よもやま🎈🎈

一度で済まないヤン

リニューアルしたホームページ、各ぺージごとにコメントを書くことができます。
で、すでに、書いてくださってる方がおられます。
でも、コメントのあるなしは、そのページに行かなければわかりません。
だから、みなさん、語りの森に来たら、かならず、全ページ訪れてくださいね。
ほんで、みなさんも、コメント書いてください~

よろしく~

よもやま🎈

おはなしひろばはね、毎晩、あたりが静まりかえってから録音するのですよ。
声帯が一番疲れているときだから、声は飛ぶし活舌も悪いし嫌なんだけど、うちの近所は、23時すぎないと世間が静かにならないの。
ゆうべも頑張ったんだけどね・・・
ふと気が付くと、寝てた(ToT)/~zZ
で、きょうのおはなしひろばはお休み。

なつかしいなあ。
子どもにお話しながら寝てた頃(❤´艸`❤)

あ、東京の娘から、アベノマスクが届いたって、いってきた。
ハハマスクの半分の面積だって。
義妹から、手作りマスクの写真が送られてきた。
幅が耳元まであって、ハハマスクより大きかった(⓿_⓿)

府立学校は5月末まで休校だって。
幼・小・中も右へならえだろうなあ。

あ、と~っても嬉しいお知らせ。
某小学校から、遠隔授業に『おんちょろちょろ』を使いたいって、問い合わせがあった。
司書の先生が録音して表紙の画像に音声をのせるそうです。
児童と保護者しか閲覧できないんだって。
うれしいなあ。
おはなしひろばみたいにヤンの声じゃなくて、親しい先生の声で聴けたら、子どもたち、癒されるだろうなあ。
そんなふうに活用してくださったら、ほんとにうれしい。

あちこちで、先生方は色んな工夫や努力をされてるんだろうね。
おはなしおばちゃんも力になれたらいいね。

ジェイコブズの 『English Fairy Tales』 📚

『瀬田貞二子どもの本評論集児童文学論上』報告

************

第4章昔話《昔話ノート》
「ジェイコブズの 『English Fairy Tales』」1967年発表

ジョゼフ・ジェイコブズ (1854-1916)
シドニー生まれ。ニューヨークにて没。
ケンブリッジ大学で学位。
数学、歴史、哲学、人類学、文学を研究。
ユダヤ人問題、民俗学に関する活動。

再話集
1、『English Fairy Tales』1890年
2、『More English Fairy Tales』1894年
この2冊を刊行したのち、ここから60話を選んで一冊にまとめました。それが、
3、『English Fairy Tales』
最初のと同名ですね。これが、英語圏の子どもたちの昔話の底本となりました。
ヤンが持ってるのは1と2。それと、次の4と5、ケルトの昔話ね。
4、『Celtic Fairy Tales』1892年
5、『More Celtic Fairy Tales』1894年

瀬田先生によると、ジェイコブズは、グリム兄弟のように民俗学的な研究のために出版したのではなく、昔話を子どもたちに聞かせ読ませるためでした。それは、3人の我が子のためでもあったといいます。
(ただし、グリムも、子どもと家庭のために再話し出版したんだけどね。そのへんの事情は、この評論文の頃はまだ研究が進んでなかったのかもしれない。ジェイコブズは、グリムにならって、1の巻末に出典等の注もつけています。はじめは民俗学的な意味合いがあったのですね)

ジェイコブズの再話方法
@原話:チャップブック、民俗学誌、伝承の語り歌から探す。
@地方の言葉や古い言語を、わかりやすい言葉に書き改める。
@大人の野卑で粗雑な表現を、格調高く書き直す。
@筋道をすっきりさせる。
@要所要所に、昔ながらの表現や素朴な語り口を残す。
@語り物の音楽的な流れを失わないようにする。

1のジェイコブズによる前書き
全体を通して、年老いた乳母たちが昔語りをするときのような口調で再話することが、私の強い願いでした。・・・この本は黙読するだけでなく、声にだして語るためのものです。
2の前書き
私が再話した昔話は、ヨーロッパじゅうの母親が自分の小さなペギー(ジェイコブズの孫娘)のために語りつづけてきたものです。それはもう長い長い間ね。

