冷たい風が吹き、寒くなってきましたね。きたかぜ~こぞ~のかんたろう~♪が流れてきそうなお天気でした。
1.ものをいうたまご 『語りの森昔話集4/おもちホイコラショ』語りの森
普段は学童で「おはなし聞いてくれる?」と声をかけて、子どもに聞いてもらっている。その学童の子どもたちに聞かせるのによいと思った。また、おはなしのテーマの解釈が自分にも、すっと入ってきたので選んだ。よく似た文、少し違う文を覚えるのが難しいと感じる。
ヤンさん
文字面で覚えるのではなく、イメージで分かっていくと覚えられる。しばらく行くと…、また少し行くと…、また少し行くと…、さらに行くと…、ようやくおばあさんの家につくと… 森の中を歩いて歩いて、ようやく着く。それをイメージして解釈していく。また、文が切れているので、点は無視して一息で言う。『ブランシが井戸まで行くと、一人のおばあさんに会いました。』切れると、その間で聞き手に考える隙を与えてしまう。その度に、「何かな?」と思ってしまう。切らずに言うと、聞き手がイメージできる。それを自分の課題にしたら語りが変わると思う。
2.三つの五月のもも 『語りの森昔話集2/ねむりねっこ』語りの森
言葉が自分のものになってない状態だった。自信がなかったので、慎重に、固めになり、だらだらしてしまった。終盤の『ところが、王様はまだあきらめようとせず…』で、聞き手がまだ続きがあるということ(最後の大事な部分)をうまく受け入れてくれるような語り方をしたいなと思う。
ヤンさん
語り手が大事と思って語ったらよい。まだあるぞ、ここからやで!という気持ちでいればよい。『三つの袋を真実でいっぱいにしなくては…』真実は見たり触ったりできない物、王様が不思議な事をいったぞ!?と子どもはまた引き付けられる。そこで、『キス、とんぼ返り、ろばのおしりにキス』の言葉を立てると『三つの真実』とが、ばちっと合って分かる。また、全体を通して言葉の重さが同じになっていた。テキストの文には、大事な文、そうでない文がある。聞かせたい文、繋ぎ文、気持ちの重いところ・軽いところがある。子どもは全部をばっと語られるとしんどい。力を抜くところでは抜くと、深みが出て語れる。そして、細かい部分では、『100匹のうさぎ、4日の間、』言葉を立てる。『地面に〈とびおりました、若者の前に〈ならびました』こちらを強調する。うさぎの行動の意外性を面白いと思って語る。
3.しんぺいとうざ『語りの森昔話集3/しんぺいとうざ』語りの森
娘のいる家の屋根に白い矢がささる、うちの家に白い矢が立ったのです、‘‘ささる、立つ‘‘に迷いがあるまま語っている。
ヤンさん
‘‘ささる‘‘はリアリティがありイメージしやすい。‘‘立つ‘‘は順番が当たる意味。使い分けて再話している。また、会話文をもう少し、話し言葉として語ると言葉が生きてくる。男の子の話し言葉はそのようにしているので、それに負けないように、お侍の話し言葉も工夫するとその方がおもしろくなる。そして、冒頭の説明文の後、間を入れて次の段落にいく。p72『真夜中、…』の前にも間を入れる。しーんという静かな間で、何が起こるのか?と思わせて、次の山場に入っていくとよい。
4.えんまさまの失敗『日本の昔話1/はなさかじい』おざわとしお再話
おはなし会で子供に語る予定。前の人の語り(しんぺいとうざ)を引きずっていたことに途中で気が付いた。集中できていなかったかなと思う。一字一句大事にしたいと思っていたが、とばしてしまった箇所もある。医者がえんまさまの腹の中でこう薬を貼って、神主、かるわざ師、医者が順に口から飛び出すシーンで、一人目、二人目は同じ言葉表現になっていて、三人目は違う表現になっている。一人目、二人目の語り方に違いを出した方がいいか、同じ調子で語った方がよいかと思っていた。
ヤンさん
ここは、図形的に語る場面で、切り紙細工のように口から飛び出す様子がイメージされる。昔話の平面性。1、2、3!の調子で、1,2は同じで良い。また、『か神主、かるわざ師、つるぎの山』の言葉を立てる。そして、つるぎの山を登る時の表現で、『すいすい』は滑っているのではなく、困難なく登る様子で語る。
Kさん手遊び 花さかんひらいた ジャンケン(遠野のわらべうた)
ヤンさん語り ひなどりとねこ 『子どもに聞かせる世界の民話』実業之日本社
ノート式おはなし講座p38~(詳しくはノート式をお読みください)
4.恐い話の語り方
子どもの心の中には得体のしれない物への恐怖心や、先が見えないことへの不安感があります。それをはっきり目に見えるものにして克服したいという無意識の欲求があるのでしょう。怖い話は子供にとって大事なんですね。「恐いはなしして!」という裏にそんな欲求があるとは。積極的に怖い話もレパートリーに入れたいです。
a.ジャックと豆の木、めし食わないよめさん、三枚のお札など、の本格昔話
子ども達は、はらはらドキドキしながら、怖さに耐えて聞きます。昔話では必ず主人公が幸せになり最後には勝つことが分かっているので、怖さに耐えて聞きます。次々おそいかかる危地から脱出するたびに、子どもたちは笑って喜びます。これは、緊張が緩和したときに起こる笑いです。
b.やまんばと桶屋、死人の手、九尾のきつねなど、子どもたちの好きな学校の怪談のような話
語り手は思いっきり楽しみながら、子どもたちの「こわがらせて」という欲求に、喜んで応えるといいです。この類の話はハッピーエンドとは限らないので、子どもを傷つけないように注意が必要です。
c.ちいちゃいちいちゃい、金の腕、くらいくらいなど、最後の一言で突然大きな声を発し驚かせる話。
間をとって恐さを感じさせる。…ヤンさんは、何の前触れもなく、『くらいくらい』を語り出しました。はぁこわかった~おもしろかった。強い感情をみんなと楽しむ、みんなと笑う、という事がとても大事で、特に固い雰囲気・場所でやることに意味があると思う、とのことでした。
同じ話を同じ人から、時間をおいて聞くという事を味わったことが、今回は印象的でした。おはなしに奥行きが出る、その意味を、体験を通して感じることができました。時間をかけて、ゆっくり育てていくんですね。ただ、自分の語りに限っては分かりづらいですけどね。楽しむ余裕がある語りで子供たちに手渡したいものです。ということは、語る予定がなくても過去のものを時々一人で語っておくことも後々大事ですかね。期間があきすぎると、完全忘却の恐れあり!新しいお話も覚えたいし、覚えた話を育てたいし…しかし、何事も早く得ようとすると空っぽになるといいますし、ゆっくり遊びながらおはなしの小道を歩いていきたいです♪
次回は12月14日(火)です。