日差しは暖かく、風は強く冷たいこの頃ですね。色んな花々も嬉しそうに咲いています。この風でぶんぶん揺れてます!そうやって、風が夏をつれてくるのかな。「まだまだ~」と寝ぼける夏を風が引っ張る様子がイメージされます。こちらはこちらで、季節問わず年中シュッシュッと、みなさん慣れた手つきで会場準備です。
ヤンさん 手遊びとおはなし
ぎおんの夜桜♪ ひとり、ふたり、さんにんのこども (おはなしのろうそく26)
1.ついでにペロリ『おはなしのろうそく6』東京子ども図書館
入門クラスで初めて覚えたおはなし。今回、テキストの細かい部分を見直すことができ、新たな発見があった。いけると思って臨んだが、緊張した。リラックスして語るにはどうしたらよいかが、課題だと感じた。第一歩目のおはなしとして、自分にとって大事なもの、我が子が飽き飽きしながらも(笑)練習に付き合ってくれた、とのことでした。
ヤンさん…入門クラスの時からまたよくなっていた。ある程度の緊張はあっていい。大人対象だと緊張するね。子供の前だとそこまで緊張しない。(みなさんの声)場数を踏んでいくことでほぐれてくる。
2.ラ・レアールの修道院長『語りの森HP』語りの森
こちら私です。頭痛持ちの王様がのんきな太った修道院長に3つ問題をだしますが、その間を取り持つ修道院の料理人の姿があります。私のイメージ…料理人はヤジロベーの真ん中の存在です。死と再生もテーマの一つで(私の予想)、問題に答えていく料理人が、だぶだぶの修道院長の服をするりと脱ぐ時、このシーンは痛快です。練習期間中に語りのヒントはないかと、ふと落語のことを思い出し、YouTubeで聞いてみました。米朝さんの「持参金」、おもしろかったです。落語の雰囲気!を取り入れたような形で、楽しく語れました。
ヤンさん…テキスト冒頭、修道院長の性格を表している会話文「王様、それはあなたがいつも…」を気軽に答える。そうすることで、話の課題がはっきりする(王様が院長をこらしめたい)。会話文の後の地の文、区別が分かりにくいところがあり、分かるようにする(間、言い方)。最初に出てくる「銀貨」「金貨」、ぎん きん わかるように言葉を立てる。落語は’間‘がなにより大事なもの。
3.首の短い男の話『語りの森HP』語りの森
好きなおはなしで、エントリー前から時々テキストを読んでいた。アイヌの村長の語りで難しかった。練習を録音して聞くとのっぺりしている。初級クラスでこの難しいおはなしを選んでしまったが、とても好きな話。首の短い男となって人間界に現れた「首のもげたとっくり」は自分の素性がわからなかったがために悪さをしていた。素性・育ちのベースのような部分。語り手自身の子供の頃、身近におはなしを語る人はいなかったが、父がお酒を飲んだ時には「あの話して!」と、実体験話なんかをよく聞いていた。子どもは大人のおはなしを聞いて、安心して大きくなっていく、自分の能力に気付くような所があるように思う、とのことでした。
ヤンさん…アイヌの語りは「わたし」一人称で語るので、慣れていないから難しい。それと同時に、難しものに挑戦することによって、手に入るものは大きい。覚える、語る、人前で語る、その段階ごとに自分のものになる。テキストの語りについて、「小便飛ばしをしよう」と男がいうところが、子どもが言っているように聞こえたので、神的な存在であることを性格付けする。また、「御幣(ごへい)」アイヌではイナウといって、日本のものとは違って、木から削り出したもの。神への供物。岩波書店で、日本語もアイヌ語も堪能だった知里幸恵さんの本がある(アイヌ神揺集)。本を読むことで、アイヌについて自分の中に持っている世界が変わる。
なぜ、アイヌの語り手は一人称で語るのか?…質問されたご本人Uさんの宿題となりました♪
4.ひなどりとねこ『子どもに聞かせる世界の民話』実業之日本社
小学校で朝学習に語る予定、ねこの気ままさ、平和なおはなしが気に入った。語っている時に、テキストと違うなと自覚しながら語っている部分もあった、とのことでした。
ヤンさん…ちょっと猫が恐かった。知らないおばちゃんの語りとなると、こちらが思ってる以上に怖さなどを聞き手は感じるもの。全体的に薄めて。ひなどりのくしゃみとお母さん鳥のやりとり面白かった。「だめよ」猫に見つからないように隠れているお母さん鳥の言葉、禁止のだめ?焦りのだめ?語り手によって解釈違うが、めんどうくさくなった最後の「いいわ」の言い方も考えてみて。ここで、子どもが「わー!あかん!」となるし、はっくしょん!で喜ぶ。世界に入り込んでいると子供が一緒にくしゃみをしてくれる。聞き手と楽しむおはなしであり、終盤が大事。
Tさん…皆さん初々しく、最初が硬いですが、いつかふわっと緩む時が来る。うまくなったやん私、と思う時が危ない、これは体験談。ヤンさん…過去を思い出し、自分を励ます!(笑)
5.クルミわりのケイト『おはなしのろうそく10』東京子ども図書館
ずっと練習していたがあいだが空いた。前に語ったものなので、大丈夫と思っていた。3回の繰り返しで言葉が変わるところが分からなくなった、練習不足。中学生に語る予定、とのことでした。
ヤンさん…年齢が上がるほど反応がおとなしくなるので、語りにくくはなる。また、本番と同じように練習する。座って語るのと、立って語るのと、お中に入る力が違う。立った方が声出る。また、3回の繰り返しの違い、言葉を完璧に覚える。ストーリーの展開があるので、場面転換で間をとると分かりやすくなる。
