月別アーカイブ: 2019年3月

ブックトークその後🎁

しばらく「今週のおはなし会」の報告をしてなかったけどね、お話会はあったのですよ😁
いまさらまとめて書けないので、ブックトークでちょっと心に残った事を報告します。

小学2年生で2月に雪のおはなし会をした、その報告はこちら
でね、3月、同じ子どもたちの所におはなし会に行ったらね、何人かの子が、「きょうは、おはなしだけ?」ってきくの。
「そうよ」って答えると、ニコッと笑って「よかった」って。
ブックトークが不満だったんだって。
そういえば、紹介をしているとき、しきりに「読んで」「今読んで」って圧力をかけてきてたのね😅

紹介された本が面白そうだったから、すぐに読みたかった(読んで欲しかった)のです。
だからブックトークとしては成功だったのです。
けど、10冊程度を紹介する本格的なブックトークという形自体に、疑問が残りました。
ふだんは30冊をどーんと紹介するのね。すると、子どもたち、わあってよろこんで、おはなし会が終わったらわれ先に手に取って読む。
そんな形のほうが、いいなと思いました。

さて、5年生では、「児童文学の古典」をテーマに、30冊ドーンと紹介しました。
やっぱりおはなし会が終わると、わあって寄ってきて手に取りました。
「次のクラスが終わったら、教室に持って行ってもらうからね」といって、休憩時間になりました。
すると、男の子がひとり、残って、スティーブンソンの『宝島』を読みはじめました。
20分の休憩時間、没頭していましたね。
ああ、同志や💕 と思って、めっちゃうれしかった。

このブックトークでは、1745年にニューベリーが初めて子供の本屋を開いたことを話しました。
そして、それ以来、子どものために書かれた本がたくさん出版されたこと、売れるためではなくて、子どものために書いた人たちがたくさんいたこと、それは今でも出版され続けていること、そんな話をしました。
そして、
「みんな、もうすぐ大人になるね。これらの本は、子どものために書かれたお話だから、子どものうちに読んでね」といったら、みんな、まじめな顔で、うなずいてくれました。
そのときに、担任の先生が、京都駅の美術館に『長くつしたのピッピ展』に行ってきたことを話されました。
子どもたちと先生と、ともに喜んでくださって、ボランティアとしてすっごくやりがいを感じましたねえ。

この学校のおはなし会は、今年度の最終が1年生の朝学習でした。
「かしこいモリー」を楽しみました。
わたし「長いお話がよく聞けるようになったねえ」
子ども「長いお話をよく覚えられるなあ」
ちゃんちゃん🤣🤣🤣

昔話の語法勉強会の感想から3😄😄😄

👩‍🏫感想
河合隼雄が日本の昔話について話していたのですが、ヨーロッパの昔話の結末とは違い、あわれ、最初の状態に戻る話(鶴女房、みるなのくらなど)、といった種類の話についても掘り下げてみたいです。

🕵️‍♂️おおお、すごいなあ。
河合隼雄さんは心理学から昔話にアプローチされていますよね。ユング派やね。
ブルーノ・ベッテルハイムさんは、フロイト派の立場からの研究ですね。
このおふたりのご本は、読んでおくべくでしょうね。
どちらの著書も、とっても興味深いです。それがすべて当たっているかどうかは、分からないけど。

小澤俊夫先生(心理学ではありませんよ~)は、ヨーロッパで「鶴女房」とかを紹介したら、「え?そこでおしまい?」って訊かれるとおっしゃっていました。ヨーロッパの本格昔話では、恋人が変身して逃げるまでが話の導入で、逃げた相手をさがしに行くのが話のメインになってるものね。日本の場合は、始まったと思ったら終わっている(笑)
『昔話のコスモロジーーひとと動物の婚姻譚』小澤俊夫著/講談社学術文庫
に詳しいです。おすすめで~す!

あ、そうそう、先日質問されたのに覚えていなかった昔話の語法勉強会でとりあげた今までのテーマを《プロフィール》の単発勉強会のところに載せておきましたよ🎇

忘れものは何ですかあ😂

あれ?
自転車がない!
出かけようと思って玄関を出ると、ガレージに自転車がない。ぽあんと変にひろい。
わたし「なあ、自転車がないねん」
夫「乗って行ったんと違うん?」
わたし「うううん!どっこも乗って行ってない!」
どろぼうにとられたんやと思った瞬間に思い出した。
わたし「スーパーに乗って行ったわ」
夫「びっくりするわ」

あれ?
自転車がない!
おはなし会から帰ろうとして、自転車置き場に行ってとほうに暮れた。
職員室にたずねに行って、ドアを開ける瞬間に思い出した。
自転車、乗って来てなかった。

スーパーのレジで支払いを済ませた。
わたし「お待たせ~」
夫「荷物は?」
わたし「何の荷物?」
夫「買ったもん!」
あ!
振り返るとレジのお兄さんがかごを持って困っていた。
夫「びっくりするわ」

ええねん、ふりかえらへんねん。いつも前向いて歩いてるねん。
夫はめったに忘れものをしない🙄

昔話の語法勉強会の感想から2😄😄

🙋‍♀️感想
昔話の性別役割分担(おばあさんは川へ洗濯に、などの)や、結末で、お姫さまと結婚することが主人公の幸せになることに、引っかかりを感じることがあって・・・

