさん」はこの類話のなかでも特に気にいってるの。へびの嫁になるとか、そのへびを殺すとか、蛙の変身したおばあさんにおばあさんの皮を着せてもらって助けられるとか、鬼に岩とまちがえられて川向うへ放り投げられるとか。日常語で軽快に語ってくださいました。
「半分のにわとり」はフランスの昔話。外国の話を日常語でチャレンジです。日本の昔話のように柔らかくまあるく語れたらいいですね。

テキストの検討
「くまのしっぽはなぜながい」 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』村上再話
「天福地福」 『日本の昔話』 小澤俊夫再話/福音館書店
「金剛山のとら」 語りの森ホームページ 「外国の昔話」村上再話
「ねずみの婿取り」 『日本の昔話』小澤俊夫再話/福音館書店

関西、関東、広島、石川のお国言葉が楽しかったです。
その人の日常の言葉だから、いくつかの土地の言葉が混じってるのね。
いまどき生粋の何々弁なんてなかなか聞けないもの。
そんな言葉を追求してもあまり意味がないと思う。言語学ならいざ知らず、わたしらはおはなしのおばちゃんですからね。
自分がいちばん話しやすいことば、いちばん心をこめられる言葉で話すのがいいんやと思います。

以上、お粗末。
かぶさん、補足お願いしま~す💖