さてみなさん、ジェイコブズの再話、何があるかあげてみてくださいo(*^@^*)o

「ちいちゃい、ちいちゃい」「おばあさんとぶた」「ノロウェイの黒牛」「だんなもだんなもおおだんなさま」「ねことねずみ」「ふしぎなお客」「ジャックと豆の木」「さんびきのこぶた」「さんびきのクマ」・・・
多種多様なテーマとスタイル。バラエティ豊かですね。

引用
まず時と処と人物が簡潔に紹介されたかと思うと、ただちに事件が事件を生み、行動が行動をさそって、しだいに緊張をつのらせ、ついに嵐のようなクライマックスにいたり、急転直下和やかな結末におよんで、大団円を結びます。

つまり、昔話の語法にのっとって再話されているのですね。リュティ理論を知らないのに昔話の表現方法は知っていたというのは、グリムと同じですね。

以前に、がらがらどんで「さんびきのこぶた」大会をしたとき、英語の音声を聞きましたね。そのリズムの楽しかったこと(*^▽^*)
英文で書いておきますから、声にだして読んでみてください。

(おおかみ)”Little pig,little pig,let me come in.”
(こぶた)”No,no,by the hair of my chinny chin chin.”
(おおかみ)”Then i’ll huff,and i’ll blow your house in.”

ウォルター・デラメアの引用(ちょっと長いけど読んでみてね)
哀れな昔話や悲しい昔話、そしてぞっとするような昔話にさえも、・・・想像力を育み、さまざまなことを教え、心をじょうぶにし、私たちに「自分自身」の姿を見せてくれます。そういう話は、私たちを悲しませたり、おびえさせたり、時として衝撃を与えることさえありますが、それれも強烈に面白いお話として心に残ります。独特の美しさと真実味と価値をそなえる昔話は、私たちを慰めたり励ましたりもします。-人生そのものの記憶にうったえかけることで。心の中にイメージを作り上げることで。さまざまな出来事や場面、登場人物を語ることで。そして、そこにこめられたメッセージや深い意味を伝える語り口で。その美しさや音楽のような言葉で。

瀬田先生は、「トム・ティット・トット」をグリムの「ルンペルシュティルツヒェン」と比較して、イギリスらしさをこう説明します。
引用
良識あり、簡潔で抑制的、そこにこもるユーモア、自由、またフェアプレイを愛する心、ひなびた愛らしさが、(全部の話に)満ち満ちています。

最後に瀬田先生は、昔話は耳で聞くのが何より一番だと書いています。それが昔話の本質だと。
さて、そろそろ4月も終わります。5月になったら練習を始めましょうか(✿◡‿◡)

昔話の語法🎏🎏🎏

毎日、毎日、おんなじ日が続くと、あれ?今日って何日って、わからなくなりません?
うちは今月、町内の掃除当番なので、曜日だけは、わかる。
ぷらごみやから月曜日、生ごみやから火曜日、農産来るから水曜日、個配が来るから木曜日、生ごみやから金曜日。

朝、夫の顔見て、今日初めて会うんやったっけ?
おはようって言ったの、きのう?きょう?

それで。

HPのリニューアル、昔話の語法だよん。

@@@@@@@

とちゅうで孫からテレビ電話。
絵本5冊読まされて、くまさんのおさんぽして、孫が興奮して自分のおもちゃ壊しちゃって、ママに叱られて。パパがよしよししてくれた。

@@@@@@@@

はい、みなさんは、語法のお勉強だよ。
がんばってね~

児童文学はお休み~

 

 

『うしかたとやまうば』私見

瀬田貞二子どもの本評論集児童文学論上』報告

**********

第4章昔話
《昔話ノート》
「『うしかたとやまうば』私見」1972年発表

『うしかたとやまうば』瀬田貞二再話・ 関野凖一郎画/福音館書店
こどものとも1972年2月号
こどものとも絵本シリーズ2016年3月
昔話「牛方山姥」の瀬田先生による再話絵本です。

