19日は中級講座でした。
お題
「黄色いリボン」『ホラーセレクション語られると怖い話』赤木かん子編/ポプラ社
「ろばの数」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』村上再話
「矢のくさり」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』村上再話
「やまんばと桶屋」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』村上再話
「水さがし」『読んであげたいおはなし 松谷みよ子の民話上』筑摩書房
「たにしとたぬき」『語りの森昔話集2ねむりねっこ』村上再話
さすが中級、みなさん、安心して聞けます。でも、それぞれに冒険もしている。それがとってもいいなあと思います。
「黄色いリボン」は、こわい話なんだけど、語った人の声質や個性のおかげで、陰湿にはならなかった。
あのね、子どもは恐い話が好き(きっと大人もー笑)だけどね、ひとりで本で読んだりひとりでビデオで見たりする怖さって、心の奥深くにぐさっ、じわって入りこむような気がするの。でも、よく知ってるおばちゃんが子どもの「恐い話して!」にお応えして「しゃあないなあ」といいながらかたったら、もちろん怖いんだけど、ぎゃあ!って共感することで心は傷つかないとおもうのね。だから、恐い話、語ればいいと思うよ。
それにこの話は愛の話だものね~
「ろばの数」は、笑い話。主人公がろばを数える所が三回あるんだけど、ぜんぶ同じ調子なので、「なんで?」ってきいたら、この男の人はそういう人なんだって(笑)
あ、そうか、だからろばの頭なんだ~!
それなら、もっととぼけたほうが、そのことがはっきりするし、おかみさんをもっとチャキチャキさせたら対比になっていいなと思った。
でもまあこれも愛の話ね。
「矢のくさり」は、本格昔話。アメリカインディアンのはなしで宗教観や自然観や風俗が独特だし、出てくるアイテムがなじみが薄い。語るのに難しい話です。こんなはなしは、自分が深くイメージすること、メッセージを深読みすること。語るときは、きちっとイメージさせること。かな?彼女には合っていると思う。
「やまんばと桶屋」は、一応怖い話。一応、というのは妖怪だからね。でも内容はそんなに怖くない。あ、やっぱり、何もかも悟られるのは怖いかも。桶とタガの説明がいるよね。ただ、短い話なのに、説明が長いと子どもは離れてしまうし、難しいところですね。わざわざ怖がらせないでとっても普通に語ってくださったけど、それでいいと思いました。
あ、そうそう、句読点は、文字を読むためのものだよ。語るときは無視しよう。
「水さがし」も本格昔話。ふつうに語るだけで十分楽しめます。松谷節やけどね。まあそれがダメだとは思わないし(笑)
しっとりした語りで、よかったんだけど、もうちょっと大きめの通る声をだしたほうが、内容が聞き手に良く届きます。個人的には、原話が知りたいと思った。
「たにしとたぬき」は動物話。「たにし」「たぬき」って言いにくいかも(笑)。この話は会話で活きる話なんだけど、テンポよく語れてたと思います。お年寄りに語るときと、子どもに語るときとでは、「間」のとり方を変えないといけないから難しいですね。
今回みなさんにおはなししたのは、一度自分の語りを思い切って崩してみませんか?ということでした。長いこと語りをやってると、いつの間にか自分の間とかテンポが、決まってくると思うんですね。それを、ガラッと変えて練習する。試してみる。
そうやってそのお話の姿にぴったりの語りかたを模索するといいと思います。
あ~、おもしろかったあ💙