月別アーカイブ: 2018年2月

2月の日常語による語りクラス

2月は、かぶさんにかわって、ジミーが報告します(^^)

語り
金剛山のとら 語りの森HP → こちら
さるの顔はなぜ赤い 語りの森HP → こちら
雪おなご 『日本の昔話5』福音館書店
テキスト
きつねの小判 『日本の昔話1』福音館書店
ひょうたんの化けもの 『日本の昔話3』福音館書店
犬の足 『日本の昔話3』福音館書店

今日は、いつもより人数が少なく、こじんまりと顔を近づけての勉強会でした。
あるかたは同じ話を何度も語り、あるかたは同じジャンルの話を続けて取り上げ…
勉強会を続けていると、各自の好みと傾向が垣間見られるのが楽しみでもありますね。
福音館書店の『日本の昔話』から話を選ばれているときに、わたしはよく、読んでいるはずなのに記憶になく、「こんなおもしろい話、あったん?」と思うことがあります。
今回も出ました!
小犬だと思って育てたらきつねだったというおはなし。
まちがう?
でも、柴犬の子ときつねの子は、よく似ているんだそうです(かぶさん談)
それと、ヤンさんが語ってくれた雪おなご
怖い話ですが、日常語ですから冷たい怖さがなくなっていて、話の面白さがストレートに伝わってきました。
日常語で語ると聞き手が怖がっていたら和らげることもできるし。
みんなで喜んで聞きました!(^^)!
雪おなごを語る人が増えるかも。

子どもたちの語り👧

先日、ある小学校での子どもたちの語りの実践を見せていただきました。
3年生です。
子どもたちは、グループに別れ、覚えた話を保護者の前で発表しました。
各グループのメンバーが全員語り、聞いていた保護者の方たちが感想を述べ、昔話って何かを話しあい、考えを深めていました。

え? 子どもが語るの? って?
そうなのです。テキストをそのまま一字一句覚えて語るのです。
ひとりで語る子もあれば、ふたりで掛け合いで語る子もいます。
ときどき手を動かして、動作を入れて語る子もいます。
ほんとうに、みんな、完璧に覚えて語りました! とってもじょうずに!

テキストは、『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』から。
「半分のにわとり」
「お百姓と地主」
「メケー・ドマ」
「だんごころころ」
「ありとこおろぎ」
「六匹のうさぎ」

「間(ま)を考えて工夫して語りました」という子どもたちのコメントでした。
「間を考える」ということは、言い換えれば、ストーリーの流れとテーマを的確につかむということです。
自分たちで話しあい、聞きあって完成させたそうです。もちろん先生がたのご指導や、保護者の方の理解(お家で練習しますもんね)に支えられてのことでしょうが。

最初はまず「て・に・を・は」に苦労したそうです。
って、どこかで聞いたような話ですね(笑)

語りを聞いていて感激しました。

ヤンは、文字資料(ほとんどが絶版です)として埋もれている昔話を、本来の語りのかたちに生き返らせたいと思って再話しています。『~おんちょろちょろ』はその一部を公表したものです。
子どもたちにせめて「読んでもらいたい」、大人に「語ってもらいたい」、それを通じて、長い年月かけて「語り」が復活するようにという願いを込めて。ほとんど夢物語です。

でも! 子どもたちが、語ってくれたのです。

大人も敬遠する(笑)あの「ありとこおろぎ」を、楽しそうに、すらすらと。
「メケー・ドマ」を掛け合いで。

「どうか、いつまでも忘れないで語り継いでくださいね」って言ったら、目を輝かせて大きくうなずいてくれましたよ。
ほんとうに、ほんとうに嬉しかったです。

「さるかに」と「3匹のこぶた」

今日も、冷たい風がビュウビュウ吹いていて寒いです。
去る2月1日も雪が降る寒い日でした。
しかし寒さもなんのその、絵本の会主催の「昔話絵本を考える」勉強会に行ってきました。

