日別アーカイブ: 2015年4月25日

現代の語り手 byヤン

4/21「語りを始めるお手伝い」へのごぶさんのコメントにお応えします。
伝承の語り手は過去の記憶の中から語る。
たぶん、語れる人だけが語り手になる。
昔話の言葉を自在に操れる人がよい語り手になる。
現代の語り手は、本に書かれている「テキスト」から覚えて語る。
わたしも含め、我も我もと語り手になる。
昔話の言葉も知らず、日常会話も不得手なままに。
あ〜恐〜〜(笑)
そやからね……
現代の語り手にとって、テキストは絶対です。
だから、よい語りをするためには、よいテキストを手に入れなくてはいけませんね。
では、よいテキストはどこにあるか?
ストーリーテリングの本拠地(笑)東京子ども図書館が「おはなしのろうそく」
を出していますね。
ほかに、「語るための〜」「子どもに語る〜」等々。
けれども、東京子ども図書館の「レクチャーブックスおはなし入門」シリーズに
も書かれているように、実際に語りをすると、テキストの文章に変更を 加える
必要性も出てくるのです。
語り手の個性は百人百様だし、テキストの作者・再話者も姿勢が様々だから。
つまりテキストに手を加えていいのです。
けれども。
そうです。さらに「けれども」です!!!
テキストが本になって出版されるまで、才能ある方たちがどんなに苦労しはった
と思いますう?
一言一句、血と汗と涙の結晶ですよ!
かんたんに変えていいはずがない。
テキストに手を入れるなら、それと同等、とは言えないまでも相当の努力と苦労
が必要です。
と、私は自分に言い聞かせています。
では、どのような努力か?
創作は原則変えてはいけないと思っているので、「昔話」について、私がしてい
ることを告白します(笑)
1、昔話の資料集と再話集を限りなく読むこと。
ひとつひとつの話はすぐ忘れるけどね、でもいいのです。見えてくるものはあり
ます。
ときどき、類話比較します。
2、『昔話の語法』を読みます。
その理論を自分が語ろうとする話に当てはめてみます。
昔ばなし大学を受講されている方は、文法指摘というあれに近いかな。
受講されていない方はHP≪語るために≫の用語集に書いてある本を読んでみてね。
3、語って語って語って、自分の耳に聞かせます。
口がOKというのではなく、耳がOKというかどうかです。
そのあと、申し訳ないけれど、聞き手が実験台です。
上記2と3の工程を経ていれば、たいていは聞き手もOKですが。
4、おなじ話でも、何年も語っていると、細部の言葉が変わってきます。
聞き手の要求によって変わる。
でも、自分の怠慢によって変わることもある。だから、テキスト確認。エンドレ
ス(笑)
なんでそこまでやるう〜って?
当たり前やん。
昔話は人類の文化遺産ですよお〜
聞き手の子どもたちは人類の未来ですよお〜
わお〜
たのしいよ〜♪
ごぶさん
わたしは、他の語り手に、変えてはいけませんと言い切ることも、変えてもいい
ですと言い切ることもできません。
ただ、わたしの講座に来てくださっている初心の方々にはこういいます。
「練習していてどうしても覚えられないことろがあったら、いうてね。テキスト
を変えられるかもしれないから」
こたえになったかな?
ごめん、なってないね……
  ヤン