世界の児童文学みちしるべ🏕

 

『瀬田貞二 子どもの本評論集 児童文学論 上・下』(福音館書店刊)を読んで、報告の続きです。

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第1章 子どもに本を手わたすこと
その2 世界の児童文学みちしるべ 1960年発表
-マスコミ下の子どもによい文学をー

子どもが子どもとして扱われなかった時代、つまり児童文学がなかった時代にも、子どもは物語を楽しもうとしていました。
『水滸伝』『ドン・キホーテ』『天路歴程』『ロビンソン・クルーソー』『ガリヴァー旅行記』
大人の文学を子どもが自分たちのものにしてしまったと、筆者は言います。

最初に子どものための本が作られ売られたのは、ロンドン。
その本屋は、ジョン・ニューベリー。

その後歴史を経て、ディケンズやアンデルセンやグリムが登場します。

そして19世紀後半、子どものための文学がいっせいに花開きます。
写真で張り付けますね。みなさん、読んだことありますか?なければ、ぜひ読みましょうね。

20世紀に入って、ますます広がっていきます。

いいリストですね~
ぜひ読んで、子どもたちにも勧めようね~

ここまでが児童文学の歴史的な流れです。

現代は、子どもの発達段階に沿った本を、と考えるようになっているそうです。

小学校にいはいるまで:絵本で表現される物語や昔話
小学1,2年生:もう少し複雑な昔話や童話
小学3,4年生:神話伝説や空想物語(ファンタジー)
小学5,6年生:日常生活の小説やロマンス
中学生:それプラス、伝記や科学読み物

ふうむ。なるほどね。
小学校でのお話会、絵本の読み聞かせが中心になっていいものかどうか。
この文章が書かれてから60年たつから、絵本も進化はしているだろうけれどね。
高学年に読む絵本がないっていう悩み、当然ですね。

最後に、感動的な引用をします。

すぐれた本を読むことによって、子どもの子どもらしさが保たれ、はぐぐまれ、伸ばされる安定錨(いかり)の役目は、時代に比例していよいよ大きくなります。
眼に見えるような具体的な描写による論理や情感の整理、愛しあう者のグループの結びあう力、動物への同情と愛、眼に見えないもののうしろにある真実を洞察し共感する力、空想の楽しみ、値打のあることはゆずらずたゆまず貫く精神、美しさの好みというもの・・・・こういう種々な価値が、すぐれた児童文学には理屈ぬきで端的に示され、子どもたちはおもしろさにつられて読みすすむうちに、意識するしないにかかわらず、心地よさ、安らぎの形で、それらを心の奥深くに落ち着けていくのです。

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