昔話の語法勉強会🖊

お元気ですか~(*^-^*)
今日は黄砂がひどいそうだけど、心なしか比叡山が煙ってます。

今日は残念なお知らせです。
6月に予定していた第12回昔話の語法勉強会を延期します。

もし図書館が6月に再開されても、三密の企画は避けないといけないと思っています。
おはなし会とか、勉強会は、慎重に出口を見極めようと思う。

現在のところ、京都・大阪は非常事態宣言が解除されていないし、やがて宣言解除になっても、自粛が解除されるわけではない。
ババ・ヤガーとしては、図書館の開館後、自粛が解除されてからも、しばらくは様子を見るつもりです。
さびしいけど、がまんしようね。

オンライン勉強会やりませんかってご意見もいただいていますが、ババの全員がネット環境が整うわけではないので、やめときます。

仕事と教育は、オンライン、必要だと思います。
無理にでも環境を整えて、例えば子どもの教育を受ける権利を守らないといけないって思います。それでも欠点はあると思うけどね。
それから、お友達や趣味のサークルもまた、新しい方法としていいかもしれないと思います。あと、オンライン里帰りとか。
ヤンはほぼ毎日孫とオンラインお話会です。保育園に行けてないからね
でも、ババはどれとも性質が違うのね。

みんなの中には、オンラインでやるだけの体力気力が残ってない毎日を過ごしている人もいると思う。

お話は、不要不急だと思わない。
人生にとって必要だし、今この時にこそぴったりの話があると思うのね。
だから、みなさん、身近な人にお話を語ってください。
幼稚園や学校、図書館のお話会だけがお話の場じゃない。
本来、お話、昔話は個人的なもの。各家庭にあったんだからね。

大きな声で練習したら、いやでも在宅の家族に聞こえるでしょ(笑)

練習が無理な人でも、ホームページのスマホ向けリニューアルも完了したし、勉強もやりやすくなったでしょ?
ボ~っと眺めてるだけでも何か自分のものになると思う。
井戸端会議も、できるだけ毎日がんばっていこうと思っています。
リクエストがあれば、言ってくださると、ありがたいです。
ネタが切れるので(笑)

でね、各自が頑張って、しんぼうして、勉強会が再開したら、めっちゃうれしいと思わない?
ハグしようね~
ハグができるまで、しんぼうしようね~

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今日のレパートリーの解凍
「ミアッカどん」『イギリスとアイルランドの昔話』石井桃子編訳

おはなしひろばのお話でテキストが欲しい人、言ってくださいね~

グリム童話「七羽のカラス」💍

「七羽のカラス」はもうずいぶん昔から語っている話。
あら、1988年の記録があるから、32年前だ(T_T)
思い出した。
お話を始めて2年目。
文庫でお話会を始めたばかりで、子どもたちがなかなか聞いてくれなかった頃。
つぶし屋3年生のガキどもをとらえて放さなかった話。この時初めてお話の持つ力を実感したんだっけ。
そののちも、しょっちゅう語ってるから、エピソードはたっぷりあるよ。
図書館でなぜか女子ばっかり七人相手にやったときは面白かったなあ。
キリスト教系の学校で語るときの、冒頭の緊張感は素晴らしい。

それはさておき。

グリム兄弟は初版を出版してから7回改訂したって、前に書きましたね。
初版の前の手書きのメモも日本語に翻訳されている。
エーレンベルク稿とか手稿とか呼ばれます。

KHM25「七羽のカラス」
エーレンベルク稿では40番「三羽のカラス」となっています。え?三羽?
初版。25番「三羽のカラス」
2版。25番「七羽のカラス」
あと7版までずっと、25番「七羽のカラス」

グリムさん、初版を出した後で変えたんだヾ(•ω•`)o
比較します。

1、カラスの数が3から7に増えてる。

2、なぜカラスになったのか?
エーレンベルク稿・初版:息子たちは、教会で礼拝のときにトランプ遊びをしていた。母親が呪った。
2版以降:妹が生まれ、息子たちはその洗礼に使う水を汲みに行ったが、我先に汲もうとしたので、つぼを泉に落としてしまった。父親が呪った。

3、指輪
エーレンベルク稿・初版:妹が旅をしていると、カラスが一羽とんできて妹に指輪を投げ落とす。それはかつて末の息子に妹がプレゼントしたものだった。ちなみに、妹が旅立つときに持って行ったものは、椅子だけ。
2版以降:妹は旅立つとき、両親の指輪を持って行く。ほかに、パンと、水を入れたつぼと、椅子を持って行く。