瀬田先生は数ある口承資料から、何をえらび、どのように再話したのか、興味のあるところです。

引用
私の再話は、おもに新潟各地のものを軸として、東北一帯、さらに岡山方面の伝承を参考に、ある代表的な型と思われるものに近づける試み

なんと!
前回の報告に引用したように、「千種万様のお国ぶりがあざやかに咲ききそう昔話の花園は、やはりそのいちばんよいすがたで移植され」るのがよいという瀬田先生自身の主張と、食い違っているではありませんか!
外国の昔話だけでなく、日本の昔話も、「日本の」とひとくくりにはできないと思います。地方によって色合いが違っています。そこには人々の生活がある。だからあちらの地域とこちらの地域の話を合体してはいけないのです。私は、そのように小澤俊夫先生から学びました。その通りだと思うのです。だから、語りの森HPでも《日本の昔話》には原話の出身県を明記しているのです。
「さるかに合戦」なんて全国にあるけれど、岡山鳥取では違うし、どれを選ぶこともできないし、合体させてもいけない。

と、先に批判を書いてしまうと、つづき、読みたくなくなった?
いやいや、たくさんの類話から何をどのようにくっつけていったかを見てみようではありませんか。お勉強になりますよ。
瀬田先生は、9項目に分けて説明しています。

1、牛方
東日本で牛方、西日本では馬方が多い。
牛はのろいので、山姥に出会ってスリルのあるのは馬より牛ということで、牛方にする。
(あ、瀬田先生の考えですよ。私は、実際は牛も速いし、牛であれ馬であれ、猛スピードで走っていくのが面白いと思う。しかも山姥は牛や馬よりもっと速いのが面白い)

2、山姥
敵対者は、ほとんどが山姥。たまに猿、猫、クモ、おに。

3、積み荷のサバ
どの類話でも、海岸から山地へ魚を運ぶ。

4、峠
柳田国男は峠で事件が起こるのは山神信仰の痕跡というが、それだけでなく、昔話の筋として、二つの地点の中継地は劇的な条件でもある。

5、ねだり食い
どの類話でも、山姥は魚をねだる。
たいていは、牛方は、牛の足を一本ずつ投げ与えて時間稼ぎをする。二本足や一本足で走るのをナンセンスに語る。
瀬田先生は、「そこが長すぎるし、やや残酷に目にうったえすぎるので省」いたということです。
(え~~!、ここは、子どもが大好きなところやのに~!切り紙細工のように語っているのよ。ちっとも残酷なことないのに)

6逃げる道
山姥が池に飛び込んで自滅する自滅型と、牛方が復讐する復讐型がある。
瀬田先生は、復讐型が古い形ではないかとして、こちらをとっています。援助者の出てくる類話から「炭焼き」を登場させています。

7、一軒家
牛方が逃げ込んだところが、山姥の家。「すてきです。」
そこに美しい娘がいて、牛方を助け、一緒に逃げて結婚する話もあるが、できすぎているのでとらなかった。牛方の力に焦点を当てた。

8、餅と甘酒
どの類話もこのアイテムだそうです。

9、木の櫃、長持ち
木の櫃の場合は熱湯で、釜の場合は下から火を焚いて、山姥をやっつける。
どちらも熱で殺す。
最後に財宝を見つけるものもある。瀬田先生は、「かれの大胆な後半の活躍に財宝を与えるのに、意義はありませんでした」と書いています。

みなさん、どう思われます?

引用
以上の人物、背景、道具立てからして、いかにも日本の土地柄が感ぜられます。・・・山地農民のつむいだ丈夫で暖かい布地を連想させるといえましょうが、この一篇の組み立ては、地味ながら堅牢で、ゆるみがありません。

最後に、「さんびきのこぶた」と構造が似ていると書かれていました。

ちなみに、絵本は絶版。でも、文章だけなら、本になっています。
『さてさて、きょうのおはなしは・・・・・・』瀬田貞二再話・訳/野見山響子画/福音館書店2017年
日本と世界の昔話が28話はいっています。