今年度最後の研究クラスの報告です(^^♪
語り
「てんじくねずみ」 『子どもに語るグリムの昔話6』こぐま社
王女が、うまく隠れられた人をお婿さんにする、という話。
この話は、類話と比べると王女が気位が高くて誰とも結婚したくないという性格付けが強く、わたしはちょっとそれが驚きでした。
最後も、主人公を見つけられなかったので、仕方なくいやいや結婚したというのが、昔話の結末としての〝幸せな結婚〟のイメージがずれているような…
主人公は若者ですが、語り手が王女の特徴の描写を読んで王女に重きを置くと、王女が主人公のような感覚になるかもしれません。
実際、王女の説明は多いです。
語りを聞いたときに、うまく言えないけどなんか違和感がある、んじゃなかろうか、いや、ん~、なんだろう、みたいな(笑)感じになりました。
で、語りを聞いた後に詳しく語り手さんに話を聞いてみると、王女が主人公のような気持ちになっていたということが分かりました。
それって、聞き手には分かりませんよね。
勉強会だから、あとで詳しく話しあって分かることですから、やっぱり勉強し続けないといけないなと思いました。
いい発見だったと思います。
レポート付語り
「ハヴローシェチカ」 『語りの森昔話集2ねむりねっこ』語りの森
原話は、『ロシアの民話集上アファナーシェフ』岩波書店のなかの「おちびのハヴローシェチカ」です。
同じ話型のグリム童話「一つ目、二つ目、三つ目」や、他の類話との比較、アファナーシェフについて調べたことをレポートにまとめて説明してくださり、資料としてうれしいレポートをいただきました。
新しくおはなしを覚えるとき、1話ずつこうしていけば一番いいのだけれど、全くできていないので研究クラスのメンバーさんのレポートはいつもありがたいです(⋈◍>◡<◍)。✧♡
それにしても、リンゴをとるだけで結婚してもらえるなんてすごいことやと思っていましたが、そうではなくて、「とってきてくれたら結婚してもいいほど素晴らしいリンゴ」なんだということを読み取るんだと教えてもらい、ハッとしました。
スーパーに売ってる、特選のシールが貼ってあって一つずつラップされてるような、そんなもんじゃないんです!
人生をかけてもいいくらい欲しいリンゴなんだという気持ち、これが大事なんですね。
「てんじくねずみ」のところでも出ましたが、語り手がどういうつもりで語っているのかは聞き手には分かりませんが、語りには何かしら表れてしまうようです。
だから、テキストを心して読み込まないといけませんね。
呪的逃走の物語の読み合わせは、今回2話進みました。
「魔女の妹と太陽のお姉さん」「バーバ・ヤガーと月たらずの子」
どちらもロシアの昔話です。
ロシアの昔話は特に華やかなアイテムが続々と出てくるので豪華だそうです。
金・銀・銅・太陽・ダイアモンド、etc
思わず「再話した~い」と、みんながいうので、これは競争ですね~(笑)
ヤンさんの語りは、「酋長カイレ」でした。
カイレについては、3月6日のブログに詳しくあるのでご覧くださいね。
ほんとに、ほんとに、いい話です。
何度でも聞きたいわ~~