「日常語の語り」カテゴリーアーカイブ

5月日常語による語りクラス

忘れた頃に報告をアップすることをお許し下さい!

5月1日の日常語による語りクラスの報告です。

<語り>

おどるがいこつ」『日本の昔話1』 福音館書店

かも取り権兵衛」『日本の昔話2』 福音館書店

きもだめしのはなし」『千代田町昔話集』再話/村上郁

<テキスト>

「笑」という字 『ナーミンのための奈良の民話』再話/村上郁

あめは毒」『日本の昔話3』 福音館書店

身上あがるようだ」『日本の昔話2』 福音館書店

ヤンさんの語り

竹の子童子」『語りの森昔話集2ねむりねっこ』語りの森 再話/村上郁

みなさまは、おはなしの中にむずかしい言葉がでてきたらどうされていますか?
今回は、むずかしい言葉、子どもには分からない言葉や物・ことがらをどう扱うか?が話題になりました。
「上方見物」「座頭さん」「身上(しんしょ)があがる」「あげ戸」などなど・・・
言葉の意味が分からなくても・知らなくても、
●子どもがなんらかを想像しておはなしについてきてくれる
●ストーリーにあまり影響がない
●成長につれていつか知るだろうから理解するのはそのときで良い
このような場合はそのまま使いますよね?
でも、
●これが分からければおはなしがイメージできない
●おもしろみが伝わらない、または半減する
●子どもに「それ、なに?」と聞かれる
子どもが聞いてくれれば幸いですが、
●子どもの目が宙をさまよっている
●子どもがおはなしについてこれなくなっている
となると、語りながら冷や汗が背中を流れます・・・

難しい言葉をどう扱うか?
子どもの年齢や、語り手との関係性、おはなしの持つテーマなどによって、同じ場面やパターンはあまりありません。常日頃から子どもをよく見て、その時一番良い選択ができるように、おはなしおばさんは日々精進を重ねなければなりませんね~~
はい、勉強、勉強~~(*^o^*)

当HPのステップアップのページにヤンさんがヒントを書いて下さっていますよ(*^_^*)
はい、勉強、勉強~~~(*^o^*)

かぶでした

4月日常語の語りクラス 💺

年度初めの三日。
ババ・ヤガーは日常語の語り勉強会から始まりました。

語り
「ひょうたんのお化け」 『日本の昔話3』福音館書店
「犬と笛」 『子どもと家庭のための奈良の民話1』の共通語から
「かえるの上方見物」 『日本の昔話1』福音館書店
テキスト作り
「なぞ問答」 『日本の昔話1』福音館書店
「かも取り権兵衛」 『日本の昔話2』福音館書店
「おどるがいこつ」 『日本の昔話1』福音館書店
「きもだめしのはなし」 語りの森HP《日本の昔話》

今回はテキスト提出が活発でした。
少しずつ長い話が多くなってきましたね。
もうみなさん、語尾や助詞で苦労されることは少なくなったようで、ずいぶん語りが自然になってきました。
どんどん子だもたちに語ってほしいなと思います。

勉強会で大事なことは、このクラスに限らず、自分の意見や疑問をどんどん口にすることです。
変な奴と思われへんかなとか、こんなこと聞いてはずかしいとか、思っていたのでは、自分のためになりません。
せっかく成長のチャンス。少しの勇気があなたを助ける(笑)
聞くは一時の恥、知らざるは一生の恥・・・ううん、ちょっと違うか。一生の損。
そういえば昔、聞くは一時の恥、知らぬが仏って言うてた人がおった。
なに書いてるのかわからんようになった~
花粉のせいや~~~

各方面で大活躍のかぶさんにかわって、ヤンが書きましたあ

3月 日常語による語りクラス

3月始めの勉強会だったのにあと1週間で4月!!なんてことかしら!!
報告がまたもやすっかり遅くなってしまいました。ごめんなさい~!
花粉に目と鼻をやられてぐずぐずですが、はりきって報告させていただきます~!