👨‍🎓そうですよねえ。
社会的に求められる性別役割(ジェンダー)と昔話について、研究されている学者さんは確かにおられますが、まだまだ新しい分野かなと思います。だから、わたしたち、研究の成果を参考にすることはできない。つまり、語り手が自分で考えないといけないってことやね。

たとえばね。
男性は外で働き、女性は家事をするのが当たり前の社会だとして。子どもに「おばあさんは山へ柴刈りに、おじいさんは川へ洗濯に行きました」って語ったら、子どもは間違いなく、「なんで?」「どうして?」って尋ねると思う。特別の事だって感じると思うのね。
でもね、その子の父親が主夫で、母親が外で働いている場合、「おばあさんは山へ柴刈りに、おじいさんは川へ洗濯に行きました」って語ってもぜんぜん疑問に思わないと思う。ね?

つまり、その昔話が語られたときの社会や家族のありかたが、そのまま、そのお話に反映されている。
そして、口承がほとんど途絶えている現代、わたしたちが読むのは、資料に残っているひと昔もふた昔も前の昔話。グリム童話なら200年も昔やね。
そうすると、いまは、それが語られた時とは世の中のありかたがずいぶん変わってきているから、「納得できないなあ」って思うことは当然出て来るよね。特に今、ジェンダーの問題は大きく変わろうとしている、というか、変えていかなければという潮流がある。

問題は、それをどう納得するかよね。

ただ、わたしが思うのはね、役割分担も、お姫さまと結婚して幸せになるのも、それは、そのお話のテーマではないということなの。
そういう舞台設定だけれども、伝えたいテーマは、知恵を出せとか、親切であれとか、誠実であれとか、いつの時代にも普遍的な価値なんよね。そこに性差はない。
だから、女は貞淑であれとか、男だから勇敢に戦えとかというテーマでなければ、わたしは、抵抗なく語れるかな。

けど、おじいさんは山へ行くもので、おばあさんは川で洗たくするものでって、ステレオタイプというか、子どもに繰り返し語って刷り込んでしまうと怖いなとは思う。

うん。この感想を書いてくださったかた、ありがとう。💕
昔話資料を読むとき、ジェンダーがかくされていないか、心にとめておきますね。

お姫さまや王子さまとの結婚については、昔話の語法や聞き手の子どもの表情で納得できる部分があります。
お姫さまや王子さまは極端な存在です。子どもは、たいてい異性に憧れます。その極端な結末が結婚です。
たとえそれがこころの異性であってもです。自分が男になって聞くか、女になって聞くか、聞き手の自由ですからね。

どちらにしても、納得できないから語れないと思わないで、納得できないから解決できるかどうか語ってみようという好奇心も大事かな。子どもはどんなふうに聞くだろう、自分の認識はどんなふうに変化するだろう、ってね。わたしは、よっぽど納得できない場合以外は、そんな感じでチャレンジしています。🏹

むつかしいねえ。
けど、おもしろいねえ🤗

昔話の語法勉強会の感想から1😄

2月26日の勉強会のときに、みなさんに感想を書いていただきました🖊🖋🖍
ありがとうございました。
みなさんからのコメントを励みにして、これからもがんばってやっていきたいと思います💗

その感想の中に、語法とは直接関係ないんだけど、昔話について、疑問や考えなどを書いてくださったかたがたがありました。
知っている範囲でお答えしたいのと、私自身の考えも言ってみたいので、何回かに分けて井戸端会議の話題にあげていきますね🌈

この日は、「おおかみと七匹の子やぎ」を取り上げました。詳しくはジミーさんの報告を見てくださいね。
この時の資料は、小澤俊夫先生の『語るためのグリム童話』(小峰書店刊)をテキストにしました。
『語るためのグリム童話』は、グリム童話の2版をもとに7版のよいところを取り入れたものです。
それで、昔話の語法を学ぶために、2版と7版を比較して、7版にはあるが2版にはない部分と2版にはなくて7版から取り入れた部分をみなさんに見てもらうことにしました。
そのため、まずは、エーレンベルク稿から7版まであるんだよということを説明しました。

👩感想
グリム兄弟が、たくさんの物語を集めていった過程(どんな人たちから、いつ頃から語られていたお話なのか)など、グリム童話にも興味が深まりました。

🕵️‍♀️グリム童話に関してはたくさんの研究があって、文献がいっぱいありますが、わたしは昔ばなし大学でまなんだので、やっぱり小澤先生のご本が、詳しく、基本的で、また分かり易いように思います。
おすすめ本で~す。
1、『グリム童話の誕生ー聞くメルヒェンから読むメルヒェンへ』朝日選書
2、『グリム童話考ー「白雪姫」をめぐって』講談社学術文庫
3、『グリム童話集200歳ー日本昔話との比較』小澤昔ばなし研究所刊
とくに1と2は、グリム童話の成立だけでなくて、今回の勉強会でちょこっとやった【版の比較】が詳しく説明されていて、おもしろいです。

以上👩‍🎓

そうそう、今後の語法勉強会の希望話を、おふたり、書いてくださってましたね。
「鉄のハンス」は長いから、次回は「馬方やまんば」にしま~す👹🐴