違いはこの3つです。
あとはほぼ同じ。

『グリム童話を読む事典』(高木昌史編著/三弥井書店)によると、ヤーコプが1815年に入手したと思われる「ウィーンの物語」のものと、冒頭部分を差し替えたそうです。

もとは、息子たちに、完全に非があったんですね。
のちには、親の誤解で呪われた。息子は被害者。呪いが解けたきっかけが親の指輪だったのもうなずけますね。親の謝罪の意味があるんだ。
なぜ妹がつらい旅をしなくてはならなかったのか、2版以降では、自分の誕生がきっかけだったからですね。献身の意味が納得できます。

ウターさんは、「KHM25は、死と再生の物語である。ここで死は動物の変身によって象徴されている。この昔話においては、呪いと救済が中心テーマである。」と述べています。

ATU451「兄たちを捜す乙女」
女の子が、動物(鳥)に変身させられた12人(7人、3人、6人)の兄を救う」話。おもに3つの型があって、混じり合っているそうです。
グリム童話では、9「十二人兄弟」、49「六羽の白鳥」が類話です。

『オットーウベローデグリム童話全挿絵集』古今社より「七羽のカラス」

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今日のレパートリーの解凍
「七羽のカラス」『昔話絵本を考える』松岡享子著/日本エディタースクール出版部

 

 

 

グリム童話「みつけどり」🍀

なんだか夏みたいに暑いですね(⊙_⊙;)

今日のおはなしひろばは「めうしのブーコラ」。
《外国の昔話》に載せてますが、この話、ほかのテキストでもありますね。

お、今、確認したんだけど、《外国の昔話》に行って「雌牛のブーコラ」をプチっとしたら、ブーコラのテキストが見られて、1年生に語ってる音声が聞けた。
って、どうってことないか(笑)
そこの解説に、《昔話雑学》で呪的逃走を調べろって書いてあって、《昔話雑学》に行ったんだけど、トピックスに「呪的逃走」がない!
で、検索ってとこに「呪的逃走」を入れてプチっとしたら、二つヒットした!
「逃竄譚」と「昔話の起源」
へえ~ヾ(≧▽≦*)o
おもしろいよ、やってごらん。

前置きはこのぐらいにしてO(∩_∩)O
「雌牛のブーコラ」は、「三枚のお札」と同じく呪的逃走の話なのです。
主人公が恐い物から逃げるんだけど、逃げるときに、背後に呪的なものを投げる。お札とか、くしとか。そしたらそれが、山とか森とかの障害物になって、追っ手を阻む。それが呪的逃走の一つのパターン。

もう一つのパターンは、主人公が何かに変身して、追っ手の目をくらます。「みつけどり」は、この目くらましのパターンね。

レーンヒェン(女の子)は、みつけどり(男の子)を連れて、ザンネばあさんから逃げるの。
召使に追いつかれそうになったとき、変身する。
1回目:レ・バラの花、み・バラの木
2回目:レ・シャンデリア、み・教会
3回目:レ・かも、み・池

じつは、わたし、子どものときから時々この類の夢を見る。
追いかけられてる夢で、もう絶対逃げられなくなったときに、立ち止まって、木とか別の人に変身して立ってるの。
これ、こわいよ。
ああ見つけんとって~
ばれませんように~
そんな夢。
みなさん、そんな夢、見ません?

それで、「みつけどり」が好きなのです。

昨日、TVニュースで、小学生が「おにごっこがしたい」って言ってました。
涙が出そうでした。おにごっこ、好きだものね。
みんなで遊ぶ、一番単純な遊び。道具はいらない、ルールだけがあればいい。

色んなルールがありますね。
すわり鬼:捕まりそうになったらすわる。
いろ鬼:捕まりそうになったら指定された色のものに触る。
たか鬼:高いところに上る。
かげふみも鬼ごっこの一種かな。

みなさんは、どんな鬼ごっこを知っていますか?

でね、呪的逃走の話は、鬼ごっこにとってもよく似ていると思うのです。
だから世界中にあるし、子どもたちも好きなんじゃないかなあ。


『オットーウベローデグリム童話全挿絵集』古今社より「みつけどり」

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今日のレパートリーの解凍
「大工と鬼六」『日本の昔話』小澤俊夫再話/福音館書店

 

 

おかゆの岸のつくり方🍚

ロシアの昔話「がちょうはくちょう」『おはなしのろうそく27』東京子ども図書館

うん、きのうは黒パン、今日はおかゆ^3^

あのミルクの川がおかゆの岸の間を流れてるってやつ。
私のイメージでは、おかゆって、やわらかいのね。
トロっとしたおかゆの岸がイメージしにくい。で、硬めのおかゆって、考えてたの。