<語り>
きつねの小判」 『日本の昔話1』 小澤俊夫 再話 / 福音館書店
この語り手さん、とにかくほっこりする語りです。
普段私たちは会話中、あまり「。」で区切って話していません。日常語で語る際には、文と文をつなげてみる箇所を作ってみてもいいかも、というアドバイスがありました。

犬の足」 『日本の昔話3』 小澤俊夫 再話 / 福音館書店
子どもに語る時は香炉の説明を軽く入れてあげるといいですね、とのことでした。
やさしいお声でほんわか語ってもらって、楽しかったです~!

<テキスト>
ひょうたんのお化け」 」『日本の昔話3』 小澤俊夫 再話 / 福音館書店
普段あまり「女房」と言わないので「おかみさん」に変更。自分が普段使わない言葉で語るよりも、日常使う言葉の方が、聞き手にもイメージしやすいですよね。
このおはなしは「宝ばけもの」の類話だそうで、忘れ去られた宝(お金の場合が多い)が化けて出て、人間に掘り出されたりして再び世に現れ成仏する、というはなし。ところがこのタイプ(宝自身が化ける)は日本独特のものだそうで、ヨーロッパや他の国では、幽霊やおばけが宝を守っていたり番をしているのだそうです。不思議ですね~。面白いですね~。もっともっと知りたくなりますね~。調べたくなりますね~。。。

<番外編>
長い名の息子」『にほんご』谷川俊太郎
みんなで話していると話題にあがったので「大急ぎで語ってあげようか?」と急きょ語って下さいました!
じゅげむ みたいなおはなし。楽しかった~(*^_^*)

今回は時間に余裕があったので、伝承の語り手さんのCDを聞かせていただきました。
岡山の方の語りは、やはり同じ関西圏ということもあり、なぁ~んとなく内容が分かります。
伝承の語り手さんの語りは、リズムが良くてほんと心地いいんですね~(*^_^*)

日常語のテキストを苦労して作るのは
「言葉を普段自分が使っている言葉にするということ、つまり、
おはなしを普段の自分の息使い・呼吸・間合いに近づけること」なのだと改めて強く感じました。

「日常語で語ることは本来の伝承の現場に近づけること」ですよね~(いまさら?笑)

ほらほら、日常語で語ってこそ、本来の語りの現場 ♪♪
本来のおはなしおばさんやで~(*^_^*)
さあさあ、みなさん、一緒に勉強しませんか~?

かぶ でした(^_-)

 

2月の日常語による語りクラス

2月は、かぶさんにかわって、ジミーが報告します(^^)

語り
金剛山のとら 語りの森HP → こちら
さるの顔はなぜ赤い 語りの森HP → こちら
雪おなご 『日本の昔話5』福音館書店
テキスト
きつねの小判 『日本の昔話1』福音館書店
ひょうたんの化けもの 『日本の昔話3』福音館書店
犬の足 『日本の昔話3』福音館書店

今日は、いつもより人数が少なく、こじんまりと顔を近づけての勉強会でした。
あるかたは同じ話を何度も語り、あるかたは同じジャンルの話を続けて取り上げ…
勉強会を続けていると、各自の好みと傾向が垣間見られるのが楽しみでもありますね。
福音館書店の『日本の昔話』から話を選ばれているときに、わたしはよく、読んでいるはずなのに記憶になく、「こんなおもしろい話、あったん?」と思うことがあります。
今回も出ました!
小犬だと思って育てたらきつねだったというおはなし。
まちがう?
でも、柴犬の子ときつねの子は、よく似ているんだそうです(かぶさん談)
それと、ヤンさんが語ってくれた雪おなご
怖い話ですが、日常語ですから冷たい怖さがなくなっていて、話の面白さがストレートに伝わってきました。
日常語で語ると聞き手が怖がっていたら和らげることもできるし。
みんなで喜んで聞きました!(^^)!
雪おなごを語る人が増えるかも。