6.ほれ薬『語りつぎたい日本の昔話 吉四六さん』小澤昔ばなし大学再話研究会 小峰書店
おもしろい、楽しいおはなしを選んだ。テキストの言葉を自分のものにする難しさ、とんでもないことだと思いながら取り組んだ。覚えている期間の約一カ月に波がある。言葉がすっと覚えられて楽しい時もあれば、すじの運びが分からなくなる時もある。そして、それを超えるとまた楽しくなっていくような、色んな段階がある。語りつつおはなしの世界に入る難しさがあると実感がある。心の耕し方のような部分。いざ人前で語るとなると、あがってまっしろになる。決まった言葉をきっちり覚えて語りたい、とのことでした。
ヤンさん…私も真っ白になったことがある。語り10年目くらいの勉強会での創作話。練習した分すべてを、先生の前で聞いてもらいたいという自意識がでたから。子供の前では真っ白になったことはないなあ。聞き手と楽しむ、気持ちを持っていく。それと、真っ白にならないようにたくさん練習する。つまった時、子どもの情け深い目(笑)があるので、言葉を変えるなり、思い出すなりする。そんな状況も含め、楽しめたら良い。
Tさん…おばちゃんは媒体、イタコ。子ども達は‘おはなし‘を聞いているのだから、私が見えたらよくないと思うようになったら、落ち着くようになった。
ヤンさん…テキスト、ちりりん、ころろん…何の音かなと思ったら下駄の音だった。下駄の音と後で分かればよいが、聞き手を選ぶ。大人や中学生が楽しむおはなし。
みなさんの語りとそれを通しての対話、本当に楽しく充実した、おいしい食べ物を食べるような、栄養ドリンクを飲むような、あったかい言葉のシャワーを浴びるような、奥深い時でした!それぞれの表現でそれぞれ素敵なみなさんの語りが、子供たちに届けられるようにと心から思います。物語は人によって語られ、解放される必要があると、ある人が言っていました。私もおはなし会が終わった後の帰り道、おはなしが喜んでいるなと感じる時があります。聞き手も私も喜んでいるおはなし会ができた時です。自己満足の思い込みかもしれません。一瞬より少し長い時間で、語り手も聞き手もおはなしも、一つに重なる時を感じられると、なんかそんなことを感じます。充足感が体に刻まれるように残ります。そして、その喜びが次に繋がるので、何を覚えようかな、何のおはなしにしようかな、どんな顔するかな!とわくわくします。そうやって、5年、10年とみなさんおはなしの魅力にはまり込んでしまうんですね。ヤンさんが先日ブログで書いていたことを思います。そうやって、おはなしが人間の体を使って生きながらえている、言葉が私たちを使っている!やはり私たちは媒体ですね(笑)
来月はお休み、次回は6月8日(火)です。
ウーカーさん、報告ありがとうございます!
めっちゃ詳しいですねo(*^@^*)o
初級クラスの方たちは、まだ5年未満なので、語りの場のない人のほうが多いです。子どもとかに語ったことがない人ね。だから、間(ま)とか語りかたなんていってもピンとこないかなあと思いながら、しゃべっています。
ほんとは、いまは、それよりも、たくさん読んでたくさん語ること、正確にしっかり覚えることが大事ですね。
それと、語るとき緊張するって話題がでましたね。これ、しゃーないですヾ(≧▽≦*)o
ヤンは、NHKの生放送で気が遠くなるほど緊張する経験を何回かしたけど、いまだに緊張するもの・・
アイヌの話について、来週、昔話雑学にのせますね。ただ、なぜ一人称で語られるのかについては、まだ調べが及んでいません.Uさん、よろしく~
ヤンさん、コメントありがとうございます。しっかり覚えて、たくさん語る。練習に練習、口が無意識にペラペラになるまで☆そして、語りの場、空間は、自分と聞き手がいたら出来上がりという具合に、私も4才の姪っ子に遊びの途中で、新しいおはなし聞く~?と誘ったり、お隣のお孫さん捕まえたり(笑)してます。二人だけのちっちゃなお話し会、幸せとともに、語りの場としてカウントに入ってます。自分のものになる、が自然とやってくるようです。
ウーカーさん、いつも丁寧に書いて下さって、こちらで再度復習させていただくのも楽しみになっています。
知里幸恵さんの本も図書館のHPで見つけて予約しました!
お話を覚える前に、そのお話の背景を調べて想像するのも楽しい時間になっています。
高校の時、修学旅行で北海道に行き、アイヌの方々のお話や文化などに触れる場があった事を長い間すっかり忘れていたのですが、このお話をきっかけに思い出したのです。お話の世界観を追いかけていて、それが記憶の奥の奥に隠れていたものと合致して、取り出す事が出来た驚き!
イタコ、クロコになって伝える事、これは語りの場だけでなく、学習指導でも大事だとされています。主人公は聞き手であり、イタコになる事は相手を敬う事にも繋がりますよね。まだまだ自分が語るだけで精一杯です…
とにかく今は、ひとつひとつ丁寧に覚えて、語っていく事ですね。
フルーツさん、コメントありがとうございます。
アイヌの文化に触れていたんですね!潜在意識はおはなし選びにも関係があるんでしょうね。自分を思い出す。自分を癒し、聞き手を癒す、おはなしはどこまでも奥深いです…
そうですね。教師、師匠(親も)という導き手は、相手に尊厳を持って対する大切な仕事ですね。人間を育てる、ほんと難しく大変なことです。尊敬☆
あ、私も親でした。感情のタズナをしっかり握って、言葉選びを日々大切にしたいです。