講師のヤンさんが取り上げた昔話は「さるかに」と「3匹のこぶた」でした。
それぞれに大量の絵本を用意され、注目すべきモチーフを決めて、表にまとめた資料をもらいました。
資料には表の他にも、興味深い内容がいろいろありました。
例えば、稲田浩二さんの『昔話は生きている』からの抜粋とか、小澤俊夫さんの『働くお父さんの昔話』からの抜粋とか、昔話絵本や動物の命についての各氏の文章です。
昔話絵本には原話があり、原話には類話があります。
日本の昔話なら、類話を調べることもできます。
原話と当日用意してくださったたくさんの絵本を比べて見せてくださったわけです。
これがまあ、ええ!なんとなんで!どんだけ~っていうくらいもとの話と違うのがあるんですね。
違いが分かるのは面白かったんですが、同時に怖かったですね。
おはなしのボランティアをしている身としては、知らないでいることは怖いと思いました。
昔話の大事なメッセージが、絵本によってはなくなってるんですから。
わたしも、ジェイコブズの「3匹のこぶた」は、前は知りませんでした。
前半部分しかない話と、ブーフーウーの区別さえついていませんでした。
(そうです、わたしはブーフーウー世代。ちなみにブーフーウーの人形は辻村寿三郎です。ごめん、どうでもいいですね)
ですからね、絵本についての勉強も大変重要だと改めて思ったんです。
勉強することだらけですね。
でもね、参加者さんもおっしゃってましたが、語りの森で勉強している語法がいい絵本を見分けるのに役に立つんですね(^^)v
語法を勉強しておはなしのテキストを整えたり見極めたりすることが、絵本を見分けるのにも役立つわけで、語法の勉強と、お話をたくさん読むことがやっぱり大事なんだと思いました。
当日は、季節柄病欠や都合がつかずに来られなかったかたがいらっしゃると聞きました。
仕方ないことですが、終わってみて、ほんとにいい勉強をさせてもらったと思うんで、申し訳ないというか可哀想というか。
次の機会があれば、参加できなかったかたも、どうかぜひ!(^^)!
最後に、この勉強会を公開にしてくださり、お世話してくださった絵本の会のみなさんに最上級の感謝をささげます。
どうもありがとうございました<(_ _)>

今週のお話会 🌜

京都も、いかにも冬!っていう寒さです。
ここは山城地方でも南部なので、まだましかも知れない。
丘の上から京都市内を見晴るかすと、ああ雪降ってるなあって感じで白く煙っております。

はい、お話会の報告です。

1月29日(月)
小学6年生 授業 一クラスずつ2回
おはなし 「忠実なヨハネス」『語るためのグリム童話』小澤俊夫編訳/小峰書店
てあそび 「うめにうぐいす」
おはなし 「かめの遠足」『新編世界のむかし話1』山室静編訳/文元社
この子たちとは小学校最後のお話会です。
わたし「好きな話があってね、ずうっと聞いてもらいたいと思っててね、でも難しいから、今まで大事にとっておいた話があるの。聞いてくれる?」
子ども「ん」
わたし「でもごめんね、長いねん」
子ども「やったあ!」
ほう、そうだったんだ。長い話が好きだったのね。5年生くらいから30分前後の話をしてきて、聞くのがストレスかなあって、じつは思ってたの。よかったあ!

1月30日(火)
中学2年生 朝学習
詩 「すてきなひとりぼっち」同名詩集より 谷川俊太郎
おはなし 「一足のくつ」『木曜日はあそびの日』グリパリ作/岩波少年文庫
もうずいぶん慣れてきて、おたがいに変な緊張感はなくなってきました。
ただ、七クラスに七人が順番に入るので、おつき合いがほとんど年に1回。やっぱり、他人行儀になるわなあ。
あ、来年は担任制にしましょか~?

1月31日(水)
小学3年生 授業 3クラス合同+保護者のかたがた
おはなし 「七羽のカラス」『おはなしのろうそく』東京子ども図書館
おはなし 「猿の海岸見物」語りの森HP《日本の昔話》
おはなし 「雪女」 『日本の昔話5』小澤俊夫再話/福音館書店
おはなし 「アナンシと五」 『子どもに聞かせる世界の民話』矢崎源九郎編/実業之日本社
直前に自分たちの語りの発表が、ほぼ1時間。緊張で疲れていると思うのに、とてもよく聞いてくれました。
ね、このプログラム、いいでしょ。

2月2日(金)
小学2年生 授業 一クラスずつ三回
おはなし 「ジャックと豆の木」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』村上再話 (仲間)
おはなし 「こびとのおくりもの」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』村上再話
おはなし 「アナンシと五」『子どもに聞かせる世界の民話』矢崎源九郎編/実業之日本社
元気な2年生です。「ジャック」は手に汗握って聞いていましたよ。
「こびと」は、ぜったいいっしょに歌いますね。楽しそうに。そんなにおもしろいかな?
「アナンシ」は、ヤン、今お試し中(笑)。今のところ、1年生から3年生までやりました。手ごたえはこの2年生がいちばんピタッと来たように思いますが、もうちょっと語り重ねてみないと分かりません。幼稚園の4歳さんにもやってみるつもりです。

明日は図書館のお話会です。
遊んできま~す。