1月 日常語による語りクラスの報告

これまでの『日常語での語り講座』が今回から
『日常語による語りクラス』に名称変更致しました。

2018年、一つ目の勉強会が1月9日にありましたので報告致します。

<テキスト>

さるの顔はなぜ赤い」 語りの森ホームページ 日本の昔話より  村上郁/再話
https://katarinomori13.com/jfolktales.html

「ふるやのもり」の類話ですね。
共通語のテキストでは、「しっぽがぷつんと切れてしまいました。」のように擬態語と動詞がくっついていることが多いですが、
関西弁の日常語テキストを作る際は、思い切って「ぷつ~んて、しっぽが切れてしもてんて。」のように前に擬態語を持ってきても、いいかもしれません。大阪弁は擬態語・擬声語がとても多いそうです。それらを楽しく誇張するような話し方が自然なこともあります。

 

『笑』という字」 『ナーミンのためのテキスト』

奈良の民話を集めたものからの出典ですが、ヤンさんによると、このようなおはなしは日本中にたくさん残っているそうです。
それを聞いた受講者のお一人が「そうか!なるほど!今年買った切手の絵がね、犬が竹をかぶっているんですよ。どうしてかなぁ、と不思議だったんですよね!このおはなしからですね!」と言いました。
切手の画像を調べてみると確かに52円切手は犬張子(いぬはりこ)が竹の笊(ざる)をかぶっています。かわいい~。

犬張子について少し調べてみました。犬張子は郷土玩具として江戸時代に発達し、後期には今の丸みを帯びた立ち姿になったといわれています。犬は安産・多産なことから「安産祈願」「成長祈願」の縁起物とされていたそうです。笊(ざる)をかぶった「笊かぶり犬」は、犬に竹をかぶせると「笑う」という字に似るので、笑門来福 よく笑う家庭になる、という江戸の粋な洒落っけから作られたそうです。(本当の「笑」の字源はくさかんむりに手をあげて舞う巫女の形から「しなをつくる」→「口がしなをつくる」→「笑う」だったそうです。)

子どもの成長を祈ったり、笑って過ごしたいという江戸の人たちの想いが、おはなしとして全国あちこちに残っていたということですね。
短いおはなしですが、江戸時代からずっとつながった人の想いを感じられ、幸せな気持ちになっちゃいました~

 

<語り>

金剛山のとら」 語りの森ホームページ 外国の昔話より 村上郁/再話
→https://katarinomori13.com/wfolktales.html

次回もう一度語りにチャレンジして下さるそうです。完成を楽しみに待っております。

 

聞き耳」 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』 村上郁/再話 語りの森

元のテキストは「ネリヤ」のままで共通語で再話されています。これを今回は「竜宮」に変えて関西弁の日常語にされます。「ネリヤ」のような、その土地や地方の独特な言葉や名称を変えることで雰囲気が変わってしまい、全体的なおはなしのイメージもくずれてしまうことがあります。ひとつ変えることで、他も変えなければならないこともあります。よく注意しなければなりません。

 

<お楽しみ・ヤンさんの語り>

日常語での語り「貧乏神」 日本の昔話5 福音館書店

共通語での語り「アナンシと五」 世界の民話 実業之日本社

 

 

今日も一話一話じっくり丁寧に取り上げて頂き、たいへん勉強になりました。

ヤンさんのおまけの語りも二つも聞けてなんてラッキー♪ しかも日常語と共通語!
しかも「アナンシと五」は元の原話資料には入っている「その次は?」という台詞まで教えて頂き、これが子どもとの掛け合いで成り立つおはなしである、というものすごい真実に、さらに語り方まで教えて頂き、なんともスーパースペシャル贅沢な新年一つ目の勉強会でありました。

みなさま、今年もよろしくお願いいたします。
子どもたちにすてきなおはなしを届けられるようにがんばりましょう~(*^_^*)