調べました。

「がちょうはくちょう」の他の人の翻訳。翻訳者のみなさん、おかゆ?
「ババヤガーの白い鳥」『ロシアの昔話』内田莉莎子編訳/福音館書店
⇒ゼリーの岸
「鵞鳥白鳥」『ロシアの民話上』中村喜和編訳/岩波書店
⇒ゼリーの岸
「魔法の白鳥」『ロシアの怪奇民話』金本源之助訳/評論社
⇒ジェリーの岸

あらら。ゼリーなんだ。
おかゆって訳したり、ゼリーって訳したりってことは、私たちの知らないロシア独特の食べ物なんだろうね。

で、きのうの『悪魔には2本蝋燭を立てよ』で確認。
「ロシアの『白米城』」にこうあった。
「ミルクの川が流れ、川岸はキセーリでできていて、野には焼けたシャコがころがっていた、そんな昔のこと・・・」
これ、ロシアの魔法昔話の発端句なんだって。
ミルクとキセーリと焼いた野鳥は、かつてロシア人の食卓になくてはならない物だったそうです。

ロシアの伝統的な食べ物キセーリ。
キセーリって、いまは果物なんかをピュレ状にした飲み物で、ジュースやミルクを入れたくず湯みたいなものなんだって。
やっぱり固形物じゃないね≡(▔﹏▔)≡

ところが、かつては違った!
『ロシア料理物語』(N・I・コヴァリョフ著)につくり方が書いてあって、その訳を引用させてもらうね。

カラスムギのひきわり100グラムに熱湯300グラムを注ぎ、暖かいところに一昼夜置いたものをふるいで濾す。これに塩2グラム、砂糖8グラムを加えてまぜ、バターを塗った深皿に移して涼しい場所に置く。冷めてからそれを切り分ければキセーリの出来上がり。

切り分けるんだから、固形物だ!
レシピからイメージすると、日本の「ういろ」に似ているって。たしかに!

ほら、調べると、イメージがしっかりしてくるでしょ。
ミルクの川が流れているのは、昔のキセーリの岸なんだ。
ういろの岸。
ああすっとした。
ういろにミルクをかけて食べるんだ。可能ですね。味は知らんけど。

伝統的なキセーリはゼリーのようなデザートでも飲み物でもなくって、栄養価の高い滋養に富んだ食べ物、腹持ちのする食べ物だったのです。

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今日のレパートリーの解凍
「ギーギードア」『おはなしはたのしい』たなかやすこ

《ステップアップ》をリニューアルしたので、活用してくださいね~
いつお話会が始まってもいいように、がんばろう(✿◠‿◠)

マーシャと黒パン🍞

今日は日曜日。本読んでたの。
面白いこと発見。
『悪魔には2本蝋燭を立てよ』齋藤君子著/三弥井書店
副題が「ロシアの昔話 俗信 都市伝説」

そのなかに、「パンとパスタ」っていう項があってね。
ロシア人にとって、パンは神聖な食べ物で、豊かさの象徴でもあるんだって。
日本でいえば神棚のようなところに、いつもパンが供えられて、パンは、神様からの贈り物でもあるし、神様そのものでもあるんだって。

パンを切り分けるのは一家の主人、パンをこねて焼くのは主婦の仕事。
パンを焼くのにペーチカの中に入れるときはしゃべらない。床をはいてもいけない。
タブーが色々あるそうです。

タブーを守って焼き上げたパンは、お守りになるから、新生児のゆりかごに入れたり、旅に持って行ったり、引っ越しに持って行ったり。

その神聖なるパンが、黒パンなんだって。
ライムギや大麦で作る。
19世紀になってやっと、ロシアの南部に小麦栽培が増えてきて、小麦のパン,つまり白パンが食べられるようになった。それもぜいたく品だったわけ。
ロシア中部北部では、ほとんど黒パン。
大麦しか取れない地域の黒パンは、翌日になると斧でたたき割らなければならないほど固くなってしまうそうです。

ロシアの昔話「がちょうはくちょう」『おはなしのろうそく』で、マーシャとペーチカのやり取りのところ。
マーシャは黒パンは嫌、うちには柔らかなふわふわした白パンがあるっていうでしょ。
たしかにここはマーシャが我儘でぜいたくだってわかるところだけど、そんな食糧事情もあったのね。
そしてそれだけじゃなくて、宗教的にも意味があったんだ。
神さまの贈り物に対する不敬。
それを戒める目的が、このモティーフにはあった。

背景を知ると、話が深まるね~ φ(* ̄0 ̄)

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今日のレパートリーの解凍
「さんびきのこぶた」『イギリスとアイルランドの昔話』石井桃子編訳

おはなしひろばはお休みですm(__)m